2008年3月22日 丹沢 神ノ川大岩沢

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m(使用せず)、靴:フェルト
遡行図はこちら

22.23日と河口湖で静岡在住のオーケストラ仲間と泊り込みの飲み会企画があるので、
ついでに、一本沢を押さえておこうと、丹沢神ノ川流域の大岩沢をチョイス。
この沢は、現場監督さんがズブ濡れになって核心滝を突破したという事で、以前から気になっていた沢である。
もちろんまだ3月・・・当然核心は"巻く"つもりで行く。

アプローチ:CR-X
3:10自宅発→(県道3号4:43) R16→5:29入間IC→(相模湖IC)6:34神ノ川林道終点ゲート着
6:51ゲート出発→7:01日陰沢橋→7:27大岩沢入渓→8:23 10m2段滝上→10:23三俣→
11:45稜線登山道、12:00下降開始→12:55犬越路避難小屋→14:02日陰沢橋
14:15ゲート到着

高速代を安く上げる為、昨年中央高速まで開通した圏央道を入間ICから利用。3時過ぎの出発で深夜早朝割引
に間に合う。コンビニは相変わらず相模湖ICから1件しかなく要注意。神ノ川林道は全線舗装だが、2007年9月の
台風9号で日陰沢橋手前で土砂崩れの影響で、日陰沢橋手前800m手前に工事期間暫定ゲートが設置されていた。
駐車スペースは約10台ほどあり。

それにしても、山の上部は完全に雪に覆われていて想定外・・・"まぁ何とかなるでしょう"と出発する。
日陰沢橋から犬越路への登山道を10分程進み、登山道が日陰沢から離れる所をそのまま沢沿いに進み、
堰堤をひとつ越えると大岩沢の出合。ハーネスを取り付け遡行開始。最初は4つの堰堤があり、右、左、左、左と
巻く。岩が脆いので注意。堰堤を終了すると大岩沢の核心部となるゴルジュが始まる。
ゲート手前駐車スペース
大岩沢最初の堰堤
堰堤を4つ超えるとゴルジュが始まる

ゴルジュ最初の4m滝は水流右が登り易いが、釜が深いので左から取り付いて水流を横断する必要がある。
"3月なのに初っ端から濡れるのやだなぁー"と思いつつカッパを着込み突っ込む。

「冷たーい!!!」

10秒と水に付けられない。急いでホールドスタンスを探し水流右にトラバース。冷たいのでそそくさと直登。
もうひとつ4mくらいの小滝も濡れた所を仕方なく登る。つぎの6m滝は下部が埋まっている。左岸がガレているので
最近崩れた感じ。。。直登自体は簡単だ。
沢は左に曲がり4mナメ滝の上に巨岩が2つ。ここを過ぎると水流左にワイヤーがぶら下がる4m滝。しかしこれは
ワイヤーのない水流右の方が簡単。
ゴルジュ最初の滝
下部が埋もれた6m滝
巨岩が2つ
水流左にワイヤー有りの4m滝

ここからゴルジュの幅は一旦広がるものの、少し進むと急激に狭くなり、ここに核心と呼ばれる2段10m滝がある。
2段目は直角に左に曲がっているので手前からは下部6mしか見えないが確かに悪そう。釜も深くトロ状で3月では
近づくのも困難な感じ。
巻きは釜から5mもどったところにある左岸凹角。他の記録を見ると残置ハーケンが結構打ってあるそうだ。
せっかく栃木から来し、このまま、高巻きに入るのはいくらなんでも直登された現場監督さんに失礼なので(笑)
近くまで見に行く・・・。滝に近づくと左岸から細流が入り水が滴り落ちていてそれだけでも長居したくない。 
近くで滝を見ると今日は水量が少ないのか? 確か監督さんの記録によると、ずぶ濡れで直登したようだったが、
瀑心右の細い水流を落としている所ならかなり濡れるが頭から水をかぶることはない。

"でも3月だよ3月!・・・"

