2001年8月25,26 谷川山系 湯桧曽本谷

メンバー:鍵山さん、植木さん、尾上さん、弘田
靴:フェルト

湯桧曽本谷に行くきっかけとなったのが、会社の山岳部のデータベースで鍵山さんがアップした山行予定だった、
そこに憧れの沢の一つである湯桧曽本谷があったのだ。4級+と聞く湯桧曽本谷は単独で行く勇気が出ず、
ダメもとで、面識もない鍵山さんに「連れてって?」とメールを送ったら一発OKの返事をもらえたのだ。
このメールが自分の山登りの世界を更に広げて行く事になった。

前夜アプローチ
20:15今市 杉並木公園集→.20:30出発(金精道路)
→23:00湯桧曽駅

今市 杉並木公園で、今回一緒に行く事になった、植木さん、尾上さんに会う。二人とも矢板にある山岳会に
在籍している。鍵山さんとはいつも一緒に沢や山スキーに行ってるメンバーだ。
今市からだと沼田までは以外に時間がかからなかった。
湯桧曽駅を過ぎて、道路沿いの公園のあずまやにテントを張りここで寝る。


初日(8/25): 5:15起床、6:10湯桧曽駅(準備)→7:10松ノ木沢前駐車場出発→
8:40 武能沢着、9:05入渓→9:10湯桧曽川合流→10:00赤淵手前→10:15ヒョングリ滝上
→11:30 三条チムニー滝→13:05 40m大滝下→13:25 40m大滝上→14:25 二俣(幕営)

朝起きると天気は曇り空。テンションが下がり気味だったが"とりあえず"という事でテントを撤収してたら
青空が見えてきた。
湯桧曽駅で荷物の配分。私以外は全員速乾性のスラックスと長袖シャツを着ている、
タイツみたいな物だと上から虫に刺されるからこの方がいいとのこと。(たしかに。。。)
車は、土合橋を過ぎた直後に湯桧曽川沿いの林道を入る。湯桧曽川支流松ノ木沢の対岸まで車は入れる。
駐車スペースは20台くらいか。

ここから、湯桧曽川に沿って登山道を進む。途中、一の倉沢、幽ノ沢、等の渡渉があるが靴を濡らすことはない。
武能沢の一本手前の沢で山に上がって行く作業道に入ってしまい15分ほどのロス。この作業道、武能沢から蓬峠
に上がって行く本来の登山道と似ているので迷いやすい。本来の道は作業道入り口より湯桧曽川に2mほど下がった
所にある。武能沢には"武能沢"と書かれたハッキリとした道標があります。

  武能沢で入渓準備、湯桧曽川本流へは5分ほど沢を下る。湯桧曽川のまさに入り口を示すかのようなゴルジュが
前方に現れる。
湯檜曽川入渓点

  6m魚止めの滝は"最初の一歩がいやらしい"とガイドにあったが得に難しい気はしない。残置ハーケンも2,3枚
打ってあり、トップの鍵山さんがシュリンゲを伸ばし、尾上さん、植木さんの手助けをする。

魚止めの滝を上がると高巻きルートがあり、ゴルジュを全部抜けられる。そのまま右岸をへツル事も出来そうだが
落ちたら結構危なそう。我々は高巻きルートをとる。(ちなみに右岸も問題なく進めます。)

ここからはしばらく河原歩き。途中、いくつかのナメ滝が出てくる。釣り人もいた。結構釣れるようだ。しばらく進むと
沢が右に直角に曲がり、赤淵(うなぎの寝床)と呼ばれるゴルジュになる。胸まで水に浸かりながら突破するか、
左岸を岩棚を濡れずに歩くかの選択になる。鍵山さんと植木さんはゴルジュ内を泳いで突破した。
ナメ滝が出てきます
赤淵(うなぎの寝床)

赤淵を過ぎるとすぐにヒョングリ滝が現れる。右岸が階段状になっており2級程度の登り、全員ノーザイル。
ヒョングリ滝を越えると、3段30m滝の奥に十字峡に流れる抱き返り滝が姿を現す。
湯桧曽川一の絶景ポイントだ!
ヒョングリ滝は右岸から
3段30m滝

 十字峡に流れ込む抱き返り滝は高さ50m。3級の登りで左岸から直登できそう。我々は当然、本流を進む。
腰までのゴルジュを突破すると、赤滝20mが現れる。右岸の凹角を高巻く。直登は、右岸1段目をのぼり、
淵を慎重にへツって二段目に取付き、そこから4級クライムになる。この滝の直登がおそらく一番難しいと思う。
更に進むと3条10m滝。これは右岸のチムニーを越える。植木さんが何故かてこずってた。(ノーザイル)
抱き返り滝
赤滝20m?

