2002年10月27日 阿武隈川一里滝沢

メンバー:植木、弘田
装備:ザイル8mm×30m、9mm×20m(共に使用せず)、靴:フェルト
参考ガイド:すうじいさんの83年遡行記録

その他の写真はこちら

アプローチ:CR-X
5:25自宅発→(矢板経由、那須塩原IC→白河IC)→7:35甲子温泉大黒屋着、

7:53出発→8:10一里滝沢出合着→9:23(8:2)分岐(左岸60m大滝)→9:50(3:2)右俣出合→
10:05(3:2)中俣分岐→11:40 25mナメ滝横→13:02稜線着
13:15須立山山頂→14:28坊主沼小屋、14:43同発→15:31甲子山山頂→16:47大黒屋着。

17:02同発(食事)→18:13白河発(白河IC→那須塩原IC、矢板経由)20:10自宅着

矢板で植木さんと待ち合わせ、基点となる甲子温泉大黒屋に向かう。車は一言告げて、大黒屋の駐車場に
停めさせてもらう。(他にも駐車場あり)

 ここから、入渓点までは近いので、沢靴を履いて出発。気温は10度を切るくらいか。
上は薄手の沢シャツにカッパ。下は薄手の沢用タイツに短パンと、真夏の格好+カッパである。
  車道を安心坂トンネル方向に歩き、阿武隈川本流沿いに走る林道(踏み跡)に入る。一里滝沢出合までは
阿武隈川本流右岸の踏み後を進み、この踏み後が途中二俣に分かれたところを沢の方に入ると2つ有る堰堤の
上に出られる。沢に下りたところがすぐに南沢、一里滝沢の出合だ。
(南沢、一里滝沢の出合は距離にして100mくらいしか離れていない)

 ここでハーネス等の沢準備をして入渓。出合は8m滝で始まり,水流右を直登。
最初の8m滝
これを越えるとゴーロ帯の間に小さい釜を持ったナメ滝が時々現れる感じで大きな滝はしばらく出てこない。
キノコが出そうな倒木が多数あり、植木さんも私も、キノコ狩モードになる。しかし、有りそうなのに無かったり、
先人に採られた形跡があったりと悔しい思いを繰り返す。途中何とか1人前のブナハリをGET。また植木さんが
美味しそうな"謎のキノコ"を発見。。。近くにキノコに詳しい人がいるらしく、とりあえずGETする。

そうこうしていると植木さんが「おぉ!!!」と声を上げた。キノコか!と思ったら、正面奥に天から降り注ぐような
大滝がチラリと顔を覗かせているではないか!
 近づいてみると、左岸から入る枝沢にかかる滝で、高さ60mはある見事な滝だ!
せっかくなので落ち口まで上ってみると、2段になっており、1段目は水流右のバンドを利用し、3級−レベルで直登
出来そう。2段目は巻きの感じだ。写真を撮り、本流筋へ戻る。
枝沢にかかる60m大滝

 5m程の3条滝を越えると、最初の(3:2)二俣でここを左に入る。ここから15分で左から5m程のナメ滝で出合う
二つ目の二俣に出る。ここも左俣に入る。
 (植木さんの山岳会の方が、その昔、これらの二俣の右俣を入った事があるらしい)

さらに進むと、ガイドには書かれていないもう一つの二俣(写真参照)がある。水流は右の方が多いが、
地図を見ると、左の方が本流筋なので、ここも左に入る。
 
3つ目の二股(左に入る)

 この先で4m程の滝が現れた。右岸はムリで、巻くなら左岸を滝の手前から入る感じか。。。水流沿いだと登れ
そうなので、TRYしてみる。高さ1mくらいに両足が置けるくらいのバンドがあるのだが、そこに立つ為には
"微妙なバランス"が必要で。滝のしぶきを軽く
受けながらなんとか立った。ここに立つと浴びるしぶきの量も大きく 「ひょぇ〜つめてぇ!」 と叫んでしまう。
 あまりの冷たさに。飛び降りで、暖かくなって脱いだカッパを再び着込み、ザックカバーをして再び取り付いた。
(植木さんは寒そうな私を見て左岸を高巻く)
 今度は"微妙なバランス"のところは時間をかけたくない為、軽〜くハーケンを打って、ヌンチャクをかけA0で
バンドに立つ。そこから「ひょぇ〜」と言いながら水の少ない方でホールドを探すが、
かじかんだ手で抑えられそうなホールドは無く、仕方なく水がマトモに流れている方で探した。 
「ひょぇ〜」 「ぎょぇ〜〜〜!!!」になった所でホールドを見つけ、気合で突破。

あまりの冷たさに、その場でスクワットをやるが体は温まらず。。。

ブルブル震えながら進むと、核心と思われるナメ状7m滝が現れる。ホールドは全く無し。ガイドでは右岸を小さく
巻くそうだが、かなりの傾斜。植木さんも「う〜ん」と うなっていたし、ブルブル震えている私は、そこを登る自信が
全く無い。。。より安全策という事で、急ではあるが潅木の多い左岸の大高巻きに入る。潅木にしがみ付きながらの
高巻きで体も少し温まってきた。この高巻きで、ナメ状7m滝のすぐ上にある大滝25m(?)も一緒に巻き、さらにその上
にある25mのナメ滝の途中に出る。このナメ滝も下からでは直登は難しいが、10mも上がれば傾斜も緩くなり、
我々が出たポイントからは直登が可能だ。

 違う記録によると、この核心部突破で右岸を大高巻きした記録もあるが、土壁の上流方向へのトラバースは
非常に危険でお勧めできないし。右岸を安全に高巻く場合は相当な大高巻きの覚悟が必要だ。仮にナメ状7m滝
を右岸を小さく巻けても、次ぎの大滝25mは左岸を巻く事になるだろう。ちなみに7m滝の直登は5級レベルだ。
 
 25mのナメ滝を越えれば核心部は終了し、気持ちの良いナメの廊下をひたひたと歩く。途中8mクラスの滝
2箇所出てくるが、快適に越えられる。

この先に現れる二俣は右に入り、最後の4m弱の滝を越えればどの沢筋に入っても似たようなところに出るので、
地図を見ながら歩きやすい所えを選ぶと、数分の藪漕ぎで須立山の北側稜線に出た。このあたりの登山道は、
笹が登山道を覆っていて足元が見えない状態だ。

 せっかくなので帰路と反対方向の須立山に登ったが、ガレの急登でかなり疲れる。帰りの稜線で坊主沼とその
辺にある非難小屋に立ち寄る。非常に神秘的な所で、小屋も1950年代に出来たものとは思えない程綺麗で、
毛布まで置いてあった。

 ここから稜線の登山道は、すぐに二手に別れるが看板通り左に入る。途中、崩れて登山道を見失うが、
あまり下らない所に登山道が続いているので注意。甲子山から先は急に歩きやすい登山道となり。
「腹減った、腹減った」と下山。
 結局、大黒屋の温泉も入らずに白河の街へ直行。食事して帰る。

P.S:一里滝沢はキノコがいっぱい出そうな沢。テン場も核心部の7mナメ滝手前なら
   数多くある。

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