2006年8月5,6日 蔵王連峰 八方沢

装備:ザイル9mm×45m
地図:笹谷峠、蔵王山

計画して3週間、ようやく土日の天気約束され決行することになった八方沢。この沢、日本100名谷に入っているらしい。。。
かっきーさん、G13さんも加わってくれたのでより楽しい遡行になりそうだ!

初日
7:50蔵王ダム発→8:20八方沢入渓→8:25北雁戸沢出合→9:01 5mF1
9:24 8mF2→13:49名号沢出合→14:00テン場着

前夜23時近く、矢板ICにメンバー集結。moto.p氏のファンカーゴで山形蔵王ICを目ざす。
高速を出るとすぐにコンビニがあるので、最終食料調達はここでOK。
基点となる蔵王ダムまでは完全舗装された道で、何の問題も無し。駐車スペースは数台といったところ。
きれいなトイレと、飲料水ではないが水もでる。早速テントを張り横になった。

 朝6時30過ぎに起きて準備開始。日差しも強く、既に気温は高めだ。林道歩きで早速ひと汗。。。
40分で入渓点と聞いていたが、足早に30分で入渓点に到着。
 広河原の様相から両岸が狭くなってくると早くも北雁戸沢が出合う。沢自体は平凡だが両岸の高い壁や崩壊跡
が実に見事。その左岸壁から60m程の大滝が2本落ちていて圧巻!
八方沢入渓付近
両岸の様相
左岸壁60大滝
                                
 早速この先でカッキーさんが竿出しするも全くアタリ無し。事前情報では魚はあまり居ないとの事だったが、
本当にいないのか? 自分はこの事前情報のため竿を持ってこなかった。
 様相が暗いゴルジュっぽくなるとF1 5m。滝自体はなんてことなさそうだが、釜が大きく深い。右壁の妙な所に
残地シュリンゲがぶら下がっているが、基本は泳いで取り付くと思われる。ここを泳ぎが苦手というmoto.pさんは
難しそうな右壁をヘつっていく。。。
そこをカッキーさんが右壁伝いに泳ぎ、さらにそれを見ていたG13氏は滝の取り付きに向かって泳ぎだしあっ
という間に二人を追い抜き取り付きへ!そのまま難なく突破していった!
さすが"ゴルジュ13"というだけある。早ぇ〜・・・!
 滝に取り付いてしまえば簡単なのかと思いきや、ホールドやスタンスが少なく結構苦戦。
自分は両手両足ツッパリみたいな感じで何とか突破。結構パワーが居るが、ザイルで補助してもらえば問題ないはず。
当たりなし
F1 5m取り付きへ
F1 5m突破

 F1から先も両岸の崩壊地や枝沢の大滝が見事。さすが"日本100名谷"に選ばれただけはあるといったところ
か。。。しばらく進むとF2 8m。これまた深く大きな釜を持っており、そもそもどう見ても直登不可能。
持ってきた遡行図を見ると左岸の高巻きになっていたが、左岸はかなりの大高巻き。右岸の細潅木を拾いながら
小さく巻くルートでメンバーの意見は一致。最初の2mがホールドスタンスが少なく難しいが、空身で取り付いた
moto.p氏をG13氏が下から押してクリヤー出来たのでそのままザイルとザックを渡してリードしてもらう。
カッキー、G13、俺の順で取り付くが、なんか途中でG13さんが滑って支点の木を折ってしまったそうだ。(笑) 
まぁ潅木は細いのが多いが、不安は感じないルート。最初の2mが登れればあとは3級レベルの巻きだ。
両岸はなかなかの絶景
F2 8m 
左壁に取り付く(カーソルを当てて)

 F2から先も遡行自体は難しい所は無い。時折現れる両岸枝沢の大滝がここでも見事だ。
ゴルジュ先にある2条8mは右から容易に登れる。カッキーさんは再び竿を出すがヤハリ反応無し。ただ途中で
食えそうなキノコを発見したので明朝のラーメンの具にする。
 
 今日は名号沢出合付近まで進む予定だが、目だった滝も無く平凡な様相を長々歩いているので、どのくらい
まで進んでいるのかよく判らない。
「もうこの辺でいいんじゃない?」っていう声も聞こえるが、時間はまだ12時くらい。
「もう少し言ってみよう」と進んでいくと大釜を持った8m滝。またまたmoto.pさん右壁のへつりに入るが、
「これは水流左だろー!」とG13氏と意見が一致し、私が左壁をヘつり始める。
ラスト3mくらいは泳いだが容易に滝に取り付け、そのまま直登する。落ち口付近の最後の1,2歩がフリクションが
微妙だが、靴でゴシゴシ岩をこすって突破。カッキーさんが履いてるゴム底靴ではどうもこのフリクション登攀が
難しいようで、シュリンゲを出す。
とにかく食べれた
8m滝
8m滝上から

