2007年5月12日奥秩父大血川 西谷桶木沢(鉄砲沢)→東谷新山沢下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m(使用せず)、靴:フェルト
参考ガイド:奥秩父両神の谷100
遡行図はこちら

先週の八ツ峰の疲れも癒えず、オーケストラの定期演奏会も月末に控え、あまりムリできない週末。
奥秩父周辺に的を絞る。そういえばまだ大血川(おうちがわ)流域は全く未入渓。って事で、西谷桶木沢を遡行して、
下りは遡行図もない沢だが隣の東谷新山沢を下降する事にした。桶木沢は1/25000地図には鉄砲沢と記されており、
以下ここでは鉄砲沢と記す。

3:48自宅発→5:12太田→5:43花園IC通過→6:20秩父→6:54大血川鉄砲沢出合着

7:18駐車場発→7:26鉄砲沢入渓→9:06 8m滝下→12:00稜線登山道着
12:20新山沢下降開始→14:45東谷本谷出合→15:22東谷沿い林道→15:45大血川出合
→15:56大血川鉄砲沢出合着

16:06同発→17:34花園→21:00自宅着


R140を雁坂トンネル方向に進み、三峰口駅入り口を通り過ぎると"大血川渓流観光釣り場"の看板が立っている
道に入る。大血川沿いの林道は完全舗装。東谷出合にある観光釣り場を過ぎて林道右に曲がりが西谷から
離れる所が鉄砲沢出合になる。駐車スペースは4台程。

早速入渓準備を整え西谷に下りる。駐車スペースの真下が取水口(?)になっていてそのすぐ上流に15m程の滝
出合う水流があるが、ガイドによると、出水口から出る滝らしい。チョット登ってみると、本当に滝のすぐ上に
出水口がありジャンジャカ水を落としていた。
鉄砲沢出合はこの15m滝出合よりも50m程上流になる。

しばらく平凡な様相を進むと沢は左に折れる形になり4m2条滝が現れる。右から巻いてしまえばそれまでだが、
ここは2つの水流の真ん中を直登する。
鉄砲沢出合の駐車スペース
取水口から出る15m滝
鉄砲沢4m2条滝

この辺りは岩が大きく、大岩で構成された2m〜5m滝が続く。全部右から容易に巻けるが、今回は極力水流通し
に進んでみた。
 巨岩帯を過ぎると10m2段滝。倒木が邪魔して2段目はよく見えないが、下段は全体的にのっぺりした感じ。
近づいて見るとホールドは細かい。。。いうより"無い"といった方が近い。"左端から行けるかなぁー"なんて思ったら、
倒木の下に残置シュリンゲ発見!
"ここを登るのかぁー・・・"
とA0前提で取り付く。逆層気味のスタンスに慎重に足を置きシュリンゲを利用し安定して立てる所まで登る。
とハーケンをハンマーで叩くとさらに2cmくらい入るのでビビッた。ここから上は横た倒木に長いシュリンゲを回し
それを掴みながら、一歩一歩登る感じ。上段は釜の左から取り付いて水流右に横断し直登する。
巨岩帯
10m2段滝(カーソルを当てるとルートが出ます)
10m2段滝の上段

10m2段滝の上はゴルジュになり、入り口に深い釜を持った3m滝。一見泳がないと取り付けそうも無いが、
釜の右から上手く滝に取り付くことが出来、ツッパリでこの滝を越える。
すぐ上の3m3条を快適に越えるとゴルジュ出口にかかる5m2条滝。ここは水流の右壁を直登した。
釜を持った3m滝
3m3条
5m2条

5m2条滝上は平凡な様相。時折見せるナメに日の光があたり美しい。次に現れる8m滝
水流の左右とも"うーん"という感じ。右か左かで悩んだ挙句左から取り付いてみると
見た目以上に簡単。上部2mは左に逃げる事も可能だが敢えて瀑心を突破。岩は安定しているので3級レベル。

このさき5〜6m程度のナメ滝がいくつも現れるが、傾斜もそれほどでなく、すべて快適に超えられる。左から
枝沢が2本入った後もナメ状の2段6m、5mナメ、3mトイと続く。この辺りまでが鉄砲沢の一番良い所だろう。
8m滝(カーソルを当ててください)
6mナメ
5mナメ

