2006年8月20日 万太郎谷川棚沢

メンバー:moto.pさん、ひろた
装備:ザイル9mm×45、カム
遡行図はこちら

先週の南ア聖沢の疲れが取れないのと,moto.pさんの上信越希望を踏まえ
日帰りで万太郎谷川棚沢に行くことにした。


19:09自宅発→21:45赤城IC通過→(一般道)22:14後閑駅着、(関越道)24:00湯沢
24:20吾策新道基点駐車場

6:12吾策新道基点駐車場発7:08川棚沢出合、7:25川棚沢遡行開始→8:25 25m滝上
→9:04二俣→9:46奥の二俣→11:37稜線登山道着→11:45下山開始→12:45茂倉岳登山口
13:17吾策新道基点駐車場着

14:25岩の湯発→(R17)15:40岩本駅→(佐野藤岡→上三川高速)18:46自宅着

お盆休みにETCを装着したが、割引無しでは高速を使う気にもならず。すべて一般道でmoto.pさんとの待ち合わせ
場所であるJR後閑駅に向かう。関越道を利用し移動。車1台なので、吾策新道基点に車を置くか、茂倉新道に車を
置くか悩んだが、北トッサカ沢が下降可能であればダイレクトに吾策新道基点に戻れることから吾策新道基点に
車を置く。

6時過ぎに出発。万太郎本谷だが昨年井戸小屋沢に行ったときより倒木が多い印象。伐採したのかな?と思って
いたら、急に沢筋が開け、大工事現場となっていた!!! なんと堰堤建設らしい。この規模だと幅50m以上の
大堰堤になりそうな予感。(2008年には完成してます)

 それにしても、先週の聖沢の水があまりにも綺麗だったせいか、万太郎の水はどうも緑色。。。直接飲む気には
なれない。
「人がいっぱい入るからかな???」
「まさかぁー??!」

川棚沢の出合は、対岸に関越トンネルの排気口があるため、間違えようが無い。水量は少なくこれまた水が
なんとなく緑色しているような感じだ。
 今回、ヘルメットとメガネバンドを忘れてしまったため、頭にタオルを巻いて遡行開始。
川棚沢に入るとすぐに5m滝。岩が外傾気味でちょっと取り付きにくそう。。。という以前に釜の水がなんだが
どす黒い。。。ルートは滝のセンター直登だが、釜に入るのが 
「なんだかなぁ・・・・」という感じ。
本谷の堰堤工事現場 
これが見えたら川棚沢はすぐ
川棚沢最初の5m滝

この滝を直登すると幅の狭いV字ゴルジュになり、その入り口に5m滝。これもちょっと渋めだが、フリーで直登。
V字ゴルジュを進むと5mCS滝が行く手を阻む。どう見てもムリそうな感じだがmoto.pさんが左から取り付く。。。
がやっぱりダメで右から巻きに入る。
ただV字ゴルジュで周辺は草付き。安全に巻くには15m以上,上にある潅木帯まで登る必要がある。潅木を掴みながら
滝上にトラバースしていくと残置シュリンゲ発見。
「懸垂しないで下に降りれんじゃないの?」ということで、回収。草を掴みながらなんとか沢床に降りることが出来た。
さらにX字ゴルジュを進むと『日本登山大系』に書かれた2段15m滝が現れる。下部直登はムリで右ルンゼにある
倒木を利用して下段は巻く。上段は容易で水流沿いを直登。
後ろ振り返ると。狭いX字ゴルジュの向こうに関越トンネル排気口が"墓標"の様に立っていた。
上手い位置に作ったもんだ・・・
突破できない5mCS
2段15m滝
振り返ると排気口

 5mCSを難なく超えると、沢幅が広がりこの沢最大の40m滝が現れる。かぶった大岩から水がヒョングッており、
一見直登は絶望的。『日本登山大系』によると右ルンゼがら巻くらしいが、非常に悪いらしい。
 Moto.pさんに言わせると、右岸からも巻けるとの事。すこし右に廻り込んで滝を見るとかぶった大岩の上は人が
余裕で立てそう。
「水流右から取り付けば何とか行けるんじゃない!?」
「そうだなぁー・・・」
「んじゃ、ここは私が・・・」 ということでザイルを出して直登を試みる。

