2001年10月8日 谷川連峰 赤谷川 笹穴沢

メンバー:植木、弘田(車2台でアプローチ)
天気:曇り
装備:ザイル8mm×45m(2回使用)、靴:フェルト

6,7,8の3連休に南会津の御神楽沢を予定してたが、リーダー鍵山さんの体調不調で6日に白毛門沢、
7日の鍵山さんの体調を見て8日に笹穴沢に行く予定だったが鍵山さんの体調が戻らず。植木さんと、
西ゼンor東ゼンor太源太川北沢本谷の案が出たが、車も2台用意できるので、笹穴沢にTRYする事にした。
笹穴沢は3級+の沢で、とある遡行記録には死者が出たとの記録もあり不安だったが、
この"呪縛"を振り払う今回の挑戦となった。

アプローチ
17:20自宅発(片岡駅ルート)→19:08今市杉並木公園着、
19:20同発(金精峠越え、R17)→
22:25元橋 平標山登山口駐車場着(車をデポ)
→23:11川古温泉登山口着

紅葉時期だったため?夜8時くらいでもいろは坂下りは激しい渋滞。
元橋 平標山登山口駐車場は苗場プリンスを過ぎて1.5km程行くと右手に小さな看板があるので
見落とさないように注意。駐車スペースは20台くらいか。
駐車場手前に平標山の家にむかう登山口への林道があるが手前が別荘地になっており一般車は
通行止めになっている。
コンビニは苗場には無いので、猿ヶ京温泉にあるセブンイレブンが最後。

川古温泉の登山口はSの字で下って最初にぶつかる道を右に入る。『笹穴沢で遭難が多発しているので注意』
との立て看板があり、不安を募らせる。
ホテルの駐車場を思わせる所を更に奥に入るとすぐにゲートが現れる。駐車スペースはせいぜい4台(水無し、トイレ無し)
今日は我々1台のみ

当日
5:55起床、6:40川古温泉登山口発→8:00笹穴沢出合着、8:10笹穴沢遡上開始
9:20金山沢出合着、9:40同発→10:30二股→11:20 30m2段滝+15m滝上(ザイル出す)
→12:55 30m大滝上(ザイル出す)→13:05 120m大ナメ下→13:40 120m大ナメ上
13:55 20mコップ状滝上→15:02稜線着→15:10平標山山頂着、15:37同発→
15:58平標山ノ家着、16:05同発→16:40林道着→17:25元橋駐車場着(車)→
18:00川古温泉登山口着→18:35湯宿温泉太陽館着(温泉)、19:35同発→
沼田 20:35とんかつ屋"とみた"発→(金精峠、日光宇都宮有料)23:05自宅着

朝起きると、天気は曇り、山にはガスがかかっていた。ただでさえ不安なのに一層拍車をかける。とりあえず
ここまで来たので「笹穴沢出合までは行ってみますか!」という事で意見が一致。
笹穴沢出合までの林道は普通の車でも通れるくらいの道。1時間半弱歩くと、林道が終わり、そこを左に降りると
笹穴沢の出合だ。ここもかなり綺麗な場所。

赤谷川本流の渡渉は深い所も無く全く問題無い。相変わらず空はどんよりしているが「せっかくなんで」を合い言葉に
植木さんと私は、金山沢の出合まで、笹穴沢を遡上する事にした。

5分ほど歩いて現れるゴルジュは釜が深く、直登するなら完全に"泳ぎ"になる。
我々は当然左岸を巻く。ここから先は、平凡な流れに小滝といった感じだが"どうせ下見"と言う事でお互い写真を
撮りながらのんびり進む。
左前方に"クロガネ石峰"が現れると金山沢出合も近い。すると、どうだろう!空が明るくなり一瞬日が射した!
それは、"またこの道を戻るんだ。。。"という暗〜い気持ちに天から一筋の光が射したようだった。
「明るくなりましたね!」
「行っちゃいますか!」
という事で、完全スイッチON!!! ここでハーネスを取付け出撃体勢にはいる。
クロガネ石峰

沢の様相は金山沢出合をすぎると滝の大きさも増し、数も多くなる。紅葉も綺麗で滝を乗り越えるたびに
「オォ!!!」「ドォワァー!」
と奇声をあげすぐに写真タイムに突入、前に進まない。

