2005年4月23日 丹沢 伊勢沢

単独
参考ガイド:東京周辺の沢、現場監督さんの記録
装備:ザイル9mm×45m、靴:フェルト
天気:晴れ

山仲間の現場監督さんが「丹沢にいくなら伊勢沢がお勧め!」との紹介で、今回TRYする事にした。
監督さんの"オススメ=厳しい登攀"がつき物なので今シーズン初っ端から気を引き締める事になる。
4/16に行く予定だったが天候の関係でこの日に延期、ただ夜からオーケストラの練習が入っているため、ちょっと慌しい遡行になった。

前夜移動
17:21自宅発→(R4)18:55 R16通過→19:43首都高新井宿IC→20:57相模湖IC→21:54日陰沢橋着(車中仮眠)

相模湖ICから青根の間にコンビニは2件しかないので見つけたら即利用する事。(24時間営業かどうかは不明)
青根から日陰沢橋までの神ノ川林道は全舗装だが、道は判り難いので、縮尺の小さい地図を用意しておくと便利だ。
当然、日陰沢橋では携帯は使えない。日陰沢橋手前のスペースに車を停める。


5:05日陰沢橋出発→5:40伊勢沢入渓点→6:18 F2 15m滝上→6:50 50m大滝下→
7:10 大滝上(その後中央カンテルートTRY)、8:05大滝上発→9:00奥の二俣→9:20稜線
9:40下山開始→9:55姫次→11:25日陰沢橋着
11:35同発→12:10相模湖IC→1:51谷和原IC→15:20自宅着

4:30に起きると空はもう、明るかった。パンを一個かじりながら沢靴を履き歩き出す。ちょっと肌寒いが、歩き出せば
沢シャツ+カッパでちょうど良い感じ。ガイドの通り30分歩くと『曲橋』。その20m先に、青色の布が結ばれた目印を発
見。
そこから踏み跡を利用し神ノ川に下りる。ガイドの通りに堰堤があり、伊勢沢を間違う事はないだろう。
基点になります
青色の布。ここから下ります
伊勢沢出合

ゴーロ状の伊勢沢を入っていくと最初の2段8m滝。下段を水流左から取り付き、そのまま難なく超えた。
その後ガイドには"大岩"とか書かれてあるが、全く気づくことなく次の15m滝にぶつかる。
結構立派な滝だ!左壁際から3級のグレードで直登出来るらしいが、パット見"これは巻き"という感で厳しそう。
もっと左にはトラロープがぶら下がった巻き道もあるわけだが、現場監督さんもここは直登したので、引き込まれるよう

滝に向かっていく。やはり取り付きは水流左。最初の数mは勢いで直登するが
フットホールドが細かくなって阻まれる。周りを見回すと左1mのところに残置ハーケンを発見!
これは監督さんが残したハーケンだろうか?! 
とりあえず左にトラバースし、これにヌンチャクを掛け一息入れる。しかしこの位置から一歩が踏ん切りがつかない。。。
ちょっと悩んで、ヌンチャクをはずして、元のラインに戻る。右足のホールドは小さいが右手である程度のホールドを発
見。
左手は甘いが"神を信じて"右足に全体重をかける  

・・・突破!・・・

監督さんも1歩が4級と書いてあったが、確かに1箇所4級のポイントがこの滝にはある。
2段8m滝
15m滝(カーソル当てて)
15m滝上の様相

 この滝をクリヤーすると左から三ノ沢、四ノ沢が出合う。三ノ沢にかかる滝は見事らしいが、時間が無いので
そのまま見過ごす。

しばらく進むと早くも2段15m滝が現れる。"S字"に曲がった感じがすばらしい。この滝はそんなに傾斜が強く無いので
恐怖感は無い。瀑心ルート!!!と行きたい所だがまだ4月。。。1段目は水流左を直登。
ここで話に聞く大滝が姿を現す!でかい!!!
その前に2段目。ここはは水流右にロープがぶら下がっているが、使わないでも登れそうなので飛沫を浴びながら
ロープ沿いを直登した。

 さぁハイライトの大滝だ!!! 確かに圧巻! インパクトは和名倉沢の大滝に匹敵する!
これは厳しい・・・右岸は巻けず、巻きは左岸にあるガレガレルンゼからの大高巻きだ。ただ、この巻きも結構
悪いらしい。。。

