アマチュアトランペット吹きの緊張対策

アマチュアプレーヤーに付きまとって来る問題のひとつに本番時の『過緊張』があります。
楽器演奏に憧れ、吹奏楽部等に入部したが、演奏会、コンクールでのSOLOのプレッシャー
に普段の実力が発揮できず、苦い経験をした人は多いだろう、中には、『過緊張』による
失敗で演奏活動をやめてしまった人もいるのではないでしょうか?
『過緊張』の経験が無い人は「緊張感の無い演奏は良い演奏にならない」なんてよく言いますが、
クラシックコンサートの”シーン”とした会場で全く緊張しないなんて人はいないでしょう。

 この私も、20数年ラッパを続けているがこれと同じ経歴だけ『過緊張』の問題にぶつかってきました。
通常、20数年も楽器を続けていれば、『人前で吹く事が快感!』と言う人が殆どだと思います。
SOLOのプレッシャーを避け"2nd""3rd"しか最近吹いていないという人も中にはいるのかな?
私の場合は過去のミスがトラウマとなり、長年続けて行けば行くほど、傷が深くなったり、傷が広がったり。。。
それでも、"周りの仲間の優しさに甘えさせていただいたり"、"ずうずうしさ"もあったりして、いまだに『過緊張』
の問題に向き合う機会を頂いてます。(笑)
この過緊張に対し、いろんな角度から対策手法を私の経験から今回書いて見ます。

まず、本番でSOLOをバシバシ決めている人に聞いてみました。
 本番に強い人が言うには、本番中は「私の音を聴いて!」という感覚で演奏しているとの事です。
私も、違う趣味で「見て見て!!!」といった感覚を持つことがありますが、
そういう場合には『絶対的な自信』というのがバックボーンとしてあります。

では、楽器演奏で『絶対的な自信』をつけるには。

@練習して、「私の音を聴いて!」というくらいに吹ける様にしておく。
A本番ステージを多く経験し場馴れする。

等が考えられますが、Aで本番で失敗してトラウマの数を増やしても逆効果なので
まずは@の徹底的な練習が『過緊張』対策の最も効果のある対策となります。
もちろん、みなさん楽器を練習できる時間に制約がありますので、自分なりに

『やるだけやった…』

と思える練習量が『過緊張』を起こさない為の必要練習量と考えてください。
この『やるだけやった…』と思える事が非常に『過緊張』対策に重要なのです。

あと、聴いた話ですが、"スクワットを30回やって、ハーハーした状態で吹く感覚が
緊張時に演奏している状態と同じ"とのことです(笑)
また、本番1ヶ月〜2週間前に全曲通した物を録音しておき、そのテープ(MD?)にあわせて
練習(通し練習)すると言うのも結構効果があります。
繰り返しますが"やるだけやった"という感覚を得てください。私の経験上、本番で緊張しない為の
最低条件がこの"やるだけやった"という感覚を得ることです。


さて、練習は『やるだけやった…』、でも過去の失敗経験から本番の演奏が不安という人も多いでしょう。
これはいわゆる"神経質"という体質で私も非常に"神経質"なんです。
 これを治す手法として、一番オススメなのが『森田療法』といって。。。

不安や緊張が自分を襲っても、それを無理やり跳ね除けようとせず"あるがままに"受け入れて
普段の生活を積極的にこなしていく。。。

という物です。
どうしてもSOLOのフレーズが気になってしまい
家事や勉強、仕事が手に付かなくなりがちですが、そこを無理やりでも目の前にある家事や勉強、仕事は
取り組んで行ってください。そうすると意外にSOLOのフレーズに対する不安度が小さくなってきます。
寝付けない時も「寝なければ、寝なければ」と考えると余計に眠れなくなるので
目を閉じてじっとしているだけで体が疲れていれば必ず眠れる物なのです。(人間という物は)

 たとえば、本番当日は、楽屋に篭っているより、演奏会での裏方の仕事(会場設営、チケットのもぎり、
アナウンス等)を積極的にやってみてください。なぜか気持ちが楽になったりします。


次に、いよいよ本番直前になりました。楽屋or舞台袖で出来るリラックス法ですが、

@両手を頭の後ろに組ンだままゆっくり両肘を後に、後に持って行ってください、
  この時、必ず呼吸を止めないように。肋骨周りが広がります
A息を鼻からゆっくり吸って、ゆっくり細く長〜く口から出します。
  腹式呼吸にこだわらなくて良いです。息を出す時体の悪い物を一緒に口からどんどん出て行く
  イメージをもちながら数回繰り返してください。
B肩に力が入っている場合は、両肩を思いっきり力をより一層入れて上に上げて下さい。
  もっと、もっと、もっと… そして一気に力を抜いてストンと落としてください(これを数回)
C顔がこわばっている場合には、口を尖がらせて、眉間にしわを寄せて、顔を全部中央に寄せる感じで
  力を入れてください。これも、もっと、もっと、もっと…と言う感じで
  そして一気に力を抜いてください。(これを数回)
D首をゆっくり上下左右に倒してください。次に頭が胴体に糸一本でくっついているような
  イメージで首をゆっくり回してください。
E両手を下げ、体を左右にねじって腕をぶらぶらさせて下さい。
  (緊張による内臓のこわばりがこれで取れます)
F @を再び繰り返してください。

 これでかなりリラックス出来ると思います。楽屋でメンバー達と楽しいおしゃべりに興じるのも
効果的です。
 本番ステージ上でも緊張したら@の呼吸をしてみてください。。

その他に、カフェインは摂らないようにしてください。きつい曲の場合"ドーピング"と題して
リポビタンD等を景気付けに飲む場合が多いですが、心拍数が上がったりするので緊張対策としては
逆効果になります。


本番のステージに出たら私は客席側の照明を見ます。そして客席全体を。。。
冷静に見ると客席の照明がとても綺麗に見える場合が多いんです。そして指揮者の後ろ側に
綺麗な客席全体の背景が映し出されている印象を私は受けます。これを先に書いた@の呼吸をしながら
見てると結構落ち着きます。あとはSOLOは勢いで行っちゃって下さい!きっと思ったとおりに吹けますよ!
「沢登り」とちがって落ちても死にませんから大丈夫です。
 そして、上手く吹けたら調子に乗っちゃってください!(でもバランス等は考えてね!)
失敗しても、それまでのあなたの努力を必ず見ている人はいます。ベルリンフィルの主席奏者も
「ミストーンはラッパをやめない限り、治らない」とおっしゃってます。
トランペットなんてそんな楽器なんです。そんな失敗を山のように積み上げても尚且つ
ラッパを続けている私が居ます!
苦笑いして許してもらいましょう!

最後に、私はさらに違ったアプローチでも緊張対策についてTRYしたことがあります。
ただし、教育上良い/悪い。。。という問題があるため、上記の方法でもどうしても
緊張してしまうと言う人は、私宛に年齢と現住所(都道府県だけで良いです)理由を書いてメールを下さい。

アマチュアトランペッターの緊張対策2

Tp &オーケストラ日記        その空の下で。。。TOPへ   オーケストラ/Tpトップへ



inserted by FC2 system