2006年9月30日片品川 根羽沢大薙沢左俣→右俣下降

メンバー:単独
装備:ザイル9mm×45m、カム 靴:フェルト
参考ガイド:やまねくらぶ稲垣氏遡行図
遡行図はこちら

M氏と日曜日にケサ丸沢遡行を計画していたのだが、天気が悪いため中止。土曜日は好天の予報だが、
残念ながらM氏は都合が悪いとの事で、自宅からアプローチの近い"疲れた週末用"として温めておいた
片品川 根羽沢大薙沢に単独で遡行する事にした。

3:40自宅初→(日光-宇都宮有料)5:51大清水着
6:15出発→6:41物見橋(入渓点)、7:00大薙沢入渓→7:43 (1対1)二俣(左俣遡行)→
8:25 (1対2)二俣(左枝沢に入る)→9:45枝沢水涸れ地点で引き返す
→10:36 (1対2)二俣に戻る→11:10 (1対1)二俣(1650m)→11:50遡行終了(トラバース開始)
12:20稜線登山道着→12:38右俣下降開始→13:45 (1対1)二俣→14:23物見橋→14:57基点駐車場着

3時半過ぎに自宅を出発、日光-宇都宮有料道路を利用して6時には大清水に到着。
紅葉にはちょっと早いようだ。突き当りの駐車場は500円取られそうなので、少し手前の
"第3駐車場"という所に車を停める。ここも500円とか書かれているが、わざわざここまで料金を徴収しに
来ないのは前回の湯沢遡行で実証済み。。。大清水はVodafoneは圏外。
 
荷物を纏め歩き出す。大清水から物見橋はRV車なら走れそうな比較的整備された道だが、入り口でゲートが
閉じられているので車は入れない。
30分で物見橋に到着。橋に名前が刻まれているので間違う事は無い。ちょうどここで根羽沢は物見橋下を流れる
湯沢と大薙沢に二分される。
 
第3駐車場
物見橋

 大薙沢へ入渓。数分歩くと6m滝がお出迎え。これを水流右から直登。すると右岸上方に根羽沢金山の軌道跡
現れる。この根羽沢金山は大正時代に開かれ、80年代前半まで掘られていたとの事。詳細はこちら
沢は左に直角に曲がる所に釜を持った1mナメ滝。魚影無し。その後もナメ床を織り交ぜながら何の苦労も無く進むと
早くも右俣/左俣を分ける(1:1)二俣となる。ここは"やまねくらぶ"の遡行図を見ると左俣の方が滝が多いので
左俣に入る。
                                    
最初の6m滝 
軌道跡
右俣/左俣を分ける(1:1)二俣

左俣に入ると、釜を持ったナメで始まる。3m滝を快適に越え、穏やかな渓相を進んでいくと右岸2m弱の高さから
滝で出合う左沢が入る。水量比(1:2)
左俣本流は明らかに右なのだが、枝沢を覗き込むとすぐ奥に8m滝が控えていた。"やまねくらぶ"遡行図には
この枝沢は描かれていない。。。時間はまだ8時半。
入渓してから穏やかな渓相ばかりだったので、ちょっと左沢に入ってみる。

出合から見えた8mナメ滝は最初の3mを頑張れば水流右を直登出来そうだったが、
もう一歩の所で断念し右から小さく巻く。滝上に出るとナメ床の先に25m3段滝が控えていた!

「こりゃー行けるとこまで行ったれー!」とやる気モード。
左俣の水量比(1:2)で出会う左沢
左沢最初の8m滝
左沢25m3段滝

ここは水流左の岩溝を利用して下段中段を一気に直登。最上段は水流を横断し右から巻けば簡単だが、水流左
ルンゼに取り付く。3m直上した所でホールドとスタンスが乏しくハマるが、カムを一発かませてA0で突破した(3級+ A0)
すぐ上にある18mナメ滝は寝ているので快適に直登。そのままナメ床が続くと沢筋は左に折れ25m2段滝
下段は1枚岩の大ナメで快適に直登。上段は被っているので仕方なく右端の巻きか直登かの微妙なラインで越えた。
滝はまだ続き、すぐに8mナメ。これも最初の8mナメ同様見た目直登不可能だが、よーく見ると水流左側の細かい
ホールドと上部の笹を利用して直登出来そうと判断。気合で取り付く。こういう場合、"3歩目までは落ちても大丈夫"という
感じなのだが4歩目から"もう行くしかない"モードに変化する(笑)
 6歩目くらいでカチが30cmの岩の塊となって剥がれそうになり一瞬焦ったが、バランスが崩れずすぐ次のホールド
が捕れホッとする。チョイト怖くなってきたので左の笹を利用しながら水流右をそのまま登りきった(4級−途中脆い)
18mナメ滝
25m2段滝
8mナメ

