2002年7月26〜28 只見川 恋ノ岐川→オホコ沢下降

メンバー:須田、弘田
装備:ザイル8mm×20m(使用せず)、靴:フェルト
アプローチ:カローラ


前夜移動
0:30真岡発(一般道R352)→2:43高畑スキー場通過→3:41恋ノ岐橋着

千葉から須田君の到着が遅れ、遅い出発となる。コンビニは福島県に入ってからも一箇所あるが、
夜遅い場合は、矢板あたりで買い物をしておいた方がいい。
携帯は、塩原から先、高杖スキー場付近、桧枝岐で使えるが、その他は使えない。
R352を横切る沢には一つ一つ看板が立っており、恋ノ岐沢も銀山平に向かって左側に立っている。
 恋ノ岐橋のすぐ近くにはトータルで車が5,6台停められるスペースが有り。到着次第テントを張り仮眠する。


初日7/26(快晴)
7:00起床、8:05出発(入渓)→9:50 2段10m滝→15:30オホコ沢出合着〔幕営〕
(竿出し2回)

国道を通過する車に度々睡眠を邪魔されつつ、7:00にテントから顔を出すと空は鮮やかなスカイブルーだった。
沢へは、橋の鷹ノ巣側/上流側に踏み跡があり、ここから降りる。入渓点付近はゴーロ&ゴルジュとなっており、
所々深い釜を持つが、上手い具合にルート(ホールド)があり、腰まで濡らす覚悟があれば難しいところは一箇所も
無い。初心者でもシュリンゲを出す程度で突破できる。ただ警戒心の全く無いトンボを踏み潰さないように歩くのが
ポイントだ!
 多くのガイドに写真掲載されている10m2段滝は写真以上に傾斜が有るようだが、これも特に難しいところは無い。
10m2段滝

この滝を超えると清水沢との出合が現れるが、名前が付いている沢とは思えない程貧弱で、登りでは発見できず、
下降の時にはじめて確認できたくらい。ちなみにここに良い幕営ポイントが一つある。
 
 清水沢を超えると緩やかなナメが続くが精々100m程度で、あとはひたすらゴーロ帯と言ったイメージ。
左岸から入る三角沢も貧弱で、これは登りも下りも三角沢を確認できなかった。
 
途中、竿を出しながら進む。竿出し2回目の時、20cm級のイワナを釣り上げた!釣りをするのは中学以来なので、
いったい何年ぶりだろう!イワナは5段の滝より上部で多くなってくるように思われる。他のパーティも数匹釣り上げ
ていた。
 特に目立った滝が無い為に、何処を歩いているのか今一つよく解からないが、"大釜"らしいところに出くわし、
オホコ沢が近い事を確認する。
 
オホコ沢出合は、数カ所テン場があるそうだが、左岸/右岸に一箇所づつしか見つけられなかった。
左岸のテン場は沢床から5m程上がったところに有り、薪を運び込むのに面倒。幸いTOPで到着した為、
BESTポジションの右岸テン場にテントを張る。オホコ沢周辺でもイワナはいて、須田君が一旦釣り上げたものの、
バレてしまったらしい。

今日はイワナが一匹だが、メチャクチャ上手かった。彼に言わせると、家でガスコンロで焼いて食べるより各段
に焚き火で焼く方が美味しいとの事。


2日目7/27(晴れ)
4:00起床、5:18オホコ沢出合出発→〔途中竿出し2回〕9:08奥の二股→9:30 40m大ナメ滝下→
11:07稜線着〔池ノ岳山頂付近〕→11:50平ガ岳山頂着、12:06
同発→12:22池ノ岳山頂着、12:52同発→14:04オホコ沢入口着、
14:22オホコ沢下降開始15:47恋ノ岐沢合流→16:30下流のテン場着〔幕営〕

今日の行動計画は長いので、早く経つ。オホコ沢にテントを張ったままにするかどうかで迷ったが、オホコ沢出合
より下流まで足を伸ばす予定と言う事と、万一を考え、テントを撤収し出発。
 
オホコ沢より上部にも目立った滝は少ない。水量も少なくなってきているのだが、驚く事にイワナがいたる所で
泳いでいる。しかもデカイ。あまりに見かけるので行動計画が長いのについつい竿を出してしまう。。。
「見える魚は釣れない」という言葉通り、イワナにそっぽを向かれてしまう。
 しかたなく竿をしまって遡上するが、直径1m程度の釜で尺イワナが水面に浮いた虫を食べるところを見た。凄すぎる!
 
