2004年10月16,17日 中ノ岐川灰ノ又沢

メンバー、きむひろさん、吉本さん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、フェルトソール
参考ガイド:上信越の谷105ルート
地形図:平ヶ岳、奥只見湖

昨年、悪天候の為中止となった灰ノ又沢のきむひろさんとのリベンジ企画。そこに先月単独で北アルプス大キレット通過を難なくこなしたという医大生の吉本さんが
「沢に行きたーい!」ということで参加表明。来年3月卒業後医者修行をする彼女にとってはの沢は最初で最後になるかもしれないと言う事で、
"是非良い想い出に!!!"と私も気合が入るのであった(笑)

初日:曇り時々晴れ
AM2:28自宅発→(自治医大経由、宇都宮IC〜那須塩原IC)5:16桧枝岐→6:40銀山平着→7:25雨池橋、
7:45雨池橋発→8:35灰ノ又橋→11:35花降沢出合→15:20二俣→15:40左俣テン場

前夜、飲み会という吉本さんを拾い、銀山平に直行、きむひろさんと現地待ち合わせ。桧枝岐から先は銀山平含め携帯は繋がらない。
銀山平に車をデポしたが、荒沢岳登山口も15台ほど駐車可能なスペースがあり、トイレもあるので、こちらに車をデポした方が良いだろう。

雨池橋で、バリエーション初の吉本さんの装備チェックを行い出発。途中、先月行った滝沢を見ると水量は先月と変わらず、雨続きであったにも
かかわらず多くは無い。しばらく歩くと灰ノ又橋に出る。間違うことは無い。吉本さんに渡した遡行図の簡単な説明を行い入渓する。
雨池橋横駐車スペース
灰ノ又橋到着
灰ノ又橋から

入渓からしばらくはゴーロ状ではあるが、越後と言うこともあってか、沢は明るく気持ちが良い。紅葉は今年は遅いようで、この辺りでは来週が
見頃という感じ。沢は平凡で我々にとっては何の問題も無い箇所も"初"&"小柄"な彼女にとっては少々難儀な所もあったようで、チョイト苦しそうだとすぐに
お助け紐を出す。女子大生にはやさしい(^^)ヾ

少し進むとようやく滝らしい滝 (F1 5m滝) が現れる。左岸を巻くのが一番簡単だが、瀑心の裏側を抜けてから左岸を巻く方が楽しそう。私、吉本さん、
きむひろさんの順で瀑心裏側を抜ける。抜けてからすぐに真上に直登するというルートも考えられたが、"医大生を怪我させたら大変だぞ!"とカミサンに
脅されていたので、素直に左岸から巻いた。

 ここからは、きむひろさん、吉本さん、私の順で歩く。ガイドでは釜が連続しているが、腰を濡らす事は無い。私は"想い出作り!想い出作り!"
シャッターを押しまくる(笑)
灰ノ又沢入渓
F1 5m滝(カーソルあてて)
快適に超えられます

僅かに出てくる3〜4m滝を超えるとガイドに無い(?)6m程の滝が現れる。適度なホールドが無い為、ザイルを出す。水流左のグズグズのドロ壁が
ルートではあるが、みんな草を掴んで登っているせいか、掴む草が頼りなく。いやぁ〜な登りになるが何とか突破。吉本さんにはさすがに難しかったようで、
半分ザイルを引っ張り上げる感じで登ってきてもらった。きむひろさんはもう少し水流よりの岩場にトライしたがこちらも難しそうだった。
ここからも快適な様相が続き、右から15m滝で入る枝沢を過ぎて花降沢出合までくると、奥にF4 25m4段滝が見えてくる
6m程の滝(カーソルあてて)
快適な様相が続きます
F4 25m4段滝

25m4段滝は右岸を小さく巻くルートも有る様だが、どー見ても難しく感じないので直登することにした。ここはきむひろさんにトップをやっていただく。
順調にザイルを伸ばすが30mザイルでは短く。2段目の上でピッチを切る。セカンドで登る吉本さんのすぐ後ろをサポートする形で私も一緒にフリーで登る。
特にシャワーを浴びる事無く快適に・・・と思いきや、なんと2段目の上が小さいのだが深い釜になっていて、一瞬泳ぎになってしまう。
思ってた以上に水は冷たくなくてホッとする。

2ピッチ目は私がリード。特に難しいところは無く4段滝を終了する。
沢慣れしている人なら特にザイルは要らないかも。ザイルは45m以上必要だが、滝下からは滝上が見えないので音以外の合図を決めておいたほうが良い。。
1ピッチ目
1ピッチ目、結構濡れます。
2ピッチ目。特に問題なし

25m4段滝を越えるとすぐに5m滝があるが、その上は平凡な様相になり裏荒沢出合となる。ここをすぎると、ミニゴルジュ的様相となる、
やはり小柄な吉本さんには辛い所もあり、二人で引っ張り上げる所もあった。(笑)
ミニゴルジュを抜け、5、6m滝を越えるとF5 12m滝が現れる。水流左も登れそうだが多少シャワーになるので、安全な水流右の乾いた所を直登する。
一応高さはあるので吉本さんにはザイルを出した。
裏荒沢出合
小滝を超えていきます
F5 12m滝
F5 12m滝

