2003年10月4日 大源太川 鷺ノ首沢

メンバー:きむひろさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m(滝直登は45mあると便利) 靴:フェルト
参考ガイド、上信越の谷105ルート
地形図:茂倉岳、巻機山

小生のHPに、きむひろさんが「今週末でも何処か行こうかなぁ」との書きこみが有ったので、「それでは一緒に行きませんか?」と、始まったこの企画。
候補は水無川モチガハナ沢、大源太川鷺ノ首沢のどちらかだったが、車が2台あると便利という事で後者に決まる。

前夜移動
18:28自宅発→(一般道)20:39 R353入口→21:30赤城IC→21:41沼田IC通過→22:07湯沢IC→22:12岩ノ湯駐車場着

自宅から湯沢に抜ける時、赤城山南面を通って赤城ICに出るか、赤城山北面を通って沼田ICに出るかでいつも悩むが、時間はほぼ同じ事が判明。
岩ノ湯は夜間は駐車可能なので、今日はここで寝る。

当日:曇り時々晴れ→雨
5:25大源太山登山口駐車場(車をデポ)→6:17大源太キャニオン青少年旅行村駐車場着
6:50出発7:10鷺ノ首沢入渓8:00大栗沢出合→9:35 30m滝上→11:09ヤスケ沢出合→11:15 25m滝下
→14:15 8m滝下で枝沢にエスケープ→14:50 水涸れ→15:15稜線着→15:35下山開始→16:40大源太山登山口駐車場着
19:09湯沢IC→19:34沼田IC(赤城北面)→2030大間々駅通過→(一般道)22:10自宅着

朝5時に湯沢ICの近くのセブンイレブンで、きむひろさんと待ち合わせる。まだ空は暗い。なか、車をデポしに大源太山登山口の駐車場に向かう。
昨年、北沢本谷遡行の時にここを起点としたが、状況は変化無く、車は7,8台程度駐車可能。通常のFF2WD車で問題無くアプローチできる。

 ここから、鷺ノ首沢入渓の基点となる大源太キャニオン青少年旅行村に移動。こちらの無料駐車場は20台以上くらい駐車可能。あずまやも有り、
トイレもある。

さて、ここから鷺ノ首沢入渓点までの道だが、青少年旅行村のテントサイトに続く道を入る。道が無くなったところで山に上がる登山道があるので
そこから入る。(ここで沢には下りないこと)この道を入っていくと、ゴルフ場のコースに出るが、そのままゴルフ場の脇を通りぬけると沢が
だんだん近くなってくる。丁度、大源太川本流と鷺ノ首沢に分岐するあたりでこの道はつづら折にゴルフ場の方へ登っていくので、ここで沢に降り入渓。
はじめから沢靴で行っても問題無い距離だ。
入渓するとすぐに、両岸土壁のミニゴルジュの様相となるが膝下を濡らすくらいで通過可能。ここから大栗沢出合まではゴーロ帯でチョット整地すれば
いくらでも巻営可能な場所がある。キノコもいっぱい有りそうだったが、キクラゲをすこしGETしただけにとどまる。
大源太キャニオン青少年旅行村Pから
入渓点到着
両岸土壁のミニゴルジュ

 1時間弱のゴーロ帯歩きでようやく大栗沢出合に到着。ここを右に入ると、ナメ滝や、5〜6mくらいの小滝が現れる。準備運動がてらに直登すると、
大滝が出現。ガイドを見るとF3 20mとあるが、25mはある概ね3段構成の滝だ。
きむひろさんが「この滝は直登不可能で左岸を巻くそうです」との事だったが、そんなに急傾斜の滝では無く、最初の3mを登れれば直登出来そう。
問題は、多少、釜に入らなければ取りつけない事で、10月だけに、精々腰程度の深さであってほしいところ・・・。
「釜が深くなければ行けるんじゃないかな?」と彼に伝え、ゆっくり釜に入っていくと、腰下しか水に入らなかったので楽に取りつけた。
下段は取りつき3mを突破できれば簡単。核心は中段で、4m弱の登りなのだが、ホールドは細かく、右手で草を掴んだりしながら1歩1歩ズリ上がり、
3m程度上がった所で水流側にトラバースするのだが、このトラバースが少々緊張する。なんとかここをフリーでクリヤーして、
きむひろさんにはシュリンゲを4、5本繋いで出し登って来てもらった。上段はホールド、スタンス十分でで特に問題は無い。高さはあるのでここで、
一応ザイルを伸ばす。ザイルを出す時絡んでしまい、少々時間を食ってしまった。。。ザイルは45mあれば1ピッチで行けると思う。
大栗沢に掛かる15m滝
F3 20m滝(カーソルあてて)
下段取りつき
上段の様相

20m大滝を越えると左岸の岩壁が見事なV字谷形状となる。上部の方はキツそうで、「これ登って行くのかぁー」と焦ったが、本流は左に直角に
曲がるらしい。V字谷部分に掛かる小滝を登る。水流左の乾いた岩がルートになる。特に問題は無いだろう。
左に直角に曲がり、少し進むと、滑り台の様なトイ状5m滝がある。水流左にバンドがあり、残置シュリンゲが掛かっていた。最初きむひろさんが
このバンドを使わず水流を跨いで直登を試みるが、難しい模様(ガイドはこうして突破したと確かに書いてある)
さらにバンドを登りシュリンゲを掴んで突破を試みるが、これもかなり難しそう。トップを交代して、私が取りついてみる。。。
岩がかなり滑りやすいので、残置シュリンゲでビレイを取り、水流を跨いで突っ張りでズリ上がりホールドになんとか手が届いた。
ここで、微妙な体勢からシュリンゲを外し、突破。きむひろさんには、上からシュリンゲを繋いで、突破してもらった。
20m滝上のV字谷状
小滝を登って行きます
滑り台の様なトイ状5m滝
きむひろさんTRY(カーソルあてて)

