2006年6月10、11日 足尾山塊 庚申川
メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、 靴:フェルト
参考ガイド:日本登山大系
遡行図・概念図はこちら
天気予報がめまぐるしく変化する中、ワールドカップが開幕! 20年来のドイツファンである私はこの日ドイツ-コスタリカ戦を
TV観戦してから出発して遡行可能な沢として近くの庚申川を選択。"水が濁っている"、"なんとなく臭い"との遡行記録を目に
していたが果たして???
初日(晴れのち曇り) アプローチ:CR-X
5:45自宅発→(日光宇都宮道路)7:05銀山平着、
7:30出発→8:55雨降沢出合→10:43笹向沢出合→12:00水面沢出合→14:15ミオ沢出合→15:15 (1:1)二俣→15:40行動終了(幕営)
ドイツが初戦を4:2で快勝(?)し気を良くして出発。さすがに地元栃木県の沢。1時間半で起点駐車場の銀山平へ
到着。国民宿舎の先100mのところに
20台近く車が止められるスペース。そのすぐ先にあるゲート手前にも何台か駐車可能。 ゲート横に踏み跡がありここから丸石沢に下降、すぐに庚申川 出合に出れた。 "水が汚い"、"臭う"という記録を見たがそんな事は無いが、残念ながらゴミは多い。この辺りの淵は水深が深く、釣師が利用する巻き道を 利用して何度も小さい高巻きを繰り返す。さらに巨大堰堤が出現。 ハシゴでも付いていないかなぁ? と堰堤直下まで行ってみるがNGで、左岸側のコンクリートで固められた部分のバンド状に狙いを定め巻き上がるが、これまた微妙で。結局左岸を大高巻
き。 右岸の巻きの方が楽なのかは定かではない。
この先も目立った滝は無く、釜と淵をヘつりながら進んでいくと右岸から雨降沢が入る。かなりしっかりした流れなので、一瞬本流かと思うが本流は右に
屈曲。ここに大きな淵。泳げば問題ないが15mくらいの泳ぎ。「いきなり泳ぎはなぁ・・・」と躊躇して左岸を高巻くが懸垂下降含め低く巻こうと努力するも、上へ 上へと巻き上げられ。最後の下降も懸垂しまくり。時間を食ってしまった。ここは泳いだほうが速い。
無駄な苦労(?)をした後、ようやく滝らしい滝"7m滝"が現れる。だが、水量はすごいわ、釜は巨大で深いわでどうにも手がつけられず。右岸を小さく巻く。
様相は変化せず歩く沢の印象、ただ魚影は見かけるので、釣りには良いかも。 竿も持って来たが、ワールドカップ中で明日、早く遡行を終えて録画した試合を見たいと言う考えがあり、釣りはテン場までおあずけにした。 次に現れる10m滝は取り付けるかどうか探るために、その手前の釜を右からがんばってへつって行ったものの、10m滝の釜は、これまた"深くデカイ"ので 絶望的。引き返して左岸を巻く。
10m滝上は、なかなかの渓谷美を見せ楽しい。左岸から入る笹向沢も顕著で間違う事は無いが、すでにここまでに3時間以上もかかってしまった。
様相は変わらず。。。奥秩父で言うと井戸沢に近いが、それにもっと淵を増やした感じ。難しいところは無いが、癒し系という感じでもない。
左岸から流れる水面沢は観光用の階段がつけられていた。ここから庚申川に入れば日帰りも可能だろうが、下流部は捨てがたい所だ。
水面沢を過ぎると様相が変化し河原状になる。左岸は平坦地が広がりどこでも幕営可能だ。こんな様相が500mくらい続くが、再び見覚えのある様相に
戻ってしまう。。。 先に進むと10m滝が見える。ただ、その前に3m程度なのだが、大きく深い釜を持った滝がまたしても行く手をさえぎる。ガイドにはこの3m滝もろとも
左岸を高巻くように書かれてあるが、3m滝を突破できるか頑張って右壁をへつりにTRY。。。しかし、釜は右壁を大きくえぐっており、これまた断念。 ガイドの通りに左岸を大きく高巻く。
10m滝上少し行くと右岸に良いテン場を発見。その先でミオ沢出合。対岸は大きくガレているのが特徴だ。ミオ沢を過ぎるとゴルジュチックな様相。
滝が大きくないのがせめてもの救いか。。。だが、またもや勢い良く水が流れる淵が行く手をさえぎる。滝の大きさはせいぜい1.5m。 ただ岩が水で 削られ滑っている。両岸はかなり切り立っており、ここは意を決して泳いで突破を図る。左壁へいったん胸まで浸かって 取り付き。そこから極力ヘつったところで滝に向かって飛び込む。"滝つぼ近くは足が着くのでは"と予想したが、全く足は付かない。結局水流に負け左壁に