 あるガイドには、この辺りから雪渓が見受けられるようだが、今年は雪が少なかったせいか、雪渓はひとつも無い。
小滝を越えながら進んでいくと、沢は(1:1)の二俣になり正面に10m滝が見える。”奥の二俣”と呼ばれるところで、
左が本流、正面の10m滝は登らない。またこの出合にテン場がある
 
 本流を進むと、ようやく滝らしい滝が現れる。"40mナメ滝"と呼ばれるところで、恋ノ岐沢の核心部だ。
ただ5段滝になっており、恐怖感は無い。一番上段の滝が一番緊張させられるが、水流右側はホールドは豊富に
あり、初心者の須田君もノーザイルで直登した。(たのもしい!)もちろん3級レベルの為、不安なら必ずザイルは
出したほうがいい。
 
 この大滝から上は源頭部の様相となり、詰めあがる池ノ岳が見えてくる。このまま本流を直登してもいいが、
本流にまだ水が流れているところで、左から入る涸沢にルートを取り登っていくと、うまい具合にほとんど藪漕ぎも
無く池ノ岳山頂から1分ほど鷹ノ巣側の登山道にでた。

 ここから平が岳が遠くに見えたが、すれ違う登山者に聞くと、30分で山頂に行けるとの事で、池ノ岳にザックを
デポし、平ガ岳を往復する。
 
ちなみに池ノ岳ではドコモ通話可能という看板があった。確かに須田君のドコモは通話できたが、
自分のソフトバンク携帯は通話できなかった。

 池ノ岳から鷹ノ巣方向の下山ルートを降り、オホコ沢の入り口を探すが、
オホコ沢入り口は一般登山道の水場になっており何の苦労もなくオホコ沢に入る。

 オホコ沢の下降だが、6m程の滝が3つあり、上流側から一つ目の滝は右岸側を巻く。須田君は、なんとここで
背中から落ちてしまった。幸い怪我が無くてホッとする。

初心者にはちょいと厳しいかも。静かに釜に入って濡れる覚悟さえあればシュリンゲ程度の使用で問題ないだろう。
二つ目の幅広滝は右岸側のルンゼに長いシュリンゲがぶら下がっていた。4mm程度なのでちょいと心細いが、
須田君はこれを使って降りた。慣れた人ならシュリンゲを頼らなくても大丈夫だろう。3つ目の滝も右岸を小さく巻く。
初心者にはシュリンゲを出してあげれば大丈夫だろう。

恋ノ岐沢に合流したが、昨日張ったテン場には既に先客がいて尺イワナを数本既に焼いていたので、
30分ほど下ったところ(左岸)でテントを張る。

 自分はマキ集め、須田君に釣りをまかせたが、彼が見事期待に応え尺イワナを含め2匹GET!!!
(彼も尺イワナは初めてとのこと。)
 焚き火の遠赤外線効果で程好く焼けたイワナを口にしながら、今日のルートを振り返った。。。


3日目7/28(晴れ)
4:20起床、6:05発(竿出し1回)→10:20清水沢合流点→
10:40 10m2段滝下(竿出し)→11:15同発→12:50恋ノ岐橋着(遡行終了)
13:12同発→14:07桧枝岐(燧の湯)着、14:50同発→(一般道)18:30真岡着

今日もいい天気に恵まれる。竿を2回程出すが残念ながら釣れなかった。途中渦を巻いた水流に2匹のカエルが
溺れかけているのを助けてやったり、逆に誤って蛇を踏んずけてしまい驚いた蛇が逃げた拍子に滝つぼに落ちて
しまい"帰らぬ蛇"になってしまったりと爬虫類、両生類そしてトンボと戯れながら、時には天然ウォータースライダー
を楽しみながら下降する。
 難しそうなところには必ず巻き道が用意されているのでザイル、シュリンゲは一度も使用することなく下降できる。
予想に反して早い時間で恋ノ岐橋に到着。
 温泉は桧枝岐まで戻り"燧の湯"(500円、シャンプー無し)に入る。


P.S:一般的な下降は登山道を降り、鷹ノ巣に出るが、恋ノ岐橋まで20km近くある。
  水は、車道沿いで拾えるが、ここを歩くのなら、多少シュリンゲ/ハーケンを残置して 
  もオホコ沢を下った方が良いかも。恋ノ岐遡上が2級でオホコ沢下降が3級と言った
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