2005年6月12日 丹沢 モチコシ沢

メンバー:moto.pさん、ひろた
天気:晴れ
アプローチ:CR-X
装備:ザイル9mm×45m、カム4本、靴:フェルト
参考ガイド:東京周辺の沢

昨年中ノ岐川滝沢をご一緒させていただいたmoto.pさんと南アルプス池口沢を計画していたが、私の免停講習が
ズッポリ金曜に入り、私の希望と、moto.pさん未遡行の沢と言う事で、モチコシ沢に行く事になった

2:23自宅発→3:28 R16通過→3:53首都高新井宿→4:40横浜町田IC→(R246)6:20丹沢湖玄倉着

6:40玄倉川林道ゲート発→7:20モチコシ沢出合着→
9:25 60m大滝上→12:25沖の悪場上→13:05稜線→13:35東沢→13:55小川谷出合
14:43小川谷林道ゲート着

16:05温泉発→16:40大井松田IC→18:40谷和原IC→19:58自宅着

私が西丹沢に入るのは初めて、当初小川谷林道終点ゲートで待ち合わせの予定だったが、携帯が繋がらないので、
携帯エリア内の玄倉ビジターセンターの駐車場でmoto.pさんと合流(トイレあり)大分早く到着したが、既にmoto.pさんも
到着。小川谷林道終点ゲート手前に6台程度の駐車スペースあり。夏になると小川谷遡行者が多数入るので、
このスペースだと要注意かも。ここにも100mくらい離れたところにトイレがある。ここで車を1台デポし、玄倉川沿いの
ゲート手前駐車スペースに移動。こちらは15台分くらいの駐車スペース有り。モチコシ沢へはここから林道を2つ目の
青崩トンネルの手前まで歩く。このトンネル手前にモチコシ沢と赤ペンキで書かれているのでここで玄倉川に下る。
玄倉川は上流ダムの影響で水量は少なく問題無く歩けた。10分程進むと、右岸の細い切れ込みから、水が流れてく
る。
玄倉川林道ゲート前駐車場
青崩トンネル手前の玄倉川への降口
玄倉川

モチコシ沢出合に立つ。「あ〜!!!こ、これは悪い!」とmoto.pさんが叫ぶ。
わたしもと覗いてみると狭いゴルジュの向こうに60m大滝が水を落としていた!茶色く光った岩肌がいかにも悪そう!
 
moto.pさん曰く、この辺りの沢は花崗岩で出来てて、結構滑りやすいとの事だ。「たわし持ってくればよかったぁ」とmoto.pさ
ん嘆く
 一抹の不安を抱きながらも入渓準備を整え、モチコシ沢出合の狭―いゴルジュに入っていく。
先週、豆焼沢の50m大滝を見たわけだが、この60m大滝もデカイ!!!マジかよって感じ!
ただ完全に2段になっており、下段、上段の間のテラスが大きそうなので、それほど恐怖感はなさそう。。。と思い込む
早速moto.pさんが下段のルートを探す。 考えられるのは2条に別れた水流の間か、左の水流のさらに左の二つだ。
60m大滝
60m大滝-2(クリックして)
60m大滝-3


「真ん中は10m程上がったところがヤバイんじゃない」
「んじゃぁ左のルートで行ってみますか」
と私がリードで1段目を取り付く。moto。pさんの言うとおり、岩はツルツル!外形しているところは要注意だ! 
靴裏でゴシゴシ岩をこするとヌメリが取れてかなりグリップが上がるとの事で岩を磨きながら登る。
1個目の残置ハーケンにヌンチャクを掛ける前にハンマーで叩くと、ハーケンがドンドン入っていくではないか!ひぇー
そこからホールドは割りと多く感じられたが、なんとガバホールドが動く!!!
左右に動かすと外れてしまった。違う岩を掴むとこれも動くではないか!ホールドが信用できないってアリ〜!!! 
事故も起こっているという話に納得!確実な3点支持。。。といってもツルツルなのだが。。。で登っていく。
草付っぽい所まで上がると岩も乾いているので、ひょいひょい上がって1段目を終了。3級+といったところか。
テラスでピッチを切る。セカンドで上がるmoto.pさんの登攀の早い事早い事!!!
1段目
水流左を直登
moto.pさん1段目をフォロー

