2003年9月6日 桧枝岐川下ノ沢

メンバー:常吉さん、ひろた
天気:晴れ→曇り、時々雨
装備:ザイル9mm×20mm、クイックドロー、フェルトソール
地形図:会津駒ヶ岳、桧枝岐

私のHPに遊びに来てくれる、会社の大先輩の常吉さんから、「沢に行きましょう」という書き込みがあり,それを受けて、
今回「では一緒に!」ということで、いくつかの候補の中から会津駒ケ岳に詰めあがる下ノ沢に決定、今回の遡行となる

前夜移動(ステップワゴン)
19:00芳賀町かしの森公園発→10:00桧枝岐会津駒ケ岳登山口駐車場着

集合場所で常吉さんと初顔合わせ。実は常吉さん私と同じ会社の大先輩にあたる人で、いささか緊張したが"大先輩"を意識させない
とてもに気さくな方だ。移動中は、山の話で曲がるべき交差点を真直ぐ言ってしまうほど盛り上がる。
さて、道中、コンビニは、塩原に1箇所、R121とR352の合流点手前に1箇所くらいしかないので要注意。
桧枝岐スキー場前には公衆トイレ(水洗、紙付)があり便利。道中は携帯の繋がらないところもあるが、桧枝岐村に入ると携帯は繋がる。
竜ノ門滝駐車場が車のデポポイントとなるが、ここにはトイレ、水が無いため、スキー場周辺あたりで車中泊をするのがお勧めだ。

5:55竜ノ門滝駐車場出発→6:10下ノ沢入渓点→6:25竜ノ門滝下→6:35竜ノ門滝上→7:30 10m上トヨナメ滝→(7:50第一ゴルジュ終了)
8:20二俣→9:35 8m「く」の字滝→9:50 10m3条スダレ状滝(ザイル)→10:05同滝上→11:53奥の二俣→12:55水涸れ→
13:15稜線登山道→13:20駒ノ小屋→13:55下山開始→15:25登山口着→15:35竜ノ門滝駐車場着
16:35燧の湯発→19:35かしの森公園着

5時起床だが、9月第1週ともなるとまだ薄暗い。竜ノ門滝駐車場(車5台程度駐車可能)に移動、駐車場から入渓点までは近いので沢靴を履き
出発する。
竜ノ門滝展望台に向け歩くが15分くらいで下ノ沢にかかる橋があるのでここから入渓。入渓点付近は倒木が多く、少々うんざり気味だ。

これといった滝も無くゴーロ状を進むとゴルジュ状になると奥に上下段あわせて40mの竜ノ門滝が見える。その手前には3m程の深い釜を持った
滝があり、左岸の巻き道に入ると、この巻き道がそのまま竜ノ門滝の巻き道となっていた。竜ノ門滝は2段で下段は傾斜が緩めで登れそうな
気もするが、上段はほぼ垂瀑で直登は不可能。とはいっても高巻きルートからでは竜ノ門滝取り付き点は見えないので詳細は不明。
竜ノ門滝の巻きは、ヤブ漕ぎは無いもののかなりの急登。先頭を行く常吉さんに必死についていく。
竜ノ門滝駐車場
ここが入渓点です
竜ノ門滝2段40m

竜ノ門滝を過ぎるとしばらくゴーロ帯が続く状態のまま第一ゴルジュ帯というところに入る。ゴルジュといっても暗いイメージは無い。
滝もこれといったものが無いなぁと思ったところでようやく10m程の滝(10m上トヨナメ滝)が現れる。ホールドは豊富そうだが傾斜があるので、
沢の経験が少ない常吉さんに

弘田:「ザイル出しましょうか?」
常吉さん:「はい」
弘田:「ではフリーで登って、ザイル落としますので」

と水流右に取り付きそのまま、水流右を直登。そうしているうちに、

常吉さん:「いけそうなんで登ります!」

ということで、フリーで突破してくる。(さすが)

 この次の6mCS滝は水流右に取り付くが、滝の落ち口で岩を廻り込むところが、水流をまともに受けるため嫌らしい。右手のホールドは
割りとしっかりしてるが左足がまともな水流を受ける、さらに岩と岩との間に挟まった形になり前へなかなか進めない
「てめぇ!ふざけんな!じょーだんじゃねーよ!」と水に向かって独り言が出る。。。、少しずつ少しずつズリ上がり何とか突破。常吉さんにはシュリンゲ
を出し、気合で突破してもらう。二人ともズブヌレなので、しばし休憩。
第一ゴルジュ帯に入っていく
10m程の滝(10m上トヨナメ滝)
6mCS滝(カーソルあてて)


 この滝を過ぎるとしばらくゴーロ帯が続く。稜線も割りと近くに見えるので

「ずっとこんな感じで終わっちゃったりして。。。」とお互い苦笑い。。。

と不安も抱きつつ二俣に到着。
とあるガイドによるとビバーク適地とあり、テン場があるか周辺を探すが全くなく、ここでテントを張るには整地するのに1時間くらいかかりそうだ。
平凡な様相が続きます
二俣手前3m滝にて
二俣手前の様相

