2009年3月21日 奥多摩 峰谷川 坊主谷シダノ沢→茂窪谷下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
地図:丹波
遡行図はこちら

多摩川流域でも全く遡行していない峰谷川流域。WEBで検索してみると、以外に水量があり
岩盤も発達しているようで楽しそう。単独で3月ということもあり、滝の登攀レベルに問題の無い
坊主谷を遡行。ただ、これだけでは物足りないと思い、予習ゼロでモクボ谷を下降することにした。

アプローチ:CR:X
4:00自宅発→(県道3号、R16)6:20青梅駅通過→7:18坊主谷着
7:37出発→10:25中ノ谷二俣→11:55シダノ沢/坊主小屋沢出合→12:36登山道着
→13:08モクボ谷下降開始→15:40林道→15:55坊主谷基点着

携帯(Softbank)は、奥多摩湖ダムが見えなくなると急に繋がらなくなる。待ち合わせをするときは要注意。
国道である峰谷橋の手前で峰谷川沿いの舗装道路をしばらく進み、三沢橋を渡ってすぐに左に伸びる未舗装の
林道を入る。私の車で問題無いので、4WDなら全く問題無い。最初に顕著な橋を渡ったところが坊主谷だ。
駐車スペースは坊主谷に掛る橋の所に2台分のスペースがあるだけなので、車を1台に纏めて、アプローチした方が
無難だろう。
三沢橋(ここを左に入ります)
坊主谷に掛る橋と駐車スペース
坊主谷

入渓準備を整え、入渓、2つの堰堤を超え、平凡な様相を進むと、沢が左に折れた所に最初のゴルジュが現れる。
ゴルジュの入口には3mCS滝。水流は強く、正面突破は不可能だ。ガイドでは右岸高巻きと書いてあるが、
右壁を2mほど登り、経つって超えた。ゴルジュ内に入ると6m滝。左のバンドを利用して超えるが、途中に
残置シュリンゲが掛っていた。同じハーケンに3本も掛っているので、綺麗なものを2本いただく。ちなみにA0する
必要もなく6m滝を超えられる。次の4mは容易。ゴルジュ最後の6m滝を水流右を直登するとゴルジュが終了。
3mCS滝(カーソルを当てて)
6m滝
ゴルジュ最後の6m滝

ゴルジュが終了しても両岸の岩盤が発達しており、よい感じ。堰堤を超え、右岸のガレを見上げると林道の
ガードレールが見えた。どうも通ってきた林道は、ここまで伸びているようだ。 沢に目を戻すと幅広の5m滝
釜を左から回り込んで直登する。次の6m滝も左の水流を直登。
右岸ガレ上に林道が!
5m幅広滝
6m滝は左の水流を直登

ここからは、ナメ床混じりに小滝という様相が続き快適に進む。左岸から枝沢が入ると9m滝が見える。
一見、直登は難しそうだが、近づいてみると水流左が直登出来そうで、取り付くと意外と容易に登れた。V
快適な様相
3条3m滝と9m滝
9m滝は水流左を直登(カーソル当てて)

9m滝上にある4m程度の小滝はすべて快適に越えて行く10m3段ナメは傾斜が緩いので問題無し。少し進むと
小滝の奥に2段の大滝が見えてきたその大滝の前衛の7m滝は左から小さく巻く。右のバンド状をトラバースルート
もチャレンジするには楽しいかもしれない。
9m滝上の4m滝
10m3段ナメ
大滝前衛の7m滝

滝上に出ると坊主谷のハイライトとなる2段16m滝。水流左壁を容易に直登出来るのは一目瞭然。なので2段目
水流右の凹角にTRY。最初の4mをクリヤー出来れば上部は簡単そうだが、この4mがちょっと渋め。W+
2m登って悩んだが、弱気になってクライムダウン。おとなしく、2段目も水流左を登った。V-
2段16m滝(カーソルを当てて)
2段目水流左の凹角ルート

2段16m滝上には9m滝が行く手を塞ぐ。2段16m滝を登った左壁をそのまま登りきって、この9m滝を一緒に
巻いてしまう事も可能だが、ここは水流右のバンドを利用して落ち口に向かって行くルートで行きたいところ・・・
ちょうど、途中に良い灌木があり、そこにトラロープがある。ただ、このトラロープ。深い釜の上にぶら下がっており
利用する事は出来ない。右壁を経つってトラロープがぶら下がっている灌木を目指すのだが、ここが
いま一つ悪い感じ。慎重に足を運んで灌木にたどり着く。ここからはバンド状を慎重に上がり9m滝を終了する。V+
このすぐ上の6m滝は右から容易に越えられるが、敢えて左のクラックに取りつき直登する。V
9m滝(カーソルを当てて)
9m滝途中の灌木からバンド状
6m滝は左を直登

