2001年10月19,20大菩薩 泉水谷小室川谷

メンバー:鍵山さん、弘田
装備:ザイル(8m×30m) 懸垂下降で1回使用、20mあれば充分、靴:フェルト
寝具:+6℃〜のシュラフ+シュラフカバー
+上:保温シャツ+長袖シャツ+カッパ、

   下:沢タイツ+保温タイツ
当初、甲斐駒ケ岳、黄蓮谷右股を予定してたが、先週からの気温の低下の為急遽予定を変更。
和名倉沢と小室川谷の二者択一で小室川谷に決まった。

アプローチ
19:35自宅発→20:05下館→(R4、R16、県道、R411)→0:00三条新橋手前国道沿い着

埼玉を走るという事もあり、到着は午前1時過ぎと思っていたが、R16号が昔1車線だった所が2車線になって
いた事もあり、思ったよりも早く着いた。
奥多摩ではコンビニが無かった為(?)買い物は青梅で済ませた方がいい。
奥多摩湖を過ぎるとソフトバンク携帯は使えない。泉水谷川林道は工事中で一般車進入不可。とりあえず、
ちょっと入ってみるとCR-Xでも入れるレベル。ただし小室川出合まで広い駐車場は無くせいぜい途中の
スペースに1,2台停められる所が2,3あったくらい。
我々は、国道に戻り、泉水谷川林道入り口から山梨県方向に100m程進んだ所の国道沿いスペースに車をとめた。
(駐車スペース4台くらい)


初日:快晴
7:00起床、7:55発→8:25泉水谷林道から沢に下降→8:40小室川谷出合(入渓)→9:55 5m滝(釣り)、
10:30同発→10:35 10m滝の出合→10:42S字峡→12:00 4m滝(残置ロープ)上、
12:15同発→12:25石門→12:40小室ノ淵→13:45テン場着(5m滝小沢合流点)

ガイドで遡行6時間の沢を2日間で行くので、今日はのんびり遡行だ。目を覚ましテントを出ると、
背中に大きな籠を背負った地元のおじさんがきのこ捕りに向っていた。
小室川出合までは林道を30分程歩く、対岸にハッキリした沢筋が見えるのでそれが小室川だ。
出合までは林道から泉水谷まで崖を降りたが、小室川出合の泉水谷の100m上流に木道が作られていた。
(この木道は小室川沿いにかなり伸びている)

小室川は谷川岳周辺の沢と比べると、南部に位置する為か比較的暗い沢で、傾斜も緩やか、非常に奥深い印象。
ゴーロ帯とゴーロ帯の間に時たま小滝が現れる。昨日まで2日間雨だったせいか水量は多く感じる。滝らしい滝は
ほとんど深い釜とゴルジュを兼ね備えて
おり、濡れないで登る場合は、右岸、左岸のへつりになり、神経を使う。
しばらく進んで現れた5m滝の大きな釜で
鍵山さんが魚影を見つけ、休憩がてら竿を出す。2,30分程粘ったが釣れなかった。
2段8m滝の釜のへつり

この先のS字峡は釜を泳げば中央突破も可能だが、やったら凍死しそうなので1段目の滝を右岸から高巻く。
7m程登るとテラスに出て水流沿いを進んでそこから1段目の滝上に懸垂下降する。ハーケンとシュリンゲが
3本程残置されていた。鍵山さんが確認の為ハーケンを打ち直すと2cmくらい更に入るではないか!怖すぎる!!!
懸垂下降は5mほど降りるだけなので、20mザイルで充分。ただハングの懸垂でしかも下降点が深さが解らない程
の釜になっている。2段目3段目は水流の右側を進む。5m程のほぼ垂直の登りがあるが、ホールドはあるので特に
問題はないだろう。

この先もゴーロ帯+小滝が続くが、小滝は必ず釜を持ち、快適には登れない。(要所には残置シュリンゲはある)
石門を通過すれば小室ノ淵が現れる。泳がなければ、右岸の高巻きだ。ここにも残置ロープ等があり。
中ノ沢の出合にはガイドで”テーブルストーンがある”と書いてあったがそんな物は見当たらなかった。

