2002年8月3,4日 奥秩父 滝川本流古礼沢

メンバー:やますきーおさん、ひろた
装備:ザイル8mm×45m、靴:フェルト
参考ガイド:東京周辺の沢
地形図:雁坂峠

前夜移動
18:15真岡(自宅)初→(下道、R50、R407、R140)→21:52荒川村道の駅着(テント泊)

コンビニは秩父の街を過ぎると少なくなるので、買い物は秩父で済ましておく。"荒川村道の駅"はR140から左にちょっと入ったところにあり、
その先の大滝温泉道の駅より静かで、結構お勧め。小さなグランドみたいなものがありここにテントを張ると良いでしょう。

初日:晴れ、夕方小雨
5:58荒川村道の駅発→6:30天狗岩トンネル着、6:48出発→(天狗岩トンネルから下降 懸垂2回)7:50豆焼沢出合着→8:18滝川本流出合
→9:10沢小屋谷出合着(竿だし)、9:34同発→10:40金山沢出合→12:40牧ノ沢出合→13:04釣小屋跡→14:35ブドウ沢出合手前8m滝
15:40古礼沢/水晶谷出合(テン場捜索)幕営

R140の"天狗岩トンネル"に向かう、駐車スペースは雁坂トンネル側に出たところに7,8台停められるスペースがある。ここではもう携帯(Softbank)
は繋がらない。
 
"天狗岩トンネル"の秩父側から沢に降りるのだが、一つ尾根を間違えて、しょっぱなから懸垂下降を2回もやる羽目になってしまった。
正規の下降ルートはトンネル端面から25m程秩父側に進んだ所で、"埼玉県"と書かれた黄色い三角点みたいなものがある。
ここを下ればちゃんと踏み跡があり、もちろんザイルを出す必要は無い。
 
降りたところは滝川本流と豆焼沢の出合から2、3分豆焼沢に入ったところ。滝川本流はゴミが多いと書いたガイドもあるが、そんな事は無く綺麗だ。
中盤まではゴルジュ、ゴーロの繰り返し。腰(胸)まで水に浸かったり、ヘつるところも多数あり、これの繰り返しといったイメージ。巻き道もある所が多い。
滝川本流入渓付近
滝川本流入渓付近-2
深い釜を進む

沢小屋谷が入る所付近で竿を出すが手応え無し。途中、足もつかない様な深い釜に出た。左岸に高巻きルートがあるが、20mは登りそうなので、
左岸壁沿いを植木さんが泳いで突破。自分も泳ぐが途中お助けヒモの力をかりる。この先で釣師にあったが、我々が泳いだ釜で心臓麻痺で亡くなった
人がいるそうで、プレートが打ってあるとの事。今日は水温が17℃で暖かい(?)から大丈夫との言ってた。
この方、2週間前に滝川で熊の親子にバッタリ遭ってしまったそうです。奥秩父には50頭ほどいるとの事。
 
 牧ノ沢出合は広く、牧ノ沢の方が本流みたいな感じで流れ込む。本流は右。ここから10分程進むと右岸に釣橋小屋跡が現れる。ここから右岸に沿って踏み跡あり。
また釣橋小屋からブドウ沢手前の核心部までの間にもテン場あり(右岸)

 釣橋小屋を過ぎたところで釣師に会い、イワナを4匹ももらう。今日中に戻るとの事だが、13時を過ぎていて明るいうちに戻れるのだろうか???
微妙なへつり
釣橋小屋跡

この先のブドウ沢手前の核心部8m滝は水流右から超える。特に難しくは無いが一応ザイルを出す。このすぐ上に控える4m滝は右岸壁に付けられた
固定ロープ&シュリンゲを利用して突破したが、安定したスタンスは皆無で、残置が無ければ、かなり困難が予想される。
ブトウ沢手前の8m滝(カーソルあてて)
ブドウ沢手前4m滝の突破イメージ

 ここを過ぎれば古礼沢/水晶谷の出合もすぐ。ここの出合にはBery Goodなテン場があるが1つしかない。既に他のパーティが占拠していたので、
そこから水晶谷を1分ほど登ったところに仕方なくテン場を作る。増水すればOUTだが。この日は大丈夫だった。
(テン場は古礼沢に入って5分のところの左岸に非常に良いところがある、焚き火スペース含めて、2,3張りは張れる)
釣師にもらったイワナを焼き、今日はテントではなくタープを張るが、私には初体験。でも意外と寝れた。
それにしても、竿を出したとは言え、ガイドで遡行6時間のところを8時間50分かかった。他のパーティーに比べやたら遅いわけでは無いのに。。。