この滝を越えると七つ小屋沢との二股だが、本流はいかにも支流のごとく左岸から高さ5mの滝となって流れ込む。
七つ小屋沢の方がいかにも本流に見えるので注意。(七つ小屋沢に入るとすぐに登りがいのある20m大滝になる)

本流をさらに進むと大きな釜を持つ10m滝に出る。ガイドで一番の難所とされていた滝だ。
先行パーティは左岸を高巻いている。鍵山さんが右岸の凹角を視察しに釜に入って行ったが、最初の3mが
ハング気味でムリとの事。そうしている内に、植木さんが目をギラギラさせ滝を見ている。
 まさか!と思いきや彼は水中メガネを取り出し、滝の水の中の斜状バンドに突入して行った。すごすぎる!
彼の体は滝の水で完全に隠れて見えない。。。。そして見事滝を潜り抜け彼は出てきた!これを見ていた
小柄な女性である尾上さんももう滝に取り付いているではないか!  ただ水流でコンタクトがズレルらしく一旦
また戻ってきた。そこで植木さんが水中メガネを私の方に投げ、それをtoss。そして尾上さんも滝を突破して行った。

女性に登られてしまっては。。。と俺も突入。滝の中の斜状バンドは人が一人歩ける幅になっていて、
確かにずぶ濡れだが簡単に滝の右岸側に抜けられる。ここからは2級の直登で滝の上に出られる。楽しいー!

先行パーティーの左岸高巻きはかなり高い所まで登ってしまっている。先行パーティーは我々の事をきょとんと
見ているだけだった。

この滝を突破すると、また釜を持った7m 、6m,7mの赤岩肌の滝がつづく、最初の滝は左岸から行った方が登り安い。
自分は右岸から言って釜にはまってズブヌレ。6,7mの二段滝は左岸の高巻も可能だが、直登する。
下段は左から、上段は右側から7m程の垂直の登りとなる(3級)。 鍵山さんがTOPで登るが、尾上さんもザイルは
いらないと言って直登した。俺もトライしたが岩はもろくなかったので、以外に登れる。

ハイライトである40m大滝は思ったよりも簡単。1段目は余裕で、1段目を登りきった途中のテラスも広い。
2段目は水流沿いは無理なので右岸のスラブ支流を10mほど登り、そこから本流に沿ってトラバースする。
左のスラブ支流の取付きが1mちょっとの
段になっていて、ここを乗り越えるのがこの滝の核心部となる。残置シュリンゲも2,3あるが使わずに突破。
40m大滝
40m大滝拡大

40m大滝を過ぎると大きな滝は無くなる。二股の右岸側にGOODなテン場がありここにテントを張る(2張り可能)
何と今日は薪まで用意されていた。たき火の準備をしていると、別の女性を含む、30代から50代くらいの
4人組みパーティがやってきた。このパーティ、「隣にテントを張らして下さい」までは良かったが、
我々のテントサイトを見て、「おぉー!こんなに薪があるじゃん」「内にはたき火名人がいるよ!」と妙にあつかましい。
しまいにはメタを我々のたき火に中に投げ込むは、度が過ぎる。鍵山さんもカンカンで、投入されたメタをつまみ
出してしまった。結局、我々は、たき火だったら隣で自分達でやれよ!と硬直姿勢をあらわ。
  ようやくそのパーティは、自分達の態度が悪かった事を反省したのか、もう声をかけてこなくなった。
初めから「すいません火に当たらしてもらっていいですか?」と聞けばいいものを。。。

(彼らは沼津のパーティーで、間違って七つ小屋沢を登ってしまったようだ)

我々はすっかり温かくなったキャンプサイトで楽しい食事。。。いやぁ最高にたのしい一時を夜9時くらいまですごした。
キャンプサイト


二日目(8/26):4:30起床、6:55発→7:45最後の二股、8:00同発→9:05朝日岳山頂着
9:45同発→10:32笠ガ岳山頂着、10:45同発→11:13白毛門岳着、
11:25同発→13:05白毛門登山口通過→13:30松ノ木沢前駐車場着

隣のパーティーがやたら早かったので我々も4時半に起きた。
朝はラーメン、サラダのメニュー何から何まで用意してもらって、嬉しいやら申し訳ないら。。。

出発は7時前、二股を右に入る。ここからは難しい所は無く、河原歩き+ナメ+3m程度の滝が交互に現れる。
1時間弱歩くと、最後の二股で左股が3m滝となって合流。本流筋は右股になる。左股も面白そうだ。更に進むと、
水流は続くが薮漕ぎ風になってくる。水が完全に涸れてから20分くらいで朝日岳山頂に着いた。360度の展望。
時期が時期なのか3分の2が沢登りの人だ。
源頭部
ほぼ終了点
朝日岳山頂!

帰路は、アップダウンの少ない七つ小屋方向で帰るパーティもあったが、
我々は距離の短い白毛門経由で帰る。約4時間で白毛門登山口に到着。
そこから30分弱で松ノ木沢駐車場だ。返りは湯桧曽で温泉。JR沼田駅前の定食屋"山彦"
を紹介してもらいとんかつ定食を食べた。(すごいとんかつだ!)

P.S:ガイドによっては4級+と書いてあるが、巻き道もあり3級程度単独でも沢慣れしてる人なら溯上可能。

参考:十字峡 大倉沢の記録はこちら

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