2000年7月28〜30日 北ア 前穂高岳 北尾根


単独→X,Yコルから、プロガイド山田哲哉氏ツアーに合流。
    (女性1人含む6人、計7人)
    アプローチ:CB1000SF

28日(金)曇り時々雨(アプローチ)
AM 7:55自宅発(CB1000SF)下道→R50、10:30安中図書館、
10:45同発→R18碓井バイパス、三才山トンネル→
14:20沢渡駐車場、15:00同発→15:33上高地バスターミナル、
15:45同発→16:25明神→17:10徳沢(テント泊)

当初、27日夕方出発予定を天気の都合で28日朝に変更。と同時に車からバイクでのアプローチとした。
安中に入り急に雨が降り出し、安中図書館で着替える、沢渡駐車場はバイク1日300円、屋根付のベンチを借り、
着替えさせてもらう。ヘルメット等の荷物も無料で預かってくれるので便利。上高地のバスはこの次期20分間隔で
出る。17時くらいまではあるようだ。沢渡から上高地のバスは片道1300円程度、往復だと2000円になる。
(昔の記録なので沢渡詳細はリンクを見てください)

この日、行けるとこまで行くと次ぎの日が楽と思い、時間的に可能な徳沢まで歩いた。徳沢キャンプ場は500円。
中学生の林間教室だろうか非常ににぎわっていた。水は新しくポンプでくみ上げる水場が登場した。
水は美味しい。徳沢ヒュッテの喫茶店ではコーヒーでも一杯飲みたくなるところだ。
北尾根全景(家にあったカレンダーの写真)



29日(土)曇り時々雨
4:10起床、5:30徳沢発→6:25横尾、6:35同発→7:25本谷橋→9:10涸沢ヒュッテ、9:40同発→
10:50X,Yのコル着、Y峰、X峰(コルにてテント泊)

奥又白池軽油のバリエーションルートでX,Yのコルに出るつもりだったが、残雪が多くパノラマコースが通行不可
となっていた。一度も歩いた事も無いので、ここは残念だが確実に行ける涸沢廻りを選択。
 確かに、横尾は2年前の同じ時期に登っているが、今年は非常に多い。涸沢には思ったよりも早く着いた。
涸沢ヒュッテではキヨスクかと思わせる売店もあり、おでんも売っていた。後で聞いた話しだが、涸沢の飲料水も
昔よりはきれいになったそうだ。

ここで、[峰からの完全縦走か、X,Yのコルからか少し迷ったが、小屋の人に話しを聞き、X,Yのコルを選択。
小屋から見えるちょっとした"小尾根"を巻くとりっぱな踏み後があった。

X,Yのコルは一人用テントなら3張り、2,3人用なら1張り晴れる。水は雪渓から取るしかない。風をさえぎる岩があり、
この岩陰がベストポジション。コルからは奥又白池が割と近くに見える。私が着いた時には、2人組みがちょうど
X峰を上がっていった。それにしてもここから見るX峰はしばらくぶりのバリエーションルートのせいか急峻で
非常にビビッテしまった。
テントを張り、まずY峰に登ってみる。ハイ松帯の踏み後を10分も登ればY峰頂上だが、山頂からZ峰側は
一変して急峻な石稜になる。続いて、ビビッテしまったX峰に登ってみたが、意外と楽勝で登れる事を確認。

一端テントに戻り横になっていると、6人組みパーティが上がってきた。
彼らは、寝袋とタープしか持ってきておらず、

「申し訳ありませんが、場所を変わっていただけませんか?」

ということでテントの場所を変わってあげて一緒に宴会が始った。なんと山田哲哉さんというプロのガイドツアー
だった。女性も一人いたが、こちらもツアー会社所属のガイド?とのこと。
俺が「北鎌とどっちがむずかいしいですか?」聞くと前穂の方が難しいとのこと、持ってる装備をいうと、
"じゃあ一緒に行きましょう"という事になる。内心ホットしてしまった。宴会は非常に盛り上がった。


30日(日)晴のち曇り
3:50起床、5:35X,Yのコル発→5:50X峰山頂、6:05同発→W峰山頂6:55→7:30V峰取
付開始→8:55V峰頂上→9:13前穂高岳山頂、9:45前穂高下山開始→11:37岳沢ヒュッ
テ、11:55同発→13:18前穂高登山口着→13:25上高地バスターミナル、→?沢渡駐車
場、沢渡温泉、15:55沢渡温泉発→(松本にて食事)17:20松本発→
(上信越、東部湯の丸〜松井田妙義、(渋滞7km)。東北自動車道、佐野藤岡〜上三川)
21:30真岡自宅着

夜中は星がきれいだったとの事だが、朝は少しガスっていた。30分様子を見たら晴れてきたので決行する。
山田さん率いる6名は、一本のロープに6このエイト結びを作ってつながるコンテで登る。その後をフリーで私が
ついていく。
 
 V峰は余裕。V峰山頂からの穂高から槍の尾根はすばらしい。またW峰が眼前に高くそびえる。
X峰からの槍ヶ岳

W、Xのコルは幅が狭く、テントは張れない。そのまま一気にW峰に取り付く。W峰はルートさえ間違わなければ
特に問題無し。山田さんがチョット難しいルートを選んでしまったようだ。W峰からの下りは奥又白側を巻いて下る。
 V、Wのコルは結構広い。ここでテントも張る人がいるそうだが、風は吹きさらし。

山田さんグループはここでクライミングシューズに履き替える。V峰の登りは1ピッチ目が2ルートあり、
正面に見えるクラックは岩がすべりそうで難易度が高い。(残置シュリンゲもみえる。)
もう一つは10m程直登してから奥又白側へ巻くルートで、フェイスのトラバースがあるがバンドがちゃんとある。
高感度はあるが、難しくはない。(3級程度)
このトラバースを終了すると、60度くらいのスラブ状に10cm程度のクラックがありここを6mほど直登すると1ピッチ目
終了。ザイルは50mあったほうがいい(今回は40m)。

山田さんグループは、山田さんがロープをフィックスさせた後、ユマールを使い登る。自分はシュリンゲを使った
プルージックで登る。プルージックはイチイチ結び目を引き上げるのが面どくさい。

2ピッチ目は幅が1mくらいある凹角状のチムニーを目指す。このチムニーも核心部らしいがここは特に怖くない。
チムニーの通過後にちょっとした直登があるがこれもホールドはあり、岩が崩れない限り問題はない。
2ピッチ目が終わると核心部は終了。

ここからは私もコンテに混ぜてもらったが、ザイルをつなぐと間隔、前後の人と一定の間隔を保つのが難しく、
たるんだザイルを引っかけたり、ザイルが張ってバランスを崩したりする事の方が危険に思えた。

2ピッチ目が終了するとV峰の頂上もすぐで、U峰はV峰のすぐ近くなのでV峰の頂上がどれか解らないくらい。
U峰の下りは神経を使うと書いてあったがそんなでも無かった。T峰の前穂山頂もU峰から直ぐ近くで、
V峰を越えればあっけなく北尾根は終了してしまう。V峰のルートを間違わなければ特に問題は無いという
感じだろうか?
山頂で大休止&記念撮影後上高地を目指し一気に下山する。途中この次期なのか怪我をし
ている方が結構多かった。

P.S:前穂高といえば、自分が最初に登った山だ!今回は山頂での展望は無く
   残念だった。
     さて、この数日後、「山と渓谷」をみると、今回の山田さんのツアーガイドの
    案内が掲載されていた。何と1人交通費を除き3万円する。
   結構ビックリだ!

5月の前穂北尾根の記録はこちら

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