 現場監督さんが行った時は水流が多く、滝は2条になっていたが、今日は水流は少なく右に流れるのみ。
ガイドには中央カンテが直登ラインとあるが、左に水流が無ければ左ルンゼから直登の記録もあるため。今回そこの
ルートを探る中央カンテに比べ岩が乾いているぶん安全。さらに30m直登するとテラスっぽい所があるのが判った。
その先は下からでは詳細が判りにくいが、最悪、ハーケン/シュリンゲ残置の懸垂下降で敗退も可能と読み、フリーで
取り付く。
 読み通り、ホールドは豊富。"セミ"になることなく。一気に直上。テラスにたどり着く。ここは高度感はあるが両手離し
でも立てるスペースあり。
2段15m滝
50m大滝(クリックして)
直登ルート(カーソル当てて)
テラス直下(カーソル当てて)

 さてここからだ・・・ここから見回すと、左は乾いた岩ルート、右に湿った草付き完全直登ルートで潅木帯に
逃げる感じで抜けられるようだ。
ここまで直登したから十分かな・・・と思ったが"話題作り、話題作り"とつい欲がでて右の完全直登ルートに足を踏み入れ
る。
しかし、なーんか草付きで岩が浮いていないのかちょっと心配。傾斜は結構あるのでここで落ちたらグランドフォール
間違い無し。最初の一歩で躊躇、ちょっと足が震えてきたので。もう一度テラスにもどり一呼吸置く。
そしてもう一度。。。手足が届く所の岩を確認して意を決して最初の一歩、右足に全体重をかける!
 岩は動かない!!!一歩進んだらもう行くしかない。少しでも安心感のあるホールドを選び、そそくさと草付き5mを登
る。
ここでさらに濡れた斜面の傾斜が立ってきたところで、左の乾いたラインを発見。こっちにラバース出来れば楽に上ま

抜けれそうだ。右足を小さなホールドにのせ、左のラインに"あーらよっ!"とトラバース成功。あとは階段状をスタスタと
直登して大滝を完登する。
テラスから右岸側を見る
テラスから水流側を見る
草付きを上がり、下を覗く

ここで時計に目をやるとまだ7時チョイ過ぎ。監督さんはロープをセットし中央カンテをトップロープで登ったとの事なの
で、
私も中央カンテルートにトライする。
木と残置ハーケンでロープをフィックスして懸垂下降するが、9mmシングルだと"みょ〜〜に"ロープが伸びて不安。
全体重をロープにかける事をためらいながら、冷たい飛沫を浴びながらそろそろと降りていく。監督さんの時は水流が
多いの相当濡れたのではないだろうか? マジに水も冷たく寒いのでロープの末端まで降りずに、下から10m位の
ところでアッセンダーを取り付ける。ここからの登りは、さすがに先程のフリーとは違い安心感があるせいか、
躊躇無く濡れた岩に足を乗っけられる。ホールドも確かに豊富で見た目よりは簡単だ。ただこの時期は水が冷たい
のと
水量の違いでグレードはいくらでも変化するだろう。上に登れば登るほど階段状となるので下2/3が勝負所という印象。
懸垂で大滝を下降します。
中央カンテルート

日の当る所で休憩をして、先を急ぐ。小滝を一つ越え、二俣。ここは定石通り左へ、伏流のゴーロ帯を詰めると雪渓が
現れる。
一応軽アイゼンは持ってきたが、付けずに登る。すると倒木が横たわった所にまた二俣。これが"奥の二俣"だろう
か?
水流的に奥の二俣と決め付けここを右に入る。右俣に入って最初の滝は被っていて直登は
不可能との事だったが、そんな滝は現れない。間違ったのだろうか?5m弱の滝が2,3あったが、すべて難無く直登。
振り返ると富士山が見えた。
大滝上の様相
5m程度の滝(直登出来ます)
振り返ると富士山♪

まだ水は流れているのに稜線らしきものがすぐ近くに見える。と思ったら。そこに『水場』の看板が!
そこから直上すると"原小屋平"から50mほど姫次側のところに出た!
時間はまだ9時20分!思ってたより早く終了。

姫次からの展望はすばらしく、富士山がバッチリ!あとは袖平山をさくさく下って昼前に日陰沢橋にもどる。
最後の詰め
姫次
神ノ川を横断

温泉はこの辺りには無く、青根から相模湖に向かう県道76号線沿いにある"藤野やまなみ温泉"が手頃だろう。
今回は時間がないので入らなかった。

P.S:50m大滝より、手前の2段15m滝の方が厳しかったかも。。。もちろん大滝直登はザイル要です。


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