 この先にもうひとつ大釜8m滝が現れる。遡行図と照らし合わせようやく自分達の居場所に確信が持てた。
これは直登は水流右で、取り付きまで右壁をヘつるか泳いで行くかの選択となる。
 この二つの8m滝を越えれば名号沢出合も近い。メジャーな沢なので既に整地されたテン場があると確信して
いたのだが、

「これ名号沢?!」

っていうくらい名前が付いている沢にしては貧弱。しかも整地されたテン場など全く無い。。。
2つ目の8m滝
名号沢出合

「この辺りから探しながら進みますか!」
といって5分程進むと沢沿い右岸に整地すれば何とかなりそうな場所を発見。
空荷でさらに先の様子を見に行ったが、いい場所は無かったので、ここにタープを張る。

 一通り作業が終了して「乾杯しよう!」と声をかけたが、G13クンはカッキーさんが持ってきた"絵本"
全神経を集中。我々の言葉に耳を貸さないので、3人で飲み始める。。。
晩飯は"そうめん"。 "絵本"熟読のためにつまみを食い損ねたG13クンが
「腹減ったー!」とやってきては、「○○本読んでるおめぇーが悪いんだろ!」と集中砲火。
出来上がった"そうめん"の争奪戦はすさまじく、フォークを突っ込んで巻き取ろうとすると

「馬鹿やろー!巻き取るんじゃねー!すくうだけにしろ!」
と麺を鍋に戻される始末。
                  野郎4人で沢にくればこんなものか・・・(笑)

 "絵本"はG13が読み切った後、焚き火に投げられ、上から水をかけられ、
『濡れる奥様』『燃える奥様』となってそのまま昇天して行ったのだった・・・
声を掛けても反応なし
不敵な笑みを浮かべる 
完全読破!



二日目
7:12テン場発→8:05 (1:1)二俣→8:45 二俣(15m,20m滝)→10:27登山道横断点(遡行終了)
10:45下山開始→12:08蔵王ダム着
14:10山形臥龍温泉発→(白石IC〜二本松まで一般道)18:05矢板IC→19:08自宅着

朝、キジ打ちに行くと、我々の近くにもう1パーティ泊まっていたのを発見!
moto.p氏は相手のすぐ近くまでいってキジ打ちし男女2人のカップルであることを確認してきた(笑)

 そのカップルが先に出発した後我々も出発。
しばらく平凡な様相を進むとまたもや大釜を持った13m滝"右岸巻きかなぁ"と思ったが、moto.p氏が左壁を
ヘつり出す。。。が、ドボンして大ウケ!そのまま泳いで取り付くのかと思ったら戻ってくる。
「なんで戻って来るんだよー!」 と容赦無し。
再びTRYして。
今度は上手く取り付けたのでザイル渡して、直登していく。。。見た目より簡単なのか?
上から「ザイルいるー?」と叫んでいる。「いるー!!!」と一同返答。
 次に自分がヘつりに入るが、後ろから「落〜ち〜ろっ!落〜ち〜ろ!」の大合唱に期待に応えてしまった!!!
そのまま泳いで取り付くも上に上がれない。ザイル掴んでもムリで、あえなく撤退。そうしている間に、カッキー氏
は"飛び"でクリヤー。私も、2度目は上手く飛べて何とかクリヤー。G13氏も楽勝だったようだ。くやしい〜!
13m滝 次の一歩がムズイ!
 戻ってくるな!

 この先に1:1の二俣。右俣は4m巾広滝となって落ちている。右に入った方が、帰りは近いが、カップルが右に
入ったので、我々は左に入る。4〜5m程度の小滝を超えていくと再び1:1二俣でそれぞれ20m級の滝が
かかっている。明るく開けた感じで良い休憩ポイントだ、
 (1:1)右俣にかかる4m巾広滝
1:1 20m級の滝
お約束!

ここは左岸から大高巻きして右の沢に入る。その後7m直瀑を右の潅木を利用して超え、
少し進むと登山道横断点に出た。
7m直瀑
登山道横断点
登山道横断点にて

岩に色あせた矢印が書かれてあり両岸に赤テープもある。moto.p氏は空荷で100名山の熊野岳まで行ってくる
様な事をのたまっていたが、ここから山頂まで高度差400m。他のメンバーはピークハントに興味は無く。
仲良く下山開始となる。。。
自分が先頭にいたときは当然"歩き"だが、きのこに目を取られ、moto.p氏を先頭にしたとたん"走り"になる。
途中で先程のカップルもぶち抜き。1時間半弱で蔵王ダムに到着!

温泉はIC近くのコンビニで地図を広げて見つけた臥龍温泉(350円)に入った。
下山です。
暑いです。。。


P.S:八方沢は早出すれば日帰りも可能。滝は小ぶりだが釜は大きく深い物が多い。
  ガンガン泳いで取り付けば後は問題無い滝が多く、ザイルも8mm×30mでもOKかも



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