2005年6月5日 奥秩父 豆焼沢

メンバー:安藤さん現場監督さん、ひろた
装備:ザイル9mm×45m、フェルトソール
参考ガイド:東京周辺の沢
地形図:中津峡、雁坂峠


東京周辺では超メジャーな"豆焼沢"。いつかは行かなければと思って早2年。北鎌に連れて行ってもらった強力クライマーお二人がいれば50m大滝も直登!
なーんて意気込んでいたのは私だけ(?)天気の都合で1泊2日のんびり遡行が日帰り強行となった(させていただいた)m(_ _)m

前夜移動
17:20自宅発→(自治医大経由)18:27 R50→19:12太田駅前→20:50秩父→21:37豆焼橋着

国際気象海洋株式会社が適用している情報によると、遡行当日は午後から奥秩父のみ雨の予報だったが、ガイドによる遡行時間は6時間半
とのことなので午前中に核心は抜けられると判断し自宅を出る。20分くらい走ったところで現場監督さんから電話が有り、
「どうする?」
「えっ!もう家出ちゃってますけど…」
。。。と、現場監督さんは天気が今ひとつなので中止かなぁ…と考えていたそうだ。

相変わらずコンビニは秩父を過ぎると少ないので、買い物は秩父で済ましておく。豆焼橋出会いの丘パーキングは携帯電話は繋がらない
(公衆電話あり)トイレはあるが自動販売機は無い。駐車スペースは数十台だ。

5:40豆焼橋(出会いの丘パーキング)発→6:30豆焼沢入渓→7:20ホチの滝上→10:00 50m大滝下11:50 50m大滝上
14:10登山道着→14:30雁坂小屋、14:55下山開始→17:00豆焼橋着
17:20同発→20:00太田→21:03 R4号→9:30自宅着

安藤さん、現場監督さんは夜12時過ぎに豆焼橋に到着したとの事。さっそく入渓準備を整え出発。 ザイルは9mm×45mと8mm×30mの2本を
持っていく。
出会いの丘パーキングから豆焼沢への下降であるが、コンクリートで固められたモチゴヤ沢を挟んだ対岸にヘリポートがあり、そこから踏跡が
伸びている。3分程この踏み跡を進むと、急に道は無くなってしまったが、ここから適当に急降下する。かなりの急勾配で、途中懸垂下降2回行い豆焼沢に
降り立たった。ガイドには"水汚れている"と書かれているが、全くそんな事は無い。奥多摩とは一味ちがった奥秩父の沢の様相を懐かしみながら進む。
最初に現れる6m滝を左から超える。
豆焼橋出会いの丘パーキングが基点
入渓点付近
最初の6滝

ゴルジュを突っ張りで突破していくとホチの滝2段25mが現れる。たしかにほぼ真上に第2豆焼橋が架かっているが、興ざめというより、良いアクセントで
いい感じ。。。このホチの滝の直登はどー見ても不可能で定石通り右岸を小さく巻く。
突っ張りで突破していく
ホチの滝2段25m(カーソル当てて)
豆焼橋下にて

この先のゴルジュ内の小滝は岩がツルツル。最初の子滝は残置シュリンゲを掴んで上がる。次の5m滝は右壁側と左壁側に古い残置シュリンゲが
かかっていたが、高度感のある右側は避け、4m程度の左側を狙ってみる。しかし残置シュリンゲの長さが短く、岩もツルツルでシュリンゲまで手が
届かない。。。そこで
「投げ縄してみます!」
とザイルにハンマーをくくりつけ投げてみる、ザイルを手繰り寄せるとスルスルとハンマーが落ちてきた。。。
"もう1回!"と再び投げると、どうなっているか判ら無いがうまく引っ掛かった!!!「んじゃ、行ってみます!」とゴボウで登る。見事残置シュリンゲにも
手が届いた!!!ハンマーが引っ掛かっているところを見ると、残置シュリンゲが結んであるハーケンにザイルの八ノ字結びの結び目が引っ掛かって
いた。スゴスギ
ザイルを掛けなおし監督さんと安藤さんも登ってきてもらう。 このゴルジュはガイドを見ると左岸高巻きですべて巻けるようだ。
ホチの滝先からまたゴルジュです
残置を利用して突破
投げ縄で突破

ここから8m2段の"トオの滝"までは小滝がいくつか続く。"トオの滝"は水を受けながら右側を登る、濡れるが難しくは無い。"トオの滝"を超えると
仕事道が沢を横断しているらしいが全く気づかなかった。(というより実際はガイドを見ながら遡行していないので見つかるわけが無い)
6m滝(右岸巻き)
快適です
8m2段”トオの滝”

 "トオの滝"の先も5〜6m程度の滝が現れるが特に問題になるところは無く快適。8m2条滝は水流が多いせいかただの幅広滝となっていた(様だ?)
次の12mスダレ状滝は美しい。夏は、数本ある瀑芯のどれかを直登するのがオススメ!今日の瀑芯突破は私だけ。。。首から水が入ってウッヒャー!!!
小滝を越えていきます
12mスダレ状滝
12mスダレ状滝を水流右から直登

 ここから先の小滝を難なく越え、沢が直角に左に曲がるところに核心の4段50m大滝が現れる。愛用している「東京周辺の沢」の表紙がこの滝なのだが、
実際に見れて感動! しかしさすがにデカイ!今日はこの滝の直登を前提に来たので、みんな巻き道の確認などせずに滝に向かい合う。
ただ2ピッチの登攀なので
「2ピッチ目どうですか!」と振るが
「全部たけちゃん!!!」と軽〜く振り替えされてしまった。