 二俣を過ぎまたしばらくゴーロ帯を歩くと第2ゴルジュ帯となり7mトヨ状滝が現れる。ここは常吉さんは水流左の岩壁を登るが、
久しぶりの滝なので、私は瀑心直登を試みる。まともに水流を受けるが傾斜は緩い。右手は右壁のホールド左手&両足は水中の中で
ホールドを探り当てまたしても気合で登っていく。
直後に現れる8m「く」の字滝は、写真を撮っている間に常吉さんが先に水流右から取り付いた。上部はテラス状になっており、人が二人ほど
立てるスペースがあるがこの上に大岩がかぶさりハングとなるため、ここからは瀑心を突破するしかないようだ。常吉さんがかなり苦労している。
トップを交代し取り付いてみると、瀑心の水圧はかなりのもの。右手のホールドはしっかりしてるが、左手のホールドが手ごろなものが無い。
そこで右のホールドで体を支えて左足を水流の反対側に持っていき、水流をまたぐような姿勢から「せーの!」と気合で突破
常吉さんにはシュリンゲを出し突破してもらった。

常吉さん:「よくこんなところ突破できるねー」
ひおた:「気合と言いたいところですが、本当は運のみです(^^)ヾ」
7mトヨ状滝
8m「く」の字滝
滝上から(カーソルあてて)

二人とも相当濡れ、震えてきたため、カッパを着ようとすると常吉さんが「かっぱ忘れたー!」との事!仕方なく防寒着(といってもラガーシャツだが)
取り出すが着込んでもかなり寒そう。体が震えている。。。私もカッパだけではまだ寒く、厚手のアンダーシャツを1枚さらに着込む。
これでやっとちょうど良いくらいだ。

先にすすむと10m3条スダレ状滝が現れる。垂瀑で一見直登不可能と思われたが、真ん中と右側の水流の間から登れそうだったので、
「フリーで登ってザイル出しますので」と言って取り付くと特に難しいところも無く直登できた。常吉さんにザイルを出し、常吉さんも難無く突破。

第2ゴルジュを終了すると7m滝が現れる。左岸の岩に残置シュリンゲがかかって入る所を常吉さんがTRYするが難しい様で、水流左から越える。
私も左岸の岩にTRY。残置シュリンゲは綺麗だったので回収、岩を廻りこんだ所にホールドを見つけ何とか直登出来た。
奥に10m3条スダレ状
10m3条スダレ状(カーソルあてて)
7m滝


さらに進むと第3ゴルジュ帯に入るが、入口にあたる8m滝は直登が難しそう。常吉さんが左岸の巻き道を見つけ、
「水流をくぐって水流左に渡りそこから直登出きるのでは?!」という事で、一応水流をくぐって見たが、そこからもパッと見、ハング状になっており、
すぐさま引き返した。(実はここから登れるらしい)

「常吉さん!チョットムリです、巻きましょう!」

と言うと、早速常吉さんが、巻き道に取り付くが、出だしの3m地点が垂直で難しそう。TOPを交代し、ザイルを出して取りついてみる。。。
確かにかなり厳しい。。。 周囲を見回すと色あせた残置シュリンゲをルートとは違う所に発見、A0でとりあえずそちらに上がってから、
微妙なバランスで高巻きルートにトラバースした。常吉さんはユマールを持ってきてたので、ザイル固定で突破する。

 これを突破すると第3ゴルジュ内のめだった滝は7m程度のものが二つ。特に問題は無いだろう。ただ、私は見なかったが、
常吉さんが滝から落ちて釜にドボンしてしまったらしい。チョット膝を打ったらしいが、大事に至らなくてホッとする。
8m滝(左岸高巻くが厳しい)
第3ゴルジュ内7m滝-その1
第3ゴルジュ内7m滝-その2

第3ゴルジュを抜けると正面に10m滝が見えるが、ここが奥の二俣となっており、この右俣から入るこの滝は登らず左に入る。
するとすぐに12mY字滝が現れる。この滝は右岸の乾いた所も登れるし、水流のすぐ左も登れる。

 ここから先は滝はなく背丈ほどの草が生い茂る源頭の様相になる。奥の二俣を過ぎて、次ぎの二俣を右、次ぎも右、その次を左に入って詰め上がる。
膝程度の草原が現れるようになると登山道もすぐで、駒の小屋から1,2分下った所の稜線に出た。
奥の二俣
12mY字滝
もうすぐ稜線です

 駒の小屋(有人)は宿泊者用の入口と休憩用の入口が別れており、休憩用に入って下山準備を整える。外は雨混じりで展望も無いので、
会津駒ケ岳ピークは行かないで下山することにした。下山道は急な下りも無く歩きやすい。水場も1箇所ある。

帰りは桧枝岐の燧ノ湯に寄り、矢板で食事、次回また行きましょう!と栃木で解散となった。

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