3mトイ状を過ぎる平凡な様相。しばらく進むと水が急に涸れてしまう。
後は稜線に詰めるだけ。。。と思ったが、ここからが長かった。途中水がわずかに流れる所もあったが、天候によっては
全く水が現れない場合も考えられそうなので、水は汲んでおいたほうが良いかもしれない。
沢筋はしっかりあるのだが水が流れていない・・・という状態をひたすら詰める。稜線らしきものも見えるのだが
それを回り込んで奥へ奥へと沢筋が延びている。
途中二俣が2,3出てくるが左に入れば、新山沢と鉄砲沢を分ける尾根に上がれるので、時間によっては
左に入ってショートカットするのも良いだろう。ここを忠実に本流と思われる方を選択して進むと5m涸れ滝、2段6m涸滝が現れる。
水は涸れてしまう
5m涸れ滝
鉄砲沢最上部

この先二俣が2つ現れ、"もういいだろう"
と2つ目の二俣を左に入る。藪コギは無いが急登りを上がるとやはりここも新山沢と鉄砲沢を分ける尾根だった。
見た目"登山道か!"と思うくらいに踏まれているので間違わない事。このまま反対側の新山沢に下っても
構わないが、一応調査遡行(?)なので稜線登山道が有る所まで尾根を登っていく。10分の登りで稜線登山道に
到着。水ががくっと少なくなってから稜線までは1時間半。ちょっと長いかな???
鉄砲沢と新山沢を分ける尾根
こちらが稜線登山道
ここから右に下降を開始!

さて、新山沢の下降だが、稜線登山道を水松山(あららぎやま)方向に進む。1/25000の地図を見ると500m程
進めば天祖山へのルートへの分岐点に出るようなのだが、なかなか分岐点に出ない。4月に行った青岩谷の
1/25000の地図に翻弄された記憶がよみがえり、ここは適当な鞍部を見つけて下降を開始する。
 しばらくは平凡な様相で下降に問題は無い。水も流れ出して、10mナメ滝は傾斜も緩くクライムダウン可能。
右岸から6m滝で出合う沢筋と合流。こちらの方が水流が多く、新山沢の本流か?さらに5m程度の滝を
クライムダウンしていくと左岸から(1:1)で沢が合流
10mナメ滝
新山沢本流と思われる6m滝
(1:1)二俣。左から降りてきた

この先もせいぜい5〜6m級の滝で全てクライムダウン、or小さく巻いて降りる事が可能で
ザイルを出す所は無し。下降は全く問題ないのだが、汗のン匂いを感じてかブヨがずーっと付きまとってくるので
嫌な感じ。そこで焚き火休憩して煙を顔全体に浴びるとブヨも寄り付かなくなった。これはgoodだね!
 特に苦労する箇所もなく、東谷本谷と合流。出合には大岩があるのでこれが目印になる。
新山沢のナメ
東谷本谷出合い

3m4条滝を下ると木橋が現れるここから右岸作業道を利用。すると深いゴルジュ内に鉄橋が現れるが落ちかけ
てて通行不能。ちょうど橋の下には大釜をもつ6m滝があるので
ここは橋の右岸側を慎重にクライムダウン。初級者にはザイルが欲しいかも。このまま作業道に登り返さず
次の8m滝をクライムダウンしようと試みるが不可能で、残置支点も見つからず結局作業道を登り返す。
落ちかけた鉄橋
大釜をもつ6m滝
8m滝上から

作業道から見る東谷は釜も大きく下手をすると泳ぎを強いられそう。ここはおとなしく作業道を利用した方が
いいだろう。途中左岸に40m級の滝で出合う枝沢も見えた。
本流は2つの堰堤が現れ、このすぐ下で木橋がで沢を横断。車道に出た。ここから車道を利用する事20分、
ゲートのある向岳橋に到着。ここから上り坂の大血川林道を10分のエクササイズで鉄砲沢出合駐車場に到着する。
ゲートの向こうが向岳橋


P.S:鉄砲沢は初級者向きの沢です。水が涸れてからが長いので左の尾根に早めに上がって
  新山沢に降りてしまうのも手でしょう。ガイドには芋ノ木ドッケ白岩山経由で下山
  あるいは、石楠花沢右俣下降とありますが、新山沢下った方が早いかもしれません。
  ザイルは30m有れば充分です。

遡行図




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