これで、坊主谷の核心部は終了。3段6m滝を超え少し進めば、中ノ谷との出合いになる。ここは右に入る。

3段6m滝
中ノ谷出合(本流は右)

中ノ谷もそうだが、この辺りからワサビ田の跡が見え隠れするが崩壊が激しい。小滝と石積み堰堤
を織り交ぜ進んで行くと、割と見事な6mナメ。さらに進むと、ワサビ田用の取水堰堤が現れる。
これを超えて少し行くと左にシダノ沢右に坊主小屋沢を分ける(1:1)の二俣となる。今回はモクボ谷の下降を
考えているのと、坊主小屋沢の記録は多数あるので、左のシダノ沢に入る。
6mナメ
取水堰堤
シダノ沢/坊主小屋沢出合

シダノ沢に入るとすぐに(3:2)の二俣。ここは水量の多い左に入る。ナメ床風な所もあるが概ね平凡。多段12m滝
2段8m滝は特に問題無い。水も涸れ、沢形を詰めると奥多摩では珍しく笹藪漕ぎとなる。杉林が見えてくると、
笹藪も無くなり、日陰名栗山のトラバース道に出た。
シダノ沢入ってすぐにの(3:2)二俣
多段12m滝
終了点のトラバース道


さて、モクボ谷の下降だが、稜線沿いの登山道と日陰名栗山のトラバース道が合流した所をさらに西に進むと顕著な
窪が入るのでここから下降を開始する。しばらくガレた谷筋を下って行く。下降に問題無くノーザイルで降りられる。
水が現れ右岸から(1:1)の水量で沢筋が入ると崩壊したワサビ田跡となる。その先もワサビ田跡は点在。
登山道から見たモクボ谷下降点
崩壊したワサビ田跡
ワサビ田跡は点在

さすがに、ガイドでは取り上げていない沢なので、「平凡のままで終わってしまうのか・・・」とのんびり焚き火をしていたが、
この後に出てくる滝場の連続にちょっと焦ることになる。(笑)

右岸の崩壊地を過ぎると滝場が続くようになる。7mナメ、5m滝を小さく巻いて降りると左岸から7m滝で出合う見事な
沢筋が合流する。水量比は(2:1)。
7m滝(上は崩壊地)
(2:1)二俣 左から降りてきました。

水量が増え、両岸が立ち気味になってくると、5m、7m4mと連瀑。クライムダウン出来るような代物ではなく、
右岸を小さく巻く。枯葉が堆積しており、この巻きには足もとの注意が必要だ。
沢床に降り、小滝をクリヤーしていくと、2段6m8m滝となり、これらも右岸を小さく巻いて降りる。8m滝の左岸は
高さ40mくらいの壁になっている・・・
7m滝と4m滝
2段6m
8m滝(写真左を巻いて降ります)

ナメ床混じりの沢床と小滝を下りて行くと、石積み堰堤となる右岸からは顕著な沢筋が入り、その沢筋には
地図には載っていない顕著な登山道(?)がつけられていた。ここからは石積み堰堤が続くが、一部崩壊している
右岸登山道を利用して下って行く。すると現在もつかわれていそうな作業小屋と、現役のワサビ田が見え、
左岸に林道が現れた。
この林道を15分も下れば、基点となる坊主谷に到着する。
右から降りてきました。ここから登山道が右岸にあります
金網で囲まれた現役のワサビ田
林道は一部崩壊中


P.S:坊主谷はどの滝も簡単に巻けるので安心して遡行できます。沢慣れした人は、巻かずに直登して行けば
   結構楽しめると思います。モクボ谷は概ね平凡ではありますが、下流部の滝場は直登するのは結構難しい
   でしょう。小さく巻けますが、スリップしそうな所もあるので足もとには注意してください。
   ザイルは使いませんでしたが、30m1本持って行けば十分だと思います。

坊主谷→茂窪谷下降 遡行図

沢登りトップへ    その空の下で。。。トップへ




inserted by FC2 system