2008年8月12〜14日 南アルプス 大井川 赤石沢

メンバー:現場監督さん、Nabさん、Hirさん、やますきーおさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m 2本、靴:フェルト
遡行図はこちら

ちょうど1年前の夏、やますきーおさんから「来年赤石沢にいきません?」と声を掛けられた企画が今回実現。
ちょうど、静岡グランシップでのオーケストラコンサートが入ったので、車にトランペットとザックを積んで静岡入り。
コンサート会場のグランシップのある東静岡駅で現場監督さんと待ち合わせ。栃木からくるNabさん、
Hirさん、やますきーおさんと畑薙ダムで合流。"静岡の夏"後半戦が始まった。

初日
7:00畑薙ダム発→8:10赤石沢入渓→12:00取水堰堤→12:20北沢出合→14:30門の滝上
16:05大ガラン上で行動終了

椹島を起点とする沢は、東海フォレストのバスを利用しなくては行けないので、このバスの搭乗権利を得るために
行動時間に"縛り"が発生するので、結構面倒。

さてさて、ハイシーズンには7時に臨時バスが出る情報をよっしぃーさんの記録から得ていたので、6時起きで準備。
そうしたらやはり、7時に臨時バスがやってきた♪

牛首峠で降ろしてもらい、赤石沢に下りて入渓準備。Nabさん、Hirさん、やますきーおさんは、赤石沢遡行後、光岳
まで縦走する計画なので6日分の食料を持って来ているのでかなり荷物がヘビー。。。
牛首峠から
さぁ、出発しましょうか!
イワナ淵(水量は少ないようです)

取水堰堤で大分水が減っているとは聞いているものの、まぁ普通に水は流れている印象。とはいえ、残地ハーケン、
残地シュリンゲが異様に高い位置にあるのを見ると、当時の遡行の厳しさが伝わってくる。
取水堰堤までは、巨岩の間から落ちる滝はあるものの、滝らしい滝は無い。"ニエ淵"ではザイルを付けて泳ぎ、
左岸の壁に取りつき経つって突破。
その他に残置ボルト/残地シュリンゲにつかまりトラバース下降する小滝あり。”神ノ淵”は水量が少なければ問題
無いが、水量が多くなるとかなり困難になる筈だ。
ニエ淵(カーソルを当ててください)
右岸から10m滝
神ノ淵

ゴルジュを抜け、広河原になると取水堰堤もすぐ。。。各々、魚道や、中央を駆け抜けて突破等など、思い思いに
堰堤の上に立つ。

取水堰堤上はどんな激流が待ち構えているのかと思ったら

            『・ ・ ・。。。 あんまり変わんないじゃん。。。(^^ゞ』

取水堰堤を超えると前北沢が左岸から入り、さらに少し進めば早くも北沢出合い。ここの右岸に立派なテン場がある。
この辺りから赤石沢由来の赤岩が散見される。
取水堰堤を超える
北沢出合
扇の淵

北沢出合から門の滝までもテン場はいたる所にある。
門の滝は写真で見た以上のスケールで全員圧倒される。左壁を1段上がり、滝に近づいていく。通常は右岸を巻く
そうだが、よっしぃーさんは、水流すぐ右の壁を直登したらしい。しかし、メンバー全員

「ちょっと難しいんじゃないのー」

という事で意見は一致。 右岸の高巻きも結構な高巻きになるので水流を横断して左岸を覗いてみると。
ルンゼから容易に灌木帯に取りつけるようなので、ザイルを出して左岸の巻きで超える。思ったとおり、うまい具合に
抜けれたが、水流すぐ右岸側の壁の直登は上から見ても非常に難しそうで、謎が深まるばかりだった・・・
門の滝
左岸に移動
ルンゼから灌木帯に入る

「核心は終了?」と思ったら、この上にA0、4級+という核心CS滝があるとの事。。。少し進むと、その滝が現れた。
大岩下の空洞に残地シュリンゲがぶら下がり、上に洞穴が空いている。
ここは現場監督さんと私が空荷でクリヤー。最初の1歩は完全腕力勝負だった。残置支点は多数あり。
核心の巨大8mCS滝
洞穴と残地シュリンゲ
空荷でクリヤーする

ここから先は、巨岩帯。右岸に大ガランと呼ばれる大ガレでこれを巻くと、絶好のテン場が散見される。
時間は16時過ぎ。今日の行動はここで終了する。 ここで、やますきーおさんが、釣りで大活躍!!!
メーター超えのビッグファイヤーを上げ、今日の疲れを癒した。
巨岩帯
大ガランで巻く
祝宴!