 次の12mナメは寝ているので問題無し。その後ナメ床からゴーロ帯と変化し。正面にガレが見えてくる。そのガレ
の手前で水は急に涸れてしまう。沢筋はそのガレの所で右に曲がっていく。後はゴーロが続いて
終了しそうなので、ここで引き返した。2つの25m滝は45mザイルでは当然下まで届かないが、後はクライムダウンや
巻きで下降出来る。滝の直登を楽しんで左俣本流に戻ったのが10時半過ぎ。
12mナメ滝
左沢はこのガレで引き返す

左俣本流を進むと5m2段、10mナメとこちらも滝が多くなってくる感じ。7m、5mナメも快適に越えると、
こちらも大滝出現。下から見ると30〜40m級の滝に見えるが、下が15m3段、上が15m2段の二つの滝となっている。
15m3段は水流左から取り付き水流を横断して中段上段を直登する。15m2段は水流右を容易に直登出来る。
どちらも3級レベルだ。
7m滝
15m3段滝
15m2段滝

 このすぐ先で沢は左に折れ倒木のある10mナメ滝。帰宅後に"やまねくらぶ"の記録を見ると左岸の脆いガレを
登ったが『落ち口への一歩が嫌らしい』と右岸を高巻いたそうだ。。。
が、脆いガレを登って難なく滝上に出た。???
この滝で連瀑帯は終わり穏やかな様相。すると(1:1)二俣。高度計を持っていないので
現在位置が良く判らないが地図をにらんで左に入る。水流はグッと少なくなり、藪沢の様相を呈してくる。
倒木のある10mナメ滝 
(1:1)二俣 ここは右に入ったほうが良い

その後明るく開けたガレとなるが四郎山の方を見るとどうも、先ほどの二俣は右に入るのが正解だったようだ。
ガレを最上部近くまで登り四郎山方向へ右へ右へとトラバース。途中2本のガレ沢を横断した事を考えると
かなり左に出てしまったようだ。
なんとか稜線に出たら明瞭な登山道が付けられていた!
(1:1)二俣を左に入るとここに詰め上がる。
稜線登山道(かなり明瞭)

登山道を利用し1891mピークと四郎山の鞍部へ移動。この鞍部は丸沼への下山道の基点にもなっていた。
大薙沢右俣の下降点もこの鞍部となっている。道標が数多くあるので間違う事は無い。

12時半過ぎ右俣下降開始。藪漕ぎ無しで沢筋へ。平凡な様相を下ると左岸から枝沢が合流。
私が降りてきた方向にケルンがあった。さらに下ると再び左岸から枝沢が出合う。
覗き込むとのっぺりとしたナメが見えたので、ちょっと入ってみると25mの大ナメ。。。さらにその上に10mナメの連瀑に
なっていた。こちらもチョイト寄り道しても面白そうだが、これは違う人にやってもらおう(^^)ヾ
左から降りてきたが、左岸枝沢に赤ナメ有り 
左岸枝沢の赤ナメ

 平凡な様相を下降すると左岸に2つのガレ。この先から長〜いナメ床帯が続く。傾斜は緩いので下降に全く問題
ない。アスファルトの舗装道路を歩いているくらいに歩きやすい。
3段10mナメ滝はクライムダウン可能。初心者にはザイル出した方が良いかも。
おおむねナメ床のまま左俣/右俣の出合に戻ってくる。
2mナメ 
3段10mナメ

朝一に登った6m滝もクライムダウン可能。14時半前に物見橋に到着。大清水に戻る。
温泉は日光まで戻り"やしおの湯"に浸かる。ここはサウナがお勧めだ!


P.S:多くの支流を持つ大薙沢。今回は左俣/右俣以外に一本の枝沢に入り連瀑帯を堪能出来たのが予想外の収穫か。
   滝はすべて3級レベルで癒し系の沢といって良いだろう。右俣にも枝沢が多いのでこちらに入ってみるのも面白いかも。
   『上信越の谷105』の影響もあってか隣の"湯沢"の方がメジャーだが、大薙沢の方が面白い!幕営適地は
   左俣/右俣共に数多く"宴会遡行"にも適している。
  
遡行図(クリックして)




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