押し戻される。 「ならば右壁!」
と淵を泳いで横断。右壁に手が届いたものの足は届かず。。。ホールドを拾って、じりじり滝に近づいていくもこちらも最後まで足が付かない。滝を構成して
いる丸岩に足を掛けてみるも全く歯が立たず。冷えてきたので撤退! 「だめだぁー高巻きかぁ。。。」とガイドに書かれてある左岸を見上げると延々に巻き上げられる感じ。と、右岸に目をやると、先ほど胸まで使って取り付いた
左壁からルンゼが伸びており、こちらは10m強登れば 巻けそう!ずぶ濡れで重くなったザックを背負ったままルンゼを直登。 この淵を巻き終える。右岸高巻き中に見た左岸は物凄い崖になっており、左岸を巻いていたら大変なことになっていただろう。
ここを超えると右岸から20m滝が2本交わる。どちらも見事!ただ2本目の20m2段滝が出合うところにある釜がこれまた突破困難で左岸を小さく巻く。
この辺りまでが庚申川の核心といえば核心になるだろう。すぐ先の(1:1)二俣にもテン場を発見時間。
時間は15時を少し回ったところだが、
もう少し先に進んでみる。ここを左に入っても問題無いのだが、帰りが楽なのは右俣なので右俣に入る。 5m程の
滝をひとつ越えた先にまたもや(1:2)二俣。これも右に入る。(1:1)二俣から30分程進んだ左岸にgoodなテン場を発見。時間は4時。今日はここで終了する。 実はこの辺りにも魚は居るのだが、小さい。食べるための釣りは(1:1)二俣までに済ませておいたほうが良いかも。
薪を集めて濡れた服を乾かす事を優先し今回釣りは無しになってしまった。地図を入れたビニール袋も破れていたためにびしょ濡れになってしまい。
必死に乾かすも。遡行図はボロボロでNG。地図も終了点の 六林班峠への登山道付近が破けてしまい、役立たずになってしまった。 地図はちょくちょく濡らしてしまうので 「2枚持ってこないとダメだなー」 と酒を飲んで ごまかす。。。 今回タープではなくテントと+6℃の寝袋とシュラフカバーと厳重保温体制で来たが、ちょうどいい感じで正解だった 。
二日目(雨のち曇り)
5:15出発→6:20六林半峠への登山道横断地点(遡行終了)、
6:30下山開始→7:40庚申山荘→9:20銀山平
9:35銀山平発→(粕尾峠経由)11:55自宅着
4時起き。。。小降り。。。ガッカリ・・・ と言うことで、仕方なくテント内で食事を取り、今回はそそくさと荷物をまとめる。この先、沢は右や左に蛇行を繰り返す。
いたる所でテン場があり、焚き火の跡もあった。滝はあっても2m程度だ。魚影はまだ見かける。蛇行が終了すると(2:3)二俣。ここを右に入ると開けた感じ になりここにもいいテントサイトがある。さらに進むと先行パーティーか?煙が上がっている。近づいてみると(1:1)の二俣に二人組がタープを 張っていた。
挨拶がてら寄って見ると、沢の遡行ではなく庚申山のほうから来たとの事。「六林半峠への登山道で帰る」と告げる
と、もうひとつ上の二俣手前に目印があると
いう。 (1:1)二俣を右に進み300mほど進むと確かに彼等が言っていた通り二俣がある。
そう目立った目印は無いが、辺りを見回すと左岸の岩に『赤矢印』を
発見。さらに木にも登山道を示す目印を 発見した。 しかし、川幅が広く、『赤矢印』も色あせている。確かにさらに見れば川の真ん中あたりの木に小さなビニールリボンがぶら下がっているのだが。これまた
目立たない。話を聞かなかったら、判らなかったかも知れない。 二俣手前になったら常に左右を確認する事を勧める。
六林半峠への登山道を庚申山荘へ向かう。時折、笹に隠れている所もあり、あまり
歩かれていない感じ。1時間強で庚申山荘に到着。単独の女性が
居て庚申山に向かうとの事 沢を遡行してきたと告げると、結構興味ありげだったので、当HPを紹介しておく(笑) あとはここから下るだけ。"ワールドカップ!、ワールドカップ!"
と怒濤のごとく下って9時半前に銀山平に到着。国民宿舎の温泉は10:30からなので
着替えだけ済ませて帰る。帰りは粕尾峠経由で帰ったが、日光宇都宮道路を使ったほうが早いことがわかった。
P.S:庚申沢は釜と淵の連続。歩く(泳ぐ?)沢だ。魚影は多いが、大型を釣るには
二俣手前まで。ここから六林半峠まで2時間半あれば余裕です。
この遡行記録を参考に計画を立ててください!
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