2009年4月11日 丹沢 中川川大滝沢本流(鬼石沢)→地獄棚沢右俣下降

メンバー:Kamiさん、Mikanさん、ひろた
装備:ザイル8mm×50m、9mm×50m、8mm×20m、靴:フェルト
地図:中川
遡行図はこちら

今回、土日の二日間で、丹沢 女郎小屋沢狙いで計画を立て、Kamiさん、Mikanさんが
参加表明。メンバーの経験を踏まえ、もう一日を大滝沢本流遡行とし、登る事は
一生無いだろう、地獄棚沢の大滝と雨棚を見るため、地獄棚沢を下降することにした。

アプローチ:CR-X
2:52自宅発→3:47谷和原IC→4:26用賀(R246)→5:10厚木→5:40渋沢→6:00道の駅山北

7:26東海自然歩道登山口発→8:00一軒屋非難小屋、8:08大滝沢入渓→9:12 20m滝上
→10:40稜線着→11:36大滝峠上(東海自然歩道登分岐)、11:45地獄棚沢下降開始
→12:28 右俣/左俣出合→14:18 F1 50m滝下降終了→14:35雨棚下(雨棚巻き登攀)
→16:23東海自然歩道→16:53基点登山口着

丹沢湖周辺でも携帯が利用できる事はわかっていたが、良い駐車スペースを知らない為、道の駅山北を集合場所
とした。行動時間短縮のため、登山口まで車で入る。駐車スペース3台分有。
 ここから"東海自然歩道"と呼ばれる一般道を一軒屋非難小屋まで30分の登り。
ちなみに、マスキ嵐沢を越え、大滝沢本流が再び見える箇所に左に伸びる道があり、地獄棚沢出合に出れる。
雨棚から登りたい人は、ここを利用すると良いでしょう。
一軒屋非難小屋は割と綺麗。大滝沢本流右岸に付けられた道をりようして堰堤をひとつ越えた所で入渓。
登山口
一軒屋非難小屋から大滝沢へ
水は少ないです

本流という割には水が少なく平凡な様相。ナメ床が見えてくると、いきなり10m滝が現れる。Mikanさんは”左岸巻きかなぁー”
と思ったそうだが、近くで見ると水流左が登れそうなので取り付いて見ると割と簡単に登れた。二人にはザイルを出す。

すぐ上の3m滝先に20m滝が見えている。実際近くで見ると20mは無い感じ。ガイドには直登出来ないと書いてあるが、
上手くルートをつなげれば登れそうだったので水流左から取り付く。4m登って水流右に横断。ここに残置ハーケン有。
ここから水流沿いはツルツルなので右斜めに延びる凹角を登るが、ここの4m程の登りがスタンス、ホールド共に細かく
核心となる。フリクション勝負に近いかも・・・
あがり切った所に残置シュリンゲがあるので支点を取って水流に向かう。
凹部には枯葉が堆積しており、掃除しながら登る。途中クロモリを見つけたので回収して直上して終了。W
KamiさんとMikanさんはテンションしまくりだったが、なんとか登ってきた。
この10m滝と20m滝は簡単に巻けるが、これを巻いてしまうと、もう"登る"という感覚の滝はなくなってしまうので注意。
10m滝(カーソルを当てて)
20m滝(カーソルを当てて)
20m滝。この辺りが核心です。

20m滝上は平凡で1箇所小ナメ滝を越えると堰堤が現れ、この上は伏流となる。この先で伏流どうしでぶつかる二俣は
左に入る。5mナメ滝が見えたところで水流が復活。この上からナメ床となるが、数日間雨が降らなかった事もあってか
水流は少ない。

大岩が4つ、5つ折り重なったところは、敢えて岩の間を掻い潜って越えた。この先の二俣は左を入る(赤テープ有)
5mナメ滝
大岩が4つ、5つ折り重なったところ
ここは左に入る

少し進むと大岩が乗った堰堤が出没。この堰堤上の二俣はどちらも水が滴る程度にしか流れていない。
ここは右に入る。2段7m滝は傾斜も緩く容易。Kamiさんが右から小さく巻こうとするので、強制的に直登させる(笑)

堰堤を越え、2つのCS小滝を越えれば稜線もすぐ。薮漕ぎも無く11時前に稜線に到着する。
大岩が乗った堰堤
2段7m滝(滝とは言わないかも・・・)
あっけなく稜線到着♪

当初、稜線に12時半以降に到着したら、二人には地獄棚沢の下降ではなく、東海自然歩道での下山をしてもらうと
伝えておいたが、予定通り全員で地獄棚沢右俣の下降をする事にした。
 尾根に付けられた明瞭な道を進むと、東海自然歩道の分岐。ここには道標やテーブルなどもあるので間違う事は無い。
ここから南に進めばどこを降りても地獄棚沢へ降りれる。我々は、東海自然歩道の分岐から30m程度南に進んだ
ところで、下降開始。
しばらく下降すると、急に水が湧き出てくる。7mナメは右岸側から簡単に巻いて降りれるようだ。
自分は左岸を苦労して降りたのでよくわからない(^^ゞ
東海自然歩道の分岐
藪こぎ無く沢形へ下りる
7mナメ

