2005年7月22日 笛吹川 西のナメ沢

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、フェルトソール
参考ガイド:奥秩父両神の谷
概念図はこちら

金曜からの3連休、土曜日にほら貝のゴルジュをmoto.pさんらと計画していた為、その前哨戦として単独で西のナメ沢を狙ってみた。

アプローチ
18:00自宅発→(R4,R50)20:00太田→20:45花園→22:40西沢渓谷駐車場

5:05西沢渓谷駐車場発→6:00ほら貝ゴルジュ入り口→6:15鷹見岩沢出合→6:30乙女沢出合→6:48東のナメ沢出合→
7:10西のナメ沢出合→8:50 60mスラブ出合→9:25湧き水ポイント(遡行終了点)→9:50石塔尾根稜線→10:10西滑頭三角点→
11:35鷹見岩→12:50西沢渓谷周遊道→13:50西沢渓谷駐車場着

平日だけに、西沢渓谷駐車場もガラガラ。鶏冠谷出合からは左岸の渓谷道を歩く。いづれ訪れるであろう乙女滝は、登攀ラインをチェック。
さらに東のナメ沢、西のナメ前沢を過ぎ、西のナメ沢出合に2時間かかって到着。
乙女沢出合
東のナメ沢
西のナメ前沢出合

さて、西のナメ沢最初の30mナメだが、下段の15mがフリクションで登れるか登れないか微妙な傾斜。しかも岩は逆層だ。
中央にワイヤーが下がっており、これを掴みながら登れば何の問題も無いだろうが、ここはフリーでTRYしてみる。 まずは水流右に
取り付くが3m登って滑り落ちる事2回。今度は水流左に取り付く。(ガイドにはこちらの方が良いと書かれている)ここでも滑り落ちる事1回。
2回目でなんとか直登出来た! 上段のナメは幾分傾斜が緩くなるのでそんなに問題は無い。
西のナメ沢出合
西のナメ沢出合に掛かる30mナメ滝(カーソルあてて)
30mナメ上段(次の滝が見える)


これを登りきると、すぐに50m2段大滝が現れる。下段は傾斜は緩いが。問題は上段で。これはかなり立っている。巻く場合は左右
どちらでもいけるので問題無いが、水流右にワイヤーが一本ぶら下がっており、これにプルージックして登れるらしい。しかし、
ワイヤーが下から5mくらいのところで切れており、そこまでたどり着くのがチョイト難しい。水流右から取り付き、ワイヤー末端に向かって
トラバースしてなんとかワイヤーにたどり着いたものの。引っ張るとミョ〜〜に伸びる。傾斜的にはこれが切れるとかなりヤバく非情に不安
であるが、プルージックして登る。ワイヤーに8割ほど体重がかかる感じで、「切れないでねぇ〜」と登っていった。この調子で10m登ると1m程の
垂直壁!!!ホールドも良いのが無く。ワイヤー鷲掴みで登るしか突破不可能。右に逃げようかぁと思ったが、ワイヤーにプルージックを
付けたままではトラバースもムリで
「切れないでねぇ〜」と祈りつつワイヤー鷲掴み!"ワイヤー伸びる伸びる"

                         切・れ・な・かった。。。

                      このワイヤーがどのような支点からぶら下がっているのかは不明。。。
50m2段大滝
50m2段大滝上部

50m2段大滝のすぐ上に控える3段40mナメは特に問題なし。ここは細かい岩の起伏に足を乗せて直登していく。この辺りの滝はすべて
ナメ状でとても快適だ!
3段40mナメ
ナメ小滝
ナメを堪能


1時間半強、ナメを堪能すると右からガレ沢(上部はナメ状)がはいる二俣で沢の様相は一変し、蒸した樹林帯の中に入っていく。
もうここからは残念ながらナメは無い。すぐにまた二俣になり、ここは左に入る。さらに20分ほど進むと木に赤テープが巻いてあり、
その下の湧き水が出ているところで、ピタリと水流が無くなる。西のナメ沢に入ってから2時間半,あっけない幕切れにもう少しナメで
のんびりしていれば。。。と思うのはここへ来た誰もが思うのではないだろうか?
ナメを堪能
二俣(左に入る)
赤テープがあるところで水涸れ

ガイドを見ると"水がなくなったところから右岸の子尾根に上がり、あえぎながら尾根をひたすら登る"様な事が書いてある。木に赤テープが巻いてある
ということは、おそらくここから尾根に上がるのだろう。まじぃ〜?!

同じ登りでも水が流れているのと流れていないのでは全く疲労感が異なる。いつまで"あえげ"ばよいのか…と登っていく事30分弱で
石塔尾根稜線に出た!12時までに稜線に出れれば…と思っていたが、かなり早く終了。

さて、下りだが、西のナメ前沢や乙女沢を下る事も考えたが、この稜線に来るのは初だという事と気温も余り高くないようなので、
まずは基本ルートとなる石塔尾根を延々降りてみることにした。この辺りの石塔尾根の踏跡は殆ど不明瞭。藪コギは無いのがせめてもの
救い。所々、鹿道みたいなのがあるので要注意。迷ったら稜線から離れない事。  忠実に稜線をたどれば2086mの西滑頭の三角点に出る。
(なぜか10mくらい離れたところに2箇所三角点がある)残念ながらここでの展望は無い。
もうすぐ稜線。
西滑頭(2086m三角点)
この辺りはまだ踏跡らしきもの有

 難しいのはここからだ。。。 尾根を忠実に、偶に現れる赤テープで安堵しながら東北東方向に15分ほど降りたところで、登山道らしき
ものが北(?)に向かって横切っているところを偶々発見。この道が正解で、進んでいくと赤テープ有り、さらに道も明瞭になってきた。
数箇所判りにくい箇所もあるが鷹見岩(?)までは道はしっかりしているので迷ったらすぐに元の位置に戻る事。

鷹見岩を西沢側からトラバースし、少し下ると、道が再び不明瞭になる。何度かうろうろしながら道を探すが全く判らないので北東方向に
伸びる尾根に入る。もう歩いている所は到底登山道には見えない。途中1回5mの懸垂下降も出てきた。もうココまで下れば何処に下りても
東沢か西沢に出るのでとにかく強引に下っていく。最後は沢を下った。出た所は何と西沢!看板が遊歩道に立っており、駐車場まで3.5km
との事だった。。。
こんな感じで所々にテープ有り
これが鷹見岩か?
出た所は東沢でなく西沢渓谷。近くにこの看板が!

P.S:西のナメ沢は名前に負けず。ナメの連続だ!ただ石塔尾根の下降は鶏冠尾根より迷いやすい。ここを下る場合は長丁場を覚悟。
   西のナメ沢が最後水場となるので、夏場は十分に汲んでおく事。西のナメ沢を遡行して隣の西のナメ前沢や乙女沢を下降するのも良いかも?
   ザイルは沢慣れしたパーティなら30mあれば十分でしょう。

概念図(クリックして)




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