2013年4月28日 安倍川 白沢本谷(白ん沢本谷)

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、8mm×50m、カム 靴:アクアステルス
地形図:湯の森、篠井山
遡行図、概念図はこちら、安倍川中流部 遡行対象沢位置関係はこちら

【山やへの扉】の開設者”toshizo”さんから情報を得ての黒沢(くろんさわ)、白沢(しろんさわ)企画の二日目。白沢本谷を遡行する。。。この沢、最上部の詰めが笹密藪で
1時間強の藪漕ぎを強いられ稜線に出たのが18時との記録有・・・。また、通常、有東木村からの林道905m地点の青笹山登山口に車をデポするの一般的だが、
今回車1台でのアプローチ。そこで、笹薮帯突入前に遡行を終了して、南方向にトラバースして右俣左沢を利用して戻る計画で行ってみることにした。


6:20基点P発(沢通し)→7:20右俣出合→8:02左俣出合→10:55 2条30m滝下→12:10 1250m付近遡行終了
→12:40青笹山西尾根1236m地点→13:22 810m付近右俣左沢→15:00白沢右俣/本沢出合(左岸作業道利用)→15:40基点P着

白沢右岸の林道はスイッチバックして上がる箇所があり、小生の様にバックがにがてな人には辛いアプローチだ。。幸いフィットだと切り替えし3回で
なんとか突破できた。この林道は大堰堤まで続いており、駐車スペースは5〜6台。河原は広く、ベースとしては良い場所だ。Docomo携帯は使用可能。
Softbank携帯はかろうじてアンテナが1本立つ程度だ。

昨晩駆けつけてくれた”toshizo”さんと朝食を共にし、別れを告げる。 白沢遡行は右俣出合まで作業道が伸びており、これを利用するのが
早いが、今日は沢通しで行く。 右俣出合までは巨岩が入り混じる平凡な様相。どうもSACHさんが二日酔いの一歩手前で、調子が上がらないようだが、
それでも1時間で右俣出合に到着。右俣を作業用モノレールの軌道が横断しておりそのまま本谷左岸の尾根に上がって行くように伸びていた。
白沢基点の大堰堤
右俣出合まで沢通しで行く(カーソルあてて)
右俣にかかる作業用モノレール

右俣出合から20分程進むと、まさにここから遡行が始まるかの様に急に両岸が狭まりゴルジュとなる。ゴルジュ奥には大滝の一部が見えていた。
ゴルジュ内5mは左のバンドを利用して超え、次の7mCSは念のためザイルを出して、右壁を直登。V
ここから始まる・・・かの様なゴルジュ
5m滝は簡単
7mCS滝は右から
7mCS滝上から

ここで、左俣と本谷の出合となる。そしてこの左俣出合に白沢大滝3段100mが掛かる。南面の滝で明るく開け、上部が陽に当たり素晴らしい。
”toshizo”さんの話だと2段目までがV+で最後の水流沿いルートがX+、水流左のスラブに移れば簡単かも・・・との事。そのスラブを目を凝らしてみと、
そんなに立っていなかったので、何とかなるでしょうと、大滝登攀は予定通り明日にし、今日はここから本谷に入る。

本谷には8m滝が掛かる、水流右を空身で登っている記録もあったが、時間短縮で、水流左の不安定な岩と安定した岩の堺から3m登って滝上に出る。
白沢左俣/本谷出合(クリックして)
本谷8m滝ルート(カーソルあてて)

本谷もここからは滝が続く、5mCS、5m、6mトヨ状を超えると20m滝。。。これはとても登れる物ではないが、小さく巻く事も難しく、6mトヨ状滝上まで戻って
左岸子尾根から高巻く。7m程度の懸垂で降り立つとガレ沢になっており、右岸から6m滝で枝沢かと思いきや、こちらが本流になる。
5mCS
20m滝。左岸巻き(カーソルあてて)
20m滝上。左から入る6m滝が本流

6m滝は水流右からも登れそうだが左から超えた。5mCSを超えると、特徴的な9mトイ状。水流右が傾斜50度の見事な1枚岩になっている。
1枚岩の岩角は#.4、#.5のカムが決まる隙間が続いており、これで支点が取れそう。。。高巻くか、直登するか迷ったが、直登を選択、カムが3個あれば
楽なのだが、#.4、#.5のカムの付け替えでじりじり登る。5m弱登った所でやっと水が流れる凹角に移れ直上した。V+