2日目
7:00出発→7:55大ゴルジュ手前→10:30大雪渓沢出合→11:40裏赤石沢出合→12:35百闢エ沢出合、
14:13同発→16:50百闢エ小屋着

遡行を開始してすぐ、巨岩帯に入る。あまり良いテン場が無いので、手前で行動終了して正解だった。赤ナメを快適
に過ぎ、出発してから1時間弱で大ゴルジュに到着。ここで、単独遡行者を発見。今日はここで泊まったようだ。
出発してすぐに巨岩帯
赤ナメ
大ゴルジュ、正面はシシホネ沢(カーソルを当てて!)

大ゴルジュは左岸からも巻けるのかと、取り付いてみたがダメで。セオリー通り右岸の巻きにはいる。シシホネ沢を
25mくらい上がると明瞭な踏跡がある。これを使い登っていくが、途中ザイルを出した方が良いくらいの急傾斜になる
所で(沢床から60mくらい上がった所か?)やますきーおさんが赤テープを発見。ここでトラバースをかけ、対岸にナメ滝
を見るところで下降を開始する(懸垂無し)。3〜40分もあれば高巻き出来るだろう。
大ゴルジュ
左岸は絶望的
高巻き終了点

右岸から小雪渓沢、大雪渓沢が入ると左岸にテン場が散見される。沢が右に屈曲する所に大釜を持つ4m滝。
左壁を経つって小さく高巻くと、広河原になり左岸から2段12mのみごとな滝で出合う裏赤石沢が入る。

大雪渓沢出合
大釜を持つ4m滝
裏赤石沢出合
本流の様相

この先、本流はゴルジュっぽくなるが通過に問題は無く、2条12m滝をこえると、百間洞沢出合いに到着。沢が左右に
別れるような出合いになっており、水量比は(1:1)。
時間は12時半過ぎ。。。ここから百間洞山の家まで2時間との事なので、大休止。やますきーおさんが竿を出すと。
いきなり大型イワナをGET! 刺身で堪能する。さらにさらにやますきーおさんが釣上げるので、火を起こして半分
行動終了モードになってしまった(笑)
2条12m滝
2条12m滝から赤石岳
百闢エ沢出合い付近

百間洞沢に入ると滝が多くなるという記述もあるが、概ね平凡と言うのが正解でしょう。間洞山の家の浄化槽が
完全ではないので、本流の水はあまり飲まない方が良いと、Hirさんの助言あり。
左岸から2条で落ちる30m滝は見事でここから少し進むと百間洞沢最大の15m滝に出る。直登は不可能で、
右から小さく巻くがトラバースが一箇所悪いので注意。

15m滝を過ぎると源頭の様相を見せ。百間洞山の家に到着する。相当早い時間に小屋に到着しないと食事は
出してくれないらしいので、素泊まり前提で計画した方が無難だ。
5m×2滝
2条で落ちる30m滝
15m滝


3日目
6:15百闢エ小屋発→8:30赤石岳→9:56赤石小屋→12:00椹島

百間洞小屋から椹島までコースタイム8時間の長丁場、バスの最終が14時の為、光岳に向う3人に別れを告げ早めに
出発する。百間平までの登り、赤石岳本峰の登りは結構きつい。
赤石岳避難小屋は基本的に素泊まりのみだが、レトルトくらいなら食事も食事も提供してくれるそうだ。20分程度視界
は開けたが、赤石岳山頂では視界は無く、とても寒いので、そそくさと下山を開始する。
赤石小屋に到着すると、『赤石岳へ登り3時間、椹島へ下り3時間半』という看板があったが、実質1時間45分で下れた。
これが赤石小屋の収益戦略の一つかは定かでない・・・
まぁバリエーションやる人は赤石小屋から2時間半みておけば充分でしょう。
赤石岳基部から聖岳方向

P.S:赤石沢は水量が少なければ、特に難しい所はありません。テン場はいたる所にあり
  (遡行図参照)、初日大ガランを越えておけば1泊2日で抜けられるでしょう。ザイルは30m1本あれば充分です。

遡行図(クリックして)
赤石沢概念図(クリックして)


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