2013年7月13日 丹沢 玄倉川 小川谷廊下

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:中川
遡行図、概念図はこちら  概要ムービーはこちら

世間は7月の3連休だが、小生は祝日が出勤日・・・まぁ天気が今一つ不安定だし、日曜はオーケストラの練習もあるので。日帰りで良いかなぁーと言う感じ・・・。。。
比較的天気が安定しているところを見ると丹沢くらいしかない。まぁこの暑さという事もあり、超メジャーな沢である、”小川谷廊下”に的を絞る。
実は沢を初めて13年目になるが、まだこの沢を遡行したこと無いのだ・・・。沢の本にもWEBにも数多く記録がアップされており、いまさら記録をまとめる必要性があるのか
解らないが、そもそもこのHPは日記の延長みたいな所からスタートしてるので、初志貫徹ということでまとめてみました。

18:30自宅発→20:24南越谷駅→20:51新井宿IC→(首都高)21:22富ヶ谷IC→(R246)22:00東名川崎→22:33大井松田IC→23:03丹沢湖ビジターセンター
7:15小川谷右岸林道 立間大橋直前ゲート初→7:48穴ノ平沢下降開始→8:00小川谷本流(510m付近)→10:10二段20m滝下
→12:30東沢出合(終了点)、13:35下山開始→14:21小川谷右岸林道最奥駐車スペース→14:53立間大橋ゲート

前夜移動の場合、栃木から丹沢は遠い・・・、特に北関東自動車道が開通して、上信越の沢のアプローチが格段に楽になった今、”なんで、丹沢に
こんな苦労して行かないといけないんだ・・・???” と自分で計画しておいて思ってしまうくらいだ・・・。(^_^;)
しかし、栃木に住んでて、良くあんだけ丹沢の沢に行ったもんだと思うよ・・・。

今回は首都高3号線で事故もあり、新井宿で乗った首都高をを富ヶ谷ICで降り、R246で東名川崎まで走る羽目に・・・。早く圏央道が繋がらないかなぁー
東北自動車道まで。。。まぁ、丹沢は今回小川谷廊下を遡行してしまえば、後行きたい沢は同角沢とエビラ沢だけ・・・もう少しの我慢だ!

仮眠をとった丹沢湖ビジターセンターはあまり広い駐車スペースは無く、隅に車を停める感じ。トイレ有、Softbank携帯は繋がる。

翌朝、小川谷林道に車で移動すると、玄倉川を渡る立間大橋手前でゲート。7月1日から9月30までは”神奈川県公安委員会”が通行止めを仕掛けて
いるらしい。なんで公安委員会がこんなイジメをするんでしょう? 沢屋さんが、ここでなんかやらかしたんですかね?
仕方ないので、ゲート近くのスペースに車を停めようとするが、釣師の車か沢屋の車か、結構すでに入って居る。着替えをしている沢屋さんの隣の
スペースに車を停めさせていただいた。

聞くと、行先は小川谷らしい・・・さすが超メジャー沢だ。着替えを済ませている我々が先に行かせてもらう。 立間大橋から580m付近まで小川谷右岸林道
を歩く。魚影が濃いのなら堰堤があっても玄倉川出合から頑張るが、居ない事は無いが、非常に薄いとの記録あり・・・まぁ25分くらいの登りで思ったより
楽だった。”この辺から下降しようかな”と思ったら、70m先に4人パーティを発見。地形図を見て悩んでいる様子。。。
『下るのは今でしょ!』じゃなくて『ここでしょ!』と思いながら、我々はそそくさと穴ノ平沢へ下降する。
堰堤にはすべて梯子があり、難なく小川谷の510m付近に到着、立間橋から30分強だ。どうもここで我々が本日の先頭パーティーになった様だ。
小川谷右岸林道は立間橋手前入り口から閉鎖
580m付近で穴ノ平沢へ下降(カーソルあてて)
510m付近の小川谷本谷に到着

平凡な様相を進むと、仲ノ沢が右岸から入り、早速小川谷廊下に入る。最初の2m滝は水流右から超える。上がってみると残置ロープが岩上にあり、
”やはり丹沢・・・” を思わせる。これを超えると真ん中に大岩のある4m滝。岩の右側はこれまた綺麗な残置ロープがぶら下がっていた。これを嫌って
左の水流に取りつく。左壁で1.5m程上がって水流に入ると水流中にはスタンスがある。両手で大岩と左壁で突っ張って腹まで当たる水流に落とされない
ように頑張ればOK。SACHさんは右から残置利用で上がってきた。この沢は岩が滑っていないのでアクアステルスのフリクションが良く利く・・・
小川谷廊下最初の2m(カーソルあてて)
大岩のある4m滝
左の水流に取りつく(カーソルあてて)

次の6m滝は水流左から簡単に上がる。すると急に平凡な様相に変化。。。ナメ床交じりの様相を快適に進むと、再びゴルジュに。5m滝は赤い残置
シュリンゲがぶら下がってたのでハーケン共々回収。もう1か所の残置ハーケンに長めのシュリンゲでセルフビレイを取って上がった。上でカムを決めれ
たので、シュリンゲを繋いでSACHさんに上がってきてもらった。ここも水量が多いと厳しいだろう。この先を小滝を超えると平凡になる。
意外とテン場適地もあるのには驚いた。
6m滝(カーソルあてて)
平凡な様相になります
5m滝(カーソルあてて)

