2008年9月6日 魚野川荒沢→北カドナミ沢下降

メンバー:Takahashiさん、ひろた
装備:ザイル9mm×50m、靴:フェルト
参考ガイド:上信越の谷105ルート
遡行図はこちら

昨年初ジョイントしたTakahashiさんと計画していたのだが天気の都合で2週連続中止。。。今週も午後から雷雨の予報が出ており、
計画を二転三転させ、選んだのが標高差550m程度の魚野川荒沢。ガイドでは☆☆☆なのだが、どうなることやら・・・

18:40自宅発(高速利用)→20:37大間々→22:30元橋バス停
6:30荒沢入渓→7:48 3段50m滝下→10:35 60m多段滝上→11:35稜線到着→
12:30荒沢山山頂→12:45北カドナミ沢下降開始→16:25林道着

荒沢出合は湯沢方面から、魚野川本流右岸の細い舗装道路を入っていくと左に急カーブした所に有る。
駐車種ペースはすぐ近くに10台くらい停められるところ有り。もう一台の車を、下降予定となる北カドナミ沢と
南カドナミ沢間にデポ。舗装道路からみる北カドナミ沢と南カドナミ沢は貧弱で、ヤブ沢?と思えるほどだ。
一方、荒沢の方も明瞭な谷筋にはなっている物の両岸に草が茂り、貧弱な様相はぬぐえない。しかも稜線が
あまりに近くに見え、ガイドに描かれているような大滝が本当にあるのか疑いたくなる位で、

「なんかあっという間に終わりそうだねぇー」

と、ちょっとテンションも下がり気味・・・まぁ3時から雨の予報なので、丁度良いと思うことにする。
南カドナミ沢入渓点
荒沢入渓点
荒沢入渓点の様相

しかし、しかし、沢に入るとナメの小滝が連続し、よい感じになる。するとTakahashiさん、沢沿いの葉っぱに目を
向ける。"ミズ"という山菜で、茎についた茶色い玉がとろろの様な食感がして茎と一緒に軽く湯通しすると良いそうだ。
4〜5m程度のナメ小滝を過ぎると両岸が立ってきて、CS滝が連続する。特に難しい所は無い。
”ミズ”
4m滝
こんなCS滝が連続する

V字谷の中を進んで行き、沢が急に右に曲がった所に25m3段滝が落ちる。下段はトイ状で水流をそのまま直上、
スタンスホールド充分でV級レベル。2段目、3段目は水流左を直上。同じくV−。
そのすぐ上に2段4mナメがあり、こちらの方が難しい印象。次の5mナメも水流右から取り付くが割と難しかった。
(左から小さく巻けます)
25m3段滝下段
25m3段滝中段
2段4mナメ

さらに5m滝を越えると(3:1)の割と顕著な二俣。左の本流に入り、小滝を越えると、荒沢ハイライトのひとつ50m滝
姿を現す。
下部は立っており、直登は水線沿いが一番容易そうに見えるが、それでもホールド/スタンスは甘くかなり難しそう。
左ルンゼから大きく高巻く事は可能だが、あまりに芸がないので、ザイルを伸ばし右から回り込んで取り付いてみる。
しかし上手くいかず断念。そのまま今度は大滝の左端に取り付く。スタンス/ホールド共に1ポイント甘い所があったが
なんとか突破(W+)。大滝下部さえ終了すれば後は乾いたスラブを快適にザイルを伸ばせる。
振り返れば、数多く滝を登ってきた筈だが、まだ近くに関越自動車道が見えた。
50m大滝(カーソルをあてて)
50m滝上から
上部は快適なスラブ登攀

 50m滝すぐ上には12m滝が控えており、ここはTakahashiさんにリードをお願いする。見た目は容易だが、全体的に
岩は塗れているので神経を使う。残置ハーケン残置ボルト有り。
次の10m滝は中段で小さいホールドとツッパリ気味で乗り越える所が難しい。ガイドには初級と書いてあるが、
そうは思えない。
12m滝を直登するTakahashiさん
10m滝を直登(今いるところが核心の一歩)

