2006年4月9日 奥多摩南秋川 軍刀利沢 

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、カム、靴:フェルト
参考ガイド:東京周辺の沢

夜からオーケストラの練習に参加するため、バイクアプローチ&短かい沢を選択。先週、手の怪我で行けなかった軍刀利沢に決定。
下降は矢沢本流とした。

アプローチ:CB1000SF
4:10自宅発→(R4)5:10埼玉県道3入口→6:15青梅→6:30武蔵五日市→7:00矢沢林道ゲート着
7:45出発→7:55軍刀利沢入渓点11:15稜線(三国峠)→(茅山超え)11:35下降開始→
12:00矢沢林道先端→12:25林道ゲート着
12:55同発→14:30埼玉県道3号入り口→16:06自宅着

昨年5月"ねずみ取り"で御用になって以来のバイクアプローチ。春の全国交通安全週間
という危険週間なので、ねずみ取りや追尾のパトカー等に注意を払いつつ目的地へ爆走。。。
ではなく安全運転で向かう。

 南秋川沿いの県道から矢沢林道への入り口は小さい看板しかないので注意。林道はバイクでも問題なく走れるが
土砂崩れのため、その手前で駐車する。車は7,8台駐車可能。

時間は7時。ガイドによると軍刀利沢の遡行時間は2時間とあるので、早速その場で焚き火。
温まりながら遡行準備をしていざ出発。
 林道をテクテク歩いて7,8分。右から堰堤で出合う沢が現れるがこの沢ではない。もう1〜2分、林道を歩くとガイド
に書かれてある通り、木に赤テープが巻かれた所に沢が右から出合っている。これが軍刀利沢。
今ひとつ水量が少ない感じはするが、遡行時間2時間程度なので、こんなモノなのかな???
林道から沢床には踏み跡があり、それを利用する。
 
 入渓して直ぐにゴルジュ。この時期なのか枯葉が多く、枯葉の上に足を置くとそこは深い釜だったりしていきなり
お尻を濡らしてしまった。ゴルジュを抜けると幅広2m滝。何処からでも登れる。その先には次の滝も見える。

"おっ!!!良い感じ!!!"

3mナメ滝と4m2条滝が対となって、これが何とも美しい! 出合の貧相さが嘘のよう。
3mナメは容易。4m2条滝は右から登るのが簡単だが、左からTRY。
次の5m逆く字滝は巻こうと思えば左を小さく巻ける。釜が深いので右壁をへつって、そこから水流沿い直登する。
もっと右側を小さく巻くことも可能。美しい階段状ナメを通過し
2m程度の小滝2つを瀑心突破する。2つ目の小滝に綺麗な残置シュリンゲが掛かっていたので瀑心突破したご褒美
にいただいた(笑)
 次のS字状8mナメは釜の左をへつってから水流を直上、傾斜はゆるいので恐怖感ゼロ。
次の3m滝は実際に5mくらいある。右岸を小さく巻けるが、右端の水流沿いを直登。水は冷たいが3級レベルの登攀
だ。
 これを超えると、段違いに大きな滝!!! ガイドを見ると2段10mと書かれてあるが、18mくらいはある。
水流右はホールド皆無で直登するならボルト連打のA1。水流左は5mくらい頑張って登ったとしてもその先が
行き詰りそう。やはりここはガイドに書かれてある通り右を巻く。かなり高いところに残置ロープが有りこれを使って
トラバースするような感じになっているが、1段目最上部まで上がって、水流に近づき、そこから直登出来そうだった。ち
ょっと悩んだが、2段目がどうなっているか判らないので、一旦ここは巻きを選択。
ただ残置ロープまで上がるのはかったるいので、ショートカットして巻きを完了する。
 滝の上から見ると2段目は容易だったので、時間もあるので、懸垂下降で、1段目最上部から直登できるのかを
確認しに行く。
 1段目最上部から2段目に上がる1歩がちょいと嫌らしいがそれ以外は問題なし。
1段目最上部に潅木があるので、ここでランニングビレイを取ればそんなに怖いことは無い。
2段目には残置ハーケンもあったので、このルートで登った人もいるのだろう。。。

