2007年7月7日 足尾山塊 庚申川笹ミキ沢

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m(使用せず)、靴:フェルト
地形図:皇海山、中禅寺湖、足尾、袈裟丸山
遡行図、概念図はこちら

すっきりしない梅雨空続き。。。先週、先々週と都合で沢に行けなかったので、
「今週は雨さえ降らなければ・・・」と言う願いが通じ週末曇天の予報。
こんな時は明るい沢は避け、県内の庚申川最大の支流である笹ミキ沢を遡行する事にした。。
最大とはいえ庚申川本流自体がマイナーなので、その支流は超マイナー。ドーなってるんだろ?

5:23自宅発→(日光宇都宮有料)6:42銀山平着
7:04銀山平発→7:33笹ミキ橋、7:40遡行開始→8:02 2段25m滝下→9:56 2段50m大滝下、
(大滝登攀)10:52 2段50m大滝下に戻る→11:47伏流帯→12:26庚申山登山道着
12:37猿田彦神社跡→13:05庚申川林道→13:45銀山平着
13:52同発→15:58自宅着

渋滞知らずの日光宇都宮有料をピューッと走って、銀山平へ到着。国民宿舎50m先の空き地(20台駐車可)
に車を停める。ゲートはすぐ先にあり駐車場所から歩いて30分で笹ミキ沢。1/25000地図では『笹ミキ沢』、
橋の名前は『笹美木橋』沢の漢字名は『笹見木沢』とここで判る。

 入渓準備を整え早速入渓。両岸高い木が茂り、沢は全体的に暗い感じ。ゴルジュっぽいが難所はなく平凡だ。
小滝を幾つか越え明るい様相になった所に大岩で構成された6m滝。その上にも顕著な滝が控えているようだ。
 大岩で構成された6m滝は幾筋にも水流が分かれ、ちょっとした美瀑。これを越えるとドーム状の地形になり
2段25m滝が勢い良く水を落としている。高巻くなら右岸。ただ下段は傾斜が緩いので水流左に取り付いてみる。
岩は滑りやすいので注意(3級+)
上段は直登は不可能。ここから右岸を高巻くことも可能だが、水流左に土バンドがありこれを利用すれば滝上
に出られるかな?と思い取り付いてみたが、ホールドが無く、急傾斜なので、足元が崩れると下まで落ちてしまう。
狙った土バンドの1m上に登り落ち口に向ってトラバース。かなり緊張を強いられた。
6m滝
2段25m滝
2段25m滝上段(カーソルを当てて下さい)

2段25m滝上は一変してナメの様相。3m2条を越え、左岸から枝沢が入ると陰鬱なゴルジュになるが通過困難
な箇所は無くてホッとする。深い釜を有する4mナメを越えると、見事な15m滝。直登は不可能で右岸を小さく巻く。
小さく巻くと足元が崩れやすい場所が多いので注意。沢に戻るとまたナメ床。この先の深い釜を持った6mナメ滝
は右から小さく巻く事も可能だが、釜を経つって水流右壁を登る。するとクロモリの残置ハーケンがあったので
回収させていただく。

この先、インゼルっぽく見える(3:1)の二俣がある。左岸枝沢を覗いて見ると、12m美滝
その奥にも15m級の滝を覗かせていたが、本流に引き返した。今思うと偵察しておけばよかった・・・
3m2条
15m滝
6mナメ滝
左岸枝沢12m美瀑

本流に戻ると4m滝。その先はナメ床と小滝を交える。左岸から2本枝沢が入ると、正面奥に大滝が顔を覗か
せる。手前の4m滝、2m2条を越えると2段45m大滝。。。と左を見ると本流は90度左に折れて平凡な様相で
流れていた。

