2009年7月25日 両神山 薄川 七滝沢

メンバー:狽ウん
装備:ザイル、8mm×30m、8mm×50m、カム、靴:フェルト
遡行図はこちら

梅雨明け宣言が出てから、天気が全くすっきりしない。この週は、東京周辺しか、天気が良くないという事で
急遽、両神山の薄川七滝沢を選定。この沢web上ではあまり記録がない。。。ガイドでは滝の登攀グレードが”5級+”と極難・・・
いったいどんな所なのか・・・ 今回狽ウんにお供していたいただき調査してみる。

4:01自宅発→(佐野藤岡まで高速) 5:00太田→5:30花園→6:10道の駅”ちちぶ”、→7:06日向大谷
7:30日向大谷発→8:00七滝沢入渓点→9:00 20m通らずの滝上→12:32 赤滝上 →13:26三俣(ここから枝沢に
入ってしまう)→14:04本流へ移動開始→14:20 50m三段滝上登山道 →14:41 20m滝高巻き途中で
時間切れ引き返す→16:20日向大谷着

狽ウんとは道の駅”ちちぶ”で待ち合わせして、基点となる日向大谷に向かう、途中道の駅「両神温泉薬師の湯」という
待ち合わせには良い場所があったが、携帯が繋がるかは不明。

日向大谷までは、道は細いが、完全舗装でバスも入る。両神山は100名山だけあって、結構登山客がいる。
遡行準備にかかるが、私はヘルメットを忘れ、狽ウんはガチャ類とハーネスを忘れるという、滝の多い沢を遡行するには、
かなりの大失態を演じてしまう。ガチャ類は私が多めに持ってきたため、「まぁ何とかなるでしょう」と出発した。

日向大谷から、入渓点になるの”会所”というところまで一般登山道を30分程。早速入渓。序盤は大岩で構成された
小滝を超えるのに結構疲れた。
日向大谷(カーソルを当てて)
七滝沢入渓点となる”会所”
序盤の様子

最初の滝らしい滝である6m滝は、頭からのシャワーを覚悟すれば、突破可能。今回狽ウんは結構、テンションが高く
見事シャワー突破するも、私は軟弱に右から小さく巻き「えぇー!!」と非難を浴びる(^^ゞ

 次の4m滝は、癒し系で直登。ナメ床混じりを進んで行くと、ゴルジュとなり20m通らずの滝が行く手を阻む。
6m滝
6m滝を直登する狽ウん
20m通らずの滝と前衛の4m滝

この20m通らずの滝は巻く場合は、かなり手前から左岸の大高巻きになるようだ。「とりあえず近くに行ってみてみよう!」
前衛の4mナメ状を両足ツッパリで超える、すると、この滝の上は深い大釜になっており泳がないと、20m滝には取り付け
ない。
直登するなら右壁沿いに泳ぎ、まともにシャワーをあびながら斜上するしかないだろう。とりあえずザイルを付け、私が
TRY。泳いで、右端に取り付き這い上がるものの、この先ツルツルの岩でかなり困難。水に打たれまくりで、”×”サイン
を出して引き返す。
「では私が・・・」
と狽ウんがTRY。すると私が行けた所から、右手を岩奥に伸ばし、見事に這い上がる。そこからは、
何の問題も無く突破してしまった!!!凄スギ!!!
狽ウんが突破してしまったので仕方なく、私も再度取りつく。(涙) 確かに右手を岩奥に伸ばすとガバがあり、足で、右壁を
突っ張って、何とかテンション掛けずに這いあがれた。ここからはスリップに注意して斜状。3級+の登りで、突破できた。
後日、ガイドを良くみたら、落ち口を抜ける所が5級と書いてあったが、泳いで這い上がりそこから1段上がる所が4級+
と言った感じだと思う。 
全く情報を持っていない滝の場合”こんなところ登れんのか?”と疑問を持ったら滝はまず登れない。
やはり、『気持ち持ち様』というものは非常に大事なのだ・・・

ちなみに滝上すぐの左岸に、高巻き下降用と思われるトラロープを発見。
前衛の4mをツッパリで突破
ここ次が核心(カーソル当てて)
20m滝をフォロー(カーソルをあてて)

この先の5m滝は、水流右に取りつくが、1.5mくらいの所で私が落下。ここも狽ウんがTRYして、見事クリアー!
私は左から取り付き落ち口に向かって経つるが、一歩が嫌らしい。残置ハーケンがあるので、シュリンゲをくくりつけ
A0で突破する。 このあと小滝が幾つかあるが、突破に問題は無い。会所からの登山道が横断する所を超えると
第2の難関 30m白滝が見えてくる。
5m滝(カーソルを当てて)
癒し系もあり
30m白滝

