2003年8月2,3日 湯檜曽川東黒沢〜ナルミズ沢

メンバー:単独
装備:シュリンゲ(何も使わず)
アプローチ:CR-X


前夜移動
19:20自宅発→(R50〜R353) 21:49関越赤城IC→22:27湯檜曽公園着(車中泊)

初日(晴れ)
AM5:30起床、6:20白毛門登山口出発→6:53 20mハナゲ滝下→7:28白毛門沢出合→8:57 20mナメ滝状→9:45 (1:1)最後の二俣
10:34稜線(鞍部)→11:04ウツボキ沢出合(釣り)→11:43ナルミズ沢出合→13:07大石沢出合(釣り)→14:25幕営ポイント

ナルミズ沢を遡行する場合、今では宝川温泉から入るルートより、白毛門登山口から東黒沢を遡行し、ウツボキ沢へ下降、ナルミズ沢に入るルートの方が
トレンドとなっている。沢を2本繋げるお徳コース!あえて難を言うとこのルートは帰りの朝日岳〜笠ガ岳〜白毛門の長い稜線歩きがカッタルイことか…。

白毛門登山口の駐車場では、大きなザックを持った6人組のパーティーが出発していった。ザックの大きさから、彼等もナルミズ沢遡行だろう。
写真の都合もあるので、少し間を空けてから自分も出発。1昨年白毛門沢を遡行を思い出しながら、のっけから現れるナメを堪能。
20mハナゲ滝は通常水流左を登り、落ち口で水流右にトラバースするのが一般的だが今回"話題作り"の為,別ルートをファインディング!
左岸にある乾いたルンゼから取りつくルートは簡単そう。チョイト欲をだして、水流のすぐ右すれすれのルートに取り付いてみた。最初の取りつき
4m程がホールドが少ないので微妙なフリクションが必要だが、そこから先は思ったほど難しくなく、そのまま水流右側を直登していく。
この滝はいろいろルートが取れるのでよーく見てみると面白いかも。。。誰かトップロープで構わないので瀑心中央突破ルートにチャレンジしてください(笑)
入渓点
ナメが始まります
20mハナゲ滝

東黒沢に入ると、白毛門沢とは違い,多少暗めだが、ナメが早くも現れ気持ちイイ。この後急に現れるミニゴルジュは中央突破!と入っていこうとするが、
すぐにくじけて左岸を小さく巻く。この先の10m3段滝は2段位にしか見えなくて、ガイドでは水流右が登れると書いてあるが、どー見ても水流左の方が
簡単そうで、これはきっと"崩れたに違いない"と勝手に決め込みながら難無く水流左を直登。
東黒沢、白毛門沢の分岐
東黒沢10m3段滝

 この先の二俣を左に入ると、「おぉ!!!これは!」目の前に現れたのは水が複雑に落ちる複合滝だ!これが東黒沢の核心部!、いや「美の核心部」だ!
もう、写真撮ったりーの、お握り食べたりーの溢れるマイナスイオンの中でしばし休憩。そして、この複合滝を越えると、そこはナメ。。。ひたすらナメだ!
長いナメを堪能すると20mナメ状滝を迎える。
複合滝(カーソルあてて)
ナメが続きます
20mナメ滝状

これを難なく超えてから二俣が一つ二つ現れるが、ここが迷いやすい。 実際に、本来右に入るべき所を、誤って左に入ってしまい20分程ロスしてしまった。
沢筋が明るく正面に白毛門から伸びる尾根が見える沢筋に入ったら間違い。正しいルートは木々に囲まれ少々くらい感じになっている。
ここからは二俣があっても水流の多い方を詰め上げ、水も枯れてくると再び二俣に入るが、これはどちらに入ってもさほど変わらない。
稜線の鞍部は背丈ほどの笹薮地帯で、ところどころの木の枝に赤テープが付いていた。

