2008年10月4、5日 中ノ岐川流域 灰ノ俣沢支流 花降沢→裏荒沢下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
遡行図はこちら

紅葉が綺麗な越後荒沢岳南面の沢。2004年に灰ノ又沢を遡行したが、登山大系によると花降沢の方が滝が多く最も遡行価値のある沢らしい。。。
とは言うものの上信越の谷に取り上げられている灰ノ又沢は数多くの遡行記録がWEB上に掲載されているが、
花降沢となると皆無に近い。今回花降沢→裏荒沢の調査遡行で、滝沢を合わせて、荒沢岳南面4部作を完了する。

プローチ
18:38自宅発→22:30雨池橋着
5:45雨池橋発→6:30灰ノ又橋(入渓)→7:42花降沢出合→(2:1)二俣→12:20稜線着
→12:30裏荒沢下降開始→14:13(1:1)二俣(行動終了)

荒沢岳南面の沢の基点は"雨池橋"かなり大きい橋なので夜中でも判るでしょう。。栃木からだと桧枝岐経由で
片道190km。雨池橋の駐車スペースは橋の両側にあるが、うるさいオジサンが出没するので、福島県側に停めて
おいた方が良いだろう。駐車スペースは4台しかないが、満車になった事は見た事が無い。携帯はここでは使えないが、
ドコモならR352で使えるところが所々ある。

ここから、中ノ岐川沿いの林道を歩き出し、45分で灰ノ又橋。橋にはちゃんと名前が書いてあるので、間違う事は
無い。

最初の2段7mは右から巻く。踏跡もあり、それに従って進むと、すぐ上の4m2条滝の上に出る。平凡な様相を少し
進むと大釜を持った3m滝。ここから、ナメ床ナメ滝の美しい様相になる。
入渓最初の2段7m。 右から高巻く
大釜3m滝

滝はすべて5m前後だが、深い釜を持っており、直接取り付けず、右や左から越えていくことになるが、実に楽しい
所だ。仮に高巻くとしても小さく巻けるので、通過に問題は無い。魚影も多いが竿を持ってこなかったのが残念(>_<)
4m滝
3m滝&奥に6m滝

沢の様相が平凡に戻ると、花降沢の出合となる。灰ノ又沢本流には4段25m滝が遠くに見える。花降沢の水量は
本流に比べると少ない。最初の5m滝は容易。左岸に20m程の岩壁が見え、ここから核心が始まるかのよう。。。
岩壁の所に2段5mトイ状があるが水流を直登。次の6mは見た目悪い。両岸切り立った岩壁なので直登するしかない。
水流右に取り付くと右壁にガバがあるのでこれをうまく使うV+
花降沢出合(本流奥に見えるのが4段25m滝)
2段5mトイ状
見た目悪い6m滝

この滝のすぐ上に12m。単独では直登はムリ。幸い小さく左から巻けるのでホッとする。滝のすぐ左に乾いたリッジが
あるのでここに取り付き12m滝の上部に出た。W
さらに滝上には7mナメが控えていて、これはムリせず左から小さく巻いた。滝上で一旦平凡になるが、正面に20mの
岩壁。ここで右から10m滝が落ちている。これは人工以外では登れない! 巻きも右はムリで正面に見えた20m岩壁
のさらに左から高巻く。。。巻き終えると、10m滝上に7m滝があり、その上に出た。ここで序盤の核心部は終了する。
12m滝(カーソルを当てて)
7mナメ
10m滝 (右から大きく巻きます)

沢は小滝交じりの平凡な様相に変化。4m2条滝を越えると明るく開け、青い空が美しい。3m滝を越えると右岸に絶好
とは言えないが幕営可能な地形となる。花降沢は幕営適地が少ない。 ここからはナメ床になり、5m階段状7m滝
超癒し系の景観 7m滝は水流左を容易に登れる。さらに傾斜の緩い7mナメを堪能すると突如20m滝が現れ
高揚感はピークに!!!20m滝は斜度も緩く、快適に直登可能。私はこういう滝が一番好き
5m階段状
7m滝
7mナメ
20m滝
20m滝にて

20m滝上のナメを越えると、(2:1)二俣。本流は左。。。そういえば、滝沢を遡行して、この右沢を下降してきた記録を
WEBで見た。右沢は割りと平凡らしい。
さて、二俣を左に進むと3mナメ→左岸にガレを見ると3段10m滝。容易に越えると再びナメ状。
(2:1)二俣 左に入る
3段10m滝
4mナメ

4m程度の小滝を越えて行くと、3段15m滝が現れる。高巻くなら左だが、ここは直登を試みる。核心は中段6m
正面はムリ。右のルンゼに取り付くが大岩で進路を絶たれるので、ここから滝側に移る。フリーだと危険なので、
ハーケンを打ち、長いシュリンゲでビレイを取り、突破する。スタンスはあるのだが垂直なので、上手くホールドを
取って体を引き付けられればOK。W+。
核心を抜け、残置したハーケン/シュリンゲを懸垂下降して回収しに戻る。降りる前に上からシュリンゲを垂らして
おけば、再び登る時は安心できる。
3段15m滝
3段15m滝中段(カーソルを当てて)
中段右ルンゼ(カーソル当てて)

