2009年9月13日 谷川本流 川棚沢

メンバー:やますきーおさん、Σさん、えむさん
装備:ザイル8mm×50m、8mm×30m、カム、靴:フェルト
遡行図はこちら

天気の都合で今週は日帰り。谷川山系の沢で的を絞ぼり、癒し系の"西黒沢"と日帰りでは行程の長い、川棚沢の案を用意したら
やますきーおさんは「西黒沢」は行った事がある。と言うので、川棚沢に決定。なお、MSCCの方で、Σさんとえむさんが水無川北沢を
計画していたが、天気の関係で川棚沢へ合流。2×2パーティで望む事となった。

アプローチ:CR-X
18:45自宅発→(R4,R50)20:11桐生太田IC→21:05水上IC→9:17谷川温泉

5:05谷川温泉発→6:13二俣→7:18川棚沢出合→9:30 50m滝上→12:35稜線到着
→14:54オジカ沢の頭非難小屋→17:25二俣→18:25谷川温泉着

谷川温泉に到着すると雨は上がっていた。テントを張って仮眠出来るポイントを見つける。明日4時過ぎに起きるのに
酒を飲んで11時過ぎまで盛り上がってしまった。翌朝、5時発。Σさんパーティはまだ到着していないので、きっと
寝坊だろうと、先に行かせていただく。二俣まではヒルが多く、植木さんは何故か手に1匹付いていたそうだ。
私は、ブヨは腫上がるので、ニガテだが、ヒルは血が止まりにくいだけなので、そうは気にならない。。。

谷川本谷方面へ入る場合、二俣にある石標まで進むと行き過ぎで、その手前から入渓しないと、オジカ沢の方に
入ってしまうので注意。
雪が完全に消えると、鷹ノ巣谷出合辺りから伏流になってしまう。関越トンネル換気口を見過ごし、しばらく行くと
水が再び流れ出す。川棚沢出合までは概ね平凡な様相。テン場は随所にある。
暗いうちから出発します
二俣
鷹ノ巣出合をすぎて谷川本流

川棚沢出合は明瞭な谷筋で入るので間違うことは無い。ここから50m大滝までが遠望できる。
川棚沢に入ってすぐ右岸に良いテン場あり。少し進むと6mトイ状。水流左を登るが、クロモリハーケンに古い残置
シュリンゲを発見したので、ハーケンだけいただく。
4m滝、3m2条トイを越えると良い感じのナメ。谷川南面特有の明るさもあり遡行感度は一気に上がる。
川棚沢出合
川棚沢最初の6mトイ状
谷川南面の明るいナメ

2つの6mナメ滝を快適に越えると、前方に大きなスラブ滝が見えてくる。
この辺りは早い時期だと雪渓が残っている場所で、雪渓が無くなる時期には左岸に絶好のテン場を提供してくれる。
この沢は日帰りだとキツイので、前日にここまで来ておけば、ゆったりとした遡行が出来るだろう。蒔きも豊富!
6m滝その1
6m滝その2
大きなスラブ滝が見えてくる(ここに絶好のテン場あり)

スラブ滝に近づくと、4段20m滝。左岸からの枝沢がこの滝で丁度出合っている。この滝も快適にフリーで越えられる。
あまりの気持ちよさに、「帰りは遅くなってもいいっか!」と言う気持ちに二人ともなってしまう。
この4段20m滝を超えると、沢筋は急に狭くなる。小滝をいくつか掛けているがすべて快適に越えられる。
4段20m滝
快適に直登出来ます
4段20m滝上で急に沢筋が狭くなる

沢はまた再び開け、2段10mトイ状滝。傾斜は緩く水流左の乾いた所を上がれる。。続く10mナメ滝も容易。ナメ床を
少し行けば再び10mナメ。少し傾斜が強いが水流左の乾いた所をフリーで登り落ち口にトラバース。V
2段10mトイ状滝
10mナメ滝1
10mナメ滝2(カーソルを当てて)

続いて、8m、2段7m滝を超えると、15mナメ滝。下からは15m程度しか見えないが右に曲がってからも滝が続いていて、
30mナメ滝と言って良いでしょう。これも3級−レベルで快適に登れる。振り返ると、川棚沢出合い付近が良く見える。
30mナメ滝
30mナメ滝を登る。川棚沢出合が見える!