大滝の上には快適な5m滝があり快適に超えると、次はガイドで核心と示されている5mナメ滝
ここは水流右端の直登を試みるが、良いホールドとスタンスが無くチョット苦労。水が冷たくてホールドをじっくり
探す事が出来なかったが、クラックに足を挟んでフリクションを利かせて登る、落ち口にある小岩がしっかり固定
されていた為、これをつかんで突破する。 次は最上部に木が挟まった7m滝。ガイドには5mと書いてある。
左から巻くのも可能だが、下部は容易でそこを終了すると左壁を斜上出来る様になっている。。。が、ここは最上部
に挟まった木に足を掛け、木に抱きつき(?)直登した。

次の3mナメも右から草付を巻いてしまえば容易だが、水流左を直登3級+か?
次の6m滝は実際8m以上はある。明るく開けた感じで美しい。水流右側が簡単で、もっと右には"ここを巻いてください"
と言わんばかりの地形になっている。

。。。がここも"水流左、行けるんじゃないかなぁー" と取り付いてみる。

左手はしっかり握れるホールドがあるが、足を滑らせると落ちてしまう程度なので慎重に進む。右足と岩の間に
左足を通す一歩が微妙なバランスを要求される。足が滑らず何とか突破できた。この微妙感は4級はあるんじゃ
ないかな?
 
この先、ガイドには細長い淵が書かれてあるが、大分埋まってしまった様で、取り立てる程でも無い。
この先にはガイドに書かれていない10m滝がある。水流右が広く何処からでも登れるが、水流近くを登り直登感
をかもし出す。
ガイドに書かれていない10m滝

次に現れるのが、最後の滝となる10mナメ滝。この滝も右から容易に巻くことは可能だが、
水流右から直登を試みる。まず右から回り込んで(容易)滝つぼから5m位の高さのところで水流に近づく。
ここからは非常に滑りやすい。左手側のホールドはほとんど無く、右手で乾いた岩を取りながら、外傾気味のスタンス
を拾って1,2歩登ると、ここから先がかなり厳しい。姿勢を保持するのにも多少力が要るため、カムを取り出し、
縦に走るクラックに噛ませてとりあえずセルフビレイ。利きが今ひとつなので、この状態でハーケンを打って、
長めのシュリンゲでビレイを取り直した後、長めのシュリンゲをもう1本付け足して登り始める。
ここから水流沿いはほとんどホールドが無いため、右の乾いた岩にホールドを求め、シュリンゲが伸びきる間に
ガバを見つけ、そこでビレイ解除して、そのまま乾いた岩に逃げる感じで、この滝を越えていった。 
滝上から懸垂下降してハーケン類を回収してゴボウで再び登り返す。

この滝を終了すると、沢は平凡になり、休憩がてら焚き火。 この先ガイドに書かれている"小滝CS"というのは
「これかなぁ?」と思ってしまうほどで、何の問題も無い。本流と思われるところ詰めていくと三国峠近くに出る。
稜線登山道は中高年登山者で賑わっていた。
 
さて、今回の下降は矢沢本谷を下りるつもり。三国峠から生籐山を超えるとガイドの通り
立て看板のところから赤テープが巻かれた仕事道が伸びている。通常はこれを利用すると早い。
 自分はさらに茅丸(1019m)を超えた鞍部から矢沢本流へ下降を開始した。
出だしは急だがザイルを出すほどでもない。5分も下れば沢床に到着するが、さすがにガイドに載っていない
だけはあり、完全にショボ沢だ!水も流れていない。滝も無くさらに10分強下ると先ほど紹介した仕事道と合流。
さらに10強下ると早くも林道に出てしまった。
矢沢本流は林道が現れた辺りから小滝やゴルジュが現れるが、平行して林道が通っているだけに、
わざわざ沢を下降する気にもなれず、そのまま林道をテクテク歩き、駐車場に到着した。


 帰り道、さすがにバイクは早い!ちょっとしたツーリング気分を味わいながら16時に自宅に到着。
片付け&シャワー後、オーケストラの練習に向かう。。。

P.S:軍刀利沢は明るいし滝が連続して実に面白い。また実際の滝はガイドに書かれているより大きい。
   滝の登攀の核心は3級で、遡行時間2時間と書かれてあるが、ほとんどの滝を巻いた場合で、
   ちょっと頑張ろうとすると4級A0、で4時間は見たほうが良い。
   他にもいろんなルートも考えられるので、初級者から上級者まで大いに楽しめると思う。

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