2007年8月26日 湯檜曽川 抱返り沢

メンバー:現場監督さん、ひろた
装備:9mm×45m、靴:フェルト
遡行図はこちら

昨日の湯檜曽川白樺沢→ケサ丸沢右俣下降に引き続き、抱返り沢を狙う。出発点は
湯檜曽本谷白樺沢出合になります。

6:00白樺沢出合発→6:53十字峡(抱返り沢出合)→10:04 50m滝上(全大滝終了)→
12:00大倉沢への移動ポイント付近(今回そのまま抱返り沢を詰める)→14:00朝日岳山頂着
17:36白毛門沢出合駐車場着→18:15マチガ沢出合駐車場

6時に出発。20分も進むと"ウナギ淵"に到着。現場監督さんは湯檜曽本谷は初めてなので「これかぁー!」と淵に
入っていくが、朝も早いので、泳いで突破する事無く右のバンドを進む(笑)。沢は左直角に曲がり6m滝を越えると
前方正面に抱返り沢が現れる。出発してから1時間かからず十字峡に到着。
ウナギ淵
6m滝上の様相
抱き返り沢

最初の120m大滝は、"急・緩・急・急"の4段構成。出だしは被っているので少し右からカムを使い一歩上がって
みるが、ヌメヌメでホールドも無いので、結局15m程を右の草付を上がりかぶった所の上に出る。(下図参照)
2段目にあたる"緩"の部分は、好きな所を登っていける。
大倉沢(右)と抱返り沢120m滝(カーソルを当てて!)
120m滝2段目の”緩”の部分
2段目を登る

すると釜が現れ3段目の"急"の部分に移る。
25mはありそう。下部5mはホールドが少ないがここを上がれれば問題無い感じ。右端から現場監督さんが取り付くが、
スタンスが無く一歩が出ない。私が交代してみると確かに踏ん切りがつかない。1m右に移動し角度を変えて強引に
飛びついたら何とか登れた。(ここだけW+?)。ハーケンを1枚打ち、監督さんにはA0で突破してもらう。
ここからバンド利用して水流をくぐり、水流沿いをシャワーを交えながらフリーで登る。ずぶ濡れV+
3段目。次の1歩が核心
これを覚悟しないと突破できません
まだまだ濡れます
3段目は気合いです

 4段目は3段目を登らないと見えない。「まだあるよー!」と現場監督さんがうんざりするのもうなずける。
しかも40mくらいあるし。。。それでも、そんなに立っている感じではないので、何とかなりそう。
やはり、ここも出だし5mが水流沿いを登れないので左の乾いた岩から取り付き、水流右に横断してからは、
シャワーを交えながら概ね水流沿いor水流右を直登できた。V〜V+
大滝4段目(カーソルを当ててください)
これもシャワー
4段目上部


大滝を終了すると、釜を持った4mでホッとしたのもつかの間、沢筋が左に回りこむと13m滝
「右かなぁ〜、左かなぁ〜、どっちがええかなぁ〜」と水流左から取り付く。
 ちょっと細かい所もあったが、そんなに恐怖感を覚えずフリーで登れた。V+〜W
13m滝の登攀
13m滝登攀上から
13m滝上の様相


13m滝上はナメになっており、5m、8m滝を越えると、明るく開け、その奥に60m大ナメ滝が見える。傾斜は緩く
乾いている所も多いのでこの60mナメ滝は快適に登れる。V−
が、さらに50mの滝が続いていた!しかもこちらの方が傾斜が強い。さすがに”もう、いいんじゃないの〜?”
と思ったが、乾いている部分もあり、これも快適に登れた。V

・・・が、まだ上に40m多段滝が・・・・
ほとんど連続しているので150m3段と言ってもいいかもしれない。 (遡行図で60、50、40と別記しました)
60mナメ滝
60mナメを登る
50m滝(まだあるよ〜)

40m多段滝もザイルを出すような滝では無いが、中央部6mは直登不可能で右を小さく巻く。
上部は階段状で問題なしV
連続する長〜い大滝もやっと終了か???
次の10m2条滝は水流右から直登。V
40m多段滝
40m多段滝上部
10m2条滝にて

現場監督さんがこの上の小滝を小滝を超えると、両手を上げている!? なにかなぁ〜?と思ったら、

「うぁっ!!!」

まだ大滝がありました!!!