この滝を超え、沢が左に屈曲した所に6m滝。これは容易なのだが、次の6mトイ状が非常に極狭ルンゼに水を
落としており非常に特徴的。左に上がって乾いた所を簡単に登れるが、
「これツッパリで上がれる!?」とやますきーおさんが言うので
「じゃ、やってみるか!」とTRY。
そんなに難しくは無いのだが、上部にいくとさらに狭くなるので、ザックがツカエテしまう。体の向きを変えて凹角から
這いあがった。V+
6m滝と奥の6mトイ状
6mトイ状
狭すぎて身動きがとれん・・・

これを超えると、ハイライトの50m大滝。下から見ると40m程度だが、さらに上に少し続いているのが登った後判った。
水流左の乾いたところが一番簡単なルートなのは明らかなので、水流右から取りつく。中程で、傾斜が緩む所までは
3級レベル。ここで水流左に横断する事も可能。私は、このまま水流左を登るが、落ち口付近が急傾斜でチョット渋く。
フリーではムリと判断。断念してクライムダウン。水流左に横断して直上。落ち口の高さになると岩壁が立つので、
ここでザイルを出し、私がリード。最初の1.5mワンポイントが勝負。W すぐに傾斜が緩むので安全圏まで登って
ハーケンを打つ。残置無し
50m大滝(クリックして)
50m大滝(カーソルを当てて)
水流右から登ります
大滝落ち口付近
大滝上へ
大滝上から

ここで、Σさんパーティーが後ろから登ってくるのが見え、お互い手を振る。すぐには追いつきそうも無いので、
さらに先に進む。。。
50m滝を越えると左岸の岩壁がそそり立つ。右岸側は草付きスラブが続き良いルートを提供してくれるのがのが救い。
次の10mナメ滝は敢えて水流右を直登。ホールドが細かくちょっと渋めだが、切り立った左岸岩壁のスタンスを拾い
何とか突破。右岸スラブを利用し5mCS流石に水流沿いは難しく左から小さく巻く。
10mナメ(カーソル当てて)
10mナメに取りつく(カーソル当てて)
5mCS

5mCS滝をを超えると左岸の岩壁が大きくオーバーハングしてくる。沢床は岩がゴロゴロ転がった様相。
これを過ぎると15m滝。これは快適に直登。ここまで来ると左岸岩壁が無くなる。次の7mトイも両岸から簡単に
越えられるが敢えて突っ張りで登る。
左岸の壁がオーバーハングしてくる
15m滝(カーソル当てて)
7mトイを敢えてツッパリで超える

ここで、Σさんと、えむさんお二人が追いついた。我々より1時間遅れの出発だったそうだ。早いなぁー
快適スラブを思いのまま進んでくと、ミニゴルジュとなり水流も少なくなってくる。
序盤は滝も無く、"これで終わりかなぁ・・・"と思っていたのだが、岩を湿らす程度の水量になると6m6m、7mと3つの
渋いナメ滝が現れる。両岸は急傾斜の草付きなので、巻くのも難しい。最初の6mはえむさん草付きを高巻いて3人が
フリーで直登。2番目の6mは私がフリーでリードして、ザイルをだす。3番目の一番嫌らしかった7mはやますきーおさん
リードで私とΣさんが続き、えむさんにはザイルを出した。
「ここのフリーはありえねぇー!」とえむさんが慎重に上がってくる。この3つの滝は途中でハーケンを打つ事は出来ないので、
トップは気合で行くしかない。川棚沢は、ここが核心かも・・・
ミニゴルジュ内を快適に進む
最初の6m滝 W−(ここはまだ高巻ける)
2個目の6m W

ここを越え、沢形を詰めると草付きになる、非常に滑りやすいので、岩が露出した所を選んであがった方が良い。
最後は腰上くらいの笹藪漕ぎで俎ー尾根に出る。9月と言うのに風が非常に冷たくガスも出てきた。
左奥はマッカケ岩
草付きスラブを登ります
稜線到着♪ ピークは川棚ノ頭

俎ー尾根は鷹ノ巣B沢の突き上げ地点まで踏跡は全く無い。尾根にある藪を嫌い小さく巻こうとして、赤谷川側に
引き込まれそうになった。視界が利かないときは忠実に尾根を外さないで進んだ方が良い。鷹ノ巣B沢突き上げ地点まで
くれば草木に隠れた踏跡が尾根に付いている。
1時間強でオジカ沢ノ頭に到着。相変わらず足元が滑りやすい中ゴー尾根を下り、二俣到着が5時半近く。ラスト10分
ヘッデンを付けて谷川温泉に戻った。
俎ー尾根から鷹ノ巣C沢を覗き込む
俎ー尾根は稜線を外さないように進む
オジカ沢の頭着

P.S:明るい沢で、すべての滝が直登可能。お勧め度は非常に高いですが、俎ー尾根から中ゴー尾根経由
   谷川温泉までの帰り道が長いので、日帰りで抜ける場合は、人数/メンバーの力量が問われると思います。
   1泊2日で奥のナメ沢下降or谷川本流下降などで検討してみるのも良いかも知れません。
   ザイルは、沢の下降をしなければ30m1本で充分です。残置支点は無いのでハーケンを用意してください。

遡行図(クリックしてください)

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