2ピッチ目はトップ交代!
m:「んで、何処登るの?!」
h:「なんか水流左のピナクルを目指すそうです」
m「ピナクルって、あのちっちゃいの?!あれねぇー…」

といって取り付く。2段目もツルツルらしく、磨いて、登って、磨いて、登って…
10m上のピナクルからさらに上がったところで、ザイルの残りが少なくなり途中でピッチを切る。
60m大滝2段目(カーソル当てて)
60m大滝2段目
2段目登攀から下を振り返る

3ピッチ目は私がリード。"落ち口付近の岩が滑りやすい"とガイドに書いてあったが、いい位置に残置ハーケンが
打ってあり、ビレイが取れるので、恐怖感は少ない。落ち口の岩を抱きかかえる形で右に回りこみ大滝の登攀を終了
する!
大滝3ピッチ目
大滝最上部にて
大滝上から

 大滝すぐ上の12m滝は左側を小さく巻き、すぐに裸山沢との二俣を左に入る、水量はぐっと少なくなり、
大滝の荒々しさが嘘のように癒し系のナメが続く。所々5mくらいの滝が現れるが、1枚岩のナメ滝でギリギリ
のフリクション登攀中右手でホールドが崩れ3mほど滑り落ちてしまう。 肘、膝ともにプロテクターを付けていたので
軽い擦り傷ですんでホットした。。。すかさずmoto.pさんがザイルを出してくれ、引っ張り上げてもらう。
12m滝
裸山沢との二俣
滑り落ちた5m滝(moto.pさんは無事突破)

気を取り直して進むと、倒木に白いきのこを発見!「これは食えそう!」とビニール袋に詰める。
帰宅後、昨年世間を騒がせた"スギヒラタケ"と判明!腎機能は悪くないし、カミサンは消化器内科の看護婦なので、
お澄ましにして頂く!図鑑の通り良いダシがでておいしかった!!!

 奥の二俣手前の小ゴルジュに入るとmoto.pさんが「ゴルジュの左右岩が違う!」と気付く。確かに、右の岩は
花崗岩で茶色系、左は何の岩かわからないが黒系。。。モチコシ沢はちょうど断層を流れている沢だったのだ! 
断層→地震というイメージをもつ私は、その不思議な景観に感動しつつ、恐怖感に駆られ、いそいそとゴルジュを
通過するのであった。。。
 
 この先の、奥の二俣は見落としがちで、ここも鋭いチェック力をもつmoto.pさんが「ここが奥の二俣じゃない!」
といって遡行図を取り出したから良かったものの、漫然と歩いている私は「え!ここ?」と言う感じ。。。
正面に見える5m滝に何の迷いも無く進むところだったが、本流は茶色い1枚岩を湿らせる程度に流れる方だった。。。
この1枚岩は直登は無理だが、ボルトが2箇所打ってあり、わざわざアブミを使って直登している人も居たようだ。
われわれは当然そんな事はせず左を巻く。
奥の二俣手前の小ゴルジュ
奥の二俣。ツルツルの1枚岩が本流です


 すると、すぐに12m滝が行く手をさえぎる。ここが沖の悪場と言われるところだ。
水は岩を湿らす程度にながれ、ツルツルの様相。ルートは中央右よりをまっすぐ登り、そのまま右の草付に
逃げていくか。、もう一つは左のクラック沿いを直登していくかのどちらか。。。

