2002年10月6日 赤谷川笹穴沢

メンバー:植木、鍵山、弘田
装備:ザイル8mm(?)×40m(使用せず)、フェルトソール
参考ガイド:上信越の沢105ルート2001年の笹穴沢の記録
地形図:三国峠

西ゼン、笹穴沢と言えば、谷川山系、秋の名溪コースと言っていいだろう。笹穴沢にくるのは昨年に続き2度目となるが、
やはり良いところはイイ!という事で、再びこの地にやってきた。

アプローチ:HR-V、WRX(車2台)
前日、西ゼンに行き、車2台で土樽から移動。一台を元橋にデポし、基点となる川古温泉登山口へ向かい、ゲート手前で幕営する。

当日:天気:曇り
6:08川古温泉登山口出発7:23笹穴沢出合着→8:45金山沢出合着→11:03 30m大滝手前→12:25 120m大ナメ上
→13:05最後の7m滝下→14:30平標山山頂トラバース道着→14:52平標山の家着、15:14同発→16:24元橋駐車場着
16:27同発→16:58川古温泉登山口、17:10同発→17:48山彦着、19:05同発→(金精峠経由)20:37 R122合流点→8:59今市→10:10自宅着

行程が長い為4:30起床予定だったが、まだ真っ暗なので結局5:15まで寝ていた。出発準備をしていると、何と、昨日西ゼンで一緒だった男女二人組みの
パーティーが現れた。やはり、この時期考える事は同じなのね。
笹穴沢出合までの林道歩きは、昨日の西ゼンの疲れもありカッタルイ。ゲート突破をする人もいるようだが、ゲートに南京錠がかかっており、
突破は不可能。

 笹穴沢出合に着いたが,天気が回復しない。天気予報では15時まで晴れ予報だったのに、う〜ん残念・・・
最初のゴルジュは迷わず左岸を小さく巻く。振り返ると例の男女パーティーはゴルジュに取りついていた。すべて突破したのだろうか?恐るべし。。。
あなたたち、風邪ひきますよー!
笹穴沢出合(わりと地味)

 金山沢出合までは、1個所滝らしい滝があるが基本はゴーロ帯。岩が大きいので結構疲れる。途中テンバがあるらしいが、今回も発見できず。
(真剣に探していないけど・・・)
途中ヤマブドウを発見、ちょいと酸っぱかったな。。。ちなみに、このあたりも紅葉は始まっていた。この辺りの魚影は無し。。。
 金山沢出合を過ぎると、ナメや滝が現れ始め急に面白くなる。5m程の滝を幾つか越えると正面にクロガネ石峰が見える。紅葉も綺麗で非常に美しいが、
なぜか一向に天気は回復しない。。。
金山沢出合手前の4mナメ滝状
金山沢出合過ぎての3m滝
クロガネ岩峰

 さらに進むと、"これからが本番です"と言わんばかりに30m2段滝が現れる。昨年ノーザイルで本当に登ったのだが、遠目で見ると結構難しそうに見える。
実際滝の真下に来ると、昨年の登り方を思い出した。水流右側に取りついて、そこからは階段状。ただ、水流右側に取りつく為に、左岸の岩壁手前から
3mの高さで、トラバースしなければならない。。。一応3人ともトラバースをクリヤーし。階段状の所を登る、岩が濡れているので結構神経を使った。
残置ハーケンはベタ打ちされてたので、ザイルを出せば安全だろう。今回はノーザイルぜ全員直登。
30m2段滝
30m2段滝の登攀

その次ぎに現れる15m滝が昨年一番苦労したところで、水流右側は途中まで登れるのだが、ラスト1mが岩が逆層気味で渋い。ここもハーケン/ボルトが
多く打ってあるので、ここを登るなら、確保しながらがお勧め。昨年はノーザイルで気合で登ったが、今回は安全な右隅ルンゼを使い巻く。
植木さんのみ単独TRY。やっぱり渋そう。。。これを越えるとガイドに写真付きで出ている25m滝が現れる。写真では釜で人が張りついてるが、
これは"夏道!"誰も行こうとする人無し。水流左側を登る。


 ここを過ぎてトイ状のナメの左岸にテンバがある。4張りくらいあるらしい。(自分はこの目で確認せず)さらに進み25m程の幅広垂瀑の右岸を巻くと
ハイライトである120m大ナメが前方に姿を現す。「おぉ!!!」と感嘆の声を上げるのは間違いないだろう。
15m滝(カーソルあてて)
トイ状ナメ(左岸テン場あり)
120m大ナメへ

さて、この大ナメを楽しむ前にクリヤーしなければ行けないのが、手前の30m滝だが、これは下から見ると右岸側が一見簡単そうだが、上から見ると
急なスラブをトラバースする必要があり、下手をすると上へ上へと上げられてしまい。トラバースさえ難しくなってしまう。一番簡単なのは左岸の草付き壁で
階段状になっているし、岩も乾いており安全。もう少し難度を上げるなら、左岸壁に取り付き、バンドを水流までトラバースして水流右端を直登するルートも
ありか・・・?我々は左岸草付き壁を選択。見た感じノーザイルで行けそうと判断。右岸側をサクサク登ってしまった。

核心を終え、ナメを登り切ると、120m大ナメが眼前に現れる。しかし、運の悪い事に晴れてない! これでは去年と同じではないか!!!。。。。

この大ナメは水流右も左も登れるが、左側の方が水を感じながら登れ楽しい。2/3程登ったところから、水流中央
にトラバースし、そのまま水流中央を登りここを終了する。
30m滝
120m大ナメ(クリックして)
120m大ナメの登攀
大ナメ滝上の様相(クリックして)

この先は、15m程の滝がひとつ。左側の草付を小さく巻く。ラストの6m滝は水流左のルンゼが登れそうだが、結局これも左側を高巻く。

この滝を越えると源頭部の様相になり、小滝をいくつか超えて、水が涸れる。ラストの詰めは気持ちのよい草原だが、沢靴だと滑りやすいので、
ここで靴を履き替える。適当に詰めて行くと、平標山のトラバース道(廃道)に出た。
6m滝へ続くナメ
最後の詰め

平標山の家では、いつも参考にさせていただいている、”上信越の谷105”を編集した岩遊のメンバーがいて、ちょっと話を聞くことが出来た。
来年には”黒部の谷”など年一ペースで本が出るそうだ。基本的には1冊の本はその前年の1年間で調査をやりきるとの事で、日程優先の為、
雨でも撤退しないで登り切った等、ユニークな裏話を聞かせてくれた。さすがに沢登りも”仕事化”すると大変だ。。。

彼らが下山した直後、我々もハイピッチで下山したが、彼らの後姿を見ることは一度も無かった。やはり相当スゴイ人達だ!

下山は、先日の西ゼンも一緒だった男女パーティーも一緒になり、鍵山さんが「いっしょに乗って行きませんか?」と声をかけ、5人,HR-Vで川古温泉に
向かった。このパーティーは東京の山岳会に所属されてるそうだ。(彼がmoto.pさんだったというのは、これから2年後に知ることになる)

P.S:笹穴沢は超お勧めの1本であることは間違いありません。通常は日帰りで抜けますが、ゆっくり1泊2日で抜けるパーティーも多いようです。
   車は2台用意して1台を元橋にデポしておいた方が良いでしょう。滝自体は大きいのが多いので、45mザイルを用意するのがベターと思います。
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