2009年4月29日 南アルプス 富士川支流 戸栗川 温井沢

メンバー:shunrinさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
地図:南部(静岡)
遡行図はこちら

4/29から高速道路が首都圏を跨いでも1000円の2重取りが解消される事もあり、以前から狙っていた
戸栗川流域に足をのばす。GW連休とは言え、”4/30は平日・・・”という事に気づき、1泊2日で寒沢の下降
をする事を断念。この流域でもっとも取り付きやすい温井沢に的を絞る。うれしい事に急遽shunrinさんが
加わってくれる事になり、不安が大分薄らいだ。。。


アプローチ:CR-X
2:10自宅発(真岡ICから高速)→3:05久喜IC→3:53用賀IC→4:16厚木IC→4:30大井松田IC→5:17富士川SA着、
6:13富士川SA→7:05栃間橋着

8:07栃間橋から入渓→10:50 2段20m滝下→12:57 13m滝上(エスケープ可能な赤テープのついたルンゼ)
15:10十枚山登山道着(終了点)、3:25下山開始→4:10十枚山登山口着

shunrinさんとは、富士川SAで待ち合わせ。ETC専用のスマートICがあり、ここから出れると、手前の富士ICで
降りるよりアプローチしやすいのでお勧め。国道52号線から戸栗川沿いの県道に入るとSoftbank携帯が、使えなく
なるので、注意。コンビニもR52ですら少ないので、高速を降りたら早めに買い物を済ませておいた方が良いでしょう。

戸栗川沿いの県道を進み。1/25000地図の通りに西俣川/南俣川に別れる林道を右に入る。道は未舗装部分が
多くを占めるが、車の往来は多いようで、私の車でも問題無く走れる。地図の通りに林道が伸びており、入渓点の
栃間橋に到着 橋に名前が刻まれているので、間違う事は無い。駐車スペースは橋の手前、2ヶ所、計6台は
停められる。

入渓準備している最中に「そーいえば、車2台なので、下山口に車をデポしておこう!」と、遅まきながら気づき、
十枚山登山口に車をデポしに行く。成島側から見て、栃間橋300m位手前の分岐を左に入って約5km弱。
はっきりとした登山口の看板があるので、夜でなければ見落とす事はない。ここには車2台位は停められる。
ここに車をデポ出来ると、下山が本当に楽なので、強く勧めます。
戸栗川の県道の南俣川/西俣川分岐
栃間橋と駐車スペース

栃間橋に戻り、入渓・・・! と思いきや、栃間橋下は暗いゴルジュになっており、初っ端から極悪の様相・・・
沢床に降りるといきなり脱出不可能になりかねないので、左岸を5m程降り踏み跡を利用しゴルジュを巻く。
前方に堰堤が見えるので、堰堤上まで左岸を巻き。ここから入渓する。少し進むと2段8m滝、いきなり初っ端
でザイル出しの登攀はキツイので、右の枝沢に取りついて小さく巻いた。
いきなり極悪の様相
堰堤上から入渓
2段8m滝(右の枝沢を登って巻きます)

この先、5mナメで始まるゴルジュに突入。いきなり13m直瀑が全く手がつけられず、左壁を登る。踏跡もあるが
かなり手前から巻いている模様。13m直瀑すぐ上にも9m滝が垂直に水を落としており、一緒に巻く。
高巻きを終えると、嘘のように癒し系の様相となる。作業道の橋が掛けられ、その先に再び堰堤(平成3年モノ)が現れ、
左から超える。
5mナメで始まるゴルジュ
13m直瀑
作業道と堰堤です

ここからまた癒し系の様相。右岸から15m滝で出合う枝沢を見送ると、8m2条滝が行く手を阻む。超〜ガンバレば
水流左に可能性を見いだせるが、ここは”ムリヤリ登る丹沢”では無いので左岸から小さく巻いて超えた。
このすぐ上にはたっぷりと水を落としている4m滝。二人ともフリーで水流左を超える。
15m枝沢が入る(これが温井沢の典型的な様相です)
8m2条滝
4m滝

4m滝上で沢は右に折れ、すぐに7m滝。ホールドスタンスとも多いが、脆く、非常に滑るので二人とも慎重に登った。
その上の3m幅広滝は右から経つって取り付く。この上でインゼルとなり、しばらく進むと、一旦開けた様相になる。
左岸に白いガレを見ると沢幅が狭まり、2m、4mと滝が続く。手前の2mは落ちても怪我はしないが、かなり微妙な
経つりとなる。
7m滝
嘘のように開けた様相
2m滝の微妙な経つり

この上に、すぐ、4段15mナメ。威圧感は無いが、とにかく滑りやすいので、取り付くと意外と怖い・・・ 
右の乾いた所を行けば簡単だが、意味無く頑張る
この先、少し進むと顕著な二俣。水量比は(4:1)。本流の左に入ると、ナメ床が現れる。左6m、右5mのインゼル滝
は、shunrinさんが右、私が左の滝を直登。
4段15mナメ
(4:1)二俣
インゼル滝 左6m

