2007年3月24日丹沢 水無川セドノ沢右俣→新茅ノ沢下降

メンバー:Todaさん、ひろた
装備:ザイル9mm×50m、8mm×30m、靴:フェルト
天気:曇り
参考ガイド:東京周辺の沢
遡行図はこちら

3/18に、関東周辺のメンバーを集め演奏したマーラー『復活』。ここで出会った静岡フィルハーモニー所属の
クラリネット奏者Todaさんが沢登りをやるということで、意気投合!  
お互いの家からほぼ中間地点となる丹沢で合流し、二人だけの『復活』演奏会の"打ち上げ"をやることになった。

3:50自宅発→4:57谷和原IC→6:15厚木IC→6:55渋沢駅

8:25戸沢出合駐車場発→9:12水無川/セドノ沢出合→9:16セドノ沢右俣/左俣分岐→
10:55 35m大滝(F4)下→12:15稜線着(戸沢左俣の頭)→12:50新茅ノ沢下降開始→
2:50大棚12m(F5)上→3:45林道着→3:50戸沢出合駐車場
17:55大倉発→(秦野中井IC)20:35久喜IC→21:55自宅着

渋沢駅前でTodaさんと待ち合わせ。「先週末はお疲れ様でした-!」と挨拶を交わす。
早速、基点となる戸沢出合まで車で移動。(途中からダート道になるが、通常2WD車でも問題無く入れる。)

戸沢出合の駐車場で、沢の話題と先週の『復活』の話をしながら入渓準備を整え出発した。
昨年3月に水無川本谷を遡行したばかりなので、遡行図も見ずに"F1"と書かれた10m滝に到着。
なんとここに最近添えられたと思われる花があった!
「誰か死んでるよー!」とTodaさん。 
最近、この辺りで事故死はニュース沙汰にはなっていないので、3回忌とかそんな感じだろうか?
浮遊霊になっていない事を願うだけだ・・・

さて、この本谷F1 10mだが
昨年は、単独でフリーで越えた滝だが、初顔合わせと言う事もあり、今日はザイルを出して私がリード。
チョイト3月の飛沫を浴びて冷たいが、問題無し。(V―レベル)
Todaさんは沢の経験が2,3本と言う事であったが、フリークライミングは時々やっていると言う事もあってか、
問題なくクリア。

 この10m滝上が本谷とセドノ沢との出合になっており、ここを右に入る。セドノ沢5mナメ滝(セドノ沢F1)と次の5m滝を
フリーで越えるとすぐに、右俣/左俣の分岐。右俣に入る。
右俣はしばらくゴーロ帯。。。30代そこそこのTodaさんはガンガン進んでいく!
本谷F1 10m(花アリ)
本谷F1を登るTodaさん
セドノ沢F1 5mナメ

しばらく進むと、3m、8m(右俣F1)の2段滝が良く手を阻む。 嫌らしそうな感じだが 「とりあえず見てみましょう!」
言う事で手前3m滝を越えて奥の8m滝をみると、滑っていて、やはり嫌らしい感じ。ここもザイルを出して、私がリード。
水流左を直登するが、中間部に良いスタンスが無くどうも踏ん切りがつかない所有り。
さらに水が冷たいせいか、手がかじかんで、ガバホールドじゃないと足を滑らせたら手では止められない。
グレードが1級上がった感じ。
「滑らないでねぇ〜〜」
と祈りつつ何とかココを突破。Todaさんも見事テンションを掛けずに登ってきた。スバラシイ!

続いて"F2"の看板が掛かられた8m滝
「リードどうですか?」と勧めると
「では!」とTodaさんが快諾!
水流左から取り付き1m程登った所で水流を横断、そのまま直登。お見事!
右俣F1クリックで拡大します
右俣F2


F2上はまたまたゴーロ帯が続く。フォールNo.の無い7mナメ滝を越えるとF3 2段13m滝。これは容易に直登可能。
またもや長いゴーロ帯を進むとハイライトの2段35m大滝が現れる。やはりデカイ!
「Todaさん、リードどうです?」と振ってみるが、
「どうぞ、どうぞ」と案の定あっさり切り返され、私がリード。。。

取り付き点はいろいろ有る様だが水流右から取り付くことにした。最初の1歩のハングを腕力勝負で越え、
5m直上した所で左にトラバース。飛沫を浴びながらさらに5m直上した所から水流に遠ざかる感じで斜上するが、
この辺りからホールドスタンスが細かくなる。
残置ハーケンは多数あり、ビレイ点は豊富なのだが、それでも弱気。。。残置シュリンゲに手を出す。斜上中も
あまり良いスタンスは無く慎重に上がり、潅木のある所でピッチを切る。
 Todaさんも慎重に大滝をクリヤーそのまま、ザイルを引っ張ってもらい樹林帯からの巻きに入ってもらうが、
小さくは巻けず、ココから高巻きで沢に戻る。ガイドによると大滝の上に10m滝があるようだが、その滝の上に
出た感じ。
F3 2段13m滝
35m大滝(クリックで拡大します)