さらにゴーロ帯+小滝を進むと左岸にテン場向きな場所を見つけたので(2段4mナメ滝上)、
今日はここで巻営する事にした。(これより上流でもテン場は結構ある)

魚影が多い淵がすぐ横にあり、鍵山さんはすぐに竿をだす。竿を持っていない俺は薪集め。鍵山さんは
結構苦労してたようだが、20cm級のヤマメを釣り上げた。薪も大量収穫し、景気よく焚き火!
途中撮ったブナハリの澄まし汁とヤマメの塩焼きはこれぞ沢登りの楽しみって感じだった。
ヤマメの塩焼き


2日目:快晴
6:00起床、7:55出発→8:20 4段30m滝下、8:35同発→8:354段30m滝上→
9:15 2段20m滝下→9:45ジャヌケ沢出合、10:00同発→11:30稜線着、12:15同初
→12:35大菩薩陵→13:30丸川小屋、13:47同発→(大黒茂谷沿いルート)
14:20泉水谷林道着→(20分歩いて車に拾ってもらう)15:05駐車場着、
16:15 温泉(のめこいの湯)発→17:05青梅手前の定食屋→(R4、R16、県道、R411)
21:20下館→10:00自宅着

やはり朝は寒いので、たき火をおこし暖まる。歩き始めて5分、左岸にまたテン場があった。
15分ほど歩くと釜を持った10m滝が現れる左岸に高巻きルートがあるが結構厳しい物がある。
10m滝上に出ると小室川のハイライトと思われる”4段30m滝”が現れる。この大ナメ滝の水の
流れは美しく、写真タイムとなる。
4段30m滝

1段目2段目は水流際を直登可能だが3段目は傾斜がきつくなり鍵山さんは足を痛めている事もあり右岸側を
すべて高巻く。自分は3段目のみを左岸から高巻き、再び水流にもどり4段目に取りつく。4段目は水流右側の
岩壁をヘつるように進むが、進んでいく程フットホールドが少なくなりツルツル岩を滑り落ちそうになる。
ハンドホールドもガバは無く、握力で岩を握る感じだ。(残置ハーケンはある)

滝の最上部には残置シュリンゲもあるがここまでたどり着くのに気合と度胸が必要。やっとシュリンゲまでたどり
着き、ヌンチャクを長いシュリンゲに掛け、ハーネスにつなぐ。鍵山さんはとっくに滝上にいて、ハマッてる自分
にザイルの用意をしてる。。。ここからは微妙なバランスを保ちながらホールドを探し、気合一発で滝上の核心部を
突破、シュリンゲからヌンチャクをはずし滝上に出た。

ここから先もゴーロ帯が続く(左岸にテン場あり)2段20m滝は左岸に巻き道があり、3m程登ると水流際に出て
滝を直登するルートに行けるが水量が多い為、そのまま巻き道を行く。ここから先もゴーロ帯と小滝が続く。

源頭部になっても樹林帯は開けず。なかなか消えない水流をただひたすら登っていく感じ。かなりバテてしまった。
水流が消えて20分も歩くと一気に開けた稜線に出る。

稜線の南面は明るく開け、富士山、南アルプスが一望できる。
稜線の登山道は登山客でごった返しだ。ここで靴を履き替え、大菩薩陵、大黒茂谷沿いの登山道を下る。
林道には思ったより早く到着。ここから1時間半以上の林道歩きの予定だったが、20分も歩くときのこ捕りの
おじさんの軽トラに便乗させてもらった。
丹波町の"のめこいの湯"は結構混雑してたが、サウナ、露天、休憩施設ありの600円は安くてよかった。

P.S:小室川谷は谷川岳周辺の沢とは違い、全体的に暗めの沢.ナメが少なくゴーロ歩きと
へつりの繰り返しの印象。魚影が濃い為、ゆったりとした日程で釣りを交えた遡行
を勧める。

2016年、15年ぶり再訪の記録はこちら

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