近くで見ると推定50m滝。下部は2条に流れています。取り付きルートは右の水流をシャワーで登るかV+
水流と水流の間のリッジを登るかVの二つ。もう、散々シャワーで登って来たので、ここは安易にリッジに取りつく。
中段以降水流が一つになってからはシャワーを交えながら快適に登る事ができるが、最後の5mが完全ナメ状になり、
直接は手が出ない。W
現場監督さんはナメに足を置き右壁にホールドを求めながら、ジリジリと進んでいく。それを見た自分はビビッて
水流左からいけるか模索。片足ギリギリ置けるステップが続いていたので、これを利用して、水流左へ。ここから
灌木利用で一足お先に50m滝を終了。監督さんも慎重ではあるが難なく完全突破。
トドメの50m滝!
50m上部
50m滝最後の5m。


これで、ようやくようやくすべての大滝が終了。一変して癒し系の様相になる。ナメ床、いくつかのナメ滝を超えると
癒し系の様相に似合わない10m滝。これは直登不可能なので左岸を巻く。この先25mナメが出てくるが、これは
傾斜が緩いので全く問題無し。

25mナメを快適に越えると、水流も少なくなってくる。大倉沢とを分ける尾根の高さは
10m程度?で、日本登山大系やmoto.pさんの記録でも、この辺りで大倉沢へ移動すると書いてあったが、
大倉沢の詰めは、以前登った時、結構キツイと知っていたので、
"結構このまま詰めても行けるんじゃないの〜?"
と明るく広がる抱返り沢源頭の草付をそのまま直上する。
10m滝
25mナメ
左岸大倉沢を別ける尾根。唯一テン場もこの辺りか。

しかし、これがやはり大失敗だった。。。登りついた尾根に獣道がある事を期待していたのだが、
獣道どころか、シャクナゲとハイマツが密集。全く前に進めない。。。稜線登山道はまだまだ遠く。あがき苦しむ。。。
雲が少し出てくれたのが、ほんの僅かな不幸中の幸い。しかしほぼ無風の中では体が完全オーバーヒート。
ふらふらになりながらピークを一つ越し、尾根の南側に出ると草付に一瞬なったので荷物を降ろし大休止。

大倉沢の沢筋はまだ見えぬ朝日岳の山頂に遠く伸びており、「あっち行っておけばなぁー」
と思ったところで後の祭り。完全シャリバテでパンを口に入れるが、残りも少ない。
たまたま入ってあったコーヒー用シュガーが一袋あったので、そのままダーっと口に入れた。
横たわっていると、現場監督さんも到着。

「なんか体がふらつくんだけど・・・」  
                   もう完全に熱射病の症状が・・・
20分近くの大休止の後、出発。
幸いな事に、本当に幸いなことに・・・尾根のすぐ南側が草付きになっていて
距離を稼げた。再びシャクナゲとハイマツ混じりになるが大休止前より若干薄い感じで、笹も交る。
この笹藪狙いでジグザグに進みようやく朝日岳山頂に14時に到着。
大倉沢を詰めていたら1時間近く違っていたかも
抱返り沢の詰め左が大倉沢
地獄の藪こぎ
着いたよ〜♪

ここまでたどり着ければ生きては帰れるが、まだ長〜い下山が残っている。。。ウンザリ

白毛門山頂で会った東京の労山在籍の女性の方が、
「チョクチョクHP見てます!現場監督さんとよく一緒に登っているんですよね?!」
「現場監督さん、後ろから来ますよ!」 とのこと
                       う〜ん、ありがたいことです。

熱くほてった体を一歩一歩下に降ろす感じで、ようやく白毛門沢登山口に到着。荷物ををドサッと下し、
すぐに釜に飛び込んだ。

現場監督さんも、無事到着!、体を十分冷却したあと、空荷で、マチガ沢出合いの駐車スペースまで
車を取りに行って完全終了。湯テルメ谷川で汗を流し解散となる。

P.S:抱返り沢は沢慣れしている人には超お勧めの沢。ただアプローチ、下山路が長いため、
   日帰りはかなり厳しいです。テン場は本谷では”ウナギ淵”手前まで。抱返り沢に入ると25mナメを
   超えた源頭部にしかありません。大滝登攀は難しい個所はワンポイントだけなので、
   最後の詰めを考えると8mm×30mで軽量化した方が良いでしょう。

現場監督さんの抱返り沢遡行記録にGO!

抱き返り沢遡行図




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