2007年5月20日 足尾 神子内川黒沢右俣→左俣下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
参考ガイド:足尾山塊の沢(廃刊)
遡行図はこちら

月末にオケのコンサートを控えていたが、天気も良いので、アプローチの近い栃木県内の沢を選択、
『足尾山塊の沢』をパラパラめくっていたら、こんな所にも遡行対象なる沢があったんだ!と神子内川黒沢を選択。
雪の状況が心配だったがとりあえず行ってみる。

アプローチ:CR-X
5:00自宅発→(日光宇都宮有料)6:10黒沢出合着
6:30ゲート発→6:45黒沢2号橋堰堤上から入渓→7:15二俣→10:30県道255着(右俣遡行終了)
10:55半月山駐車場と1504mピークの最低鞍部から下降開始→11:57 3段17m滝下→
12:55二俣→13:24黒沢2号橋堰堤上着→13:30ゲート着
13:45同発→(日光宇都宮有料)15:25黒沢出合着

朝5時に出て、6時過ぎには早くも黒沢林道ゲート到着!いいなぁーアプローチが近いって言うのは! 
ところで、このゲート、国道122号からたった10m入った所にある。ゆえにゲート前の駐車スペースは5台と言った
所か。。。
 熊谷ナンバーの車が止まっていたが、釣師だろうか? 本当は大キジ討ちたかったのだが・・・
軽く挨拶して、準備を整えそそくさ出発する。 
黒沢沿いの林道を5分も歩けば入渓点となる"黒沢2号橋"に到着。

林道はさらに黒沢左岸上流へと伸びているが、"黒沢2号橋"すぐ上の堰堤から入渓。すぐに6mナメ滝が現れるので、
わざわざ経ってナメの上を歩く。5mナメを過ぎると大堰堤が出現。ただし高巻くことなく沢床をそのまま歩ける
堰堤で越後水無川本流にも”こんなのあったなぁー”と思いながら通過する。
駐車スペースはこんな感じ
6mナメ
大堰堤(通過可能)


この先の10m滝は美しい滝は水流右端を直登。滑っているが、岩はしっかりしていた。
10m滝を越えると早くも二俣。ここは滝の多い右俣を選択。
10m滝(水流右を直登、3級)
地味な二俣

平凡な様相の中に時折みえるナメ床と3m2条、
2段3m滝と小粒の滝を交え、ミニゴルジュに到達。前衛の5m滝は右から巻くのがセオリーだろうが、
引っ張られる感じで、水流右に取り付く。最初の一歩を右足のツッパリで1段上がり、細かいスタンスを拾って
ジリジリ上がって、最後は水流左に左足を決めて突破する。落ちても釜のある5m滝なのでそう怪我をする事は
ないが、4級はある感じ。この滝を直登出来ると、ミニゴルジュ内の3m2段ナメと3m2条滝を堪能することが出来る。
ミニゴルジュへ
前衛5m(水流右を直登)
ミニゴルジュ内様相

左岸から入る枝沢を過ぎ、ナメ床を堪能すると右俣ハイライトのゴルジュに突入。側壁は30mくらい有り実に見事。
最初の5m滝は水流のすぐ左に取り付くが、ホールドが甘くスタンスも甘く左・左と逃げ結局乾いた所を上がる。
ゴルジュ内最初の10mS字は傾斜が緩いので水流に沿って快適に直登可能。次の10mトイ状は両側ともツルツル
の岩なので水流に足を突っ込み傾斜が強くなってくる所で突っ張りに変更して水流屈曲点まで真直ぐ登る。
屈曲点では独り立てるスペースがあり、ここからまた突っ張りで50cm程あがり左のCSを掴んで這い上がる。
ゴルジュ最初の5m
10mS字滝
10mトイ状(カーソル当ててください)

ゴルジュ内にはもうひとつ10mナメ滝が控えている。まぁここは最悪左隅の凹角を上がれば何の問題もなさそう。
こういう所には残置支点があるんじゃないかなぁーと思って辺りを見回すと、右壁に案の定テープシュリンゲが付けられた
残置支点を発見!赤いテープシュリンゲが2本に白くて長いテープシュリンゲが1本、しかも打ってあるハーケンも
クロモリなので根こそぎ頂いていく(^^) 10mトイ状の上はリスが多いです。