 草を掴んで一段上がり、細潅木でランニングビレイ。ここから垂直壁を1m上がる所が核心で(4級)、立ち上がって
微妙なバランスを保ちつつハーケンを打つ。そこからV字を直登すると被った大岩の上に立てる。ここは思った通り
広いテラスになっていた。ここでカムでランニングビレイを取って水流沿いを直登、滝上に出た。(滝上に残置支点無し)
ザイルはちょうど残り半分くらいなので、40m滝というのは大げさで、せいぜい25m滝と言った所か?
登って判る滝の大きさ!
40m滝
40m滝(カーソルを当てるとルートが出ます)

 40m滝上は先程までの狭いV字ゴルジュとは打って変わっていいー感じのナメ滝が続く。3段12m、2段7mは階段状で
問題なし。その後も水量は少ないが延々ナメだ!8m滝、8mトヨ状滝を超えるとグッと開ける。ここには雪渓がまだ
残っていた。
この上の7m滝は見た感じ簡単そうで右端を取り付いたがかなり渋め。Moto.pさんが頑張って超えてくれたので
私は完全A0で登る。この滝は容易に左から巻けるので、特に頑張る必要も無い。
3段12m滝
8m滝 
渋かった7m滝

7m滝を越えると二俣。本流は40mナメ滝になっている。フリクションが意外とあるので快適に登れる。その上の25m は、
滝自体は快適に直登できるのだが、釜の手前に倒木が堆積して、釜の水もなんだか綺麗な感じがしないので
"取り付までは不快感、取り付けば快感"と言った所。25m滝上は60mナメが続く。
二俣から見た40mナメ滝 
25m滝
60mナメ

 しばらく行くと"奥の二俣"。左俣上方には「ジジ岩、ババ岩」ではないが、二つの岩峰が聳え立っており。そこから
大スラブを形成している。水量もこちらの方が多い。本流(?)は右俣なのでここは右に入る。最初の10mナメ滝は
良いのだが、再び両岸がV字になり5mCS。その次は、何と草が詰まった4m滝これはいただけない!
 この滝は突っ張りで這い上がって右から抜ける。この先は藪っぽくなってくるので、左に見える大スラブに20m程
トラバースした。
奥の二俣からジジ岩ババ岩(?)
 草滝4m(こんな滝初めて・・・)
スラブに出る

 このスラブはかなり上の方まで続いており、順層なので沢靴でも問題無く登れる。しかし、夏の日差しをまともに浴 び、
とにかく暑い 先週の聖沢の疲れが残っているのか、暑さが原因か、二人ともバテバテだ。
 このスラブを最上部まで登るとまた藪っぽくなるのでさらに上に伸びる左のスラブを見つけてはトラバース移動。
最後は10分程度笹薮を漕ぐと川棚ノ頭から少し下った稜線に出た。
スラブを登る 
この辺りで左にトラバース
稜線到着!(奥が川棚ノ頭)

 あまりの体力の消耗に北トッサカ沢の下降は断念。そのまま茂倉新道をハーハー言いながら下る。
 茂倉岳登山口から、吾策新道登山口までは、土樽PAを通った方が早い。上下線をつなぐ退避路があるのでそこを
利用する。
 車に到着したときは熱射病寸前だったが、駐車場を降りた万太郎本谷の出水口で入水!
水は冷たいのだが、しばらく浸かっていても寒くならないので、相当体がヒートアップしていたのだろう!
 帰りはいつもの岩の湯(400円だったけど去年まで300円じゃなかったっけ?)に寄って帰る。。。

P.S:水量が少ない沢なので雨の次の日くらいが良いかも。夏は暑いので秋がお勧め。
   下流部X字ゴルジュは巻きが悪い。懸垂下降を考えるとザイルは45mは要。
   上部大スラブ→下山と長いので、水は多めに汲んで置いたほうが良いです。
 
遡行図(日本登山大系を一部修正)





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