とりあえず釜手前の三角岩を強引に超え、釜ひ右から経つって更に詳細を確認。もうすでに結構濡れてるし・・・
最初の2mを登れば何とか行けそうな感じ。左足を滝に起き左手にホールドを取るが、ホールドの細かさ、スタンス
の外傾度から言って4級は下らないのは明らか。思わず出した左手/左足を引っ込め、息を整え再TRY。
釜に落ちるの覚悟で体重をかけると

”上がれた!!!もう引き返せない。。。”

冷たい水の中、急いで右足の置き場所を探る。さらに右手でガバが取れて一安心だが、もうすでに手が悴んで
しまい、ガバじゃないと指に力がかからない。時間との勝負。濡れながらスタンスを探し2m直上。手が辛いので
凹角に体をねじ込み摩擦力で落下を防ぎ、スタンスを探る。。。
"ひぇ〜〜登れた・・・"
上段4mは容易なのでとりあえず滝から脱出する。2段10m滝を終了し、4mナメを慎重に突破すれば下部ゴルジュ帯
が終了。
2段10m滝の下段(カーソル当てて)
下段のアップ
下段を上から取る

2段10m滝を終了し、4mナメを慎重に突破すれば下部ゴルジュ帯が終了。平凡な様相になるが、少し行くと5mナメ、
7mナメと良いアクセントが付く。後者7mナメは水流右枯葉をどかし、スリップに注意が必要だが、ホールドは
安定しているので慎重に行けば問題ない。
5mナメ
7mナメ(水流右を直登)

もう、核心抜けたから安心と思いきや、再びゴルジュとなり沢が左に曲がると唖然。

"登れネーじゃん・・・"

深い釜に水を落とす5m滝・・・右か左か迷うが、見た感じで右壁を選択。釜を経つり1.5m程上がるところが
ちょいと難しい。なんとか上がれて最後は落ち口にジャンプ。右岸側の壁を見るとこちらには残置シュリンゲが
数本ぶら下がっていた。とりあえず一本いただくが、どうみても右岸側の壁の方が難しい気がするんだけど・・・
結構渋い5m滝(カーソル当てて)
6mナメ(左から簡単に直登)
初焚き火

この後6mナメを過ぎると平凡な様相。一旦伏流になったあと、沢床より上で水が流れる8m階段状の滝。
その上の2段5mをあがると水は少なくなり雪が現れる。すると顕著な三俣。赤テープは右俣と真ん中の沢筋の
間にあり微妙。とりあえずここは真ん中を進む。(正解みたい)

ここからは急に雪が多くなり歩きづらい。雪がかかる多段涸滝、多段10mを越えていくともう完全に雪道を歩いて
いる感じだ。殆どが膝までのラッセルだったのでまだ幸いだが、稜線までがやたら長い。。。ただ意外と沢靴でも
冷たく感じない。ただネオプレーンの靴下の親指に穴があいているのかピンポイントで冷たいのが悲しい(笑)
雪の中、大室山山頂まで沢筋を詰める必要もなく

"もういい加減いいんじゃない"

という所で左に逃げる。そこから小尾根を少し登ると稜線が近づいたのでさらに左に逃げ、お昼前に稜線到着。
沢床より上で流れる8m階段状
多段涸滝
雪ビッチリ・・・

富士山が正面に大きく見えた。大室山山頂には特に興味は無いので、そのまま犬越路に向う。

犬越路(いぬこえじ)にはすっごい綺麗な避難小屋あり(トイレも簡易水洗で綺麗)。立て看板をみると昔、
武田信玄が小田原を攻める際に犬に先導させて峠を越えたことからこう名付けられたらしい。戦う執念って
スゴイのね・・・

犬越路から日陰沢橋への登山道は随所で崩壊してて一応通行止めになっていた。確かに道がわからなくなった所
も1箇所あったが、バリエーションやる人には何の問題も無いでしょう。

P.S:大岩沢下部ゴルジュの両岸の岩は脆い印象。残置ハーケンもあるようだが、必ず確認した方が良いでしょう。
   水量が多いともっとハードかも?

遡行図(クリックして)




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