10m滝を越えるとV字状に沢幅は狭くなる。CS滝を越えて少し進むと。2つ目のハイライトの60m多段滝が見える。
貧相な出合からは想像も出来ないような見事な大滝だ!
最下段の滝も取り付けず、ここは大高巻きするしか無さそう。ガイドでは右岸手前のルンゼから取り付くようだが、
ここは左岸の潅木帯を利用して高巻く。途中枝沢スラブの横断があるが、スタンス十分で問題無し。30分強の高巻き
で大滝上に出る。
60m多段滝
60m多段滝最下段
左岸高巻き途中からの60m大滝

そのすぐ先に(3:1)の奥の二俣。左の本流にかかる4m滝を直登。次の6mナメは左から小さく巻く。この先も7mナメ
8m、2段6mトイ状と滝が連続。この上でようやく沢幅が少し広がる。荒沢で唯一のテン場はこのあたりになる。
(3:1)奥の二俣
7mナメの登攀
源頭部。。。唯一のテン場

沢筋が藪っぽくなってくると稜線まであとわずか。軽く笹を分け登れば稜線に到着。ガイドで3時間と書かれているが、
大休止もしていないのに5時間もかかった。
下降を予定している北カドナミ沢orカドナミ尾根へは荒沢山山頂をめざして登りになりうんざり。しかも登山道は廃道
になってから久しい様で、笹orツガの藪の下から覗くと道らしき物が見える程度である。結局荒沢山山頂まで1時間も
かかった。夏場はしっかり水を汲んでおいた方が良い。
荒沢山山頂は360度の展望が得られるが、天気予報どおり、カミナリが鳴り出した為、早めに下降することにする。

「カドナミ尾根と北カドナミ沢の下降どっちが良い?」
「どちらでも・・・」
「じゃぁせっかくなので、北カドナミ沢下りますか!」

ということで、山頂から10m程度南に進んだ所から下降を開始する。
荒沢終了点から荒沢山を見る
荒沢山山頂にて
北カドナミ沢最上部のスラブ

この位置だと、本流の左岸を下降している様だ。少し進むとスラブが出てくるが、
スラブのクライムダウンは難しそうなので、そのまま左岸の笹藪を沢筋からあまり離れないように下降を続ける。
沢筋から離れた潅木帯を下降してきたので沢の様子は不明。沢床に降りたものの、またまた50m近い滝が控えて
いるので、また左岸潅木帯に突入して下降する。この辺りは急下降で足元もすべりやすく腕力勝負。とても下降に
適した沢とは言えない。ようやく沢床に戻ると3段15m滝。これは右岸から小さく巻いて降りる。この辺りは沢の周りは
すべて草付なのでザイルでの懸垂下降が出来ないから厄介だ。
次の2段10m滝も小さく巻いて下降。次の40m滝は右岸を巻いたら、割と綺麗な残置シュリンゲを発見。やはり下降
している人がいたのだ。これを利用させてもらい懸垂で滝下に下降。ここで急下降は終了し一息つけると思ったの
だが甘かった。。。
50mスラブ滝上(左岸を巻いて下降)
2段10m滝
40m滝(右岸から懸垂)

ナメ滝を小さく巻いて降りるのはまだ良いとして、20m級の滝が続けざまに出てくる。
懸垂下降のオンパレードといった感じ。50mザイルを用意しておいて良かった。北カドナミ沢も林道からの様相は
荒沢以上に貧弱だが、なかなか内容のある沢であることは間違いなし。
12m滝を懸垂するとようやく滝はなくなるが、ナメ床が続くようになる。途中、旬なスギヒラタケをTakahashiさんが発見!
収穫する♪
2段7m滝
2段20m滝
20m滝(懸垂)
12m滝(これも懸垂)

ナメ床も終わり両岸が杉植林になれば林道も近い。林道到着は16時半近く。雨も殆ど上がり、充実遡行となった。

P.S:荒沢、北カドナミ沢共に、ガイドでは初級と書かれてあるが、鵜呑みにしないほうが
   よいでしょう。特に、遡行時間は荒沢、北カドナミ沢共、登り6時間くらいはみておいた方が無難です。
   テン場は荒沢は最上部に1箇所ある程度(遡行図参照)。北カドナミ沢には在りません。
   北カドナミ沢は水量が少ないので上部スラブ登攀はフラットソールが便利。稜線、カドナミ尾根も道はほぼ消えています。

遡行図(北カドナミ沢上部は不明点多し)


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