2008年7月20日 奥日光 三右衛門沢→泙川前小屋沢下降→三俣沢ス沢→ネギト沢下降
メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
地図:皇海山、中禅寺湖
遡行図、概念図はこちら
昨年、奥日光から三右衛門沢を詰めて群馬県の泙川三俣沢側に入るルートで大岩沢を遡行。泙川三俣沢流域は日光側から入ると日帰りで遡行できるのだ。
今回も三右衛門沢を詰めるが、三右衛門沢の違う支流を詰めて、三俣沢前小屋沢を下降でス沢を遡行する事にした。
2:53自宅発→4:30赤沼茶屋
4:40赤沼茶屋発(自転車)→5:12西ノ湖バス停→5:50三右衛門沢カクレ滝→8:35三俣山山頂→9:10前小屋沢下降開始→11:10三俣沢本流出合
→11:25ス沢遡行開始→15:15県境尾根登山道→16:44柳沢川本流→17:15西ノ湖バス停→17:56赤沼茶屋
赤沼茶屋からは5:30にハイブリッドバスが西ノ湖へ向けて出ているのだが、最終のバスは思いのほか早く16:34で最終となってしまう為、自転車で西ノ湖
バス停まで進む弓折峠までは緩い登りだが、そこから先は緩い下りになっている。まぁ帰りは逆になるのだが・・・
西ノ湖バス停から西ノ湖へ向け歩き出し。"西ノ湖0.2km"と書かれた看板から真直ぐ伸びる道を入っていく。道は三右衛門沢のカクレ滝手前まで続いて
おり、カクレ滝下から遡行を開始。昨年は、大きく左岸を高巻いたが、今回はカクレ滝のすぐ右壁を直登。カクレ滝すぐ上でゴルジュ内に降り立つ。
ゴルジュ内には6mヒョングリ滝が行く手を塞ぐが左から取り付き落ち口は両足ツッパリで水流を跨ぐようにして突破した。もしかして初登?
(今回の遡行で一番の核心がここW−)
ゴルジュを過ぎると多少のナメ床が現れるが概ね平凡。8m滝は昨年右から直登したが、今回は左から直登。こちらの方がスッキリ登れる。
簡単に右から巻けます。
ここから少し行くと(3:2)二俣。昨年、三俣沢、三左衛門沢を下降した時はここを右に入った。今回は左の本流を進む。。。さらに進むと(1:1)の二俣。
本流は右。三俣山に出るにはどちらでも良いのだが、持ってきた『足尾山塊の沢』の遡行図では左に入っていて、最後に30mナメがあると書かれている
ので今回は左に入ってみる。平凡な様相をしばらく進むと(1:1)二俣。ここを右に入る。遡行図がなくても地図で見れば判るだろう。しばらく行くと突然、
遡行図に書かれてあるナメ滝が現れる。ただ30mは無く20mくらいでしょう。傾斜は緩く。水量もそんなに多くないので、登るのに困難さは無い。
その後もナメ&ナメ滝が連続。そのまま源頭の様相を見せ。最後のガレを回りこんで少し登ると三俣山と1928mピークを繋ぐ尾根に出る。藪コギは無い。
尾根には赤テープがあり、尾根を登っていくと木に赤い目印が打ち付けられている県界尾根に出る。道は不明瞭だが、随所に目印が打ち付けられてある
ので注意深く見回せばルートはわかると思う。県界尾根に合流して5分程進むと三俣山山頂に到着。展望は三俣沢側に一部あるだけ。ここから皇海山
方向に下って鞍部から前小屋沢に下降する。
前小屋沢は最上部が崩壊しているためか、土混じりのナメ床で始まる。下降を続けると右から(4:1)で本流?が入る。この下では階段状の20mのナメ滝と
なっており美しい。この先もしばらくはナメ床が続く。
この先は概ね平凡になり、この辺りはいくらでもテン場となりそうな感じ。右岸からハクチ沢が出合うと魚影も現れる。しばらく平凡な様相を下降すると急に
ゴルジュ。。。覗き込むと垂直に水が落ちており、釜も深く、下降は到底無理。巻きは左岸で、よく見ると立派なトラロープがついていた。ここまで釣り師が
入るのだろう。ゴルジュ内の4mと6m滝を巻いて降りたところで案の定2人の釣り師。そういえば世間は3連休だった・・・ 軽く会釈だけして通り過ぎる。
すると ”おぉーこれかぁー!” と前小屋沢のハイライトとなる20m滝。ここはザイルを出して懸垂するしかない。懸垂しようとしたところに古い残地カラビナと
曲がったハーケンが残っていたが、こんな物を支点にするのは超デンジャラスなので、となりの生きた灌木にザイルをかける。30mザイルでは滝の下まで
は届かないが、水流を横断してクライムダウンできる。降りて判ったが、左岸側から降りればザイルは要らなかったかも・・・
この滝を終了すれば三俣沢本流出合いはすぐそこだ♪ 出合いからこの20m滝が見えます!