「moto.pさんどうですか!」
「何言ってんですか、目が輝いていますよ!」

と、結局私がリードする事になる。輝いてないよー!  
迷った末に左クラックルートを選択、カムを渡され取り付くが、このルートを選んだのは失敗だった!。
クラックにカムを突っ込み支点をとりながら7,8m程登ったが、残りカム1個で上まで5m。。。
ホールドも乏しく行き詰る。。。「一段下がって、右にトラバースできる?!」とのアドバイスをもらい、こわごわ50cm
クライムダウン。そこから右を見ると残置ハーケンを発見!!!  右に出来るだけ移動し、思いっきり右手を
伸ばすがハーケンまであと10cm手が届かない。しかしとにかく、ここにヌンチャクをかけてA0で進むしか
この滝の突破は不可能。。「一旦降りる?!」との声もかかるが、いろいろ体勢を変える事15分

「ひぇ〜〜かかったぁー!」

自分のザイルをヌンチャクに掛け、やっと一安心!!! A0でトラバース完了その真上にある1枚岩も
てこずりそうだったが、これまた良い位置にボルトがあり、シュリンゲをくくりつけA0で突破。ようやく滝の上に出た。 
セカンドとはいえmoto.pさんは大丈夫かなと思ったが、凄いスピードで登ってきた!!!
終了点からmoto.pさんの登攀テクニックが見えなかったのが残念。。。
12m滝(カーソル当てて)
かなり渋い直登です
ハーケンに届くか奮闘中

 「いやー厳しい!」(^^)ヾと言っている間も無く、次の18m滝も茶色くテカテカ!!!
ここはどう見ても下からの直登はムリで、右から大きく巻いて、滝の上部に取り付く。
取り付いた少し上でカムを噛ませ支点をとり直上しようとしたがツルツルでどうにもならず、さらに右から行こうとした
が、
凄くムリな体勢で、下から「ムリムリ体が斜めになってるよ」とのご指摘。。。  一旦戻り左をみると。
斜上出来そうなラインを発見。ここを進むと残置ハーケンが二つ有り。ここから直上する事が判った!。。。
がかなり滑りやすそうなので二つのハーケンに支点を取ってお尻をも使うフリクションで登っていった。
はっきり言って沖の悪場の直登の方が60m大滝よりもシビアだった。。。
 
家に帰ってから判ったが、沖の悪場の突破ルートはちゃんとガイドに書いてあった!特に最初の12m滝はガイドと全く違った
ルートで登っていき"ドハマリ"。ガイドを見てから登れば、あっち行ったりこっち行ったりしないで済むはず。。。
18m滝(カーソル当てて)
18m滝登攀
18m滝最上部

沖の悪場を終了すれば、もう問題になるところはない、再び二俣が現れ、ガイドでは右だが、地図を見ると左の方が
稜線に早く出そうだったので左に行く。。。

到着した稜線は、けもの道が走っており、それを伝って東沢乗越をめざす。moto.pさんはこの辺りに詳しく、
自分はただついていくだけ。結局東沢乗越まで行かずに適当なところで東沢に下降した。
左に入った二俣
源頭部の様相
東沢の下降

 東沢沿いの下山道は踏み跡程度で東沢を縫うように走っている。東沢自体もナメが多く楽しそうな感じ。
30分も下ると小川谷遡行の終了点となる堰堤の下に出た。ここから赤テープに従い、小川谷遡行時の下山ルート
となる道に入るがテープの感覚が広く見えにくいので迷いやすい。
この道4回目のmoto.pさんも「たしかここだったような???」と言う感じ。途中数箇所道も崩壊して歩きづらいところもあっ
たが、
沢靴下降で特に支障はない。 1時間弱で小川谷林道のゲートに到着。
温泉は丹沢湖を少し北上した中川温泉に入る。

P.S:モチコシ沢の大滝は見事で一見の価値は十分にある。直登は手ごたえ十分!
   難易度は沖の悪場の方が高い印象。カムをいくつか持っていくと非常に便利だ!
   モチコシ沢出合まで林道から20分足らずなので滝見物もオススメ!


山/沢登りトップへ   その空の下で。。。トップへ



inserted by FC2 system