2002年9月22日魚野川仙ノ倉谷東ゼン


メンバー:植木、弘田、
装備、ザイル8mm×20m、8mm×30m(共に使用せず)
参考ガイド:"上信越の沢105ルート"
地形図:土樽、三国峠

前夜移動アプローチ:CR-X
17:40会社発→18:55今市着、19:00同発→R119、R122、赤城北面、沼田経由全て一般道)22:00湯沢(岩ノ湯)着

今市発だと、奥日光を通り、金精峠を越えるルートが早いと思っていたが、一旦R122を足尾に向け走り、赤城北面道路を通った方が早いとの事。
この時間帯だと、R119/R122交差点から沼田まで1時間15分程度だった。時間的に余裕があったため、関越を通らないでR17を北上。
いつも利用するR17沿いの土樽駅方面に伸びる県道交差点の24hセブンイレブンで食料を買い込む。
 その先の岩ノ湯の駐車場でテントを張る。意外と交通量が多かったのと、鈴虫がテント脇で鳴きっぱなしで良く眠れなかった。。。

天気:曇り
4:30湯沢(岩ノ湯)発→4:45毛渡沢沿い基点駐車場着、5:05出発6:07ダイコンオロシ沢出合7:31西ゼン/東ゼン出合→8:13 60m大滝下
→8:45 60m大滝上→9:10三ノ字沢出合→11:24稜線着→12:05平標山山頂着、12:10下山開始→14:13ダイコンオロシ沢出合→15:18基点駐車場着

16:15湯沢岩ノ湯発→(一般道)17:25沼田(山彦)着、18:56同発→(赤城北面、R122)20:35 R119/R122合流点→20:54今市着→22:07自宅着

この時期、朝4:00はまだ真っ暗だ。無理やりパンを食べ、毛渡沢沿いの駐車場に向かう。毛渡沢沿いの林道は、01年7月に行った西ゼンの時と同じ状況で、
CR-Xでも問題無く入れる。駐車スペースも10台程度で変わらない。

ヘッドランプが要らないギリギリの明るさの中出発。毛渡沢と仙ノ倉谷出合までは、林道歩きでルートも変わっていないが、橋を渡って、仙ノ倉谷右岸の
登山道からは多少の崩壊があったのか、ルートが変更。01年夏には仙ノ倉沢を2回ほど渡渉したが、今年はダイコンオロシ沢出合まで常に右岸を歩く。

 ダイコンオロシ沢出合にはテン場が一つあるのは知っていたが、2つ目は見つからなかず。。。ここで入渓準備をして入渓。
イイ沢出合まではゴーロ帯の歩きで、そこから急にナメの様相。「おぉ!」なんて言っている内に東ゼン/西ゼンの合流点に付いてしまう。
ダイコンオロシの沢出合入渓付近にて
イイ沢出合から
東ゼン/西ゼン出合

 ここでの天気は曇り。晴れていると、朝日にあたった西ゼンの第1スラブが金色に輝き、その美しさに、日のあたらない東ゼンは見向きもされない。
相方の植木さんはまだ西ゼンに入ったことが無い事も踏まえると、今日は"絶好の東ゼン日和"だ!

 と、思っていると、60代と思える単独行の方が東ゼンから下降してきた。なんと、西ゼンを下ってきて、今日は東ゼンの大滝下まで行ってきたとのこと。
にわかに信じがたいが、そんな事も出来るんだ。。。。

  東ゼンに入ると快適登れる10m程度の滝が2,3続く。スリップさえ注意すれば特に問題無し。そうしている内に現れる"中ゼン" は見事なスラブを
形成しており、思わずカメラを出したくなるところだ。60m大滝下の15m滝は左岸側を適当にルートを拾い登る。これも特に問題無し。
この滝を登ると、眼前に60m大滝が現れる。なんか野外ホールの真ん中に滝がかかっているようで、洒落た言い方をすればオペラのある場面のセットか…と
言った感じ。とにかく"す・ご・い"。
中ゼン出合手前の10m滝
中ゼンのスラブ
60m大滝