ムキになってハーケン叩いてたので、まだ10m滝が残っている事を忘れていた。(笑)
"これはど真ん中から突破でしょ!"と取り付いたが、上部でホールド"ゼロ"になり

「この1歩が滑ると落ちるなー」

と飛沫を浴びながらルートを探るが、どれも"う〜ん・・・"と言う感じなので、クライムダウンして一旦出直し。
左から取り付いた。弱い!
10mナメ滝(カーソルを当てると軌跡が・・・)
10mナメ滝から登って来た滝を振り返る

 10m滝を越えると4m,3mと小滝が有り、ゴルジュは終了する。沢は一転平凡な様相に変わるが、ナメ床が現れ
良い感じ!しかしこれも長くは続かず、完全に平凡になってしまう。
魚影はこの辺りでは多く見かけた。(2:3)の微妙な二俣は右に入る。後は水量の少ない
枝沢が合流するだけ。ようやく稜線が見えてくると明るく開けた感じになり。焚き火をして大休止。
ナメ床1
ナメ床2
開ける(ここが二俣になっている)

ここで沢は二俣に別れる。左俣を下降するなら当然左に入った方が近いが、水量の多い右俣に入る。
おそらくここを左俣に入ると半月山の駐車場にダイレクトに出ると思う。
 本流と思われる沢筋を詰めると、最後に15m規模の階段状多段滝が現れる。この登りは容易。その上に取水口
らしき人工物が行く手を遮るかの様に立ちはだかり、ここを見過ごすと、もう県道のガードレールが視界に入る。
本流筋はこの県道をくぐって半月山山頂に向って突き上げているがここは左に上がって、適当な所から県道に出た。
丁度、車とすれ違い。ヘルメットにガチャ類をぶら下げて歩いている私の姿にキョトンとしていた。(笑)
車道に出てから150mくらい歩けば半月山駐車場だった。
15m階段状多段滝
取水口?
ここがゴールの半月山駐車場!

さて、黒沢左俣の下降だが、駐車場南面あるから1504mピークに伸びる尾根を進む。"百葉箱"が目印だ!
駐車場の手すりを跨いで歩き出す。視界がよければ問題ないが、視界が悪い時は黒沢右俣、左俣を分ける尾根に
迷い込まない事。百葉箱からの踏み後を延々たどるとこの尾根に入ってしまう。 途中この踏み跡を右にそれ、
少し下ると半月山からの登山道と合流。これを1504mピークとの鞍部まで進み、左またの下降を開始する。
丁度この鞍部で足尾から上がって来た登山者とすれ違ったが、足尾からここまで4時間かかったと言う事なので
下り3時間見ておけば足尾に出られるはずだ。

しばらくは枯葉が敷き詰める沢筋が続く。水は早い段階で流れるが、枯葉の量が多すぎる。
1507mピーク方向に下る
右俣源頭部

左岸がチョット開けたので5m程の土手を上がると平行してもう一本沢が流れていた。
この沢筋と合流するチョット手前で右岸から(1:1)で沢が合流。ここから100mも進まないうちに先ほど平行して
流れていた沢が左岸から合流。この辺りは両岸とも良いテン場となっている。
 さすがにこの辺りは枯葉が沢を覆う事はなくなり平凡な様相の中を下っていく。途中綺麗な石積堰堤を過ぎ
難しい所もないまま、左俣のハイライト17m3段滝の上に出た。さすがにダイレクトにクライムダウンは難しく、
落ち口から左岸に伸びるバンドを10m程トラバースした所から上段部分のクライムダウン。水流を横断、
右岸側に移動して中段、下段を懸垂下降で降りる。
17m3段滝(カーソルを当てると下降ルートがでます)
17m3段滝最上段


 その先の10m2段滝もムリせず、左岸から懸垂。幾つかの小滝を過ぎると綺麗な石畳から落ちる4m滝。
どーみても人工的に作られたもので、左岸から小さく巻いて降りてみると、なんとどう見ても"石橋"に見える。
しかし、橋の両側には全く道は無いし、なんで,こんな所にこんな物があるのか謎だ。
10m2段滝
謎の“石橋”

13時前に,二俣到着。朝一直登した10m滝は最上部の1歩がクライムダウンできず。右岸から巻いて降りる。
帰りは左岸に付けられている林道に出てみようかと考えたが、登るのがかったるいのでそのまま沢筋を下降し
終了となる。
ゲートには5台ほど車が停めてあったが、後日、沢胡桃のパーティが同じ黒沢に入渓されてたと知り、
あまりの偶然におどろいた。

P.S:右俣10m連瀑のゴルジュを除けば、概ね平凡な沢ですが、随所に現れる岩壁、
  新緑がとても良い感じ。そもそも今週は遡行する予定ではなかったので、得くした気分です。
 
遡行図


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