2006年5月28日小川谷 犬麦谷
メンバー:きむひろさん、kuroさん
装備:ザイル8mm×30m、
天気:雨のち晴れ
参考ガイド:東京周辺の沢
昨年から相互リンクさせていただいているkuroさん、キムヒロさんとのジョイント企画。奥多摩周辺&遡行時間短めの沢
ということで"犬麦谷"を選択した。『東京周辺の沢』が言うには、この沢を登らないと奥多摩の沢を語っては
いけないらしい。。。ここを遡行して奥多摩を語れるようになるのだろうか・・・
アプローチ:CR-X
4:37自宅発→(R4、R16)7:10青梅→7:40奥多摩駅(雨で一時待機)
9:30小川谷林道ゲート広場着、10:00出発→10:20犬麦谷入渓→11:35タツマの滝上→
12:07 15m滝下→15:10ゴンパ尾根着→16:00小川谷林道ゲート広場着
18:56御岳駅発→(R16、県道3号)21:54自宅着
天気予報では "昼前に雨はやみ、昼過ぎには晴れて暑くなる" とのことだったのだが、青梅を過ぎた
辺りから、どーっと雨が降り出し、奥多摩駅で様子見することに。。。 今回kuroさんとは初顔合わせ。
雨の中わざわざ車から降りてきていただき、恐縮。 かなり激しい雨になってしまったので、早速、きむひろさんの
車の中で犬麦谷かそれとももっと簡単な沢にするか検討し、別案を長尾谷としてとりあえず犬麦谷に向かう。
日原林道から小川谷林道に入っていくと、雨もやみ、明るくなってきた。小川谷も覗くと、濁流にはなっておらず、
これなら行けそうだ!
ゲート前広場(10台以上駐車可能)に車を止め、入渓準備を整えて10:00出発。下山口になるゴンパ尾根を
確認し20分で犬麦谷入渓点に到着。
出合は急なゴーロ帯。途中3m程度の小ナメを超えると、15m滝が現れる。
見た感じ小振りでせいぜい10m程度か。さすがに雨の直後で水量が多いせいか、立派な2条滝となっている。
ガイドには左岸を巻くようにも書いてあるが、なんとなく登れそうだったので
hiro:「じゃぁザイル出して登ってみますか!」
kuro:「じゃぁー落ちるところビデオで撮ってあげる!」
hiro:「えっ!落ちる所?!」
結構kuroさんってS系?(笑)
ルートは水量が少なければ左の方が簡単そうだが。今日登ると全身シャワーになるので右を選択。
細溝に足をねじ込ませ。4m程登ると残置ハーケンが2箇所あるのでランニングビレイ。そこから真直ぐ直登して
落ち口下3mの所で水流側に移動するのだが、のっぺりした大岩が張り出して非常に難しい。スタンスの選択
ミスか?!丁度良いところに残地ハーケンが有ったが、グラグラで手で引っ張ったら抜けてしまった。 完全に"セミ"。
"あービデオカットだな、これ!"
と思い下を見るとkuroさんはそっぽ向いてる。やっぱりカットだった・・・
醜態をさらしながらも、微妙に微妙〜に、右肩と右足を岩と体の間を通して、落ちずになんとか突破。
後はシャワーを浴びながら体を強引に引き上げて終了。
ザイル固定でKuroさんはプルージックで登ってきてもらう。何度かテンションがかかるが、無事到着!
きむひろさんも無事直登!
自分は最初の滝なのにお腹いっぱい気味。"落ちる所"をビデオに取られずホッとした。
すぐ上にはタツマの滝。下から見ると10mくらいの高さにしか見えず。名前をつける程でもない感じ。
ここは滝に一番近い右側ルンゼに取り付いたが、意外と悪く。Kuroさんにはシュリンゲを出したりして
スリリングな巻きになってしまった。ここは、なるべく滝から離れたところから大きく巻いたほうが良いかも
しれない。
結局タツマの大滝の様相は 「上にも滝があって段になってるんだー」くらいしか判らず終わってしまった(笑)
大滝上に出たときには既に11時半。ちょっと遊びすぎ?
ガイドに書かれていないが、大滝上で (3:1)の二俣となりここを左に入った所からがモリノ窪瀑流帯となる。
美しいナメ滝が次々と現れ、快適に超えていく。日差しも出てきて実に気持ちが良い!
ゴルジュ内には"10m滝"と数箇所書かれているが、かなりの斜瀑なので、特に問題ない。
ゴルジュが終了すると、遠くに大きい滝が見えてくる。手前の4m滝を越えて近づくと15m核心滝となる。
「これ登るの!?」とルートファインディング。左から取り付いてバンドで水流に近づき滝をシャワーを浴びて横断
してそこから5m直登というルートを発見。
するときむひろさんが 「水流右にシュリンゲがぶら下がっている!」 とおっしゃるではないか!
よーく見ると。確かに水流右に長いシュリンゲと短いシュリンゲが平行に2本、高さ7mくらいの被った所から
ぶら下がっている。 滝に張り付いてルートを見ると、確かにシュリンゲまでは容易そうだが、シュリンゲに
足を掛け無ければ、被った所は超えられない感じ。その上は右の草付きルンゼか、瀑心直登をするのか
下からでは詳細不明。。。
Kuroさんに「ガイドには何と書いてあります?」と聞くと
「何にも書いてないよー」 とのお言葉・・・サミシィー!
確かに"垂直の滝は上部が無難しい(4級)"とだけ書いてある。って事はあの被った所は容易なの?ウッソー!!!
