2006年10月14日 湯檜曽川 ケサ丸沢右俣

メンバー:単独
装備:ザイル9mm×45m(使用せず)
参考ガイド:日本登山大系
遡行図はこちら

紅葉シーズン突入。日曜にオケの練習が入っている為、土曜日帰り。。。
天気が良いらしいので"南面の明るい沢"ということでケサ丸沢右俣に行く事にした
ついでに隣の白樺沢も下降してしまおうともくろんだのだが。。。

3:00自宅発→(一般道)5:00赤城IC通過→(一般道)5:52マチガ沢手前基点着
6:12出発→7:08武能沢出合→7:22湯檜曽川入渓→8:00芝倉沢出合→8:23ケサ丸沢出合
→8:53二俣(右俣に入る)→9:20(2:3)二俣→11:00稜線着→13:07基点駐車場着

谷川山系に行く場合、いつも前夜移動だが、今回は早起きして3時出発。さすがに流れは良いが、しっかり3時間
かかってしまう。
それにしても、このドンヨリとした天気はいったいどーいうことだろうか?!せっかくここまで来たので、
"これは霧だ、霧!"と言い聞かせ、歩き出す。。。

蓬峠への新道だが、ゼニイレ沢手前で岩につけられた赤ペンキの"→"が、あさっての方向に向けられていた為、
道を一時見失う。湯檜曽川もちょっと歩いたりして約1時間で武能沢出合。相変わらずちゃんと「武能沢」と書かれた
杭が打ってあるので間違う事は無い。
 武能沢を下り湯檜曽川本流に出て入渓準備。遡行開始!

湯檜曽本谷入り口ゴルジュにかかる6m魚留滝は綺麗な残置シュリンゲが掛かっていた。
実は、ここ、右から回り込むとA0しないで越えられるのだ。白樺沢の下降用に使う残置用シュリンゲをここだけで
2本もいただく!ラッキー!!!
 6m魚留滝を越えると通常はそのまま右岸潅木帯に入りゴルジュすべてを巻く道があるのだが、前回大倉沢を遡行
した時に容易にゴルジュ内を通過出来たので、今回もゴルジュ内をそのまま行く。ゴルジュ出口付近にある8mトイ状
手前の左壁に、これまた残置シュリンゲとクロモリハーケンが打ってあったので、これもいただく事にする。
ゴルジュを過ぎると広々とした河原。岩魚も泳いでいた!ケサ丸沢につながる白樺沢出合はすぐそこ。
湯檜曽本谷入り口ゴルジュ
白樺沢出合


白樺沢に入ると、ちょいと倒木のうるさい3mナメ滝。これを越えるとナメ床が広がる。その先に淵を持った5m滝
左側から突破。
ここから沢は明るく開け、とても気持ちが良い。晴れていたらなおさらだろう。
ナメ床を堪能しながら進むと左岸から2本細流が入る。その先3m程度の小滝を超えるとやけに水量の多い枝沢(3:2)
が左岸から入る。”これが白樺沢との出合?”と地図を見ると白樺沢出合手前に左岸から一本枝沢が入っている模様。
とりあえず左に入ってみるとすぐに二俣が現れた。水量比はほぼ1対1。左は3段30m滝で出合っており、たしか
"山人さん"の記録によるとこれが白樺沢と書いてあった事を思い出す。
 この3段30m滝は左から取り付いて水流を横断しながらジグザグに直登出来そうだ。
淵を持った5m滝 
(3:2)で左岸から枝沢
白樺沢/ケサ丸沢出合

この二俣を右の6m滝に取り付く。ここからがケサ丸沢。沢が大きく左に回り込むと2段25m滝に出くわす。上段は
水を飛ばしており、完全直登は難しそう。左から大きく巻いてしまえばそれまでだが、面白くないのでとりあえず
水流に近い所に取り付いてみる。下段は3級レベルなのだが、とにかく岩がツルツル!ホールドが甘いとかなり
不安を感じるだろう。
残置ハーケンは無し。
 下段を終了するとバンド状になっており被り気味の上段の岩壁の弱点を探す。1箇所"ここかな?!"と思ったルートに
残置ハーケンが打ってあった。ハング状を1段上がるハーケンには手が届くのだが、その先のホールドと足の運びを
探している内に、腕に疲労が溜まってしまった。一旦降りて仕切り直し。バンドは広いので落ちても下までは落ちないか な?
と思ったが、手の力が弱い自分はどうも指の第一関節しか掛からないホールドで
フリーでハングを超える事に躊躇。。。"う〜〜ん・・・"と悩んだ挙句。結局ここをバンドを利用して小さく左から巻いてしまっ た。
上段直登は最初の1,2歩が4〜4+かな?
2段25m滝全景
カーソルを当てるとルートが出ます