これを越えるとヤスケ沢出合もすぐ。鷺ノ首沢は枝沢の様に右から2m滝を持って入っているので要注意だ。出合の2m滝をきむひろさんが
水流右から越えようとする(ガイドにこう書いてあった)が、途中で行き詰まっている。左を見るとこっちの方が全然簡単そうで、急いで登って
きむひろさんにシュリンゲを出した。

この小滝を登るとすぐに、核心(?)の25mスラブ状滝に出る。実際はガイドの写真より傾斜は急。巻くのであればガイドの通り左岸ルンゼに入るのが
常套だろう。直登は"上部が極端に悪い"とガイドにあるが、下からではどれくらい悪いのかよく解からない。登ってみないと調査にならないのでザイルを出し取りつく。
出だしは楽勝。とりあえず10mくらい登った所でハーケンを打って中間支点を取る。そこで安心してしまい、簡単そうな水流左ルートでは無く
”瀑心突破ルート”に挑む。
「まぁ落ちても大丈夫だろう」なんて思って足の親指がちょっとかかるくらいの所に体重かけてたら本当に滑ってしまいそのまま4m程うつ伏せ姿勢で滑落
きむひろさんのパーフェクトなビレイのおかげで両肘をナメ岩に打ったが幸い打撲で済んだ感じ。。。

 「す、すいましぇーん!」(^^)ヾ

たいした怪我は無かった事もあるが、落ちるとチョー恥ずかしい。。。仕方ないので、水流左にルートを変更し登り返す。途中で30mザイルが
いっぱいになりそうだったので10mを残しピッチを切った。(1ピッチで行くには45mザイルが必要)

さて極端に悪いと書かれてある上部だが、ここから見ると、水流右の草付きの境界を登ればそんなに難しくは無さそう。再びザイルを伸ばし、
中間支点を一つ取って登りきった。
ヤスケ沢出合(右に入る)
25mスラブ状滝(カーソルあてて)
25mスラブ状滝最上部から(カーソルあてて)

25mスラブ状滝を超え、さらに進むと二俣になり、左に18m滝が現れる。これは直登はムリそうで。右岸を巻く。ここは大きく巻かないのがコツ。
これを越えると20m4段滝らしいが、記憶に無い???記憶に無いという事はたいした事はないということでしょう。

この先、これまた直登が難しそうな6、7mの滝に出る。ここは悩んだ末右岸を巻くが、思った以上に困難、腕力で突破するが悪い巻きになってしまう。
核心を突破したら巻き道が付いていたが、これに添ってずっと歩くと沢から離れてしまう感じで、核心を突破したきむひろさんに
「ここからトラバースに入ります」と告げ、草を掻き分け滝上に出た。

 しかし、何故か一向にきむひろさんが来ない。さっきまで後ろを歩いていたのだが。。。

大声を出すが、返事無し。。。核心を突破した後は難しい所は無かったはずだが。。。ホイッスルを鳴らしてもみたが、返答無し。。。
「まじ〜ぃ!!!」と思い、ザックを目立つところに置き、巻き道を再び戻る。
「きむひろさーん!」と声を出すと「はーい」と返事が帰ってきて一安心。聞くと踏み後をそのまま登ってしまった様だ。。。
18m滝
直登が難しそうな6、7mの滝

この辺りまで来ると稜線がみえるが、まだ遠そう。予定していた時間よりもかなり遅くなってきた。先を急ぐと、幅1m程度のV字に切れこんだ枝沢が
右から入り、本流は6,7m程(ガイドに出ている8m滝か不明)の直登不可能な滝がかかる二俣に出る。本流は下山する尾根から離れていく方向に
伸びているのを確認、時計を見ると14時15分。。。天気もやばそうなので、ここで本流遡行打ちきりを提案、きむひろさんの了承を得、
V字の枝沢に入る。

4m、5mと小滝が続くが途中、きれいな残置シュリンゲを発見!ここで同じルートをたどったパーティーがいたと思うとチョット安心する。
しかし、この残置シュリンゲの有る滝は完全にA0で無いと突破できない。腕力突破で超えると、水も涸れ、すぐに沢筋も消える。
ここで雨が降り出してきた。下山道は右にあるのは解かっているので、右、右とヤブを掻き分けると、沢筋に出た(水は無し)
ただしガレガレで、落石を多く落し、きむひろさんには迷惑をかける。。。
そして、このガレ沢も急におわりを遂げ、またもやヤブ漕ぎ。右を見るともう一つ沢筋っぽいのがあったので再び右へ右へと進むと、
またまた沢筋に出た。これを行ける所まで上り詰めると尾根に出そうな雰囲気。。。これが下山道であってくれよ!と祈りつつヤブを漕ぐとやっと
下山道にでた。時間は15時15分。思ったよりも早く出れて一安心。ガスっていてよく解からないが、大源太山頂より20分くらい下ったところだろうか?
雨が激しく降る中、慎重に下山。真っ暗になる前にデポしておいた駐車場に出る。
稜線到着!


遡行図(クリックして)


P.S:鷺ノ首沢はそんなに難しくは感じないが、となりの北沢本谷よりは完全に1ランク上の沢と思って良い。ガイドの遡行図と若干異なっている所も有るので注意。
   巻きはかなり腕力勝負もあったが、うまくルートを取れば避けられると思う。ザイル出しに手間取ったり、高巻きルートミスもあり、余計な時間が結構かかった。
   沢慣れしたパーティであれば、日帰りで完全遡行が出来ると思う。

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