ここで、最初の15m滝で頑張った私はきむひろさんに軽くジャブ
hiro:「リードどうです?」
ちなみに俺も "・・・・" なので、最初に発見した "左からのバンドを利用して" に切り替える。
バンド自体はしっかりしているが、そこまでたどり着く所が脆いので注意。バンドから水流を見るとシャワーで横断
するところがチョット渋そうなので行くとしたらザイルはここで出す必要がある。
「うーん」
。。。とバンドから上を見上げると。5〜60cm上がれば潅木に手が届きそうだ!ならばココを!と真上に上がる。
幸いなことに岩はしっかりしており、潅木も大丈夫。上手く潅木絵を利用して5m直上。そこで、ザイルを
渡してもらい。落ち口へ向かって経つって滝上に出た。
きむひろさんにはシュリンゲを出し、後から登ってきてもらったが、kuroさんがバンドを利用せず、別ルートで
右岸を上がってきたので、バンドに残置してしまった2万円相当のギア類を回収しに懸垂で降りていく。
メデタク(?)核心滝を3人とも終了したが、さっきの水流右のルートはどうなんだろう?と思い、
hiro:「トップロープで登ってみます?」
kuro:「行ってみようー!」
と明るい返事が返ってきたので、水流右の直登ルートにTRYすることにした。
丁度良いところに太い木があるので、そこから30mザイルを固定。先週同様8mmシングルでの懸垂下降。
ロープがやけに伸びるので精神衛生上あまり良くない。
Kuroさんは滝上から下を覗いた段階で潔く断念。 俺も"やめようかなぁー"と思ったが、意を決して下降していく。
ビヨ〜〜ンと伸びるザイルに冷や冷やしながら下に到着。「きむひろさんもTRYするー?」と声を掛けたが×サインを
送ってきたので、アッセンダーを取り付け水流右のルートを登り返す。
まずは下から7mの高さにぶら下がっている2本のシュリンゲ地点まで細かいスタンスを見つけ登っていくと
左の短いシュリンゲのさらに左にある小さなテラスにたどり着く。
ココは飛沫がかかり長居はしたくない。ここから被った所を乗り越すのだが、いいホールドが無いのだ。
右足を思いっきり振り上げて被った所に掛けようとするが、この位置からでは難しい。。。
もう一段上に上がれないかとスタンスを探すと水流の中にしっかりと置けるスタンスを発見! 一歩上がる。
すると上に残置ハーケン発見!しかし、抜けそうで、さらに私の身長(167cm)では手がとどかない。そもそも
ひん曲がってカラビナは掛けられないだろう。
残置を利用したA0を断念し、ホールドを探すが指先が引っかかる程度のものが1箇所しかなかった。
この小さなホールドを取っていないと姿勢を維持するのも困難だったので、ゆっくりしていられない。
"ザイル掴んじゃおうかなぁー"と何度も思ったが、この小さなホールドとって何とか被った所を乗り越した!
被った所の上は立ち上がることが出来、ココからは瀑心を4m直上しテラス状のポイント
に立ち上がる。被った所から上は水はまともに掛かるが3級程度で容易。ココから右斜めに上がる壁を2m登って
草付台地に到着。ココまで登れば終了といっても良いが、支点まであと1段の登りを草つき岩を直登して終了!
kuroさんから「わざと瀑心に行ったの?」と言われたが、「これしかない」と説明。
それにしてもトップロープだから良かったけどフリーだと相当コワイ。。。被った所は右にある長いシュリンゲが
掛かった所の方が容易なのだろうか?私が登ったルートは4級+は有るといった印象。
すっかり楽しんで(怖がって) 時計を見ると1時40分。。。先に進むことにする。
8mトイ状滝はキムヒロさんと私が突っ張りながら直登kuroさんは左から小さく巻く。10mCS滝はザイルを出して、
きむひろさんがリード。危なげなく水流左を登り、CS下へ。CSの乗越しはチョイト難しかったようだが、
見事クリアー。セカンドはプルージックでkuroさんと思ったら
「ひろたさん、フリーで登って! 余裕でしょ!!!」
でた鬼発言!!!(^_^;)
女性の言葉には逆らえず、「こわいよー」と登っていくが、CS乗越しはA0も嫌だし、フリーもコワイので、
そそくさとアッセンダーを取り出す(笑)。
乗越しは水流中にスタンスがありこれを利用。あとはより良いホールドを探して突破。特に難しくは無かった。
フリーじゃないし(^^)ヾ 水流みぎにも残置シュリンゲあり
kuroさんもCS乗越しを難なく(?)クリヤー。
4段8mはナメ状だが何の問題も無く気持ちよく突破、二俣も1つ二つ現れるがこれを左、左と入っていく。
小滝が終了するとガイドの通りに二俣。本流筋は右のようだが、ガイドの通りに左に入る。ゴンパ尾根はすぐで、
藪こぎも無いに等しい。最後の二俣から20分程度でゴンパ尾根登山道に出た。
登山道を下ること1時間弱でゲート駐車場に到着。
帰りは、いつも混雑しているイメージの"もえぎの湯"に向かう。実はこの温泉、今日が初めて。
さすが今日の天気では出掛ける人も少ないのか、すんなり入れ、御岳で食事をして解散となる。
P.S:核心15m滝は4級というのなら、もう少し容易なルートがあるのだろうか?
ここで落ちて骨折。ゴンパ尾根まで担ぎ上げてヘリで搬送された人もいるそうだ。
まぁトップロープでの直登だが、核心滝は左からも登ったし、タツマの滝以外は
全部登ったので、ぜいぜい"犬麦谷"くらいは語っていいのかな・・・(笑)
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