ウツボキ沢への下降はそのまま山の反対側へ適当に下り沢筋に入ってしまえばOK!滝は精々2mくらいでザイルは必要無し。。。30分ほどでウツボキ沢に出る。
ウツボキ沢の釜でイワナを釣ろうと思い、ウツボキ沢を少し遡上したがいい釜は現れず。一応竿を出してみるが、当り無し。そそくさとウツボキ沢を下りナルミズ沢に出る。
迷いやすい二俣(たしかここを右に入った様な・・・)
東黒沢/ウツボキ沢境界尾根
ウツボキ沢に降りてくる

ウツボキ沢とナルミズ沢の出合は"広河原"と呼ばれ、いいテン場となっており、先発した6人組のパーティはここでテントを張っていた。
時計を見るとまだ12時前なので、先に進む事にした。

河原の様相のナルミズ沢を少し進むと、急に深い釜を持ったミニゴルジュが現れる。釜の水はなんとなく濁っており、エメラルドグリーンとは言いがたい。
ここのゴルジュは左岸についた巻き道を利用しぬける。聞くところによると、釜を泳いで取りつけそうな滝もあるが、縦渦を巻いている箇所があるらしく
釜に飛び込んで浮いてこれず二人が亡くなった事故があったらしいので要注意。この先ゴルジュは無いが、"小滝に深く大きい釜"というシチュエーションがいくつか続く。
再び竿をだすが、ここでもダメ。。。
ナルミズ沢の広河原
深い釜を持ったミニゴルジュ
基本は癒し系ですが・・・

ガイドにはこの辺りには4m,3mとナメ滝が記載されているが、あまりよく解らない。2条のウォータースライダー向きの滝が現れると大石沢の出合もすぐだ。
大石沢の出合にも大きな釜があり再び竿をだす。目的地に着いたこともありしばらく粘っていると、イワナが一匹釣れた!釣りをしていると滝の上から
人が降りてきて、大石沢に入っていく。。。しばらくすると薪を抱えて戻ってきた! 声をかけるとこの辺りは薪が少ないらしい。。。

 さて、このあたりでテン場を探すわけだが、彼らがテントを張った大石沢出合にかかる3m滝上の砂地(せいぜい二張り程度の広さ)以外にはテン場が
見つからず。さらに先に進んだが、一向に見つからない。大石沢出合から20分程進んだところでようやく小さな砂地を見つけ、整地しテン場とした。
ここもマキは少なかったが、何とかかき集め、釣ったイワナを焼いて食べる。
(増水の可能性がある場合には大石沢出合いより上流ではテン場は無いと思った方が良く、ダブルウォータースライダー滝から大石沢出合の間で見つけた方が無難と思われる)
2条のウォータースライダー滝
大石沢出合
増水には耐えられないテン場


2日目:晴れ
4:35起床、6:13出発→6:40 8m魚止め滝→6:55二俣→9:10稜線→9:15 1900mジャンクションピーク→9:43朝日岳→10:35笠ガ岳
→11:35白毛門→13:45登山口駐車場着

タープを持っていないので、今回、一人用テントフライをタープ変わりにして、シュラフカバー+(沢シャツ+長袖+カッパ)で寝たのだが、結構寒かった。
さらに悪い事にエアーマットがエアー漏れしてしまい、"快適"からほど遠く寝つき最悪、目覚ましがなる前に起きてしまった。早速火を起こし、
ラーメンを食べて温まる。
 
出発してすぐの3mゴルジュ滝は左岸を巻く。これを過ぎると雪渓が現れはじめた。南面の沢で明るいのに、まだ雪渓があるのかと驚いたが、なんとそのすぐ先には
高さ5mのスノーブリッジが!!!

雪渓の上を歩いては沢に降り、益々でかくなるスノーブリッジが現れては上を歩き…を繰り返していると、何と雪渓の上から8m魚留滝が見えた!
ゲゲッ!これでは滝に取り付けないではないか!
雪渓は8m魚留滝の左岸上まで伸びており結局滝に触る事無く、滝上に出てしまった。(悲しー!!!)