インゼルが終了すると、2段20m滝が現れる。登って判ったが、全4段30mはある大滝で、下からは2段しか見えない。
下段7mは瀑芯を右から左へ潜り抜け斜上。上がりきった所から段をあがるが岩が非常に脆いので注意。
shunrinさんにはお助け紐を出してセルフビレイを取ってもらい上がってもらった。2段目13mは水流右が登れそうだが、
とにかく岩が滑るのでザイルを出す。階段状で十分なスタンスがあるが、一か所思い切りが必要な所があり、
ハーケンでランニングを取って、滑る岩をあがる。Vだけどツルツル。3段目、4段目はshunrinさんがそのままザイルを
伸ばし、右に逃げる。、私は4段目も直登して終了した。
2段20m滝(カーソルを当てて)
下段の突破
2段目13m(カーソルを当てて)
下から見えない3,4段目

ここからは4〜5mの小滝が続くが、全部直登を試みようとするとかなり渋い。もちろん一つ二つ巻いた・・・
右岸から12m滝で出合う枝沢を見送ると。大岩が沢の真ん中に鎮座しその上で(4:1)の二俣となる。
幾条にも落ちる水流が実に素晴らしい。しばし見惚れる・・・

「・・・で、ここは、どこから越えるんだ???」

まぁ簡単なルート取りも可能だが、ここは一番左端の5m弱の水流の左をシャワーで登る。滝上には出れるが
そこから水流の強いツルツルナメ。足を滑らせれば下に落ちてしまうので割とチャレンジングなルートと言えよう。
shunrinさんにはお助け紐を出すが、フリーで超えてきた。
12m滝で出合う枝沢
(4:1)二俣 (カーソルを当てて)
ここで足を滑らせるとヤバイ

この上の5m滝は超えられず左岸巻き。その先に見事な13m滝「まだあるんだ・・・」とshunrinさんは、お嘆きの様子。
確かに結構登っている筈だが水量が減らないのだ。。。とにかくこの滝も直登不可能で左岸を高巻く。
すると、13m滝上で右岸から涸沢が入り赤テープが続いている。。。おそらくこれは登山道へのエスケープルート
なのだろう。この滝の上からは幕営場所が点在する。左岸から枝沢が入ると、15m滝。これも取り付ける代物では無く、
右岸を高巻く。獣道(?)を見つけ利用すると滝上に5m滝があり、これも一緒に巻く事が出来る。すると、(1:1)二俣
これは左に入る。
13m滝(左岸高巻き)
15m滝(右岸高巻き)
(1:1)二俣

すると、今度は10m滝。水流左に取りつくのがセオリーだが、やはり岩が滑るので、ホールドが1か所でも甘いと
不安。水流から離れて、近づくという逃げ気味な登攀で滝上に出る。一応巻きは右岸。
この上は多段状の滝。傾斜は緩く快適に越えられる。 この先3m弱の小滝を右から超えようとしたら、人工的に
石が積まれているのが判り、ここがワサビ田跡である事がわかる。何でこんな高いところに・・・
10m滝
多段状の滝
左岸にワサビ田跡(?)

この先2本左岸から枝沢が入る。ようやく源頭の様相になるが、水はまだかなり流れている。
しばらく詰め上がると、左岸の岩壁から水が流れ出しているのが見えてくる。沢形は左にガレとなり伸びていた。
温井沢の始まりはこの岩壁から流れ出る水流だった。。。 この湧水を飲みながら休憩。

源頭の様相
左岸岩壁から水が流れ落ちる。

さて、本流筋である筈の沢形のガレだが、150mも進めば終わってしまいそうなので、右岸の子尾根に取りつき
登山道を目指す。藪こぎは無く30分の登りで登山道に出た。藪漕ぎになる詰めもあるようなので、早めに右岸に
逃げたほうが良いようだ。
本流筋(右)の様相
右岸の小尾根を詰める
十枚山登山道

時間は3時過ぎ。。。下山にどれくらい時間が掛るのだろう???と思ったが、shunrinさんの面白い話で笑っていたら
あっという間に林道に到着。1時間掛らなかった。ここから林道の長い下りを考えると、やはり車をここにデポしておく
のが良いでしょうね。

P.S:登れる滝は少ないですが、美しい沢です。戸栗川入門と言っても良いのではないでしょうか?
   滝の直登は岩はツルツル、モロモロなので注意してください。ザイルは30mで十分でしょう。幕営ポイントも多いです。
   登山大系の遡行図はさすがに古いです。
   アッ! この沢、”ヒル”が多いそうですが、もちろんこの時期は、気温も高くないので全くいません。ご安心を!





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