2008年7月11日、12日 飯豊連峰 内ノ倉川 七滝沢

メンバー:mt-samさん、Shunrinさん
装備:ザイル8mm×30m(2本)、靴:フェルト
地図:二王子岳、上赤谷
参考ガイド:朝日・飯豊連峰の沢
概念図はこちら

当初、谷川方面の沢を計画していたが、天気の都合で、飯豊連峰の七滝沢に急遽変更。
この沢は、白山書房『朝日・飯豊連峰の沢』で詳しく紹介されており、NHKでも放送されたらしい。
今回の遡行で『朝日・飯豊連峰の沢』の補足が出来れば・・・と思い実行に入る。。。

アプローチ:ロゴ
3:55自宅発→(宇都宮ICから高速)5:37郡山JC→6:40JR三川駅→7:30二王子神社(車デポ)→
8:20内ノ倉ダムバックウォーター着

初日
8:35バックウォーター基点発→9:20七滝沢出合→11:40 5段100m滝下→15:35 20m滝上(核心部終了)
→16:10テン場着

shunrinさんが、真岡に遅れて到着+「あれ車のカギがない!」ってことで、予定より1時間近く遅れて出発となったが、
東北自動車&磐越自動車道を飛ばして、mt-samさんの待つJR三川駅前に予定10分遅れで到着した。

車が2台あるので、一台を下山口になる二王子神社にデポし(道は全舗装、携帯は使えない)、出発点となる内ノ倉ダム
バックウォーターへ移動。
ここは杉滝岩というのがあり、フリークライミングゲレンデとして有名な場所らしい。駐車スペースは7,8台(携帯は使えない)。

ここから内ノ倉川左岸に付けられた道を50分ほど進むと七滝沢出合いとなる。mt-samさんは一度七滝沢を遡行したことが
あるようで、しかもGPSを持ってるので、迷い様がない。前日までの雨で内ノ倉川も水量が多めか? 私は七滝沢出合い
の30m程下流を、石に飛び渡って横断したが、mt-samさん、shunrinさんは30m程上流部で懸垂で内ノ倉川へ下り、
タッグを組んで内の倉川を横断した。この横断はそんなに苦労はしないだろう。
内ノ倉ダムバックウォーターにある杉滝岩
七滝沢(左) 出合

ところで、この山域は8月になるとアブが大発生し、”アブで敗退”という事が多いらしいが、7月上旬は全くアブは居ない。
この時期は狙い目だろう。

七滝沢に入ると、しばらくゴーロ状。ただ、水量が凄く多いので、平凡だが楽しい。ガイドでは『左岸を小さく巻いた』
書かれてあるナメ滝と長い淵は泳いで進む。さらに流れの強いところを右壁に取りつき、なんとか手前の淵を突破したが、
次の5mナメは登れ無いのが判ってガッカリ。。。左岸を巻いたmt-samさんにザイルを出してもらい、左壁を登って超えた。
水量は多いようです。
長い淵は泳ぎました
奥の5mナメが×

敢えて泳ぐ所はここくらいで、あとはせいぜい腰上までしか釜に入らず通過できる。

沢は明るくなり、気持ちが良い。 両岸が立っている所も出てくるが、通過に問題はなかった。5m滝を過ぎ、2段7mは
水流右を直登。10m豪瀑はガイドとは逆に右岸を小さく巻く。
明るい様相
2段7m滝は右から
10m豪瀑

すぐ上の8m滝を右から越えると、ハイライト第1弾の5段100m滝に到着。ガイドでは手前から全段左岸を高巻いているが、
最下段を右から空身で取り付き乗り越えた。この次の段も頑張れば右から登れそうだったが、2段目を越えると両岸が
岩壁になっていて、高巻きが出来なくなる場合も考えられるので、この位置から高巻きした方が安全という事で全員一致。
「ガイドは左岸を巻いてるけど」
「じゃぁ右岸で巻いてみる?」
「いや、左岸には踏跡があるよ!」
「じゃ、左岸で・・・」
と左岸枝沢が入る上から高巻き開始。15m程上がるとうっすら踏み跡みたいなものが現れ、
これに導かれるように進んでいくと5段滝の上に出た。沢床に降りると、巨大CS滝。
水流側は水圧が強く突破はムリ。巨大岩の右から様子を伺ったが、ちょっと難しそうだったので、これも左岸を高巻いた。

5段100m滝(クリックして!)
最下段だけ登った
5段滝を高巻いた上の巨大CS滝。この水量ではムリ

この先は巨岩で作られた5〜6m程度の滝が頻繁に現れる。ガイドにも掲載されている2段15m滝は右から容易に越え
られる。この先でガイドにある7段130m滝が遠くに見える。どこで区切るのかよく判らず7段130mというより、3段70m滝
と言ったほうが良いかも・・・
巨岩が織りなす滝が続く
2段15m滝
7段130m滝(カーソル当てて)