この後も、大きなスノーブリッジが現れ、雪渓の上から何とも"オイシそうな”20m程の階段状ナメ滝を指をくわえて見ることになってしまった。。。
仕方なく雪渓の上から大烏帽子山をバックに滝の写真を撮って、20m滝の上に出る。雪渓が多く残った(1:1)の二俣を右に入ると遠くに二人組みのパーティを見つける。
右俣に入ると正面に大烏帽子山がそびえ、良い撮影ポイントとなる。
8m魚留滝と1757mピーク
20m階段状ナメ滝
二俣
右に入ります

 さて、大烏帽子山の麓の二俣を今度は左に入るが、この先にガイドには無い二俣があり、ここは右だろうと思い進むと、先ほどの二人組みが上から
降りてくるではないか!  話しを聞くと「雪渓がビッチリでしかも薄そうなのでさっきの二俣を左に行く」との事。まぁまだ時間もたっぷりあるので自分は
「セッカクなんでチョット見てきます」と言ってそのまま私は進んでみる。
と、そこに見えた物は、白馬大雪渓?と思うほど雪渓がビッチリ沢を埋めていた。"薄そう"との話しだったが、雪渓の取り付きだけだったので、
そこを注意して登ると、後はもう飛びあがっても崩れそうに無い大雪渓。そのまま雪渓登りとなる。
ナメが続くが
大雪渓!

さて、ここから1/25000の地図&ガイドと格闘するのだが、どうも実際の地形と地図が違ってて、よく解からん状態になってしまった。とりあえず帰り道の
方向はわかるので、不安になる事は無かったが、どうも釈然としない。結局雪渓が途切れ7m程の滝がかかっている所の沢筋が行けそうだったので取り付く。
トイ状ナメがあったりして面白いが、斜度はきつめ。1個所6m程の滝は直登出来ず、左岸のルンゼに取り付くが結構シビアで度胸で突破。
(左岸草つきを巻く事も可能だったと思う)

これを越えると後は難しい所は無く草原を詰めあがって行く。最後はトラバース気味に大烏帽子山から伸びる尾根に出た。ここにある踏み跡を5分ほど
登ると、清水峠と朝日岳の縦走ルートに出た。看板を見ると『ジャンクションピーク標高1900m』とある。。。
「あれぇ???」ともう一度1/25000地図を見ると、大烏帽子山と思っていた山が1757mピークの山であった事が判明!何とも締りの悪い遡行になってしまった。。。(^^)ヾ
まぁ、おかげでその分帰り道が短いので良いとする。
雪渓が途切れた所にある7m滝
詰めあげます
最後の詰めの様相

梅雨明け直後の青空は気持ち良く、朝日岳の池糖、朝日岳山頂からみた大石沢を楽しみながら稜線を歩いていくが、時間と共に気温が上昇、
笠ガ岳でグッタリ、さらに白毛門でグッタリ、白毛門の下りでもうバッタリ。。。という感じ。完全に暑さでバテてしまった。水は1.2L汲んでおいたのとポカリスエットの粉を
持ってきたのは大正解。水だけだったら絶対に塩分切れで足がつっていたと思う。やっとこさ白毛門の駐車場に戻り、湯檜曽の温泉に向かう。
温泉はいつも湯檜曽"なかや旅館"というところで入っていたが、偶々団体さんが入浴中という事で、斜め向かいの"永楽荘"で入る。洗い場は一人分しかなく、
湯船は4,5人くらいでいっぱいという狭さだったが眼下に湯檜曽川が流れ、500円で入れるのは嬉しい。
朝日岳からの池塘


P.S:東黒沢、ナルミズ沢は初心者にオススメだが、最後の詰めを間違うと3級+の登攀がでたりするので、初心者がいる場合は20mくらいのザイルがあれば安心か。
   帰り道は長いので、水の補給を忘れずに。

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