2005年11月5、6日 大洞川荒沢谷桂谷→アシ沢下降(奥秩父)

メンバー:安藤さん、きむひろさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m(2本)、靴:フェルト
参考ガイド:奥秩父、両神の谷100ルート
       すうじいさんの遡行図

秋も深まり、沢の行き先も限られてくる中、焚き火系の沢として奥秩父、大洞川流域の荒沢谷桂谷を選定。
日帰り遡行も可能だが"焚き火系"なので、ゆる〜く1泊2日で計画。下降もお隣のアシ沢で下降することにした。

初日(快晴)
4:35自宅発→(R4,R50)5:38太田→7:20秩父駅、→8:35林道終点荒沢橋着
9:05遡行開始→9:45桂谷出合→11:55 30m6段滝下→13:30 1360m地点テン場着

安藤さん、きむひろさんと秩父駅で集合、車2台で大洞林道終点
ゲートまで行く。
大洞林道は今年夏の井戸沢以来だが、道路状況に変化は無くCR-X(2ドアクーペ)でも問題なく走れる。
ゲート手前に掛かる荒沢橋を渡ると10台前後の駐車スペース。今日は我々の車だけのようだ。
 入渓準備を整え早速出発。今日は気温水温とも高めの感じ。先週、那須の沢でキノコが取れたため、
私は”キノコ取りモード”。ブナの枯れ木を見てはチェック! すると早速先週食べた"ムキタケ"をここでも
発見!今夜のおかずにする。

 45分弱で桂谷出合。大きな丸い岩があるのが目印。と言っても、間違える程でもない。桂谷最初の6m滝
水流右を直登。次の4mは水流左を直登。この先若干の倒木帯もあるが、キノコの時期はなぜか嬉しい(笑)

 釜を持った5m滝は夏なら釜を泳いで瀑芯突破も可能だが、そんなつもりは毛頭無く、水流右から経つって
瀑芯狙いで突破しようと試みるが、スタンスが無く結局、水流右をそのまま登る。
トイ状4mを強引に直登(右から楽勝で行けるが)すると15m級の斜瀑が行く手を阻む。

ひ:「あれっ!!!こんな滝あるの!?」
あ:「そうそう!」
ひ:「えっ!どれどれ…」

そもそも、自分はガイド本の"滝の登攀グレード:2級"というのと、"1360mにビバーク適地あり"と言う
箇所しか今まで見ていなかったのだ(^^)ヾ

ひ:「どーみても2級には見えないんですけど…」
あ:「左を巻くらしいね」
ひ:「ほぉ〜〜…」

と言いつつもなんとなく核心は水流右の突き出た岩を越える1ポイントと読み「ちょっと見てきます!」と言って
カッパを着込み取り付く。。。
両手両足で突っ張って5mカニ歩きして、まず斜瀑の真下(釜から3m上)に到着。
ここから核心部を見ると完全シャワーで水流の中にホールドが有るかがキーポイントとなりそう。
せっかくカニ歩きしてここまで来たのでフリクションを利かせ、3m弱を直登。水流を浴びながら、丸いホールド
を両手で取ってさらに上のホールドや、スタンスを探すが、左足スタンスは無く、さらに上にも良いホールドは
見つからない。水の冷たさも有り、一旦断念して慎重にクライムダウン。再度トライするが、やはり見つからない。
ダマシダマシ行けるかも知れないと思い。メンバーには迷惑を掛けてしまう事に申し訳なさを感じるが
「上からザイル出してもらえます?」と身勝手なお願いする。

15分程待っただろうか。。。ガイドによると”右岸ルンゼを利用して巻く” との事だが、取り付いた安藤さんに
よると、このルンゼが結構悪いらしい。リッジにトラロープがついていて、これを見つけたきむひろさんの方が
先に巻きを完了しザイルを投げてくれた。

さて、トップロープで再TRY!先程の丸いホールドを両手で取って、そこから右から突き出た岩の奥に
向かって水流の中に右手を伸ばす。ガッチリしたホールドは無かったが、ここはトップロープ。
"行ったらんかい!"と頭から水を被って強引に突破!!!核心を抜ける。
そこからは3級+のシャワー登攀で(1回滑ったが)抜ける事が出来た。
核心は4級+かなぁ???まぁハーケンも打てないしズブ濡れだし、まぁ直登するとこんな感じですという事で…
お騒がせいたしましたm(_ _)m


ここには懸垂の支点として残置シュリンゲが2本残されており、すべて頂く。安藤さんから「ちょっと休憩しようか?」
と暖かいお言葉を頂くが、「寒いのでちょっと歩かせてもらっていいですか」と遡行を続ける。ゴーロ帯から3m滝を
過ぎると階段状の滝が現れる。これが30m6段滝らしい。

「じゃぁちょっと休憩しましょうか」

とまぁ時間もあるので休憩がてら早速”焚き火”をする。暖かいが、火から離れると寒さを余計に感じ、
なんだか逆効果。20分程度で服を乾かして30m6段滝に取り付く。
ガイドによると6段中、上2段は直登出来ないらしい。確かに一番上はヒョングっている。3級-くらいのレベルで
下4段(何処が4段目なのか良く判らない)は快適に直登。ヒョングっている最上段も右巻き以外に取り付けないか
水流の左を見てみると、左から落ち口方向にバンド状に伸びるルートを発見。"都合よく見れば"