水流(1:2)の二俣を過ぎると、前方に"30m2段滝"が現れる。左岸の手前50mくらいの所に高巻きルートを確認し
とりあえず滝直下に出ると、ガイドには左右どちらも登れると書いてあるが、右側の方が簡単そう。
ただし最初の5mがホールドの少ないフェイスになっておりここが核心部になっている。フェイス右側のルンゼから
登りフェイスをトラバースできればOKなのだが、最初、植木さんがTRYしたが失敗。次ぎに自分
がルンゼ直登を目指すが"ビビリモードスイッチON"になってしまいルンゼで身動き取れない状態になる始末。
そうしている間に、植木さんが失敗したもう1m上の位置からフェイスのトラバースに成功。自分もその後に続く。
フェイスを突破できれば、2級+の登り。(途中残置ハーケン、ボルトあり)
30m2段滝


この滝を越えると続けざまに15m滝の登りになる。これまた右のルンゼを高巻きできそうだが、水流右を直登。
ただ10m登ると、垂直の壁になり(残置ハーケン多数あり)ホールドが乏しくなる。ハーケンにヌンチャクを掛け、
シュリングで確保するが、ハーケンが抜けて滑落した経験を持つ自分は、ここでも"ビビリモードスイッチON"
になってしまい。あと一歩が出ない。運を天に任せなんとか一歩が出た。
植木さんにはザイルを出すが、ほとんどその必要も無い状態で登ってきた。(サスガ!)
(結局ここの突破が自分にとっての核心部となる)

この先も15m〜20m級の滝が幾つも現れる。「オォ!!!」「ドォワァー!」と奇声がやまない。カメラもついつい
取り出したくなり前になかなか進めない。曇天なのにこの素晴らしさ。晴れたら一体どうなってしまうんだろう。。。
これまた美しいトイ状のナメ滝を越えると、真赤に染まる山肌。この先の25m滝は左の草付を岩を登る。
そして少し進むと。
「こっ!これはっ!!!」
真赤に染まる山肌!そして大ナメ滝の流れ。それはハイライトの120mの大ナメ滝だ!
何枚もの写真を撮りながら、120mの大ナメ滝に近づくと、その手前に"30m大滝"が行く手をふさぐ。
いろいろルートは取れそうだが、左岸の壁をザイルを出し登る。残置ハーケン有り 
途中適度なテラスが無く、45mザイルいっぱいに1ピッチが伸びる。(パートナーの声は沢の音で全く聞えないので注意)
120m大ナメ手前の30m大滝

ここからは水流に向いトラバースし滝上に出る。ここからも50m程のナメが続く。この滝を上り詰めると、
120mの大ナメ滝が眼前にせまる。
天から降りてくるようなこの滝の流れと紅葉!しかしこんな景観が日本にあるとは驚きだ!生きてて良かった。。。
120m大ナメ

120m大ナメは右側から取付き、水流をトラバースして水流の左側を直登する。快適度120%だ!
120m滝上からの眺めもすばらしくここだけで何枚写真を撮ったのだろう。いっこうに前に進まない。120m大ナメ
に別れを告げ先に進むと右から20m滝が現れる。ガイドには右から巻くように書いてあるが、どう見ても左から
登るのが楽そうなので左から登る。

これを登ると、4m、3m、6mとたきが続くが、最後の6mは最近大きく崩れたようで、直登は不可能。右岸の笹やぶを
高巻いた。この先は草原状に幾つも枝沢が別れるようになる。何処を登ってもOK!風が強く天気も雨が降りそう
だったが、晴れたらとても気持ちのいい所だろう。10分も歩くと平標山の東側の稜線に出た。平標山頂まで歩いて7,8分
平標山頂から元橋への下山道もあるが、結構辛いとのことなので、平標山ノ家経由で元橋に向う。
平標山ノ家は素泊まり3000円、結構きれい。ここから元橋への下山路はこれから木の階段が整備される様であり、
02年シーズンには快適な登山道となるだろう。
  
林道まではすぐに降りれるのだが、ここから駐車場までが結構長かった。温泉はR17沿いにある湯宿温泉"太陽館"
600円で内湯と露天が楽しめるのでお勧めだ!。夕飯はお約束の"山彦"が閉店の為、"とんかつとみた"で食べる。
inserted by FC2 system