時間はまだ11時。実は当初の計画では、三俣沢本流を上り、スルノ沢を遡行するつもりでしたが、時間もあるし、次回スルノ沢下降→宿堂坊沢遡行の
組み合わせを残せるので、急遽予定を変更してス沢を遡行することにした。遡行図持ってないけど、moto.pさんが難なく下降出来たって言ってたので、
まぁー問題ないでしょう♪
前小屋沢出合いとス沢出合いはすぐ近く。その間の三俣沢本流は広河原になっており、よいテン場になっている。実際、先ほど会った二人組の釣り師の
と思われるタープを発見。
ス沢出合いは顕著。いきなり垂直10m滝か!と思ったら古い堰堤でした。左から小さく巻く。ちょっと行くといい感じのナメ床が迎えてくれる。(1:3)二俣を右に
入り、随所に現れるナメ床とナメの小滝を堪能。3段8m滝、4mトイ状を超えると両岸30m程の岩壁となるが、沢自体は小滝が連続するのみで通過に苦労
することは無い。
ようやく滝らしい10m滝も水流左から3級レベルで快適に直登。4mナメ,5mナメを超えるとその上は、美しいナメ。「いや、いい沢じゃないですか!」と言いたく
なる。さらに5m程度の滝を越えていくと滝上で(1:2)の二俣。本流は右で小滝が連続して続いている。その上の3段10m滝も直登は問題無し。
ようやく源頭の様相になってくると左岸から涸沢が入ってきた所に8m滝。その上の(3:1)の二俣に出ると、なんと人影が・・・
「おーい!」と声を掛けると向こうもビックリしてた(笑)。
私より年齢が上の方々3人パーティ。鹿沼の愛好会で上から降りてきたとの事。下で泊って、明日はまたこの沢を登り返すそうだ。。。
「稜線からここまで50分かかったので、登りだと2時間くらいかかるんじゃないかな」と言われる。水もここで急に枯れてしまうようだ。。。
3人パーティに挨拶し、少し登ると本当にピタリと水が消えてしまう。笹藪を登っていくが、最初はひざ上位までだったが、次第に胸の高さを超えるような
密笹藪となる。30分強、藪こぎしてると、左に尾根筋が見えてくるので見えたら早めに左の尾根に出たほうが良い。やっとの思いで左の尾根に出ると
藪こぎから解放されるが、1927mピークを越え、左の大ガレを超えた所で稜線はコメツガ&ハイ松の地獄の藪こぎになってしまう。(左から巻く道有?)
30m程度で抜けれたから良かったが、ここでかなり消耗してしまった。県境尾根に出たのは3時過ぎ。3人パーティに言われたとおり2時間近くかかって
しまう。ス沢の遡行の半分の時間を詰めに使った格好だ。。。
県境尾根には明確な目印がないため、ス沢に下る際には適格なルートファインディングを要するであろう。
ここからは宿堂坊山方向に進み、栃木県側に降りればどこを降りてもネギト沢にぶつかり柳沢川に出られるが、あまりに適当に下ったため、なかなか沢に
出ず。またまた笹藪漕ぎをしてしまう羽目になってしまった。ようやくネギト沢に出た時にはもう林道が通っており、方向を確認し無事柳沢川に出た。
P.S:前小屋沢もス沢も沢自体は簡単で癒し系です。ただス沢は水が涸れてからが長いです。奥日光の三右衛門沢は詰める沢筋で三俣沢源流域のいろんな沢に
アプローチできるので、利用価値は高いです。三俣沢本流で1泊でしたらハイブリッドバスも利用できますし、釣りをしながらのんびり遡行ができるはずです♪
ザイルは30mで足ります。
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