2009年5月9日 奥多摩 峰谷川 雨降川長久保沢→倉戸沢下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m(使用せず)、靴:フェルト
地図:奥多摩湖
遡行図はこちら

有名な雨乞滝を有する雨降川。短い沢ながら滝が多いらしい。上級とランクする記録もあるだけに
単独では少々不安もあったが、倉戸沢の下降も交え、行ってみる事にした。

4:05自宅発→5:07久喜IC通過→6:18青梅→7:15雨降川出合着
7:27遡行開始→9:11棚沢出合→9:35雨乞滝下→10:40大平沢出合→12:37稜線登山道
→13:07倉戸山(倉戸沢下降開始)→14:45基点駐車場着。

雨降川は榧ノ木山を水源とするR411号から峰谷橋の所で右に入り、小学校の入り口を過ぎて沢らしいものが
右手に見えたら雨降川だ。"雨降橋"というものがなく、橋すら架かっていないので入渓点を間違えない事。
駐車スペースは2台あり、その奥に10台ほどのスペース(地震観測所跡地)ある。携帯(Softbank)は奥多摩湖の
ダムが見えなくなると使えなくなってきて、当然、ここでは繋がらない。

駐車スペースから入渓するが、堰堤があるので、地震観測所跡地から伸びる遊歩道を利用して堰堤上から
入渓した方が良いでしょう。 堰堤を越えると、すぐに右から倉戸沢が入る。
今日は、これを下降してくる予定だ。昨日までの雨の影響で今日は水量が多めか・・・?
雨降川入渓点
倉戸沢出合い

正面の雨降川はゴルジュになり、奥で4m滝が右から落ちている。このゴルジュも左岸遊歩道で簡単に巻けてしまうが、
ゴルジュに入り、4m滝は水流左から直登する。沢は左に曲がり、少し進むと4m滝上に取水堰堤。 
これをこえ、釜を持った3m滝を右を経って取り付く。その先は4m滝と12m滝12m滝は"東京周辺の沢"では右岸を
高巻いているが、水流右を1段上がった所から右に逃げれば小さく巻けると、思い水流右に取り付いたら、
そのまま水流沿いを直登出来そうだったので、ルート変更。V級レベルで滝上に出た。水が流れている所の岩は
フリクションもあり、安定しているが、ちょっと水流から離れた所の岩が脆いので確認しながら登った方が良い。
4m滝
4m滝奥に12m滝
12m滝ルート(カーソル当てて)

すると、この先で、左岸が伐採跡地になっており、今までの暗い様相が嘘の様に明るく開ける。"東京周辺の沢"が
書かれた1995年当時は、倒木が多く歩きにくかったらしいが在はすべて片付けられ、ビューポイントとなっている。

伐採地跡を過ぎると平凡な様相。3m程度の小滝をを越えるとミニゴルジュが現れ、出口に4m滝。水流左が楽そうだが、
反対の右から取り付いて突破。この上で右からナメ滝で出合う"棚沢"が入る。水量比は(2:1)。
明るく開ける伐採跡地。
ゴルジュ奥の4m滝
棚沢出合

本流はナメ床混じりになり、朝日も差込み癒し系となる。釜を持った2段6m滝は左から、スタンス充分で問題なし。
5m滝も左から取り付いて突破。そのすぐ上の3mを越えると平凡な様相に戻る。
新緑の中、ナメ床進むと大滝がみえてくる。これが、ハイライトの20m雨乞滝。。。
2段6m滝(水流左を直登)
5m滝(水流左を直登)
ナメ床の奥に大滝が見てくる
20m雨乞滝

岩が脆いとの事で、通常この滝は30分くらい掛けて大高巻きするらしいが、一応じっくりルートを見る。左右とも良い位置に
太い潅木が立っているので、途中まで登ってから考えると言う事が可能。ただ、水流右にTRYして、運悪く落石で学生さんが
死亡事故を起こしたらしい。。。
落ち口付近は水流左の方が簡単そうなので、水流から少し離れた所から取り付き、潅木から潅木へと水流に近づく
ように登っていく。落ち口まで数mまで近づいたところから見ると、ザイルがあれば登れそうだ。
今日は単独なので、突っ込む事はやめたが、そのまま岩壁を直上(1ポイント長いシュリンゲでセルフを取る)
最後は落ち口から2m上の壁にでた。そのまま落ち口上に降りることが可能で、良い下見になった。岩は脆い印象は
受けるが、潅木や木の根っこはしっかりしており、ザイルを出せば、特に恐怖感を感じることはないでしょう。
途中の灌木でピッチを切れば30mザイルで十分でしょう。
こちらを登りました(カーソルを当てて)
こちらも途中の灌木までは容易。
ここで断念して直上した。