 2段25m滝上に上がると間髪入れずに4mナメと3段20mナメ。3段20mナメは傾斜は緩いのでツルツル岩のスリップにだ
気をつけて水流右を直登。これを越えると(1:3)
の二俣。ここが左俣/右俣の出合のようだ。"ケサ丸沢"といえば、皆右俣に入っているようだが、この水量比なので私も、
迷わず右俣遡行に入る。ナメ床を歩いていくと10m逆く字滝。右から登っていくと、3段滝と言ってもいい位すぐ上に釜を
持った5m滝があった。どっちから登ったか忘れた(^^)ヾ
 さらにナメが続き、8m滝。左から巻いてしまえば問題無いが、右壁に取り付いたが、かなり悪い。嫌〜な直上を5mした
残り3mも悪いのでさらに直上。潅木を掴みながら落ち口にトラバースする。4級
4mナメと3段20mナメ
10m逆く字滝
8m滝(カーソルを当ててください)
          
 次の幅8mを容易に左から越えると水量比(2:3)二俣。水量が少ない左俣だが、奥に滝が控えているのが見える。
日本登山大系に描かれている遡行図ではどっちに行けば楽しいのかよく判らないので。とりあえず
滝が控えている左に入ってみる。。。
下から見ると3段滝に見えるが実は4段30m滝。右岸に高巻きしたような踏み跡っぽいのが目に入ったが、難しいのは
最下段のみ。ここを右から小さく巻いて2段目から上は水流右を直登。最後の4段目はチョット立っているが右の細流に
沿って直登出来た。さらにすぐ上に5段目?と思わせる4mナメ滝があり水流左を登る。
(2:3)二俣 ここは左に入る
4段30m滝 
 4段目 右の水流沿いが登れます
                          
ここからも延々ナメ床。その中に幅広6m2条、4段15m、2段7m、2段10mとナメ滝があり、すべて快適越えられる。
すると(2:1)二俣。ここを水量の多い左に入る。ナメ床は終わるが登り甲斐のある10m滝。水流左に取り付くが、
岩がやはりツルツルなので神経を使う。途中残置ハーケン有り(3級)。6m、3mと二つの滝を越えると右から細流の入った
所に15mナメ滝

「こんな上にまだ大きな滝があるんだ!」

とセルフタイマーで写真を撮った後、カメラを取りそこね、50cm弱落下。。。拾い上げると、液晶カバーに傷が。。。
あーぁ。。。と思って電源入れると、液晶が映らない!!!

シャッターも切れないし・・・この程度の高さから落ちて壊れんのかよ!!!

シュリンゲとハーケン拾ってもデジカメ壊しちゃ話にならない・・・
2段7m 10m滝
10m滝 水流左を直登
15mナメ滝にて

カメラ故障でテンション大幅ダウン(・.・;)。とりあえず15mナメ滝を右から上がる。幸い(?)滝はあと5m滝が3つ。
そういえば登山道がこの辺りを横切っているはずなのだが、気付かないでそのまま詰め上がる。水が涸れ、
茎の細い笹藪を15分弱漕ぐと稜線に出てしまった。。。
 稜線にはガスがかかっていて風もあり結構寒い。5、6分歩くと蓬峠の避難小屋。一ヶ月前ここから、人を背負って
降りたんだっけ・・・

時間は11時過ぎ。。。天気悪いし、デジカメ破損で全くやる気が出ないので白樺沢の下降は
やめて、そのまま一般道で土合に戻る。
マチガ沢近くの基点登山口まで約2時間だった。

P.S:ケサ丸沢はナメが多い楽しい沢でした。シャワーは無いので秋の晴れた日がお勧め。
   技術的には難しい所は無いのでスリップだけ気をつければ問題なし。
   遡行中、良いテン場所は見つけられませんでしたが、湯檜曽本谷と白樺沢出合を
   ベースにして大倉沢、抱き返り沢への継続遡行はお勧めかもしれません。

隣の白樺沢の遡行記録はこちら


遡行図 
15mナメ滝から上は精度が悪いです





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