2006年10月8日 奥秩父 谷津川本流

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m(使用せず)、靴:フェルト
参考ガイド:奥秩父両神の谷100
遡行図、概念図はこちら

世間は3連休だが、私は月曜出勤日。。。土曜明け方まで関東甲信越全域に記録的な大雨が降り、土日1泊2日もムリ。
日帰りだったら奥鬼怒日光沢を考えていたが、関東南部の方が天気が良い為、急遽、奥秩父谷津川本谷を選択した。

7:17鹿ノ湯手前P出発→7:17取水口上から入渓→8:47地獄谷出合→9:10七ツ滝沢出合→10:18三俣→10:33二俣(大休止)、
11:50同発→12:47登山道着、12:53下山開始→13:50鹿ノ湯手前P到着

秩父鉄道"白久駅"を目指し、駅前から南に伸びる道に入る。道はフラットダートでCR-Xでも問題ない。基点となる"鹿ノ湯"は廃業しており
看板だけが残っている。道路沿いに2箇所駐車スペースがあり、それぞれ車3台程停められる。道路は完全舗装
 
入渓点は道路を少し降りて熊倉山登山口に入り、取水口の上からになる。1昨日の記録的な大雨の影響か水量が多い。水もなんか濁っているし・・・
それでも序盤は総じて平凡。『奥秩父両神の谷100』には載っていない枝沢が数本あるが、増水しているからだろか。最初の滝らしい滝の6m滝
水量が少なければ右から直登出来そうだが右から巻く。地形図には渓谷沿いに登山道が書かれてあるが、ガイド本によると、死亡事故があって
廃道になったとの事。沢沿いに道標が残されてあるが、道の面影は殆ど残っていない。この先の10m2条滝も取り付まで進んでみたものの水量が多くて
断念。右から小さく巻く。次の5m滝は経つって取り付き直登。次の5mもカッパを着込んで右の水流をシャワークライム。さすがに10月のシャワーは冷たい!
取水堰堤上から入渓
6m滝 
2条10m
5m滝(左から直登)

ここで(3:2)二俣、右は地獄谷。左に入り、3m、3m、5m2条滝を越えると、倒木がある8m3段滝。 『奥秩父両神の谷100』には"15m逆く字滝"と書かれて
あるがこの滝だろうか? この滝を問題なく越えると。4m2条V字滝の奥に七ツ滝が見える。かなり上の方から落ちてきて、本流とのコントラストが非常
に良い!
(3:2)二俣、地獄谷出合
8m3段滝

4m2条V字滝と七ツ滝
七つ滝と本流

本流は4m程度の小滝を超えて、最初の核心といわれる3段20m滝。下からは2段目までしか見えない。下段は2級程度で楽勝。中段はガイドを見ると
"左の壁からA0で"と書かれてあるが、水流すぐ左は完全"A1"レベル。「左壁ねぇ〜・・・」 と左壁は左壁でも3級レベルで登れそうなルートで上段もろとも
巻く。A0ルートはもう少し水流寄りかな?3段20m滝上は5m弱の連瀑帯10m2段滝(チョット曖昧?)水流右を直登したらハマリそうになったが何とか抜け
れた。次の12m2条滝は左の水流をシャワークライム。10月のシャワークライムは一人で来ているのに「おりゃぁ〜〜〜!」とつい声が出てしまう。(笑)
3段20m滝(上段は見えない)  
チョット難しかった10m2段滝? 
12m2条滝

この先本流は勾配が強く、小滝連続の様相を詰めあがると開けた感じになりガイドには書かれていない三俣となる水量は左から(4:1:10)。通常は
真ん中は水が流れていないかも知れない。右の本流は傾斜の緩い2段10m滝で出合う。快適に越えて次の3段10mも苦労はしない。すると今度は
(1:1)二俣。ここでmoto.pさんの記録の通り太い木に赤テープが巻かれているのを発見! "なるほどココを右なわけね!"と後ろで"ガッ!!!"
と物音振り返ると枯れた大木が風で折れ、15mくらいの高さから落ちてきた!呆然・・・
三俣
三俣にかかる2段10m滝
1:1二俣