雨乞滝すぐ上の小滝を超えて進むと、6m滝。右から巻いてしまえばそれまでだが、水流右に取りついて突破。
次の10m滝は左右どちらに取り付こうか迷ったが、左を選択。スタンス、ホールドが甘いところが有るが、ギリギリ
フリーで登れるレベルかな・・・?V+
左岸から枝沢が入る所に落ちる6m滝は水流左のノッペリしたところをツッパリで超える。この沢の岩は滑りにくいので、
登りやすい。
6m滝。奥に控えるのが10m滝
10m滝(カーソルを当てて)
枝沢が入る所に落ちる6m滝

この先、少し進むと、左岸から大平沢が入る。水量比(2:1)。 本流側はまだ滝が続き、3m滝上に2段10m滝
傾斜はそれ程でもないので、快適に上がって行ける。すぐ上の4mトイ状、5mトイ状はツッパリを交えながら直登。
次の4m滝も左の乾いた所を登れば簡単だが、あえて水流を突っ張りで濡れることなく直上。左から落ちる6m滝は
水流左。どれも快適に直登出来て楽しい  ナメ床&3m小滝を越えるとワサビ田跡が現れる。 
大平沢出合
2段10m滝
4mトイ状、5mトイ状

小滝を幾つか越え、2段6m滝の水流左を直登すると一旦伏流となる。滝半分が枯葉に埋もれた4m滝を越えると
二俣の様相になり右に多段18m滝が現れる。通常は涸滝らしいが、今日は水がしたたり落ちている。
これを快適に越えると、沢は完全に枯葉に埋もれ。ひざ上までの枯葉ラッセル状態・・・  
距離にして150mくらい頑張ったが状況が変化しないので、右に逃げ登山道を目指した。薮こぎは無く、10分かからずに
登山道に出た。
2段6m滝
二俣にある多段18m滝
登山道に到着

そのまま榧ノ木山には登らず倉戸沢下降に入るため、倉戸山を目指す。倉戸山山頂は登山道の分岐点で、道標も
あるので、間違う事は無い。山頂から北西方向に進めば、倉戸沢に引き込まれる。序盤は土と枯葉のザレで
これを200m以上は下降する。沢幅が狭くなってからも枯葉が沢を埋め尽くしている。 途中お昼寝中のヘビの尻尾を
踏んづけてしまい、「痛いやないかい!」と睨まれる。ようやく水が流れ、沢らしくなってくると、2段5m滝をはじめとして
小滝が現れてくる。 ちょっと大きめの8m滝は下から見て水流右をクライムダウン可能。
倉戸山山頂
落着きを取り戻したヘビ君
8m滝

一旦平凡な様相から、ナメ床交じりになり、両岸が植林帯となると滝が多くなってくる。、最上段7m滝の多段15m滝は、
最上段のみ右岸を小さく巻いて降りる。その下も滝が続いており、最初の8mも右岸から巻いて降りると、
連続して滝が続く。そのまま右岸を小さく巻いて降りると、全7段30m滝となっていた。
多段15m滝
7段30m滝の最上段8m
7段30m滝全景

さらにすぐ下にある3段10m滝は最上段のみ右岸を小さく巻いて、中段、下段は突っ張りで水線を跨いで降りる。
ここでゴルジュは終了。6m滝をクライムダウンすると堰堤が現れ、ここからは右岸に薄い作業道が続いている。 
今回は、これを利用せず、沢に降り、少し進むと雨降川との出合いになった。

ここから遊歩道を利用して、基点駐車スペースに戻る。
3段10m滝
6m滝

P.S:雨降川は短い沢ながらも滝が多く、どれも直登可能なので楽しい。"上級"と紹介されているが、雨乞滝以外はどれも
   小さく巻ける為、初級者でも遡行可能。雨乞滝も直登は可能です。倉戸沢は下部の連瀑帯は面白いが、最後の詰めは
   やたら長いので下降向きの沢といって良いでしょう。ザイルは30mあれば雨乞滝も直登を考えても足りると思います。





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