2009年6月7日 奥秩父 丹波川 小常木谷

メンバー:shunrinさん
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
地図:丹波
概念図はこちら

丹波川流域でずっと課題となっていた小常木谷。。。長い沢である事と、"草履履の悪場"
の突破がネックでなかなか行く機会がなかったのだが、shunrinさんにお付き合いしていただき、
ようやく遡行する機会が巡ってきた。

アプローチ:CR-X
3:05自宅発→(一般道)5:43奥多摩湖ダム上P
余慶橋6:55→8:16兆子ノ滝下→11:44 15mネジレ滝上(草履履の悪場終了)
→13:30檜沢出合→13:55(標高1310m付近1:2二俣、左に入る)→15:30登山道
→17:53余慶橋

shunrinさんとは奥多摩ダム上のパーキングエリアで待ち合わせ。ここは携帯が繋がるという理由があるためだが、
今では丹波村もsohtbank携帯は繋がるようになった。
入渓点となる余慶橋は駐車スペース5台程。ここは携帯は繋がらない。、既に沢登り準備をしている二人組みが
居たので、聞いて見ると、同じ小常木谷との事。我々が準備している間に出発していった。

余慶橋の脇から丹波川本流に降りる。ここから、小常木谷/火打石谷の入り口まではすぐ。
丹波川本流は腰下まで水につかる程度。

小常木谷/火打石谷の入り口は深いゴルジュになっている。もちろん小常木谷/火打石谷の水がこのゴルジュを
作ったはずだが、このゴルジュが出来る前って水が丹波川本流に流れず湖みたいになっていたのだろうか???
基点となる余慶橋
丹波川本流(左)と小常木/火打石谷出合
深〜いゴルジュ

深いゴルジュを抜けると小常木谷/火打石谷出合。小常木谷に入ってしばらくは4m程度の小滝が幾つか
出てくる程度の癒し系の様相が続く

5m程度の滝が出てきたと思ったら、釣師のおじさん。
いきなり、「ここは巻いてくれ!」と怒った口調で切り出す。
人に物を頼む時は"すみませんが・・・"の一言くらい言っても良いと思うのだが、右から巻く。ただ、この右巻き、
ザレザレで、釜に石を落としてしまった・・・!
まぁワザとじゃないし、"巻け" と言ったのはオジサンだからしょうがない。
小常木谷/火打石谷出合
序盤は癒し系の様相が続きます
おじさんに、”巻け”と言われた滝

ここから先は、岩盤が発達した感じで、ナメも多くなってくる。水量(1:3)で花ノ木沢が右岸から入る。この先で
先行パーティーに追いついたと思ったら、ここが兆子ノ滝10m

この滝はほぼ垂直に水を落としており。「落ち口下3mあたりが難しそうだねー」
なんてshunrinさんと話していたら、先行パーティはそのさらに左の草付きルンゼから空身で直登して行った。
「あそこ登るんだ・・・」
実際取り付いて見ると、簡単でV−レベル。残置有り。 水流沿いを落ち口に向かって直登した記録もあり。 

ここから、"置草履の悪場"がはじまる。すぐ上の8m逆くの字滝は先行パーティーは左岸を高巻いて行ったが、
左から取り付いて、上部のトイ状ナメは突っ張りで突破する。残置無しW。
兆子ノ滝10m(カーソルを当てて!)
8m逆く字滝上から(カーソル当てて)

6mナメ滝を過ぎると不動滝12m。先行パーティーが左岸から大きく高巻いて行くのが見えた。持ってきたガイドも
同じことが書かれているが、一応、直登ラインを探る。
「左から行けるかなぁー?」とザイルを出しリードしてみたが、出だしが難しく。水流に向かって登れず、左の草付きを
直上。潅木の根で支点を取ってそこから滝に向かってトラバースを試みるも、難しそうなので結局、そのまま
左から小さく巻く。この巻きは落ち口すぐ上に出る事が出来、しかも最後は残置シュリンゲまで発見。
左岸の大高巻きより、こちらの方がお勧めだ。50mザイルであれば1ピッチで抜けれるだろうが、声が届かないので、
途中でピッチを切った方が良いでしょう。
不動滝12m(カーソルを当てて)
ここから落ち口へは断念
落ち口の高さで小さく巻けます
不動滝上(カーソルを当てて)