3回目のゴルジュに入って4m滝は左から。そしてまた平凡な様相、4回目のゴルジュは昔は深い淵になっていたようだが、今では埋れてしまって問題ない。
5m滝は右から巻いてしまえば簡単だが、そこは丹沢、右壁に残置シュリンゲが2か所ぶら下がっており、敢えて突破させる指向となっている。
ただ、結構面倒そうで、水流左にルート見出したら、V+レベルで滝上に出れた。SACHさんは右から巻いて超えてきた。
3回目ゴルジュ4m滝(カーソルあてて)
平凡な様相から4回目のゴルジュへ
4回目ゴルジュ内5m滝(カーソルあてて)

3mヒョングリは水流を潜れるので、わざわざ潜って超えた。。。平凡な様相に変わった先で、良く見る大岩の3m滝が現れる。大岩には古いロープが
ぶら下がっており、これを利用すればなんの面白味もないのだが、SACHさんが水流すぐ左の倒木に隙間を見つけて、そこから突破。
なるほど水流が少ないとこれもあり。せっかくなので、大岩の残置ロープで下って、大岩直登にTRY。。。しかしアクアステルスでもこの岩は滑る。
最初の1段目は登れたが、そこから先が進めない。10回くらいやってダメだったので、降参してロープ使って上がった。このロープが無かったら
ハンマー投げですかね???
3mヒョングリ滝(水量少ないですね)
大岩の3m滝(カーソルあてて)
この岩アクアステルスでも登れなかったんですけど

大岩の滝上も平凡。左岸の1枚岩壁が見事だ。この先はナメ床も散見され、次のゴルジュに突入していく。昔はこの辺りの淵も深かったのだろうが
今ではほぼ埋まってしまい通過に問題は無い。水量も少なめでアクアステルスのグリップも利くのでかつては核心だったかもしれない5m弱の小滝群を
快適に超えていく。すると右岸から大コバ沢の10m滝が入る。
左岸の1枚岩壁
かつての核心部に突入(カーソルあてて)
大コバ沢出合

この先で、小川谷最大の2段20m滝が見えてくる。前衛の5m滝はツッパリで超えることは出来ず。左から安易に突破。2段20m滝は下段は左壁から上がっ
て行け、取りついてみると、残置支点が連打されていた。・・・となると、上段もボルト連打の人工ルートでもあるのかと見てみたが、それらしい残置無し。
このまま左岸を高巻くのはちょっとリスキーなので、懸垂で降りて、定石と思われる右岸リッジから高巻いた。このルートはV-レベルでザイルを
出すまでも無いが、一応このままザイルを出してリードする。
20m滝と前衛5m滝(カーソルあてて)
2段20m滝(カーソルあてて)
右岸リッジから高巻く(カーソルあてて)

22段20m滝上の二つの3mトイ状を超えると癒し系の様相に変化。適当な場所で焚火休憩をする、そういえば少なくとも後続パーティーが二組居るはず
だが一向に来ないなぁ・・・。。。
2段20m滝上の3mトイ状
癒し系になります
魚影は全く無し

この先は、小滝ばかり。しばらく進むと顕著な二俣。水量比は(1:2)で左はデッチ沢と言うらしい。奥に堰堤が見える。ここを右に入って回り込むと
5m滝。奥に壊れた石積み堰堤が見える。どうもこの堰堤が小川谷廊下の終了点目印らしい。手前の5m滝は水流右にシュリンゲがぶら下がっていたが
これを回収して、水流を両手両足ツッパリで直登する。 崩れかけた石積み堰堤を抜けると急に明るい河原状に変化。モチコシ沢等の下降に使う
東沢出合もすぐだ。
デッチ沢出合(右に入ります)
最後の5m滝(カーソルあてて)
終了点です。(カーソルあてて)

時間も早いので、またまた焚火休憩。コーヒーくらい持って来ればよかった・・・
下山は右岸の作業道。沢から50m以上離れた所を通っているので、見つからなかったら沢沿いでは無く山側に向かって歩くと見つかるだろう。
いまだにこの道は皆に歩かれ明瞭だ。
広河原で大休止
帰ります。
夏を除けばここまで車が入れます

P.S:小川谷廊下は、かつては意外と手ごたえがあったのかもしれませんが、残置が多く、今では超メジャーな沢を通り越しアトラクション化してます。
   まぁ道具の進化も大きいのは言うまでもありません。こんな沢もアリでしょう。今回は他の記録と比べると水量が少ない様です。
   ザイルは30m1本でOK。アクアステルスに有利な沢で間違いありませんが、”アトラクション”なので、フェルトで頑張るのも良いかも。
   平水であれば、泳ぎは無いので夏以外のすいてる時期に行くのもお勧めできます。

遡行図(クりックして)



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