ここから、二俣までもおおよそ平凡。二俣にかかる6m2条滝ははっきり2条で落ちているので間違う事は無いだろう。

さてテン場探しであるが、"左俣を少し入った所にある"という記録を私もきむひろさんも見たことがあるので左俣に進み探すが設営跡らしきものは全く
見当たらない。二俣から5分ほど左俣に入ったところで草ボウボウではあるが平らな所を見つけたので、「無かったらここにしよう!」・・・とさらに探すが
見つからず、結局、草ボウボウの所を整地してなんとかテントを設営。薪は今ひとつ少なくさらに雨続きだった事もあり湿ったものが多かった。
F5 12m滝を越えておけば、二日目も時間的に問題は無いので、F5を過ぎてよい所があれば迷わず幕営するのがお勧めだ。

 吉本さんに沢の良さを伝える為には、近寄れない程のBIGファイヤーで盛大に!と意気込むが、なにしろ湿った木が多くて最初は今ひとつだったが
中盤から火の勢いも増し、私は女子大生の前で遠慮なくケツを乾かしていた。(笑)
 夜は冷え込んだようだが、テントだったので、夏用(+6度)シュラフ+シュラフカバー沢シャツ+厚手のシャツ+カッパで快適に寝れた。
12m滝を超えて
幕営地到着です♪


二日目:快晴
6:55テン場発→7:10二俣に戻る→10:30稜線→10:45荒沢岳山頂、11:20下山開始→14:55登山口着、 
16:23銀山平発→4:53雨池橋→(食事)20:07那須塩原IC→21:15自治医大→21:35自宅着

今日は、見事な快晴。早速準備をして出発する。二俣まで戻り、右俣最初の2条滝は左から巻いて登る。ここからは朝日を浴びる荒沢岳が見えて美しい。
この先のゴルジュは難しい所は無いが、落ち口に向かって滑りそうな箇所をトラバースするところでは一応ザイルを出す。また一箇所ショルダー
じゃないと上がれなさそうなところがあり、右岸を巻く。きむひろさんが先頭を行くが何処までも登り詰めようとするので適当なところで軌道修正する。
大した高巻きではなかったがパワー勝負の高巻きは吉本さんも辛そう。この先で水流(1:1)の奥の二俣となり、ここを右に入る。ガイドでは三俣の
ように書かれてあったが、完全な二俣であった。
二俣から荒沢岳を見る
小さく巻いた滝
奥の二俣(右に入ります)

ここら辺りはどの滝も4mくらいで、何処まで進んでいるのか今ひとつ良く判らない。高度をどんどん稼いで行くと、最奥の二俣に出る。右に入ると
荒沢岳山頂に直接出ると思われるが、左の方が開けた感じだったのと稜線鞍部にでるので少しは楽かなぁ…ということでガイドに掲載されていない
左に入った。
4m滝
6m滝?
最奥の二俣

この先も、難しいところは無く、快調に登っていくと、振り返れば燧ケ岳、平ヶ岳が見え出す。やがて水が涸れると2級レベルの岩壁&
膝くらいまでの草つきで、やぶこぎ無しで稜線まで出た。荒沢岳から灰吹山方向へは踏跡が有り。5分くらいで人がごった返す荒沢岳山頂に到着。
源頭部
最後の岩壁(難しくないです)
山頂到着♪


山頂から見ると一番最後の二俣を右に入って荒沢岳山頂に出るルートも非常に楽しそうで、最後の岩壁は3級- くらいの登りで上がってこられるので、
こちらの方が注目を浴びてお勧めかな?! 山頂からの展望は抜群で、なんと富士山、北アルプスまで見える。越後駒ケ岳、中ノ岳をはじめ上越の山は
すでに雪をかぶっていた。

下山途中では本人の希望もあり吉本さんに懸垂下降を体験してもらう。鎖場が連続する下山道だが自分は沢靴のままで降りる。4階ほど滑ってしりもちを
つくが問題は無い。03年の記録を見ると下山途中でスズメバチに襲われた記録を多数見たが。取り払われた(?)ようで、他の登山者にも聞いてみたが、
スズメバチに遭った人は誰一人いなかった。
 
登山口にようやく到着したが、車は銀山平。。。きむひろさんも吉本さんもお疲れのようなので、私が荷物を置いて走って車を取りに行く。
沢靴でアスファルトを走ると膝に結構くるが、1km弱を見事完走!温泉は白銀の湯。きれいだが、チョイト小さめかな? 雨池橋で解散!

初沢登りの吉本さんには「今までの山登りは何だったのか?!」と言うほどすごく楽しんでもらえたようで、私もうれしかった。。。
中ノ岳方向
懸垂の練習
終了でーす♪

P.S:灰ノ又沢は登る沢というよりも歩く沢。といった印象。経験者がいれば初心者でも問題ないだろう。ビバーク適地は多数あるが幕営跡はみつけられ無かった。
   ザイルは30mあれば十分でしょう。



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