2001年9月29日 越後 登川 金山沢

メンバー:鍵山、弘田
装備:ザイル8mm×45m(使用せず)、靴:フェルト
ハーケン、シュリンゲ 多数使用
滝登攀グレード:4級(第二スラブ)
泳ぎ:無し

3日前に、急に決まった金山沢、隣の米子沢に劣らず美渓とは聞いていたが登攀レベルが4級の為、
単独では行く気にならず、夢の沢であった。今回、鍵山さんの誘いでTRYする事になる。

前日移動
19:20 自宅発→20:00鍵山さん宅、20:05 同発→(R50、赤城IC〜石打丸山IC)
23:00石打丸山SA着(テント泊)

下館にある鍵山さん宅を経由して、出発。トイレも水もある石打丸山SAでテントを張りそこで寝る。
(金山沢の入渓点駐車場を夜中に探すのは困難かつ携帯も繋がらないので、直接現地には行かない方がいいだろう)

当日
5:30 起床、6:10同発→6:35誤って姥沢川起点駐車場着(誤って入渓後再び車で移動)
→7:15金山沢起点駐車場発(出発、沢沿い登山道)→7:45 入渓→7:50右岸岩小屋→8:56黒岩沢合流点
→9:03 30m多段滝下→9:20 30m多段滝上→10:15第一スラブ起点着→11:30第二スラブ起点着
→13:40割引山山頂への沢分岐(2:3)→14:05稜線着、14:25同発(下山開始)→16:46 林道
17:20金山沢起点駐車場着、
17:50 温泉/食事(湯沢駅前)19:00同発(湯沢IC〜赤城IC)→21:40鍵山さん宅→22:15 自宅着

高速SAで沢支度をして出発。巻機山登山口方向に進むのだが、金山沢起点駐車場を探すのは案内板もなく
困難だった。現地のおじいさんに道を聞き、ようやくたどり着いた。早速入渓してみると、いきなりガイドには無いのに
沢が二俣に別れている!沢の様相も暗い。。。

「これほんとうに金山沢?」

と地図を見ながら確認。だが林道の付き方など非常に良く似ている。でもなぜ沢は二股なの?
とりあえず少し登ってみると、後方から「おーい!」との声! すぐに"やっぱり違うんだ"と思った。声をかけてくれた人
は、先程道を教えてくれたおじいさんに話しを聞き駆けつけてくれたのだった。。。
この親切なおじさんに金山沢の入渓点まで連れて行ってもらった。

金山沢入渓点の駐車場は、ただの草地で車はせいぜい3台くらいしか停められない。
ここから、すぐに入渓可能だが、平凡な様相なので金山沢左岸に沢と並行に伸びる踏み後を進む。
いつまで登っても沢に出ないので、30分ほど登った所から、支流の沢を伝い金山沢に入渓。
(この踏み後はかなり上まで伸びているので適当な所から沢に入るのを勧める)

  入渓点は右岸スラブを越えた所だった。入渓直後にガイドに有った右岸岩小屋を確認。
このあたりはF1 "5m滝"があるものの、ゴーロ帯がつづく感じ。しばらく進むとナメ滝が多くなり、黒岩沢合流まで小滝
の連瀑帯となる。黒岩沢合流直後に"30m多段滝"が現れる。左岸に巻き道も有るらしいが、直登する。
30m多段滝

右岸側に取付く鍵山さんに、瀑心突破を勧める。鍵山さんは難なく突破するが、勧めた自分が最初の一歩で
つまづく。微妙なバランスで乗り越えようとした瞬間、右足が滑り、2mくらい滑り落ちてしまった。更に釜で
バランスを崩し、ズブ濡れ…ただ幸いに怪我は無し。
 一旦滑落すると"ビビリモード"に突入してしまう、結局、最初鍵山さんが取りついた右岸に取りつくが、
大きな一枚岩に行く手を阻まれる。ここは瀑心に向かうクラックに足を掛けへつり、最後は瀑心に向かって気合の
"飛び"で突破する。
 