ここから始まるゴルジュは、ガイドの遡行図では右岸を大きく高巻くような線が描かれている。
「とりあえず見てみよう!」
と、白滝の基部まで進む。 すると右に残置シュリンゲがぶら下がっていた。ルート探ると、水流右しか
考えられないが、下部は特に悪そう。8m上がった所にテラス気味の所があり、その上部の草付きまで行けば多少
傾斜が緩くなるような感じに見える。
ここは、ザイルを付けて私が取りついてみる。右の残置シュリンゲを利用してA0で、取り付き点に一歩上がり
直上するも、テラスまで上がるのに難儀。ハーケンを1枚打ち足して、A0でなんとか両手を離せるテラスに到着。
ここに残置ハーケンがあるらしい(狽ウんが見つけた)。自分はここでハーケンを打ち、草つきに向かって直上するが、
草つきの中は想定外に悪く、さらに岩が脆い。 5つ6つ手で脆い岩を崩しては狽ウんに当たらないように投げる。
さらにハーケンを打ち足し(気休め程度の利きか・・・?)なんとか、被った所まで上がり切る!W+〜X 

この位置に太い灌木が下から見えたのだが、これが単なる枯れ木で全く使えないのにはガックリきた。。。 
幸いカムが利くところがあったので一発かませて、 ここから落ち口に向かってトラバース。ここもスタンスがあまりなく、
気は緩められない。落ち口のへの最後の一歩まで泣きそうになりながら何とか突破。。。
残置支点は無く、岩と1枚残った軟鉄ハーケンで支点を作ってビレイ解除。。。30mザイルでギリギリ。 狽ウんも全部
ハーケン回収して、上がってきてくれた。ガイドで下の20m通らずの滝が5級というのなら5級+は間違いないでしょう。
西丹沢の下棚より怖かった。  
白滝全景(カーソルを当てて)
中段テラスに到着
落ち口に向かってトラバース

ガイドの通りに白滝の上はすぐに25m2段滝。一段登って左に逃げるルートも探るが。ムリと判断。左岸は50m以上の
垂壁で、右岸のクラックに沿って登る1ポイントしか弱点は見出せない。ここは狽ウんにリードしてもらう。灌木と、カム2個で
支点をとり右岸の子尾根まで上がることが出来た。W  ただし、ここから尾根伝いに登って行くのは難しく、結局、
ここから尾根の反対側に移動して、ゴルジュを高巻いた。
25m2段滝(クリックして)
右岸小尾根に向かって直登
子尾根から見た2段25m滝
ゴルジュを高巻く

高巻くとちょうど登山道に出る。”赤滝”と書かれた案内板があり、25m2段滝の事をさす出すのだろうか?それとも
小尾根からその上にちらっと見えた6m滝のことか・・・定かでは無い。。。時間は12時半。まだまだ滝があるようなので
稜線まで出るのが難しくなってくる。

沢に戻ると、平凡な様相になり伏流になる。そこにガイドの遡行図には無い三俣が現れる。水は左と真ん中の沢筋から
滴る程度だ。左に入るのが正解なのだが、間違って真ん中に入る。
高巻くと登山道に出る
ガイドになかった三俣(左が正解、我々は真ん中に入ってしまう)


ガイドには無い3段15mナメが現れ、「おかしいなぁー・・・」と思いながらも進むと、水がわずかに滴る30m涸滝で行き詰る。
「これは間違えましたな・・・」
という事で、ここから本流筋に向かってトラバースを開始。幸い獣道が多数あり、容易に移動出来た。
3段15mナメ
概ねナメ床が続きます
30m涸滝
本流へ向かってトラバース

出てきた所は丁度50m3段滝の上。美味しいところを見逃してしまった感があるが、登山道が近くを通っているので、
帰りがけに見に行く事にして、先に進む。。。

しかし時間は14時半前。まだ山頂まで標高差400mあり、あきらめムードが漂う。どうも湿気も多いせいか、それとも、
白滝の登攀で力を使い果たしてしまったのか、体も重い。
「ま、とりあえず行ってみますか」
といってダラダラ進み、5m滝を超えるとハングった20m滝が、行く手を阻む。ガイドを見ると、この上にフォールナンバーが
付いた滝が2つ程・・・
一応左岸子尾根から巻いてみるものの、沢から離れて行く大高巻きになりそうなので、完全にテンションがさがり、
ここで遡行を打ち切る。14:40分
登山道から見た50m3段滝
本流の5m滝
20mハング滝

子尾根を下降すると、50m3段滝の上に再び戻る。登山道を下りると、この滝を伴った一連のゴルジュ内に出れる。
沢床に入り、50m3段滝下まで進み滝見物。案内板を見ると”養老の滝”、”霧降の滝”と書いてある。千葉と栃木を
パクった??? 
これらの滝は、どー見ても登れる滝では無いので、結局登山道を利用して巻く事になるだろう。

登山道に引き返し、基点の日向大谷へは一足飛びで、16時半前には到着した。
観瀑台へ徒歩10歩
観瀑台から見た50m3段滝
大滝を下から見上げる


P.S:”ガイドには登山道が近くにあるので”と書いてありますが、登山道は沢床からは割と離れた所が多いので
   3段50m滝の巻き以外は、登山道を使っての巻きは考えない方が良いでしょう。”私が登るの下手”と言われれば
   それまでですが、20m通らずの滝、白滝の直登を考える場合は早出しないと山頂まで行けないかも。
   とはいっても、白滝の直登はあまり勧められません。怖さは西沢本棚沢の大滝に近いと思ってください。

遡行図(クリックしてください)

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