ここからはナメ床が続き、快適だ。大滝沢本流より全然良い。5mナメ、4mナメ、6mトイ状滝はすべてクライムダウン。
すると、作業道の木橋がかかりそこに10m滝。Mikanさんは右岸を小さく巻いて降りる。私とKamiさんはクライムダウン。
6mトイ状滝
10m滝の下降
10m滝全景

沢は直角に曲り(1:1)の二俣。ここが左俣/右俣の出合いとなる。ここから両岸が立ってきて、20m滝。Mikanさんと
Kamiさんは灌木に支点を取り懸垂。私は下から見て水流右をクライムダウンしていく。
左俣/右俣出合
20m滝のクライムダウン
20m滝(カーソル当てて)

2条5m、4m滝を下りると、15m滝。これは全員懸垂下降で降りる。登る場合は水流左でしょう。12m滝も懸垂下降。
この滝を登る場合も水流左か? 一見、直登不可能にみえるが、近くでみると何となく登れそうな感じはするが、W+
まぁ誰かにTryしてもらいましょう♪
15m滝
12m滝
12m滝水流左の直登ライン

この下の6mナメは私はクライムダウンするが微妙なので、二人は懸垂で降りる。 3mの小滝を下りれば、いよいよ
メインの地獄棚沢の大滝となる。バンジージャンプの飛び降り台の様な落ち口からの眺めはすごいものがある。
水流下から見て右に、古い残置ボルトが2つあるが、古すぎてここに支点を取る気にはなれず灌木を支点に取る。
ザイルは50m1本の場合は下から見て右側に移動しながら懸垂し、2階の懸垂で下降出来ると思う。
今回は、この滝のために50mザイルを2本用意。実際ザイルを垂らすと、45mでもOKだろう。

「では、行ってきます!」

といって私が最初に下降。岩はツルツルなので登るのは相当困難だと思う。昔、ここをルート開拓した人は本当に
凄いと思うよ・・・
大滝です
行ってきます(^^)/
大滝全景(画像をクリックしてください)

こうして地獄棚沢は終了したが、ひとつまだ残っている・・・

そう、大滝沢本流の”雨棚”である。丹沢で『最難度』と聞いているもので、私はまだ実物を見たことすらない。
直登はしないとしても、この”雨棚”をせめて見ておかないと大滝沢本流遡行とはやはり自分の中では完結しない。

地獄棚沢大滝下の二俣を右に入る。。。すぐに雨棚かとおもったら7m滝が行く手を阻む。滝上には雨棚見物帰りの
懸垂支点と思われる綺麗な残置シュリンゲが岩にくくりつけてあった。
ゴルジュを抜けると雨棚が現れた! 西日が滝を照らし、人を寄せ付けない不気味さよりも、美しさの方が上回っていた。

・・・さて、どうやって帰ろうかということになり、右壁を見ると、何となく登れそうだったので、雨棚をザイルを出しての
巻き登攀(?)をすることにした。しかし、乾いたところから取りつくが、いきなりザレてて、難しい。自分の打った
ハーケンに足を乗せてなんとか這い上がり上がり易いところ選択したら、残置ボルトが固め打ちしてある所に到着。

いかん、いかん!直登ルートに来ているではないか・・・

これ以上、上にあがったら、右に逃げれなくなるので、ここから右にトラバース。その上も良いスタンスが無く
草つきとザレのMIXみたいなところを、慎重に上がっていく。信用できる灌木にたどり着いてようやくホッとする。
さすが”雨棚”巻きも難しい。Kamiさん、Mikanさん共々、テンションしまくりで上がってきた。スミマセン・・・
雨棚50m(カーソルを当てて)
ここから右に移動
草つき&ザレ(カーソル当てて)

ビレイポイントからも灌木を掴みながらの渋い登り。右に進むべきところをMikanさんがまっすぐ直上。
「そっちは灌木少ないし無理なんじゃない」といったが、そのまま進み、案の定ハマって身動きとれなくなっている。
仕方なく右から回り込んでザイルをだして右にトラバースさせる。ひと頑張りで地獄棚沢出合いから伸びる踏み跡に出る。
これを詰めると東海自然歩道に出た。

P.S:大滝沢本流はトップロープ以外では登攀不可能な雨棚を除けば、序盤の二つの滝を巻いてしまうと、
   後は何もないといっても過言ではなく水も少ないので、遡行するより、下降のルートとして考えた方が良いでしょう。
   一方、地獄棚沢は水量も多く、最初の大滝を巻いて登ったとしても充実した遡行が出来ると思います。
   今回、雨棚の巻き登攀を加えた事で一通りの滝に触れる事が出来、満足です。

遡行図(クリックして)

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