大滝を終了すると目ぼしい滝は終了。書策小屋方向に向う左俣を見送り、右俣に進むと5m涸棚が1つ。
あとは、ゴーロ帯を詰め上がるとちょうど戸沢左俣ノ頭に出た。

稜線は風が強く、写真だけ撮って新茅ノ沢の下降点となる鳥尾山荘に向って移動。

新茅ノ沢の下降点は鳥尾山荘の真下。"東京周辺の沢"を見ると鳥尾山荘から鳥尾尾根と仲尾根という2本の
下山道があるように書かれてあるが、実際は鳥尾尾根の1本しかない。
この鳥尾尾根の一般道を10mほど下ると左に折れ樹林帯に入っていくが、ココを右のガレに入る。ココが新茅ノ沢の
源頭になる。
セドノ沢右俣終了点
下降点の鳥尾山荘
新茅ノ沢最上部。このガレを下る

序盤はガレガレで落石要注意。やってしまった我々が言う資格は無いが、落石を起こすと
下から上がってくる人間は逃げ場が無いので、ハイシーズンの新茅ノ沢下降は勧められない。
ガレは長く続き、その先狭いゴルジュとなる。
Todaさんが「この沢は登る気にはなりませんねぇ」と言うのもうなずける。

1回軽い懸垂を交え、5m涸滝で2回目の懸垂をしたところで、上に居たTodaさんが
「私のデジカメ持っていませんよねぇ?。。。なんか途中で落としたかも・・・」
「う〜〜ん、ゴルジュ内で一回カメラ出したのは覚えてるけど・・・」
「ちょっと探してきます!」
と言って空荷で探しに引き返す。

 ***

10分くらいして「ありましたぁ!」と元気に戻ってきた!
最初の懸垂の支点の所にあったそうで、
「えっ!じゃそこはクライムダウンしてきたの?」
「はい(^^)ヾ」
・・・よかった、怪我無くて・・・

水はこの下からようやく流れ出す。しばらく行くと5m滝。これにはF10とフォールナンバーが付けられていた。
この滝をクライムダウン。Todaさんは沢の下降は初めてとの事だが、何の躊躇いもなくクライムダウン。
かなりの実力者かも・・・

F10のから下は一旦伏流になり、石で出来た堰堤がいくつか現れる。
水が再び流れ出した所で一本入れて焚き火を起こす。
上部ガレゴルジュ内の涸棚
F10 5mの下降
休憩ー!!!

F9は7m程の滝だがクライムダウン可能。F8は気づかぬうちにF7,F6の2段滝に出くわす。これも難なくクライムダウン
可能。するとその先にこの沢の核心となるF5 12m大滝の上に出た。
「こりゃー懸垂ですね!」と、灌木に50mザイルをかけ懸垂。
ただ、このまま下ってしまうと心残りなので、何を思ってかザイルが掛っているのにフリーで取り付く。何やってんだ俺・・・
 最初の2m位が一番難しくここは残地シュリンゲを使用。あとは細かいながらもスタンスを拾いながら慎重に
上がっていく。ただし傾斜が強いのでかなり緊張。。。なんとか登ったものの太ももが攣ってしまった
WA0って所でしょう。
F5 12m大滝の下降
F5 12m大滝に挑む!


 かなりTodaさんをお待たせしてしまったので、半分申し訳ない気持ちを持って先に進む。6m(F4)、6m(F3)は
クライムダウン可能だが6m(F2)は懸垂。8m(F1)は先に覗いたTodaさんは、
「これはどーですかね?」っと聞いてくるので、
「どれどれ?・・・これはどー見ても懸垂でしょ!」
Todaさんって相当強力だったりして・・・
6m(F2)の下降
8m(F1)滝

F1 7m滝が終了すると林道はすぐそこ!
雨雲も出てきたりして、時間的にもちょっと気になっていた所だが、結局予定通りの時間で無事下山できた!

帰りは渋沢周辺のスーパー銭湯"湯花楽"に入って、食事。。。お互い家は反対方向なのでここでお別れ。
「また次回!」と手を振り車を走らせた。

P.S:演奏会の打ち上げ大成功でした!(笑)
  手がかじかんで来ると滝のグレードは1級上がると思った方が良い。
   やさしい沢と思って来たのだが、意外とシビアだった。新茅ノ沢はF9より上部は単調で、
  上部は危険なゴーロ帯が延々続くので、稜線まで詰め上がる様な沢では無いような気がした。

遡行図(カーソルあてて)


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