2日目:曇り→晴れ→雷→雨
7:55出発→(竿だし30分) 9:05 F1 10m滝→9:25 F2 7m→10:10 10m6段滝下→11:45大ガレ(伏流となる、靴履き替え)→12:53稜線着
→(雷で途中停止)13:50雁坂小屋、14:23同発(黒岩尾根)→17:15天狗岩トンネル着
18:47大滝温泉道の駅(温泉)発→(食事,R140,R407,R50)10:43自宅着

ガイドで稜線まで3時間ということで、のんびり起床。古礼沢の入り口はミニゴルジュでスタート、これを超えると伏流になると書かれてあったが、
水がちゃんと流れていた。右岸のガレを過ぎたあたりの左岸にはGOODなテン場がある。(上記した物と同じです)
ここらで植木さんが魚影を発見したので、竿を出してみるが釣れず。 F1 10m滝は巻き道も紹介されてるが、水流左を直登。そんな難しくは無かった。
F2倒木のある7mは右を巻くが違うパーティーが水流を直登してきた、水流の中にホールドがあるらしい。ここを過ぎるとナメが現れてくる。
F1 10m滝
ナメが現れてきます 入浴〜♪

丁度天気も良くなってきたが、北面の沢の為、沢全体に日が差すところは少ない。F4 10m6段滝は、最後の6段目を右のルンゼを巻く、左の壁も登れそうだが、
自分は断念。(情けない。。。)
 
綺麗なナメとそこに入ってくるいくつかの綺麗な滝を楽しみながら進むと、沢がガレで埋め尽くされたところに出る。結果的にはこの上でも水は出ていたが、
今日は水量も多いので、ここで水を汲んでおく事を進める。
F4 10m6段滝
左岸から入る5m滝
ガレで埋め尽くされる

ここからは靴を履き替えガレを登る。ここからガイドは結構適当(?)で登り易いところを見つけて登ると書かれてあり、正面に水が流れている一つ手前のガレを
右に入る。 しばらく登ると、ここを上がれば稜線か!?と思ったところを上がったら、まだ稜線はまだ先の様でどっと疲れが出た。

結局ここから笹藪を軽くこぎ、再び左から伸びるガレに出る。このガレは右からくるガレとも合流しており、何処を登っても同じ所に出るのだろうか?
30分程度の竿出しはあったが、コースタイム3時間のところを5時間かかった。他のパーティも似たような物なので、こんなものなのでしょう。
計画立案は注意した方がいい。
 
稜線を歩き始めるとすぐにカミナリが鳴り始める。稜線は樹林帯になっているので、とりあえず雁坂小屋へ急ぐ、しかし、カミナリはどんどん近づき、
すぐ近くの木に数回落ち、ビビリまくる。小屋まであと150mという所まできたら、樹林帯が途切れてしまった。金属類が振動している訳ではないが、
ビビッテしまい前に進めない。雹混じりの雨も激しく、あまりの寒さにカッパを取りだし屈んでいると、古礼沢を登っていた他のパーティが我々の横を
通りすぎていった。(凄すぎる)
カミナリがちょっと弱くなったところで、小屋に向かう。まだカミナリと雨は激しく、結局雁坂小屋で40分程休憩。

雁坂小屋から伸びる黒岩尾根は明瞭。暗いが危ないところは殆ど無い。1/25000分の地図では豆焼沢/滝川本流の出合に降りてしまう様に書かれてあるが、
雁坂トンネル開通で登山道も変更され、道なりに降りると豆焼橋にでる。2時間とガイドでは言うが、天狗岩トンネルまで3時間は見た方が良いだろう。

 温泉は、秩父側に戻った大滝温泉道の駅にある温泉に入る。

P.S:2010年7月。ブドウ沢手前の4m滝での事故を発端に三重遭難が発生しました。現在もヘリコプターの残骸が残っているそうです。
   事故後、滝川本流を遡行するパーティはめっきり減ってしまいました。人気を取り戻すのはいつの日になることでしょうか・・・

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