この滝上で、5段50m滝になる。水流左の乾いたスラブを利用すれば安心して上がれるだろう。1段目、2段目は水流沿いを行き、3段目も
右からザイルを出していこうとしたが、折角左の乾いたスラブがあるので、ここからスラブを利用。水流側に目をやると、少しノッペリはしているが
まぁ何とか直登は出来そう。夏はお勧めかも・・・
9mトイ状
右の1枚岩から登る(カーソルあてて)
5段50m滝(クリックして)
2段目の登攀から3段目(カーソルあてて)

6mナメ、4mを超えると2条30m滝。下部がハングしているが、左の乾いたスラブから快適に超えられる。 
この後も小滝を2、3超えると、右岸から6m滝・・・と思いきや、この滝上から水がわき出ている。本流は、”ここで行き止まり”かの様な12m涸滝
水はここで完全に消える。夏場はしっかり水を汲んでおいた方が良い。12m涸滝の直登はムリで、6m滝との間から高巻く。12m滝上にはもう一つ
15m涸滝があり、一緒に巻いた。
2条30m滝
右岸から6m滝かと思いきや・・・
行き止まりの様な12m涸滝

滝上はガレて荒れており、そのまま大ガレの二俣となる、今回、白沢右俣側に下降ルートを求めるため、右に入り、水も涸れたので1250m付近で遡行終了
とし、ガレを詰めて左岸小尾根に上がった。ここから白沢右俣を分ける尾根を目指してトラバースする。涸れ沢を一つ越え、下草の無い植林帯をさらに
トラバースすると、地形図で青笹山西側に1236と書かれた幅広尾根に30分程度で到達する。この1236mポイントには作業小屋跡があった。
大ガレの二俣を右に入る(カーソルあてて)
左岸小尾根から本谷の様相
右俣/左沢へ移動。1236m作業小屋へ(カーソルあてて)

ここから薄い踏跡を利用すれば、本谷と右俣の出合、モノレールが伸びていった先まで作業道が続いていると思われる。我々は、ここから右俣・左沢
沿いの尾根を下降。もちろん沢に降りても良いでしょう。 踏跡は無いが、下草も無いので、好きな所を降りていく感じ。
沢に出たところは標高815m付近の右俣・本流と左沢の出合から少し上がった所だった。ここにはワサビ田跡があり、本流には15m滝が掛かっていた。
青笹山西尾根を下る
815m付近の右俣/左沢に到着
右俣本流に掛かる15m滝

ここから右俣は悪いところも無く沢通しで、下降できるが、8m滝が降りれず、右岸から巻く事に・・・ただ、ここからゴルジュ形相になり
トラバースもままならないので、50mザイルで懸垂し、沢床に降りる(30mザイルでも足ります)。懸垂したのはこの1回だけ。。。本谷遡行終了から
右俣/本谷出合まで降りてくるのに、休憩入れて2時間50分。。。あとは作業道利用40分で基点Pに到着することが出来た。
右俣の様相もなかなか
この滝が降りれず右岸を巻く(カーソルあてて)
本流出合に到着


P.S:白沢本谷は短い区間に滝が連続する急峻な沢です。良い沢なのですが稜線まで詰めようとすると1時間強の密笹藪漕ぎを強いられるため、
   遡行者が少なかったのかもしれません。この藪漕ぎを避け、途中で遡行を切り上げ青笹山登山口への登山道まで薄い作業道でトラバース
   している記録もありますが (トマの風の記録では1350m付近にあるとの事)、見つけにくい作業道であるそうで、今回我々の様に右俣・左沢を
   目指して青笹山西尾根を下れば確実に早い時間で、しかも車をデポすることなく本谷遡行を楽しめます。ザイルは5段50m滝を最後まで水流沿いで
   突破するなら40m以上のザイルがあった方が良いかもしれません。遡行中の幕営適地は本谷には無く、下降した右俣に若干ある程度です。

遡行図(クリックして) 白沢概念図(クリックして)

翌日の左俣 大滝登攀記録はこちら



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