 さて、この60m大滝核心部の突破だが、ガイドに書いてある"左岸を少し上がったところから、水流の方へ向かって斜めに伸びる階段状のバンド…" が確かに
一番登りやすそうだが、"階段状のバンド"にまっすぐに伸びるルンゼもトップロープならTRYしても面白いかもしれない(4級+?)
 "1段目はノーザイルで、2段目にザイルを出す"という記録もあり、とりあえず植木さんがフリーで登るのを下からカメラで追うことにした。
植木さんが1段目終了を待たずして私も登り始める "左岸を少し上がったところ"は楽チンだが、そこから"水流の方へ向かって斜めに伸びる
”斜上のバンド”の幅が狭く、落ちたら間違い無く死ぬので結構怖い。(初心者はザイル要です。もちろんガバホールドは多数あり)
  ここを上がりきると、大きくのっぺりした岩に阻まれる。ここは潅木帯方向に3m程トラバースするのだが、トラバースするバンドが
途中50cm程傾斜しており、しかも濡れてて滑りそう。ハンドホールドも全く無く足を置いて大丈夫か悩む。(植木さんも俺もここの通過が心理的核心だった)
 結局、植木さんは、足を置き、事無きを得、自分は”飛んで”事無きを得た。
ここを突破し、落ち口へ向かって再度斜上、飛沫を浴びて水流すぐ脇から上がることも可能だろうが、我々は潅木帯に入り。小さく巻いて1段目上に出た。
大滝下段登攀ルート(カーソルあてて)
下段の斜上バンドを見上げる植木さん
斜上バンド
1段目落ち口

ここまで"残置ハーケンべた打ち"と聞いていたが、一個も見つけられなかった。一応、登りきった1段目のテラスは結構広く安心して確保できるスペースあり。
 
2段目は、どの記録を見ても潅木帯に入るとあるが、確かにそれしか無さそう。のように植木さんがルンゼを突破したが、ここで落ちると落ち方によっては
1段目テラスではなく、下まで落ちてしまうので、2,3m程上がったところから右にルート変更した方がより安全だ(残置ハーケンあり)
あと、ここの潅木は頻繁に鷲掴みされており、結構ぐらついてるので全体重をかけるのは避けたほうが懸命。
 
2段目
60m大滝2段目の登り

 大滝を越えると穏やかナメ滝が現れ、休憩するにはもってこい。

三ノ字沢はすぐで、この先にある5〜20mクラスの連瀑帯はシャワーでも小さく巻いても登れ、非常に楽しい所だ。
大滝上の様相 三ノ字沢出合先のナメ
8m滝

この先ゴーロ帯と変化するが、20分程で源頭部の様相に変化。ガイドに三俣がかかれてあるが、右岸から入る沢は15m程下流で合流し、
正確には三俣となっていない。ラスト4m滝を越えると多少ヤブっぽくなるがそんなに苦ではない。水が涸れてから、20分のヤブ漕ぎで稜線に到着。
稜線付近は紅葉が始まっていた。
4mスダレ状
最後の詰め
稜線付近にて

 平標山は登山客であふれていたので、すぐに下山。相変わらず、あまり良い道ではないが、途中偶々休憩したところで、植木さんがブナハリを発見!!!
キノコモードに変更し車に戻る。その後"岩ノ湯"→"山彦"のいつものパターン。

そう!山彦のおやじさんは、マッターホルンのツアーに出かけたらしく、自分で撮った写真を見せてくれた。
もう70近い(?)このおやじさんの目がそれこそ少年の様に輝いていた。写真もそうだが、それ以上におやじさんの目にうらやましさを感じた。。。

P.S:思ってた以上に東ゼンは良かった!「いつか行かなきゃ…」と義務感的に計画してたが、胸につかえた物が無くなったのと同時に、お勧めの沢でも
   あった。晴れたら西ゼン、高曇りなら東ゼンがよいですね。ザイルは30mでも行けますが、40m以上1本あると良いでしょう。


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