2001年9月23、24日 武尊山系 川場谷

メンバー:須田、弘田
装備、ザイル8mm×20m、靴:フェルト
服装、沢登り専用タイツ/シャツ+長袖+薄手のジャンパー。
寝袋、鳥毛+6℃。
滝の登攀グレード:3級(8m滝)泳ぎなし

前夜アプローチ:17:20自宅発、(一般道、R50、赤城北面ルート)→21:00花咲温泉駐車場着

3連休が原因なのか、結構車が多かった。千葉から来る須田氏は、首都高が全面大渋滞との事、
21:00花咲温泉到着の約束が23時過ぎになる。車の中で乾杯、お互い車の中で寝る。

初日:快晴
5:50起床、6:05同発→6:25武尊キャンプ場駐車場、6:50同発(車)→
:05林間広場キャンプ場(川場谷入渓点)7:28出発→7:30入渓→
7:45うなぎの寝床→8:30電力小屋通過→8:57獅子の牢→11:30川場剣が峰沢合流点→
11:57 8m滝(ザイル出す)→12:37剣が峰下ノ沢合流点→12:50 4mスダレ状滝→13:00
2mトイ状滝(ザイル出す)13:37幕営ポイント着(テント)

クリヤーな青空が一面に広がるが、凄く寒い!車の中で暖をとりながら朝食をすませ、
下山ポイントとなる武尊山キャンプ場駐車場に向う。ここは車50台程駐車可能、トイレ有り、水無し

ここで須田の車を置き、私の車で川場谷起点となる林間広場キャンプ場に向う。
(武尊山キャンプ場から林間広場キャンプ場は歩けば3時間強はかかる道のり)
林間広場キャンプ場は武尊山キャンプ場とは異なり、管理人さんがいて非常に整備が行き届いている。
駐車スペースは20台程度、無料で駐車可能。

管理人に一言挨拶しに行ったら、「入り口に登山届けがあるので書いて行って」 との事。
今日の入渓は我々だけの様だ。「今日は寒さだけだな」と管理人が言う。小屋の外にある温度計は
なんと"2℃"を指していた。6℃以上の寝袋しか持って来ていなかったので、厚手のシャツ以外に薄手の上着を
一枚さらにザックに押し込んだ。

入渓点はキャンプ場脇にある堰堤を越えた所から入る。武尊山系の沢は、谷川岳山系の沢に比べ高い樹木が
茂り、全体的に暗い沢が多い。川場谷も例外ではない。しばらくの河原歩きを過ぎると"うなぎの寝床"と呼ばれる
川幅1mほどのミニゴルジュが現れる。ここは水流を突破する必要も無く、突破できる。
ウナギの寝床

ここを過ぎると"平滑"と呼ばれる川幅全体がナメになっているところが200mくらいにわたり続く。
平滑

残念ながら日がまだ高くないので、日があたればメチャクチャ綺麗な所だろう。沢登りをやらない人もここまでは
長靴で簡単に行けるので、是非ナマで見てほしい所だ。更に進み、右岸の電力小屋を過ぎると今度は急に
暗いゴルジュとなる"獅子の牢"と呼ばれる所だ。なんとこの暗い淵に魚影を発見!渓流釣りをする須田も驚いていた。
"獅子の牢"は左岸を突破するが、突破直後、右足を深みに突っ込んでしまい転倒!デジカメを持っていた手を
思わず水につけてしまった!!!デジカメが半分水没!
須田も「あぁ!デジカメがぁー!」と叫んでる。すぐに機能チェックしたらセーフだった。ラッキー。。。
この先、ガイドには小滝が多数表記あるが、滝らしい滝は無く、川場剣が峰沢の合流
までは"ゴーロ歩き"といった感じだ。

川場剣が峰沢の合流ポイントで写真をと思って、シャッターを押すが、ここへ来てシャッターが作動しない!
水没の影響か! "振る/叩く"といった理系出身とは思えない行動に出たが復活せず。。。そして良くある事だが
こういう時にかぎってこの先goodな滝、ナメが続いた。

そして川場谷の核心部といわれる"8m滝"が現れる。8mと書いてあるが10mくらい有りそう。ここぞと思って再び
デジカメを取り出すがやはりシャッターが押せない。あぁーあ。。。