不動滝上の5mを越えていくと、今度は2段20m大滝。全体的に寝ているので、そんなに問題は無さそう。
「ちょと行って見ます」
と言ってフリーで登っていく。下段は容易だが上段はホールドが細かそう。残置もあるので、ザイルをshunrinさんに
投げ、確保してもらう。最初、上段は水流をまともにシャワーを浴びながら突破するのかと思い、突っ込んでみるも、
ホールドが甘い物ばかりで断念。"ルートは何処?"と思ったら、水流左の乾いた岩壁に残置シュリンゲが幾つか
ぶら下がっていた。。。スタンスが絶対に信用できればA0せずに登れるレベルだが、ある物を安易に使ってA0で
突破する。W A0
2段20m滝(クリックして)
残置は多いです
フォローのshunrinさん

この先は、小常木谷で一番有名な下段7m、上段8mの15mネジレ滝。下段は水流左から取り付き、4m程度登って
右にトラバースする所が核心。W
下段終了箇所で固め打ちしてあるので一旦ピッチを切り、2ピッチ目はshunrinさんがリード。同じく左壁を登る。
残置支点は数箇所ある様でA0すれば、そのまま真っ直ぐ直登で切るようだ。左に壁にカムが仕えそうなクラックが
伸びているので、これを利用するのもよいでしょう。自分は上部がノッペリしているので水流側に移動してA0せずに
越えた。
15mネジレ滝(クリックして)
下段の登攀(カーソルを当てて)
上段の登攀(カーソルを当てて)

ここで置草履の悪場が終了。右岸にテント3張りは可能な絶好のテン場がある。長い沢なので1泊2日で抜ける
のならここが一番BESTでしょう。また、ここで右岸から岩岳沢が出合がこちらに進んで手早く切り上げる方も
居るようです。 我々はそのまま本流を詰める。

次の10m滝は水流右をshunrinさんが取り付く。
「行けそうだけど、高さがあって怖いなぁ」
「ムリしないでネ」
とのやり取りの後、そのまま登っていった。私も取り付くが、スタンスホールド充分でV級と言った所でしょう。
次の5m滝も快適に突破。さらに上の4mナメ滝はウォータースライダーで遊ぶ
10m滝
10m滝は水流右を直登
5m滝

この辺りはまた癒し系の様相。6mナメ滝を越えしばらく進むと幅広の6m滝。これを過ぎると左岸から檜沢が入る。
ここから先も、ナメ床が続き、特に赤いナメはイイ感じをかもし出す。
6m滝
6m幅広滝
赤ナメが続きます

しばらく進むと(1:2)二俣。ガイドには(1:3)とある。。。高度計を照らし合わせると1310mで出合う枝沢の様だ。
時間は2時前。ガイドを見ると本流はここから先はたいした内容も無いので、左の枝沢に入ってショートカットする
事にした。

ナメ床状を進むと2段7m滝。フリーで登れたが、shunrinさんにはお助け紐を出す。
少し進むと(1:1)二俣。左は7m程度の滝をかけており、右はナメ床状。ここは開けた感じの右に入る。
(1:2)二俣
2段7m滝
(1:1)二俣

ナメ床&5、6mのナメ滝を越えると一旦伏流。しかし再びナメ床になりその上で水が涸れる。ガレ沢となり右岸の
小尾根に上がりたくなるが、猛烈な密笹薮なので進める限り沢筋を行った方が楽だと思う。

30分弱の密笹薮漕ぎでようやく岩岳尾根の登山道に到着。
ナメ床、ナメ滝が多いです
この上で水涸れ
ガレを最後まで詰めたほうが楽でしょう

ここから、一般登山道の下りだが、沢をやる人くらいしか歩かない登山道で、岩岳を過ぎてからの道が、
岩がゴロゴロして沢靴では足が痛い。

地図上では道は真っ直ぐ伸びているようだが、実際カクッと折れ曲がっている所があり、
迷いやすい所が1箇所ある。ここで、迷っている最中に足を踏み外して、頭から落ちてしまった! 
幸いフカフカの枯葉のおかげで全くの無傷。
見かねたshunrinさんに「集中力が切れているから一息入れましょう!」との御指示。
余慶橋に付いたのは6時少し前だった。
風呂代わりです
余慶橋 到着ですぅ♪

P.S:小常木谷は置草履ノ悪場以外は癒し系の沢です。ザイルも30mで充分でしょう。
   残置も豊富で、岩も安定しているので一人沢慣れしている人が居れば初級者も遡行可能だと思います。
   ただ距離は長いので、人数が多かったりする場合は、1泊するなり、何本もある右岸枝沢で
   ショートカットするのを薦めます。

概念図(クリックしてください)

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