2009年7月26日 奥秩父 大血川西谷 石楠花沢右俣→左俣下降

メンバー:Σさん
装備:ザイル8mm×30m、カム、靴:フェルト
地図:雲取山
概念図、遡行図はこちら

昨日、両神山、薄川七滝沢を遡行し、今日、キギノ沢という計画で来たが、
私は、ヘルメット、Σさんはガチャ類を忘れたため、もう少し癒し系で・・・と言う事で
西谷石楠花沢を選択。地図もっていなかったが、エアリアマップで、補う事にする。

7:00林道基点発→7:38ワレイワ谷出合→7:48左俣/右俣分岐→11:20稜線着→
11:45左俣下降開始→13:20左俣/右俣出合→14:00林道基点着

前日のうちに、日向大谷から西谷へ移動。入渓点は林道が西谷左岸沿いからいったん離れ、再び西谷沿いを走り
再度林道が離れる所になる。鉄砲沢入渓点と似ているので注意。ここは鎖で車の侵入を妨げられ、駐車スペースは
無いが、林道に止めても問題は無いでしょう。林道から30m程入った草地で幕営した。

今日は、朝から晴れている! 当初の計画では、中央アルプスの沢に行く予定だったのだが、天気の都合で昨日から
奥秩父に来ているのだ、「まさか中アもピーカンってこと無いよねぇ」と談笑しながら遡行準備を整える。 
すると、6人パーティがやってきた。 東京の山岳会の方々で石楠花沢右俣に入るとの事。水量が右俣の方が多いらしい。 
ガイドをみると右俣と左俣ではどちらも☆1つで、どちらを遡行しようか迷っていたので、直前で良い情報が入って
ラッキーとばかりに、我々も右俣を遡行することに。。。
基点からタカノス谷出合までは踏跡&立派な鉄橋があるので、これを利用すると便利。
石楠花沢遡行基点
駐車はこんな感じです
タカノス谷出合までは沢沿いを歩きます

ここからワレイワ谷出合もすぐ。水料比は(1:2)くらいで石楠花沢よりワレイワ沢の方が多い。石楠花沢に入り
右岸に大ガレをみると左俣/右俣を分ける二俣もすぐ。左俣は15m3段、右俣は10m3段滝が掛かりビューポイントと
なっている。左俣の滝は取り付きが難しそうだ。右俣10m3段は左の水流をそのまま直登出来る。
石楠花沢に入ってからの右岸大ガレ
石楠花沢左俣/右俣出合
右俣10m3段下部
右俣10m3段上部

 滝上に上がると、4mトイ状、3mCSと小滝が続く。これを越えると、右俣ハイライトの30m大滝が現れる。西谷では一番
大きい滝でしょう。先行パーティはガイドの遡行図どおりに手前から右岸尾根に高巻きを開始していた。
4mトイ状と3mCS滝
3mCS滝
30m大滝(クリックして)

我々は、とりあえず大滝に近づきルートを探る。少なくとも水流ひだりに取り付き10m程上がった所からも右岸尾根へ
脱出可能に見えたので、取り付いてみる。岩も意外に安定しており、V級レベルの登りで10m上のバンドに到着。
確かに、ここから右岸尾根に逃げるのは容易。ただ、このバンドから凹角が上に伸びており取り付いて見ると簡単に
もう1段上に上がれ、滝上に出れると判断「行けるわ!」とΣさんにも上がってきてもらい、ラスト1段をザイルを出して
取り付く。最初の2m壁は岩が安定しているので容易。
ここから土ルンゼを上がっていく。カムで支点を取り、キックステップ交え直上。潅木にビレイを取って終了する。W
30m大滝ルート(カーソルを当てて)
中段テラスへの登攀
中段テラスから
ラスト1段でザイルをのばす

30m大滝上はまだゴルジュになっている右岸を大高巻きするとどこに降りてくるかは不明だが、懸垂すれば落ち口上には
降りれると思います。
小滝を越えていくと大岩が被さる"穴潜りの滝"が現れる、覗いてみると大岩の隙間から這い出る事が可能。
この後も小滝が続き、再びゴルジュになると5mナメ、7m、3mCSと滝が続くが通過に問題は無い。
穴潜りの滝
5mナメ
7m滝(カーソルを当てて)
3mCS

一旦ゴルジュが切れた後の再び極狭ゴルジュがあり、覗いてみると奥に7m滝が垂直に落ちており、取り付けず、
右岸を小さく巻く。

この先は沢床は開け、テン場の確保も何とかなりそう。水流は一気に減り一旦伏流。
水はすぐに戻り、小滝が続く。しばらく行くと、(1:1)二俣。右俣の方が沢床が低く本流の様に見えるが、3m滝が
かかる左俣に入る。先行パーティーもこちらに入った模様。
極狭ゴルジュ内7m滝
小滝がが続きます
(1:1)二俣

さらに小滝を越えていくと水も涸れ藪漕ぎ無しで、長沢山のすぐ西側の稜線に出る。

さて、左俣の下降だが、エアリアマップしか持って来ていないので、今ひとつ判りにくいが、長沢山山頂から真っ直ぐ
北に伸びる谷筋に降りてしまえばよい。
最後の詰め
長沢山山頂(展望なし)
左俣を下降します。

懸垂無しで、沢床には降りれウがばらく平凡で、水も少なく"これで良いのかな?"という印象。ガイドに書かれてある
5m2段滝というのは
なかなか現れない。 しばらく下降を続けてようやく5m2段滝らしきものが現れる。さらに下ると。35m5段大滝が現れ
ようやく確信が持てた次第。この大滝は左岸から懸垂無しで巻いて降りれるが、滝を近くで見ようとして小さく巻こうと
すると、初級者にはちょっと厳しいかも???
滝下に降りて見上げるが、5段が綺麗に見えると言う感じで無く、水流も少ないため右俣の30m滝に比べると今ひとつか・・・
このあと僅かな区間伏流になり、4m滝2条3m滝をクライムダウンすると右岸に大ガレが現れる。
5m2段滝
35m5段大滝
4m滝
2条3m滝


この大ガレが左俣のハイライトと言っても良いくらい巨大!沢は完全に押し出しで埋もれている。

ここで地震にあったらひとたまりも無いので、急いで降りると、右俣との出合にかかっていた15m3段滝が現れる。
下降は右岸側から容易に巻いて降りれる。
右岸大ガレ
右俣の滝が見えてきた

あとは、来た道を戻るだけ、汗にまみれた体と、汚れた服を『テルメ西谷』で一風呂あび基点林道に戻った。
『テルメ西谷』 露天
『テルメ西谷』 泡風呂
『テルメ西谷』 打たせ


P.S:石楠花沢は右俣と左俣では、絶対右俣遡行がお勧めで、西谷流域では一番楽しい沢です。
   大滝もそんなに難しくないので、直登すればさらに充実度は増すでしょう。ザイルは大滝直登でも30mで、
   充分足りると思います。泳ぎは無いので秋もお勧めです

概念図(クリックして) 遡行図(クリックして)

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