 30m多段滝を登りきるとすぐに"50m2段大滝"が現れる。圧巻だ!!!これは左岸を高巻く。
高巻いている途中も足を滑らせ木々にしがみつく。50m滝を越えると2,3滝を越え、いよいよハイライトの
第一スラブ帯にはいる。ここは核心は無いと聞くが、見た目は結構難しそうだ。水流の左にルートをとり、
そのまま草付まで登ってしまい。スラブ最上部をなぞるようにトラバース。最後は左から入る沢筋を直登し、
樹林帯を薮こぎして第一スラブ最上部にある7m滝上に出た。
第一スラブが終了するとすぐに第二スラブが始まる。ここの中段に核心部があるそうだが、見た目行けそうな気
がする。ノーザイルでとりあえず大丈夫そうな所まで行ってみる事にした。
第1スラブ


出だしは水流の左を登り、途中、水流に右にトラバース。そのまま直答すると、人が5,6人は立てるテラスに出る。
確かにここからスラブの傾斜がきつくなり、ホールドが少なくなる。通常はここでザイルセットか。。。
ここから上を見ると水流左側上部は傾斜も緩み、ホールドも多数有りそうなので、そこまでの登り約10mが核心部。
水流を今度は左にトラバースし、スラブ中央の核深部取付きに鍵山さんが行くと残置ハーケンがあるとのこと。
"じゃぁザイルでも"と、ザイルを出している内に、鍵山さんは登り始めてしまった!
  "まじですかぁ〜"と思いつつもなぜかカメラを取り出し鍵山さんを追う。
取付きから3mまでは登れるとの事、とりあえず俺も登った。登ったテラスは人が2人立てるくらいのテラス。
ザイルは要らないでしょ。という事になり、核心部でザイルをしまう。(笑)
とは言ってもフリーじゃ怖いので、ハーケンを打ちシュリンゲをかけ進む。
また一個所残置ハーケンがあったが緩そうなので、鍵山さんがもう一発ハーケンを打ちシュリンゲをかける。
3mくらいの岩だがホールドが無く、進め無いとの事。
俺が「ムーブして岩の左に出てはどう?」と勧めると、OKサインが帰ってきた。
ただここも岩凹角のフリクションだけで立てる程度。鍵山さんが伸ばす右手に「あと5cm!」と声をかける。

核心突破!!!

次ぎは私の番。私が岩凹角まで進んでフリクションのみで立っている所で、次ぎのハーケンを鍵山さんが打ち、
私のシュリンゲもTOSSしてそのシュリンゲを左手でつかみながら右手でヌンチャクを回収(ハーケンは残置)。
私はこのまま完全"A0"で核心を突破する。

ここからは5m程は傾斜は急だがホールドがある3級レベルになる為フリーで詰める。(途中にまた残置ハーケンあり。)
ようやく第二スラブを突破してお互い握手を交わす。

第二スラブを越えると山も紅葉していた。15m程の滝が美しい。次ぎの30m3段滝は私は左岸を高巻くが、
鍵山さんは水流を直登!ツルツルだそうだ。この先もナメと小滝が続き青い空の下とても気持ちがいい。
(2:3)の分岐では右俣に進むと割引山直下に到着。我々はガイドのとうりに左俣に進む。かなり腿の筋肉が
つかれていたが、最後に5mのルンゼ状の滝は両手両足の突っ張りじゃないと登れないパワールート。
ここは落ちたらスゴイ痛そう。かなりヘトヘト。

この滝を越えると稜線までは10分程度、たいした薮漕ぎも無く稜線に出た。非常に細い稜線で、八海山など
越後の山々がばっちり見える。

下山はこのまま稜線を下るが序盤は草が刈ってなく薮漕ぎっぽくなる。その後は明瞭な登山道。林道に出てから
車を捜すのにちょっとてこずった。


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