「ここ行けるんじゃないかな?」

と行って取り付く。取り付いてみると、そう都合良くなく、「う〜ん」なーんて唸っているのを聞いてか、安藤さんと
きむひろさんは定石どおり右から巻きを開始。そうしている間に私も、選んだホールド/枯れ木/スタンスが
全部崩れる事も無く突破することが出来た。3級+〜4級かな。
この6段滝を登り終えると二俣となり枝沢側から見事な20m滝が入る。本流は左の階段状15m滝。
ここが桂谷のハイライトだろう。

 階段状15m滝を快適に超え、5mクラスの滝を数本登ると、ガイドの遡行図どおり左から枝沢が入る。
快適ナメ滝

さらに10分ほど進むと、左から涸沢が入る。1360mにあるビバーク適地はこの辺りか?
安藤さんに「標高どんなもんです?」と聞くと「1380m!」とのことなので、ビバーク適地はここに間違いは無い。
辺りを見回すと涸沢と本流が丁度出合う所に平らな所を一応発見!時間はまだ13時半
明日の天気は悪いので、今日中にもう少し進めればと思い、空荷でさらに10分ほど進むが良い場所は
見つけられなかったので、今日はここで早々遡行を終了する。
 薪も豊富で3人で山のように掻き集め、早々着火。これから夜9時半すぎまで。
遡行時間より長い宴会となる。。。これでは体重は落ちない。。。


二日目(曇り)
7:10出発→8:25稜線登山道→9:15雲取山荘→9:30アシ沢下降開始→12:25荒沢谷本流出合
→13:10荒沢橋着
16:03秩父駅発→18:20太田→19:50自宅着

まだ暗い朝5時に目が覚めてしまったので、早速焚き火で温まる。昨日捕ったムキタケをラーメンのおかずに
して美味しくいただいてから出発。

 ここから先はほぼゴーロ帯。 2箇所、大岩があるのがちょっとしたアクセントとなっている。ただビバーク適地
は見つからなかった。
2、3の二俣が現れるが、左、左と入り忠実に沢を詰めていく。ガイドには10m岩峰が書かれているが、そもそも
ガイドも見ずに遡行しているため、全く気が付かない。
稜線まで標高100m弱のところで右の子尾根にあがり詰め上がる。ヤブこぎは無い。
出たところは芋ノ木ドッケより雲取山側の登山道。芋ノ木ドッケ方向
には立派な階段が見える。

 ここから、アシ沢に移動開始。地図をみると雲取山荘を越えたすぐの所から下ればいいようだ。
雲取山荘を見るのは実は初めてで安藤さんきむひろさんは登頂済み、雲取山も登った事は無い。100名山なの?!
ここから雲取山まではすぐみたいだが、面倒なので山頂に行く気無し。
「ここで、雲取山山頂に登った事にする!!!」と宣言したら
「そ、それは,マズイでしょ!」
と百名山を踏破した安藤さんにたしなめられてしまった(やはりダメか・・・)
山頂には小屋がある!・・・わけない

アシ沢の下降点は雲取山荘から三条ダルミに向かう登山道に入って10秒! 水場のある所だ。
ただ、下降を開始するとゴミだらけ… こんなにひどいのは見たこと無い。 空き缶をみると昭和40〜50年代
だったりする。ガラス瓶も割れて散乱しているので。手を付く際には要注意だ。100mくらい下降してようやく
ゴミが無くなる。水も流れはじめ、小滝も現れるが、水流の左右を難なく下降できる。1時間程下ると初めて
「う〜ん。。。」 と言うところが現れる。10m滝だ!頑張ればクライムダウン出来そうだが、頑張る必要も
無いので30mザイルを出して懸垂。次に懸垂下降したのは15m階段状滝。30mザイルを2本つないだが、
45mザイル1本で下まで届くだろう。このすぐ下の5m滝も懸垂要で、水で磨かれた倒木にザイルを掛ければ
濡れずに下りれる。その先の5m/5mの2段滝は、「支点無いよー」と思ったら水流右の1m岩をこえたらザイル
無しで下降できるルートを発見。残置せずに済んだ。

滝場も終わったようで、あとはテクテク下るのみ。ちょうど3時間で荒沢谷にぶつかった。

ここから10分ちょっと下ったところが桂谷出合。荒沢谷の下降を続け、雨に降られず荒沢橋に到着。
5分ほど遅れてきむひろさんが荒沢橋に到着直後"ドボン!"と岩が落ちる事。
きむひろさんが、「安藤さんだったりして…」なんて縁起でも無いことを言い出す。
が。。。さらに5分経っても安藤さんが現れないので、二人で荒沢橋上から 
岩を抱えてひっくり返っているかもしれない安藤さんを半分期待し(笑) 下を覗き込むが、安藤さんの姿は無く
"流されちゃったかなぁー" と、しつこく半分期待したら 

「あっ!来た!!!」

。。。と言う事で、めでたく全員無事遡行終了!!!

大滝温泉道の駅で温泉に浸かり、秩父駅で安藤さん、きむひろさんと別れ、所用がある私は一人お先に失礼
させてもらい自宅に向かい車を走らせた。

P.S:桂谷は大洞川流域の入門の沢と言う事で滝の登攀グレードも2級と言う事ですが
   ガンバッチャウと4級+(以上?)に跳ね上がります。アシ沢の下降は45mザイルが
   あれば、特に難しいところはありません。もちろん早出すれば日帰り可能です!
   この沢は秋がオススメかな。。。


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