3段15m滝を越えホッとする間もなく12m滝。。。これは悪い。。。高巻きは可能。一応ルート探ると、スタンスはありそう
なので取り付いてみる。ザイル要。 5m上がった所から左の乾いた岩に移動できると読んだが、取り付いてみると
チョット移動が難しい感じなので、そのまま飛沫を浴びながら直登。スタンスはあるがガバホールドは少ない。
10m弱登ってようやく左の乾いた岩へ移動。安全圏に入って終了。W
12m滝
12m滝拡大(カーソルを当てて)
12m滝上から

この上の5m滝を越えると平凡な様相。両岸岩壁の間から稜線が見える。ここを抜けていくと、二俣になり、本流は
左に18m滝を掛ける。一応、右俣に入ると花降岳に出る模様。もちろんここは左に入る。18m滝は水流右から取り付き、
3m上がって水流左にトラバース。あとは乾いた岩壁を直登する。傾斜は立っているが、スタンスホールド充分で
快適に登れる。
二俣に掛る18m滝
18m滝(カーソルを当てて)

沢は源頭の様相を見せ、藪コギ無しで稜線にでた。登山大系に7時間と書いてあったが、いくらなんでも
そんなには掛からないでしょう。銀山平が見えるのでドコモの携帯なら
使えるかも・・・。。。稜線に踏み跡はないが、そんなに苦労しない。花降沢と裏荒沢を分ける尾根は歩いて数分。
一番近い沢筋から裏荒沢の下降を開始する。
花降沢終了点から振り返る。遠くに平ヶ岳
花降沢/裏荒沢境界尾根から荒沢岳

しばらく平凡で、ザイルを必要とするところは無い。右から沢筋が2本合流すると小滝も現れる。2段6mはクライム
ダウン。この辺りには潅木が無いため、懸垂下降する場合はハーケンを残置する事になります。
4mCSはギリギリまでクライムダウンして、50cm程飛び降りる。6m滝も左岸側を良く見ればクライムダウンは
さほど難しくない。ここから良い感じのナメ床になると思ったらそのままナメ滝になり下から見たら12mナメ滝♪。
裏荒沢2段6m
6m滝
12mナメ滝

沢幅は広くなる物の幕営適地はまだ見当たらない。5mナメ滝、さらに快適なナメを堪能し、5m滝を降りると右から
顕著な沢筋。合流点まで降りてみると(1:1)二俣。こは良いテン場となっている。既に整地されている所はないが、
左俣にチョット入った右岸にタープを設営。さすがに10月なのでタープは辛いと思ったが、−15度用の寝袋を
持ってきたので全く問題なし。蒔きも豊富だが魚はいるかは不明。
5m滝
(1:1)二俣
快適なテン場

2日目
7:00二俣発→8:56灰ノ又沢出合→10:08灰ノ又橋→10:54雨池橋

7時に遡行開始。二俣を過ぎるとすぐに6m滝。左岸を巻くと踏み跡がついていた。6m滝下も割と良いテン場有り。
平凡な様相の中に2段6m。下降は容易。沢は左に曲がりゴルジュっぽくなるが通過に問題は無い。概ね平凡。
2段4m、2段3mをクリヤーすると、大きな滝の上に出る。この辺りからは懸垂下降も可能だが、右岸に踏跡を発見
容易に巻ける。下から見ると9m滝。登ろうと思えば可能でしょう。
6m滝
2段6m滝
9m滝

この先から小滝が多く現れる。すべて水流通しに下降できるが、釜が深いので、下りた跡に微妙なへつりになったり
する。10m程度のナメ床を降りると、裏荒沢のハイライトの連瀑帯に入っていく。2段7mは傾斜が緩く
快適降りれる。8m階段状ナメは美瀑♪ 間髪いれずに9m滝。これは左岸側の端っこをクライムダウン可能。
2段7m
9m滝(カーソルを当てて)

次の6m滝も下から見て右をクライムダウン。2条4mは容易。そしてとどめの8m滝は懸垂下降も考えたが、右岸を巻いて
降りた。下から見るとこの8mもシャワーを覚悟すれば直登は可能でしょう。
6m滝
8m滝

沢は東に向けて屈曲し、沢幅も狭くなる。様相は平凡。ミニゴルジュ内に3m滝が掛かるが降りたところが深い釜なので
仕方なく左岸を巻く。2段5m滝を降りればミニゴルジュも終了。沢幅も広がりワイヤーロープも散見される。
ここは魚影も多い。しばらく進むと、灰ノ又沢と出合う。水量比はほぼ(1:1)。
灰ノ又沢本流に入るとすぐに4段25m滝。巻き道は右岸で滝のすぐ近くを通っている。

4段25m滝を降りれば、昨日は入った花降沢出合もすぐ。灰ノ又沢本流の下降も特に問題になるところは無く。
10時過ぎには灰ノ又橋に到着。
3m滝
灰ノ又沢/裏荒沢出合
4段25m滝

温泉は福島県側に行くと桧枝岐まで行かないと無い。今回はさらに先の湯の花温泉に行ったが流しもないし、シャンプー/石鹸すら
ない(200円チケット製)

P.S:花降沢は4級レベルの滝もありますが、全て小さく高巻き可能です。ザイルは30mあれば充分でしょう。
   私はノンビリ遡行だったので、少数精鋭パーティなら日帰りも可能です。幕営適地は花降沢は殆ど無し。
   裏荒沢は二俣から下にしか良い場所はありません。花降沢のみで荒沢岳へ行く場合は藪コギの連続になるため、
   登山道まで1時間半は見ておいた良いでしょう。

花降沢/裏荒沢遡行図(クックリして)
概念図(クリックして)


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