"8m滝"は水流の左側を直登できる。3級レベル、残置ハーケン2,3有り。沢初心者の須田には万一を考え
ザイルを出す。須田は5mくらい調子良く登ってきたら、いきなり「おわぁ!」と滑落!!!
岩にしがみつこうともがいている。確保している自分は思わず笑ってしまった。

   俺 :「あぁ〜ぁ、命の恩人になっちゃったよ!(^^)」
  須田:「ははは、ザイルがあると思うと安心しちゃって!(^^)ゞ」

核心部の8mを過ぎると直登出来そうもないナメ滝が現れるが右岸に踏み跡があり簡単に高巻ける。
釜をもった2mトイ状滝は左岸をヘツり突破、すると後ろからまたもや須田の叫び声!振りかえるとこの寒いのに
釜を泳いでいるではないか!!!足がつかないらしく必死に対岸に向って泳ぐ姿を見てまた笑ってしまった。
本人曰く、
         「いやぁ死ぬかと思いましたよ…」 

須田君初めての沢登りで満喫である。。。
 
ガイドを見るとこのあたりで幕営ポイントがあるとの事でキョロキョロ見まわす。
右岸にGOODなポイントを見つけ幕営。(他に2個所ほどビバークポイントを発見)
夜は焚き火と ”おでん”で温まる。ついでにデジカメも温めた。。。


二日目:快晴
6:00起床、7:40出発→薮漕ぎ1時間半以上→10:56稜線、11:45稜線発→11:59武尊山山頂
→13:54前武尊山頂着→15:20武尊キャンプ場駐車場
15:35林間広場キャンプ場着→16:15花咲温泉、16:57同発→(赤城北面、R50.佐野藤岡IC〜上三川IC)20:15自宅着

+6℃の夏用寝袋で心配だったがそんなに寒くなかった。ガイドではここから2時間で登山道という事なので、
焚き火を起こしのんびり出発。ここから先は滝という滝は無い。
水量(1:1)の家ノ串上ノ沢合流から少し歩くと水が消える。このあたりは背丈以上の笹薮が密生しており、
稜線が見えない。左、左と進むようにガイドには書いてあるが、すぐに沢筋も消え薮漕ぎになる。
一瞬左側に更に上に伸びて行く沢筋を発見、そちらに向う。
さらに登るが、なぜかこの沢筋、ガイドと反対の右へ右へと進む。枝沢を見落としたのだろうか?途中、左に伸びる
踏み後が数カ所あり登ってみるが、先に進めない所も有り、しびれをきらす。

本流筋(?)も、進のが困難になった所にたまたま発見した左に伸びる踏み後を入る。
5分ほどは踏み後があったが、その先は未踏の密笹薮。。。背丈以上の笹なので何処を目指して
登ればいいのか全く解らない。傾斜もかなりきつく両腕で笹をわしづかみにし一歩一歩登る感じ。

途中ハイマツも混じると更に突破が困難になる。一体稜線まであと何mくらい登ればいいのだろうか?
息も絶え絶え。。。須田に声をかけると後方から「一応生きてます…」との声。
このまま45度以上ある斜面をひたすら登り、最後にハイマツ帯を突破して稜線登山道に出た。
お互いもう疲労困憊である。それにしても須田クンはよく頑張ったと思う。

ここで靴を履き替え武尊山頂に向う。武尊山頂からは雲一つない360度の展望を満喫。北アルプスまで見える!
 笹薮漕ぎのルートも振り返って見たが、何処を登っても辛そうだ。他のパーティは何処を登ったんだろう?
武尊山頂から前武尊を望む

前武尊に向う登山道にある水場は水量が少なかったが非常に美味しい。前武尊山からはオグナ武尊スキー場横
を通るルートで武尊キャンプ場駐車場に戻る。車をデポしておいたのはやっぱり大正解!

アクセル踏んでれば前に進むんだから車はやっぱり楽チン。
林間広場キャンプ場に戻って、無事下山の報告をすると小屋のおばさんがコーヒーをご馳走してくれた。
今朝も気温はたったの3℃だったそうだ。また獅子の牢で岩魚を発見した。と話しをすると、増水時を利用して、
堰堤の四角い水抜き穴みたいな所を利用して、ニジマスやイワナが遡上して行くとのこと。
返りは花咲温泉につかり、ここで須田と別れた。


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