今日は水量が多く、見ごたえはあるが、登れない。仕方なく右岸を高巻くが、3段目上で水流に戻り、ここから
直登を試みる。4段目の取り付きは最初の一歩が難しい。mt-samさんが水流の中に残置シュリンゲを見つけるが
ハーケンごと抜いてしまった。何度か試行錯誤して、私が空身で最初の一歩を取り付きそのまま背中を押してもらい
この間に2歩目のスタンスを見つけ、ずぶ濡れになりながらナントカ4段目を上がった
5段目にかけては、mt-samさんが岩にロープを掛け、激流を跨ぎ、右岸側に逃げあがる。ここから右岸を高巻いて
130m大滝を終了した。
7段滝の4段目以降(カーソル当てて)
4段目最初の一歩が難しい
5段目に向けて激流から逃げ上がる

だが、間髪入れずに4段60m滝が続く。ガイドには快適に登れるとあったが、やはり水量が多いためかなり苦しい。
mt-samさんが水流右の乾いた壁に取りついたが、いま一つ渋い感じなので、私が、右から巻いてお助け紐をだす。
2段目も水流が少なければ簡単なのだが、この水量ではかなり緊張を強いられる。3人力を合わせての突破だ。。。
3段目、4段目は水流左をフリー直登出来、4段60m滝を終了する。
4段60mと言われる滝(カーソル当てて)
4段滝の2段目にて(カーソルあてて)
3段目。(カーソルを当てると4段目です)

この先、ミニゴルジュっぽい所を通過していくと、20m滝が行く手を阻む。これもかなりの豪瀑で手がつけられず
右岸ルンゼから小さく巻くが、このルンゼが意外と悪い。mt-samが突破してくれたので、楽をさせてもらった。
ルンゼを登れば落ち口に向かってトラバースして超えられる。
これで、核心部が終了。癒し系の様相から、再びミニゴルジュとなるが通過に問題は無いだろう。
20m滝(左のルンゼに取りつく)
癒し系の様相
ミニゴルジュ内の滝

再び平凡な様相になるとテン場は近い左右から水流が合流する地点の右岸に(標高870m)、”ここに泊ってください”と
言わんばかりの整地された場所がある。しかも薪まで置いてあった♪ 他にも1,2ヶ所テン場はあるが、ここがベストだ。
タープを張って早速釣りに出かける。。。尺イワナがかかり、みんなで刺身にして食べた♪
標高870mにある絶好のテン場(マキ付き)
尺をGET!
やっぱこれだね♪


二日目
7:10出発→9:12(1:1)二俣→11:00稜線登山道着(二王子岳往復)11:30下山開始→13:20二王子神社着

朝4時に目が覚めたので、釣りに出かける。1匹吊り上げ朝のおかずとした。
ここからは、しばらく平凡な様相。魚影は多い。6mヒョングリ滝の水量もガイドの倍くらいあって、凄い迫力、左から
小さく巻いた。しばらく快適な遡行をつづける。17m滝は水流右をmt-samさんがザイルを伸ばすも、全く問題なく直登。
6mヒョングリ滝
癒し系の様相が続きます
17m滝

3段10m三つ釜の滝も良いアクセントになっており、これも快適に登れる。一箇所深い淵をもった小滝があるが、へつって
行くと残置シュリンゲあり、これを利用して突破。

少し行くと標高1070mにある(1:1)二俣。左俣にテープがぶら下がっているが、ガイドの通りに右俣に入る。左俣に
入れば早く終了する事が出来るかも・・・
3段10m三つ釜の滝
一箇所深い淵をもった小滝
(1:1)二俣

ここからは、5m弱の小滝が現れる程度。ひとつ5mの渋い滝があったがshunrinさんが突破してくれ、私はA0で楽をさせて
もらう。水は少なくなってくるが、上に取水口があるせいで、これを越えるとまた結構水が増える(笑)

しばらく行くと、ガイドには書いてない顕著な水流が3m滝で右岸から入る。水量比は(1:1)。ここを左に入る。
ここからは概ねナメ床。6mナメ滝は水流左の潅木を頼りに登る。
5mの渋い滝
右岸3m滝で出合う(1:1)二俣、ここを左に入る
6mナメを直登

主稜線が見えてくるところから草付きを上がる。雪田はわずかに残る程度。殆ど藪漕ぎをすることなく奥ノ院のすぐ
下の登山道に出た。時間は11時。
Mt-samさんが靴を履き替えるとというので、その間に二王子岳山頂までshunrinさんと往復。山頂は360度の展望。
北股岳北面はまだ雪渓が多く残っていた。

ところで、この山、かなり人気があるようで、多数の登山者に出会う。山頂の非難小屋も使用可能でかなりごった返していた。
下りは飛ばさなくても2時間で二王子神社まで降りられる。(途中に非難小屋、水場あり)
最後の詰め
振り返るとこんな感じ
俺が写った写真が無い!!!(涙)

P.S:8月はアブが多いので、やはり6月下旬から7月上旬が狙い目です。初日に核心がすべて終わるので、
   初日の天気が良ければ、楽しめるでしょう。今回は水量がかなり多かったので、水が少なければ、
   大滝も、もうちょっと直登出来たかも・・・ザイルは30mが1本あれば足りるでしょう

概念図(クリックしてください)

mt-samさんの記録にGO!




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