時間は10時半。。。もうココまで上がればシャワーは無いと判断して、焚き火で大休止。。。すっかり根が張ってしまい、歩き出したのは12時前。もう楽勝
かと思ったら、凄〜く幅の狭いゴルジュが現れる。通常は水が殆ど流れていない様だが、今日はシッカリ流れていて、困難度がさらに増している感じ。

 「これ、行けるの?!」

と思いガイドを取り出すと、高巻きはしてない様子なのでとりあえず初っ端の6m滝に取り付く。倒木の有る5m、4mトイとせっかく焚き火で乾かした服を
濡らさない様に直登。3級から3級+くらいか。暗く狭いゴルジュはまだまだ続きそれでも滝は越えられたが、やはり出ちゃいました!
これどーやって登るのという7m滝!両岸は切り立っていて高巻きは不可能。ルートは滝の5mくらい手前の左壁にあるクラックか・・・1,2歩ここを上がって
みる。足はクラックにハマリそうだが、ホールドが左右とも少ない。カムも使用できず。このまま直上は難しいと判断。この位置から水流側に1、2歩
トラバースすると残置ハーケンを発見。「・・・って事はここを直上?」と上を見上げる。40cm上がれればガバホールドに届きそうだが、ここからのスタンスが
細かい。この位置で安心して掴めるホールドはすべて脆く、力を入れると崩れてしまい、この残置ハーケンの利きも不安になるが、とりあえず長めの
ハーケンでビレイを取る。身長167cmの自分が背伸びをした所にホールドがあり。左足を小さいスタンスに上げて体を持ち上げた。。。両手が伸びた
状態だがなんとかガバホールドに届く。このホールドも入念にチェック。。。スタンスは殆ど無かったのだが、ここで残置ハーケンからカラビナを外して
フリーで直上。グレードは、一瞬だが4級レベルはあるだろう。
ゴルジュ入り口6m滝
ゴルジュ内は滝が連続
厄介な7m滝
7m滝左壁(カーソルを当てて)

ゴルジュはこれで終わりかと思ったが、まだ続く。7m滝のすぐ上左岸から10m滝で枝沢が出合う。本流は5m、5m2条の二つの滝があり、これを越えると
狭いゴルジュは終了。すると水は急に涸れる。沢筋は二手に別れ、ここを右に入れば小尾根にすぐに出る。この尾根を少し上がれば登山道と思われる。

自分は右の沢筋から高巻いて左の沢筋(窪といった方が良い)に入り詰め上がる。すると稜線より下の位置で登山道が横断していた。
このまま右に登って終了も可
地獄谷終了点(登山道が横断)
基点に戻ってきました(カーソルあてて)

時間は13時前。下降は地獄谷を下ろうかと考えたが、登山道を下り地獄谷横断点に来るとなんだか藪沢っぽいのでそのまま登山道を下った。

無事に車まで戻り、ちょっと気になった"鹿の湯"に立ち寄ってみると完全に廃屋で嫌ゃ〜な雰囲気・・・写真に収めようかと思ったが、へんな地縛霊でも
写り込んだら困るのでそそくさと撤退した。

P.S:通常水量だと最後の幅狭ゴルジュには水が流れていないようだ。序盤は平凡だが快適にに登れる滝が多く、紅葉時期にはお勧め。レベル的には隣の川浦谷よりは
   簡単です。ただ幅狭ゴルジュは一度入ると高巻き不可能なので注意。(1:1)二俣を左に入るとどうなのだろうか?、今後どなたか遡行してみてください!
   ザイルは30mあれば足りるでしょう。 

谷津川本流遡行図
概念図




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