1ピッチ目は「東京周辺の沢」の表紙を眺めていた時は、水流右かと思っていたが、2条に流れる水流の間に残置シュリンゲとカラビナがぶら下がっていた。
まずはそこをめがけて真直ぐ直登する。3級レベルの登攀で残置カラビナに到着。そこから1.5m程の登りで1段目を終了するが、チョイト強引に登ったら
手が滑って30cmくらい落ちてしまった。(運良くホールドに足が引っ掛かってラッキー)落ちついてフットホールドを探すと適当なのが見つかり、一段目を終了。

次の2段目は、2条となっている左の水流の左壁にヌンチャクに切れたザイルが5mぶら下がっていた。この残置ザイル、以前どこかのホームページで2人組が
直登を断念したときの物と読んだことがある。確かに左の水流添いは悪そう。なので右の水流の右端を狙って取り付いてみた。しかしホールドは良いのがなく、
ツルツルのナメ。ハーケン、ボルトは一切見つけられず、それでも一歩一歩慎重に進むが、一歩進むごとに恐怖度は2乗で跳ね上がり、後戻り出来るギリギリの
所で引き返す。

ここがダメならば2条の水流の間!!!と取り付いてみたが、こちらも全く同じ状況。ここで足を滑らせるとグランドフォールになってしまい、またまた恐怖度が
跳ね上がっていき、ここも断念。そのままこの位置からクライムダウン出来ないので、トラバースして残置ザイルを掴んで、1段目終了点に戻る。
 
もう、ここkら水流沿いは無理。仕方なく水流右の岩壁を一段登り、バンド状を少し上がったところで潅木にシュリンゲを掛けピッチを切る。
結構時間がかかって安藤さんと現場監督さんには迷惑をかけてしまった。
50m大滝(カーソル当てて)
1ピッチ目(カーソル当てて)
1ピッチ目終了点

2ピッチ目は、このままバンドを7mほど進みそこから右上。再び壁にぶつかる所を滝に沿って直上する。ここに、古いハーケンにテープシュリンゲが
連続してぶら下がっている。岩は濡れており安心して使えるホールドは殆ど無く、これに頼るしか登れない。ハーケンも利いているのか不安だが
僅かな岩の起伏を利用して足を決め、「せーの!」でシュリンゲに手を伸ばす。。。それを4,5回ほど繰り返してようやく大滝の上に出た!
 途中ヌンチャクの数が少なかったので2回掛けなおしたりしたが、何しろハーケンもシュリンゲも古いのでこまめに
ヌンチャクを掛けた方が良いだろう。また2ピッチ目終了点から1ピッチ目終了点は見えないし声も届きにくいので、
合図を決めておいた方が良い。

ザイルを固定し、安藤さんがプルージックで登る。やはりかなり苦労している様だ。私は、ビレイをはずしてカメラマンと化した。(笑)
安藤さんが終了しそのまま安藤さんのビレイで現場監督さんが登る。3人が大滝上に立つまで2時間弱の時間を要していた。
2ピッチ目リード
ここはA0しまくりになります
岩を回り込んで終了
現場監督さんフォロー

大滝のすぐ上には8m滝があるがここは左岸を小さく巻ける。大滝を越えて150mほど進むと絶好のテン場があり食事休憩。現場監督さんは、
私がチンタラ登っている間に既に食事を済ませていたとの事。スミマセンでした…

核心を終了し「あぁーもう癒されたい!」という我々の願いもむなしく、次の4段24m滝は、1段目は水流左を快適に登れたものの、2段目がツルツル岩で
水流左を微妙なフリクション登攀。それをクリヤーすると今度は残置シュリンゲを掴んでのこれまた微妙なトラバース。最後尾の安藤さんの「ザイルだそうよ!」
いうの意見も2番手の現場監督さんの突破でかき消され(笑)フリー登攀を強いられる。
大滝すぐ上の8m
テン場
4段24m滝
4段24m滝の登攀

この滝を終了して、さらに進むとそれぞれスダレ状に滝を持つ二俣に出た。現場監督さん曰く「釜ノ沢の両門の滝みたい!」うん!確かにそっくり!!!
本流は右で階段状の50m滝となっている。階段状で快適!晴れていれば天国モノだろう。残念ながら今は雨…   50m滝の上もナメ状になっていて、
やっと癒された感じ。豆焼沢で一番快適なところだ。
スダレ状に滝を持つ二俣(右に入ります)
です癒し系の小滝
癒し系のナメです

癒された後はゴーロ帯、そしてミニゴルジュと続く。突破に難しいところは無い。が雨に濡れて、もうどうでも良くなってしまったのか、安藤さんは
あえて瀑芯シャワー突破で進む!左岸側に現れる2つ目のガレが見えてくると終了点が近いが。2つ目のガレで沢筋が二俣になる。
ここは水の流れる左を選択。1箇所8m程の滝があったが、もう"オナカ一杯"なので左を巻く。
ミニゴルジュへ
シャワーで突破
ココも突破
二俣を左に入る

ちょっと詰めると雁坂小屋への取水ポイントが見え、先頭を歩く現場監督さんが沢を横切る登山道を発見!!!遡行終了となる。
3人で記念撮影し、雁坂小屋に向かう。雁坂小屋では中で靴を履き替えさせていただき、暖かい麦茶のサービスを受ける。

下山はここから豆焼橋に通じる一般道で約2時間の下り。雁坂トンネル経由で来た、安藤さんと現場監督さんと秩父から来た私では全くの反対方向なので
豆焼橋で解散となった。。。
源頭部の小滝
終了点にて
雁坂小屋

P.S:登れる滝が多い登攀系の沢と言っていいでしょう。足が揃っていれば日帰り可能です。大滝の登攀は残置ハーケン頼りになりますが
   必ず強度確認してください。ザイルは45m必要です。




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