・・・なんだこれは・・・

地図を見るとやはり本流は左、水量も(3:2)で確かに本流の方が多い。大滝を見ると
上段は本流と同じ方向に屈曲しており、本流と平行に伸びている模様。もし大滝を登れるような事が出来た場合
小尾根を超えて本流にすぐに戻れそうなので、とりあえず上段の写真を押さえるために大滝に取り付いてみる
ことにする。下段は右端にあるルンゼを利用して小さく巻くことも可能だhttp://juqcho.jp/climbing/index.htmlが、味気無いので、水流沿いを狙う。
最後は突っ張りで滝上に出る。
 上段は幅広だが全体が滑っている。ただよく見ると、右端から取り付ければあとは階段状。上部はさすがに
よく見えないが、
"何とかなるんじゃないかな?"  と思いフリーで取り付く。
2段45m大滝下段
2段45m大滝上段(クリックするとルートが出ます)
ここから上は平凡。本流に戻る

4m程上がった所から水流に向う急傾斜バンドを利用して70cm程上がれれば階段状の箇所に入れるのだが、
このバンドがツルツル。目一杯左手を伸ばして何とかホールドを取るが、根元から岩が動き思わず躊躇。
しかしホールドはこれを取るしかない。。。
"力を入れる方向には岩は外れ無い"という読みで再度TRY。読み通り岩は外れなかったが、ツルツルスタンスと
動く岩にホールドを求めながら次のホールドを探すのは精神衛生上宜しくない。10秒くらい探して次の一手が
見つかりホッとする。ここからは高度感は有る物の、スタンス充分なので快適に直登!と思いきや滝上まで
残り4m弱の所でスタンスが欠しくなる。下からは階段状に見えたのだがガバが少なく確実性が低い。
意を決して一歩上がれたは良いが次の一手が見つからずそのまま体を横にして体ごと上の段に這い上がる。
出だしと最上部の2箇所の核心を何とか突破して2段45m滝を終了。

リスはあるので、ハーケンを打ちながら上がればそんなに怖い思いはしないで上がれると思う。また最上部の
1ポイントは最悪右から樹林帯の方へ巻けるのでセミになる事はないでしょう・・・(MAX4級)

大滝の上は3m、4m、小滝と続き平凡な様相へ変化。沢筋も本流とは違う方向に伸びているので左の小尾根
に上がり本流に戻る。本流への下降は懸垂不要。大滝に取り付いてから丁度1時間で再び大滝下に戻って
これた。

再び本流遡行を継続する。7m滝は傾斜も緩く階段状で快適に越える。次の深い釜を持った8m滝はパッと見難し
そうだが、釜を経つって水流右壁に取り付くと難なく登れる。8m滝のすぐ上は傾斜の緩いトイ状の8mナメ滝
なっており、気持ちよ〜く水流を歩いていく。
7m滝 何の問題もなし
8m滝 水流右壁を直登
8m滝上のトイ状8m

所々に現れるナメ床を堪能しながら進むと左岸から(1:1)の水流比で2本の枝沢が入るが
進行方向は全て左に取る。平凡な様相になると左岸の潅木から湧き水があふれ、本流は伏流となる。
しばらく進むと再び水が流れ出すが水量は少なく再び伏流。
さらに進むと右岸にガレ。もう少し先まで歩いてみたが様相が変化せずくらい様相になるので遡行を打ち切る。
1/25000地図を見ると庚申山への一般道が右岸の尾根についているはずだ。。
30m程登って右岸尾根に出たのだが、獣道しかなかった。地図を確認すると登山道はもう少し上に付けられて
いるようなので尾根をそのまま5分程登ると、狙い通り登山道に到着。
ちなみに笹ミキ沢をもっと上流まで詰めると6〜7m程の滝が2,3出てくるらしい。
ただ水が流れているのかははなはだ疑問が残る。
ナメ床
源頭部
右岸ガレこの先で尾根に上がった

登山道を下ると宇都宮大学ワンダーフォーゲル部の小屋(使われて無さそう)を通り猿田彦神社跡に出る。
歩きやい下山道を快調に下り。庚申川林道に出た。

笹ミキ沢遡行図
笹ミキ沢概念図


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